November 09, 2011

自転車関連の市場のひろがり

11110901サイクルモードは自転車本体だけではありません。


パーツや自転車用品から関連する商品も含め、さまざまなブースが並んでいます。そうしたグッズやサービスなどを見て歩くのも楽しいものです。前回は自転車本体を中心に取り上げましたが、それ以外の展示についても写真をとってきましたので載せておこうと思います。

自転車を構成するパーツについても、各社から新しいモデルを中心に多数展示されていましたが、自転車本体と同じように、それらを一つひとつ取り上げていくとキリがありません。ここではパーツ類やバッグ、ヘルメットなど、定番の自転車用品については省略しようと思います。

それ以外のもののなかから、ちょっと目に付いたもの、目立っていたものなどをピックアップしてみます。まず、今年展示が増え、とくに目立っていたのは自転車用ナビでしょうか。既に以前から製品化しているメーカーに加え、新たな企業の参入で、ユーザーの選択肢が大幅に増えています。

GarminGarmin

クルマ用のナビメーカーや家電メーカーなど、これまで自転車向けの製品を出していなかった企業も相次いで参入しています。

AtlasAtlas

実際、自転車にナビを取り付ける人は増えているのでしょう。各メーカーとも力を入れており、成長が見込める市場と見ているのは間違い無さそうです。

PioneerPioneer

各社は、小型化やバッテリーなどの性能の向上、サイクルコンピューター機能の充実、通信機能を搭載など、それぞれの製品の特徴を来場者へアピールしていました。

NavitimeNavitime

専用端末だけでなく、いま普及が広がっているスマホを自転車に取り付けて使う、ナビ・アプリもユーザーの獲得のため、大きなブースを出しています。専用端末を買う必要がないというメリットがあります。

サイコンもスマホ収納用

サイクルコンピュータも大画面化、高機能化の方向に進化しています。スマホなどを入れてハンドルに取り付けるバッグや固定するためのアクセサリーなど、関連製品、周辺商品も広がっていくことでしょう。

名入りヘルメットゴーグル一体型

最近、各方面で自転車を活用しようという人が増えたことを反映してか、新しい商品やサービスを開発する動きもあります。これまで、あまり注目されなかった、例えばヘルメットなども、企業向けに名入れサービスとか、ゴーグル一体型など、今まで見なかったものが少なくありません。

アイウェアも新たな参入メーカーも

新しく自転車用の製品を開発して、サングラスなどの自転車向けアイウェア市場に参入しようという企業も増えているようです。今まで、自転車用品メーカーとしては聞かなかったメーカーのブースもあります。

マスク度付きサングラス

自転車通勤する人の拡大もあるのでしょう。排気ガスから喉を守るマスクなども提案されています。なかには、その場で検眼して、来場者に販売する業者までありました。

LED付きバックミラーいろいろなハンドルに対応

車道通行するようになると、駐車車両などを回避する際にバックミラーが欲しくなる人も増えるかもしれません。こちらはLEDで光るようになっており、夜は車幅灯のような役割もします。

インフレーターパンク修理用品

空気入れやパンク修理用品など、定番の商品にも、これまであまり目にしなかったメーカーのものが出展されています。

工具スタンド

こだわりの工具類や携帯用のスタンドなどもあります。

フィッティングインソール

ビンディングシューズのフィッティングコーナーは、今年も盛況のようでした。シューズの中敷のメーカーも出展しています。自転車専用ではないですが、全般的にスポーツ用のシューズには、意外と役立つ場合が多いアイテムです。靴のフィッティングに悩む人は、インソールを見直してみる手もあると思います。

ビデオカメラハイドレーション

自転車で動画を撮影しようというニーズも増えているのかも知れません。ほかにもGPSと連動するタイプなど、自転車用の製品も出ています。自転車でハイドレーションを使う人は限られるかも知れませんが、場合によっては役に立つアイテムでしょう。

音楽プレーヤー木のグリップ

スピーカーを内蔵した携帯音楽プレーヤーは、道交法に違反せずに音楽が聴けるわけですが、果たしてニーズを掘り起こせるでしょうか。

車載用固定具フォールディングロック

自転車をクルマに載せて出かけたいという人向けの製品もありました。クルマのタイプによっては、キャリアをつけるより車内に積むほうがラクです。必需品のロックにも新しい商品がいろいろ出ていました。

新素材注入タイプ

ノーパンクタイヤも、選択肢が増えているようです。タイヤチューブ内に注入するタイプ以外に、ポリマー樹脂で出来た、チューブの必要のないタイヤもあります。

室内保管用壁取り付けタイプ

自転車歴が長くなると、所有台数が増え、収納に悩む人も多いに違いありません。室内保管用の縦置きスタンドや、壁に取り付けるアーム型のものなど、駐輪や保管のニーズをにらんだ製品も増えています。

