May 04, 2011

自転車を作るのも趣味のうち

今乗るのものとは違う種類の自転車に乗りたくなることはないでしょうか。


それがMTBとか小径車など一般的な車種ならば、新規に購入することも選択肢になると思いますが、リカンベントとかタンデムバイクなどだと、なかなか購入に踏み切れない場合もあるでしょう。でも、そういう自転車にこそ、一度は乗ってみたくなるという心理もあると思います。

ならば、買わずに作ってみるという方法があります。2回にわたって取り上げた“www.instructables.com”ですが、自転車の面白い改造事例がまだまだたくさんあります。もちろん、全部を取り上げるのは到底無理ですが、せっかくなので特徴的なもの、ユニークなものなどをピックアップして、もう少し取り上げてみたいと思います。

これまで、自分なりに自転車をカスタマイズする例、不便な部分を解消する工夫の例、ということで取り上げましたが、今回は自転車そのものを改造する例を中心に取り上げてみたいと思います。自分の乗ってみたい自転車につくり変えてしまう事例です。

手作りリカンベント

リカンベントに興味を持つサイクリストは少なくないでしょう。ただ、いきなり完成車を購入するのは、ためらわれるので、古い自転車を使って、自分で作ってみるのも手かも知れません。クランクの位置とシートの場所と形状を変えれば、普通の自転車も立派なリカンベントになります。そう考えると、意外に身近な感じがしてきます。

前輪駆動自転車

リカンベント型にするため、クランクを前方に出します。しかし、駆動輪が後輪のままだと、長い距離をチェーンで接続しなければなりません。あまりに長いチェーンはトラブルの元ですし、メンテナンスも大変です。そこで誰もが考えつくのが、前輪駆動という方法なのかも知れません。

前輪駆動リカンベント

リカンベントは足の力が伝わりやすい姿勢なので、スピードが出ます。仰向けの姿勢は、風を受ける面積が減って空気抵抗が小さいのも利点です。そこで、さらに抵抗を小さくするために、風除けの為のフードをつけたくなる気持ちもわかります。

フード付きリカンベント

仰向けに寝そべった姿勢なので、サドルに体重が集中してお尻が痛いということもありません。普通の自転車とは違って背もたれがあり、椅子に座る姿勢に近いこともあって、シートに凝ってみようという発想になるのかも知れません。ソファというのは極端ですが..(笑)。

ソファ自転車

2人乗り自転車、タンデムバイクも、一度は乗ってみたい自転車なのではないでしょうか。これも工夫次第では自作も不可能ではありません。市販のものもありますが、一般的に高価です。まずは、古い自転車を使って、自分で作ってみる手もあります。

タンデムバイク

こちらは、2台の自転車をつなげるだけ、誰でも比較的簡単につくれそうです。3輪のタンデムということになります。

3輪タンデム

2人乗りは誰でも考えますが、別に2人に限る必要はありません。こちら、5人乗りにしたいと考えた人もいます。4人がペダルをこいで、1人がハンドリングします。4頭立ての馬車のようなスタイルです。4倍速いわけではないですが、グループで乗るというのも楽しそうです。

5人乗り自転車

さらに、9人乗りにした人もいます。野球チームでも1台で移動出来ます。車輪は6輪です。一人でも乗れるので、マイクロバスのように使えそうな自転車です。

9人乗り6輪自転車

多人数乗りの自転車をつくろうというのは、比較的ポピュラーな発想ですが、そのほか、意外に多いのが音楽に関連する改造です。スピーカーを載せ、屋外でも大音量の音楽をかけ、みんなで歌って踊って盛り上がるための、音響装置としての自転車ということのようです。

