北日本などでは積雪で、すでに自転車に乗る季節は終わりという方も多いと思います。関東などでは、時折り暖かい日があったりしますが、自転車通勤などを除けば、この時期、休みの日も自転車では出かけずに、もっぱらシーズンオフのメンテナンスという方も多いかもしれません。
ふだんのメンテでは行き届かない部分を分解清掃したり、来シーズンに備えて、痛んだパーツの交換などをしている方もあると思います。磨耗したチェーンや伸びたワイヤー、そのほか劣化したり交換時期に来たパーツを交換して、自転車パーツの廃品が多く出る時期かもしれません。
痛んだパーツ、劣化した部品も平たく言ってしまえばゴミですが、なかには捨てずに再利用しようという人もいます。そんな例は、これまでにもいろいろ取り上げて来ました。今回は、廃品のパーツを『芸術』に再利用している例を取り上げてみようと思います。
こちらは、Matt Shiley さんの作品です。自転車のパーツを再利用したラックや椅子などの家具を作って、“
Kelly Drive”というサイトで販売もしています。
その名も“ReCycle Rack”と名づけられたハンガーラックは、ブレーキレバーやシートステー、フォークなどを実に上手く使っています。遠めには自転車のパーツを使っているとは気がつかないくらいです。椅子も、洒落た感じに仕上がっています。
一見、誰でもできる簡単な工作に見えなくもないですが、余ったパーツをただ使っただけでは、なかなかデザイン的にもシャレた家具にはなりません。値段も、数十万円という値段がついています。リサイクルの家具ではなく、あくまでインテリア・アーティストの作品、芸術作品なのです。
こちらは、
Edouard Martinet さんの作品です。 廃パーツを材料にしているのに、生物学的にも驚くほど本物そっくり、形が忠実に再現されています。
よく見ると、確かに自転車のパーツが使われていることがわかります。例えば下の鳩の尾はチェーンカバーです。
自転車のパーツだけでなく、クルマやオートバイ、身の回りの金属製品なども使われていますが、廃品を利用したとは思えません。
わざわざ、この作品のために作ったパーツで作られているのではないかと思えるくらいです。
チェーンやフォークは、比較的すぐ気づきます。
実は、それ以外にもスポークやフェンダー、チェーンカバー、ライトやリフレクターなど、さまざまなパーツが使われています。
それぞれの生物のボディや手足の特徴をうまく捉えているのは、言うまでもありませんが、各パーツの大きさの比率が合わなければ、これほど正確で写実的にはならないはずです。
うまいパーツを探してくるだけでも大変です。加えて卓越した技術で作られた芸術作品と言えるでしょう。
こちらは、韓国の
Yeong-Deok Seo さんの作品です。
パッと見ただけでも優れた彫刻であるのがわかりますが、近寄ってビックリ、なんとチェーンだけで出来ています。
チェーンだけで、これほどの造形が出来るなんてと、誰もが驚くに違いありません。
他の2人もそうですが、ここまでいくと、廃品利用とかリサイクルという範疇を超えています。まさに自転車のパーツを使った芸術と言えます。
自転車のパーツを、思いもよらない使い方で素晴らしいアートにしています。
3人のアーティスト、言わば、「自転車パーツの魔術師」を取り上げてみました。私たちがパーツ交換で、不要になった部品が出ても、ちょっと真似のできない作品ばかりです。その意味では、あまり参考になりませんが、いらなくなった自転車のパーツを、全く違う何かに使えないかと考えて見るのも、面白いかも知れません。
忙しい季節です。なかなか、ゆったりとした時間がとれる時期ではありませんが、パーツのアートで、ちょっと一息入れてください。
Posted by cycleroad at 23:30│
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