スポーツには、それぞれ専用の靴を使うことが多いと思います。
サッカーや野球、陸上競技などであれば、それぞれのスパイクシューズです。土のグラウンドや芝のピッチ、全天候舗装されたトラックなどで履けば、優れたグリップ力を発揮します。最近は中学生どころか子供でも、スパイクシューズを履いてサッカーの練習をしていたりします。
ただ、スパイクシューズだと、舗装された場所を通る時に、ガチガチと金属音が響きます。うるさいですし、雨で濡れていたりすると、滑って危険なこともあります。スチール製の外階段などだと、網状の部分の穴に引っ掛かって転んだり、足を捻ったりという危険性もあります。
移動の際には、スパイクシューズを履きかえたほうがいいわけですが、いちいち履きかえるのも面倒という時に便利なのが、“
Cleatskins”です。スパイクシューズの上から履くように装着し、スパイクの部分をカバーします。普通のスニーカーなどと同じゴム底になるので、安全というわけです。
よく、スケートの選手が氷上の滑走が終わり、リンクから上がる時に、ブレードの部分にカバーを取り付けているのをテレビで見ます。それと同じような感覚でしょうか。言われてみれば、なんてことはない工夫ですが、なるほど、カバーをつけるというのは簡単ですし、理にかなっています。
面白い商品ですが、実は自転車用もあります。自転車に乗るのにビンディングペダルを使っている方なら、自転車から降りて地面を歩く時の、ビンディングシューズの歩き難さは経験済みでしょう。この“Cleatskins”を使えば、コンクリートの部分で滑って転倒したりするのも防げます。
一般的には、ビンディングシューズをご存じない方も多いと思いますが、街でヨチヨチと、ペンギンのような歩き方になっているサイクリストを見る事があるかも知れません。あれはビンディングシューズと言って、ペダルに固定するための靴を履いているのです。
スキーの板にスキー靴をビンディングで固定するのと同じようなものです。常にペダルに足が固定されますから、ペダルを踏み外してしまうようなことがなくなります。いわゆる引き足も使えるようになり、俗に、ペダリングが3割ラクになり、3割スピードが速くなると言われています。
最初は、止まる時にシューズがペダルから上手く外れずに、止まったまま倒れる、いわゆる立ちゴケをする人もありますし、怖く感じるかも知れません。街をポタリングするような場合には、かえって不便ですが、ロングライドやツーリング時など、走行に専念するような時には便利で手放せないという人も少なくありません。
そんなビンディングシューズですが、地面を歩くように出来ていないのですから、歩きづらいのは当然です。クリートの部分も滑りますし、靴底も滑らないようになっていません。一部、歩きやすいものもありますが、ほとんどの時間を自転車の上にいるなら、ペダリング優先になっているのが合理的なのです。
靴底自体がペダルをこぐのに向くよう、あるいは疲れにくくなるよう固くなっています。歩く時に靴底が曲がらないのも、歩きづらい要因です。それでも、こうしたカバーをつけることで、一部でもゴム底になれば、滑りにくくなって、歩きやすくなるだろうと思います。
ビンディングシューズが歩きにくいのは当たり前であり、仕方がないと思っていましたが、確かにこんなアイテムがあれば便利かも知れません。最初からゴム底がついていてもいいわけですが、少しでも重量が減ればペダリングもラクになりますから、止まって歩く時に装着すればいいでしょう。
こちらは、自転車のチェーンロック、“
TiGr”です。しかし、チェーンではなく、帯状の金属が使われています。薄いので、走行中は、ご覧のように自転車のフレームのトップチューブに沿って装着しておくことが出来ます。チェーンロックのように、自転車に取り付けて走行していても目立たないのがスマートです。
盗難被害がひどい海外では、格安のママチャリでなくスポーツバイクに乗る人も多いので、華奢な女性でも自転車をロックするための太い鎖を身体に巻き付けて走っていたりします。細いワイヤーなどでは、すぐに切られてしまうので、盗難に対して自衛するには、ある程度頑丈なチェーンを携行する必要があるのです。
日本でも最近は、シャレたカバーがついているものの、頑丈なチェーンを身体に袈裟がけにして走行している人も見るようになりました。盗難防止のためには必要なわけですが、重くてかさばるのも事実です。盗難防止効果と重さがトレードオフなのは仕方がないところでしょう。
ところが、この“TiGr lock”、材質はチタン製で、十分な盗難防止効果を備えつつも軽く出来ています。最近、自転車のフレームでチタン製のものもあります。実はチタンという金属、鋼鉄以上の強度を持つのに、重さは鋼鉄の半分以下という素材なのです。
また、安定した化合物として強い耐蝕性を持ち、酸やサビにも強い素材です。超硬合金にも使われる金属であり、他の金属に比べて、金属疲労も起きにくいと言います。チェーンロックの素材としては理想的であり、自転車用としても、フレームにだけにしか使わないのはもったいない話なのです。
弾力性のある形状になっているため、万力などで両端を固定しないとノコギリなどでは切断しにくくなっているのも効果的なのでしょう。全く切断出来ないわけではありませんが、切断するためには、鋼鉄製のチェーンなど以上の時間が必要になるほど丈夫です。
見た目は頼りない気がしてしまいますが、十分な強度を持つと言います。こちらはまだ商品化には至っていませんが、製品化に向け出資を募っている段階です。どんなロックであれ、盗難防止の為には重いのが当たり前と思いがちですが、必ずしもそうではないのかも知れません。
もう一つ、こちらは直接自転車に関連する商品ではないですが、自転車まわりにも使える補修材です。自転車は基本的に、どこかが破損してもパーツを交換すればいいようになっています。重要なパーツ、構造的なパーツが消耗したり破損したりした場合は、安全面からも交換すべきでしょうが、そうではない場合もあります。
あまり重要でないパーツの一部が欠けただけ、一部を紛失しただけなのに、その部分を単品では売っていないような場合もあります。全部買い直すのも、もったいないというケースです。そんな時に、この“
sugru”があれば重宝します。ちょっとしたカスタマイズなんかにも使えます。
例えば、ベルは通常、ハンドルバーに取り付けるようになっていますが、これを使えばハンドルを握ったまま鳴らしやすい位置に取り付けることも出来ます。使い方は、粘土状になっている“sugru”を必要な形にして、ハンドルバーとベルを接着するように取り付け、固まるのを待つだけです。
ハンドルのグリップ部分の形状が気に入らない時、自分に合わせた形状にした“sugru”を取り付けることも出来ます。ちょっとしたサドルの破損の補修とか、ライトをハンドルに取り付ける部分の台座の補修といった用途にも使えます。これは案外便利かも知れません。
ネット上で見つけた、ちょっと気になる製品を3つ取り上げてみました。ビンディングシューズは滑りやすいのが普通、チェーンロックが切断されない為には太くて重いのも当たり前、パーツの一部が壊れたり、失くしたりしたら、パーツ全体を買い直さなければならないのも仕方がないと思っていた人でも、ちょっと見方が変わるでしょう。
これまで、当然と思っていたため、たいして不便とは感じて来なかった人でも、こうして製品を見てしまうと、急に不便に感じてきたりするのではないでしょうか(笑)。これまで当たり前のように使ってきたわけですが、まだまだ自転車用品にも、改良や工夫の余地が隠れているのかも知れません。
つる性の植物が品薄だそうです。今年は都会でも青々とした光景がひろがるのでしょうか。