スピーカー自転車

歌って踊るための自転車とは、ちょっと日本では見ないスタイルだと思いますが、いわゆるラテン系のノリなのでしょうか。

スピーカーそのまま

ただスピーカーを載せたものから、移動しやすいよう工夫されたものまで、いろいろなスタイルがあります。

スタイリッシュスピーカー

このパーティー用の自転車が1台あれは、どこでも路上パーティーです。

パーティー自転車



スピーカーを載せれば、どうしても大きく重くなります。ハンドリングも悪くなりますし、自転車としての軽快さが損なわれることになります。その点、こちらは板状のスピーカーを使うことで、機能性と音楽性をうまく両立しています。軽いですし、空気抵抗の点でも優れています。

板状のスピーカー

野外にもスピーカーを持ちだし、「どこでも音楽を。」ということなのでしょう。さらに高じて、ナマの音を求めるならば、こうしたスタイルに行きつくのかも知れません(笑)。ドラムセットを搭載した自転車です。野外での演奏後、そのまま移動出来て便利と言えば便利です。

ドラムセット

こうした改造は、誰にでも出来ることではありません。そこで、まず自転車用品の改造あたりから始めてみるのもいいでしょう。例えば、バックミラーの取り付けです。それも自転車にではなくヘルメットなどに取り付けるものです。こうした工夫が多いのは、いちいち後ろを振り返るのが面倒という人が多いからなのでしょう。

バックミラー

サングラスに取り付けるというスタイルもあります。

サングラスミラー

クルマなどに載せる、後方確認の出来る映像装置をリアビューモニターと言いますが、こちらは「ピアビューモニター」と名付けられています。ビールのフタを使っているからで、つまりシャレです。オヤジギャグと言ったほうがいいかも知れません(笑)。

ビアビューモニター

安全の為には、振り返って目視したほうがいいのは間違いありません。ただ、どうしてもモノグサになってしまうのが人間の習性なのでしょう。メンテナンスについても例外ではありません。定期的にチェーンに注油するのが面倒なので、自動にしてしまえいうアイディアです。

自動注油機

ほかに自転車回りの改造で多いのは、やはり今どきのモバイル事情もあって、ケータイやスマートフォンの充電ということになるでしょうか。しかし、ハンドルに取り付けて、乗りながら使用するのは危険なので、下の装置のように乗車中には充電に専念し、目的地に着いてから使って欲しいものです。

充電

自転車の部品を流用して何かをつくる人もいます。何をつくるかアイディア次第ですが、例えば、下の例はバスケットのゴールです。ゴールリングは自転車のホイールを使い、そのほかハンドルやフロントのフォークなど、うまく生かしています。

バスケット

現実的なものからユニークなものまで、手軽なものから本格的なものまで、改造と言ってもアイディアは無数にあります。もはや、改造そのものが趣味と言えるようなものも少なくありません。こちらは、映画トロンに出てくるような、フレームそのものが光る自転車です。

トロンバイク

こちらは、なんと自転車をフォークリフトにしてしまっています。場所によっては自転車のほうが小回りが利きますし、便利と言うことなのでしょうけど、動画を見ると、そのアイディアや改造自体を楽しんでいる感じがあります。いろいろ改造しているうちに趣味になってしまう人も少なくないのでしょう。

自転車フォークリフト



一般的に日本人は、手先が器用で物づくりが得意、また細部にこだわるという伝統文化があると言われています。確かに、こうして見ていると、何か触発されるもの、日本人のDNAが刺激される部分もある気がします。案外、始めてみれば敷居は低いのかも知れません。





ゴールデンウィークまっただ中です。せっかくの休みに、あまり堅い話もなんなので、サイクルロードもGWモードということで、自転車改造特集をシリーズでお送りしています(笑)。

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この記事へのコメント
まさに今、メリダにUSB電源を搭載して携帯の充電テスト中です。
http://blog.goo.ne.jp/tonsan2/e/90e1ede6d304ac57b9120afa18ddc696
ネットで調べてもハブダイナモで携帯を充電している人は意外と見つかりません。
Posted by トンサン at May 06, 2011 05:19
トンサンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
サイトを拝見しました。電気まわりに詳しく、手先も器用でないと、なかなかこうした改造は出来ないと思います。うらやましい限りです。
ハブダイナモで充電ですか。見かけない理由には、何か電気的な特性の問題があるのでしょうけど、私にはさっぱりわかりません。
重複分を削除させていただきました。プログのサーバーの調子が悪かったようで、ご迷惑をおかけしました。
Posted by cycleroad at May 06, 2011 23:33
自転車を2台連結して3輪のタンデムとは驚きです。

出来そうですが・・・?