駐輪スタンド力を入れずに持ち上がり縦に収納

個人宅や集合住宅でも、駐輪スペースは限られるでしょうから、家族に自転車に乗る人が増え、台数が増えれば、こうした省スペース型の製品のニーズも高まりそうです。

自転車保管箱自転車保管箱

ちょっと面白いのが、ダンボールで出来た自転車用の箱です。これまでレース出場などで、自転車を宅配便で送る時、袋より安心ということをアピールしていました。今回は、押入れなどでの保管に使えることをアピールし、さらにシーズンオフなどに宅配便でこの会社に送れば預かってくれる保管サービスまで始めたようです。

輪行袋自転車用バッグ

輪行を楽しむ以外にも、自分の住む地域以外のレースやイベントに出場したり、旅行先に自分の自転車を持っていったりするような楽しみ方も増えていくことが見込まれます。輪行袋だけでなく、自転車を運ぶバッグなどの需要も増えていくのかも知れません。

沖縄スイス

当然、そうしたトラベル・サイクリストを取り込もうという観光地やツアー会社の売り込みにも力が入ります。しまなみ海道などの定番の場所以外にも、自転車ブームに注目する観光地は増えているようです。以前取り上げた、“Magic Wheel”も見かけました。自転車の専門学校は、いよいよ来年スタートのようです。

Magic Wheel専門学校

こうして見てくると、直接・間接に自転車に関連する製品やサービスは意外にいろいろあることに気付きます。しかも、それは年々増えている感じです。今までなかった製品が発売されたり、既存のものでも種類が増えたり、新たに輸入されるアイテムが増えたりしています。もちろん、ここで取り上げられなかったものもたくさんあります。

クルマ産業などと同じように、自転車に関連する産業も、案外幅が広く、裾野が広いと言えるのかも知れません。当然ながら、クルマ産業とは規模的に比べるべくもないでしょうが、自転車ブームの波及効果は、直接、間接に関連する市場へと広がっているようです。

日本は、もともと自転車に乗る人が多い国ですが、単なるアシとしてママチャリを使う人が大多数でした。それが近年、趣味で自転車に乗る人が増えたことで、これまでニッチでマイナーだった製品の市場規模がふくらんでいるのは間違い無さそうです。市場が大きくなれば参入する企業も増えます。

市場のボリュームが厚くなれば、新たなニーズを掘り起こそうと、商品やサービスを開発する企業も増えます。消費者としても、これまでより選択肢が増え、趣味の自転車生活の充実につながります。市場が活性化することで、価格もリーズナブルになることが期待されます。

最近、急激に自転車利用者が増えたことでいろいろ問題も起きていますが、我々サイクリストにとって、ユーザーの人口が増えること自体は、長い目でみて悪い傾向ではありません。自転車やその関連市場が活性化すると、それがまた新たに趣味の自転車に興味を持つ人を増やします。いい循環にあると言えそうです。





イタリアのベルルスコーニ首相もとうとう退陣ですか。首相の在任期間も長ければいいというわけではありませんね。

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この記事へのコメント
こんにちは。

私も幕張へ行ってきました。本記事にもあるように製品デザインにせよ関連サービスにせよ、それまでの自転車(趣味)にありがちだったある種の自己完結性から他者との関わりあい重視へのシフト、今後更に強まるのではないでしょうか。

より多くの人が出入りしなければその環境は改善されないのだそうです。ここ暫くだけでも自転車に係る嫌な話を幾つも聞きましたが、それらが「これから」へ向かう途上である程度は起こり得る、甘受・克服せねばならないリスクなのかはまだよく分かりません。
Posted by alaris540 at November 11, 2011 16:57
cycleroadさん こんばんは。
とりとめもない投稿で恐縮です。

先日出張でコペンハーゲンへ行ってきました。
市内の自転車道はかなりの確度で完備されています。
それよりも、自動車と人とBikeの、共存しようとする
考え方とか、マナーがしっかりしているように思えました。
全てがそうではないかもしれませんが。

老若男女、この寒空にBikeで走り回っていました。
しかしながら、姿勢の悪い人は一人としていません。
ママチャリのようなBikeでもサドルの高さ調整もばっちりです。
チェーンの注油も、タイヤの空気圧も。
スーツにコート姿の男性が、バッグをリヤホイールのサイドに固定して
颯爽と走って行く姿は、かっこ良かったなー。

...

載せて頂いた車にGPS(=Navi)が付いていました。
「Germinって知ってますか?」って聞いたら、
「...」無言で、指で、”これがそーだよ” って。
二人で笑っちゃいました。

...