いつかはやってみたいですね。

Posted by 二浪独河 at May 07, 2011 11:00
二浪独河さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
簡易タンデムですが、ちょっと盲点と言うか、目からウロコの部分かも知れませんね。
いろいろ、触発されるものがあるかも知れません。
Posted by cycleroad at May 07, 2011 23:21
 いつも楽しげな自転車の紹介をして頂き、ありがとうございます。

「自転車を作るのも趣味のうち」
というのは、全くその通りだと思います。自転車の場合、
自動車やバイクと違って不正改造と言われることが基本的に
無いので、自由な発想で組み上げることが出来るのは大い
なる魅力です。

 私も自作や改造は大好きで、今年は3台のヘンテコ自転車
を作りました。あくまでも自分で楽しむためと「遊び」です
が、面白がってくれる人もいるし、「ママチャリ改造」とか
の検索ワードで来訪する方もほぼ毎日おられます。

「どうやったら良いか分からないけどやってみたい!」

といった思いを持つ人が多いのでしょうね。

 それにしても、sycleroadさんの情報収集力にはいつも
感心しています。
Posted by ファーマー佐藤 at May 11, 2011 20:38
ファーマー佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いろいろ改造や自作をされているようですね。サイトを拝見しました。
確かに、車検があるわけではないので、安全性さえ確保できれば、自由に発想を膨らませることが出来るというのは、あるのでしょうね。
私もそうですが、多くの人は、自分でもやってみたいという部分が、多かれ少なかれあるのだろうと思います。ただ、同時に、ちょっと自分には出来そうにないというのがあるのではないでしょうか。
興味はあっても、器用さや知識、ある程度の技術が伴わないと難しいでしょうし、敷居の高さを感じる人は多いだろうと思います。
今年だけで3台ですか。器用な方がうらやましいです。
Posted by cycleroad at May 12, 2011 22:54
日頃、大変興味深く拝読させていただき感謝いたしております。
写真のように自由な発想から市販車がないのであれば、造ってしまおうというのがすばらしいですね。

ところで、小生は、老齢を向かえ、2007年からロードバイクを降り、クロスバイクに転向しました。しかし、クロモリ製の満足のいくものがなく、やむなくアルミ製のものに乗っています。
イタリアの老舗工房のには、乗るだけではなくデザイン的にも優れたものが沢山あるのことは申し上げるまでもございません。しかし、日本独特の”ブーム”でもあるクロス用のフレームはなさそうです。”美しいクロスバイク”を求めるのは邪道だと言われてしまえばそれまでのことで、国内のビルダーの中には、優秀な方がおられのも承知しておりますが、イタリアデザインのクロスバイクをロード並みの価格帯で入手できる手立てはないものでしょうか。
的を外れたコメントで申し訳ございませんが、他に適当なカテゴリがなかったので、参考とさせていただけるようなご意見等を頂ければ幸いでございます。
Posted by panag at February 07, 2012 09:57
panagさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
発想が自由で、自転車は買ってくるものという概念にとらわれていませんね。
硬いアルミではなく、クロモリの乗り心地を求めるということでしょうか。最近は、カーボンなどいろいろな素材が増えた一方、クロモリなどの選択肢は少なくなっている傾向は否めないようですね。
個人輸入ということでしょうか。あいにく、自転車のフレームを個人輸入したことはないので、そちら方面については心当たりがありません。
雑誌やネットなどで情報を探すか、大きめのプロショップなどで聞いてみるくらいしか思い浮かびません。お役に立てず、申し訳ありません。
Posted by cycleroad at February 07, 2012 23:37
 
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