自転車関連機器が充実しているから自転車が利用されるのか、
自転車が利用されるから、自転車関連機器が充実して行くのか。

...

私が交差点でBikeShopの写真を撮っていると、
脚が細くて、ながーーい女の子が信号待ちで、私を見ていました。
にっこりと笑ってくれました。
Posted by Fischer at November 11, 2011 23:08
alaris540さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
行かれましたか。関東近県の方は、出かけられた方も多かったでしょうね。
なるほど、自己完結型から関わりあい重視型ですか。そういう見方も出来るかも知れません。
急に利用者が増えた部分もあって、問題が起きるのも当然でしょうが、おっしゃるように、問題が看過できない状況になって、対策を講じることで環境の改善をもたらすことにつながっていくのも確かでしょう。
これからに向かう過渡期と考えたいですね。
Posted by cycleroad at November 12, 2011 23:19
Fischerさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
出張お疲れ様でした。コペンハーゲンは、本当に優れた自転車先進都市ですよね。
移動手段として自転車を使うのは当たり前というコンセンサスが、行政にも市民にもいきわたっていて、それがマナーにも反映しているのでしょう。
クルマの税金が非常に高く設定されていて、都市でクルマを所有するのは割に合わないこともありますが、自転車通勤・通学する人も4割にのぼりますし、当たり前のように自転車が選択されています。
それを支える環境として、自転車レーンが手厚く整備され、整備されているだけでなく、例えば雪が降ると、行政は真っ先に自転車レーンの雪かきをします。
自転車はまさしく交通であり、そのことが当たり前のように受け入れられている結果なのでしょうね。
交通手段として自転車があるため、自然と効率も追求されますから、乗車姿勢やタイヤの空気圧も日本と違ってバッチリなのも、当然と言えば当然なのでしょう。
デンマークは環境先進国でもあり、国や国民として自転車という選択がハッキリしているからこそ、自転車が使われるわけで、だから自転車関連の機器やサービスも充実するのだと思います。
もちろん、そのことでまた自転車が、より乗りやすくなっていくのでしょうね。
Posted by cycleroad at November 12, 2011 23:42
はじめまして、飛騨里山サイクリングの大沼と申します。
blogを拝見させていただき、是非ツアーのご紹介をさせていただけないかと思い、書き込みをさせていただきました。

私たちも今月の初めに幕張メッセで行われたサイクルモードに行きまして、ブースを出しておりました。

飛騨里山サイクリングは、飛騨地域を中心として、ルイガノを使った少人数のサイクリングツアーを催行しており、地元に精通したガイドが、ふだんの町歩きでは行けないようなディープなスポットへご案内させていただいております。

■飛騨里山サイクリングweb
http://www.satoyama-cycling.com/

■飛騨里山サイクリングfacebookページ
http://www.facebook.com/SatoyamaCycling

これからのシーズン、飛騨は冬に向かいますが、雪が積もってくる12/20頃まではツアーは毎日催行予定です。
冷たい風を切って走るポタリングで里山ぐらしを体験していただける、今シーズン最後の機会となりますので、ご都合よろしければ是非遊びに来ていただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。突然の書込み失礼いたしました。

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飛騨里山サイクリング by 株式会社美ら地球(ちゅらぼし)
大沼 真弓
Tel: 0577-73-5715 Fax: 0577-73-5717
URL: http://www.satoyama-cycling.com/
Blog: http://hsc811.blog52.fc2.com/
Twitter: http://twitter.com/satoyamacycling
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Posted by 飛騨里山サイクリング:大沼 at November 18, 2011 16:53
飛騨里山サイクリング:大沼さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
サイクルモードに出展されていた団体の方ですか。
岐阜には知り合いもいて、たまに行くことがあるのですが、最近はご無沙汰しています。飛騨の里山サイクリングも良さそうですね。
わざわざ、ご紹介ありがとうございました。
Posted by cycleroad at November 18, 2011 23:22
こんにちは。
飛騨里山サイクリングの大沼です。
今月幕張メッセで行われたサイクルモードに私達の会社個人で出展しておりまた。飛騨里山サイクリングと飛騨をPRしておりました。

飛騨には、白川郷、奥飛騨温泉、五色ヶ原の滝など、のんびりできる癒しのスポットもたくさんございますので、機会がございましたら、サイクリングと兼ねてぜひゆっくり一休みしにいらしてください。

今度ともよろしくお願いいたします。


Posted by 飛騨里山サイクリング:大沼 at November 23, 2011 12:44
飛騨里山サイクリング:大沼さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
出展されていたのは知っています。ブースも拝見しました。
白川郷もいいですね。さすがに、そう頻繁には行けないですが、また行きたいと思っています。
Posted by cycleroad at November 23, 2011 23:44
 
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