ご存知の方も多いと思いますが、先月の10日から、グーグルマップに新しく渋滞情報を含む道路交通の状況表示ができるようになっています。クルマのナビにあるような機能ですが、家を出る前から渋滞区間や速度表示など、渋滞の状況が細かく地図上で確認できるわけです。
初めて知ったという方は、下の地図の下、「大きな地図で見る」をクリックしてみてください。下の地図では渋滞情報が表示されていませんが、新しく開くグーグルマップで、地図の画面の右上の「交通状況」という項目にチェックを入れると、時間帯にもよりますが、渋滞情報が表示されます。
大きな地図で見る
自転車の場合、基本的に渋滞は関係ありませんが、あまり酷い渋滞の中で排気ガスを吸うのもイヤだから迂回しようとか、あの道が渋滞していると、駐車車両もあって走りにくそうだから別の道を使おうなど、ルートプランを立てるのにも役立つかも知れません。
グーグルマップは、地図だけでなく、同じ場所の航空写真が表示できたり、ストリートビューを見ることが出来ます。徒歩やクルマ、鉄道を使った場合などに分けてルートがひけたり、付近の情報を検索できたりなど、いろいろな機能が備わっていて何かと便利です。
そのほかに、鉄道やバスの路線図も確認できますし、アップされている写真から情報を得られることもあります。ウェブカメラのリアルタイムの映像があったり、周辺の場所に関連する動画もあったりします。スマートフォンなどで、出先での地図情報の確認に使っている方も多いに違いありません。
ネット上の地図はいろいろありますが、グーグルマップは普通の地図では確認できない、実際の道路の状況がストリートビューの映像で見られるのが便利です。道路幅とか路側帯などまでわかりますし、沿道の様子や交差点の目印を画像で確認するなど、自転車での走行にも役立てることが出来ます。
このブログでもストリートビューに関しては、何度か記事として取り上げました。居ながらにして、実際の道路に沿った景色が見られるわけですが、振り返ってみると、2009年3月の記事では、室内で使うローラー台やサイクルトレーナーに連動して動くように出来るのではないか、というようなことを書いています。
2010年の3月の記事でも、ストリートビューの画像とローラー台やトレーナーと連動させ、バーチャルな走行環境を実現する装置が出てきそうだと書いています。坂などに応じて負荷を変え、更にリアルに、実在の場所の走行を室内で疑似体験したり、トレーニング出来るようになるかも知れないと書いています。
インドアバイクとか、トレーナーと呼ばれる装置とディスプレーを組み合わせ、CGなどでバーチャルな風景を再現し、室内にいながら、屋外での走行をシミュレートするような装置は実際に出てきています。ストリートビューを使ったものが出てきても不思議ではないとは、誰もが思うことかも知れません。
まさに、そんな製品が登場しています。アメリカは、
Proform 社の、その名も“
Tour de France”というトレーニングバイクです。なんと、ツール・ド・フランスのオフィシャルトレーニングバイクだそうです。実物の自転車をセットするのではなく、トレーニングマシン型のサイクルトレーナーです。
グーグルマップで作成したルートを専用サイトからダウンロード出来ます。あらかじめ用意されたコースを選んでもいいですし、自分でオリジナルのルートを作成することも出来ます。トレーニングバイク付属の画面では地図しか確認できませんが、他の機器が接続出来るようになっています。
スマートフォンやタブレット型端末、コンピュータなどを接続すれば、そのディスプレーに、設定したコースに沿ったストリートビューの画面を写すことが可能です。もちろんぺダリングと連動し、実際に走行しているかのように動きます。大画面のモニターにすれば、より臨場感もアップするでしょう。
さらにリアリティを加えるのは、走り出すと、コースの傾斜に沿ってバイクが傾くことです。山岳コースを設定すれば、その傾斜を再現します。もちろんペダルの負荷も変わります。コースの傾斜と、最初に入力した体重や身長のデータにより、それぞれの人に見合った負荷が自動で計算されます。
そのほかにも多数のオプションが設定され、風の抵抗までペダルの負荷に反映させられるといいます。ツール・ド・フランスのオフィシャルトレーニングバイクと言うだけあって、過酷なコース環境もリアルにシミュレートしながらも、天候や気温なども気にせず、事故やパンクなどの心配も無くトレーニングに励めるわけです。
実際のツール・ド・フランスのコースなどを設定してもいいですし、全くのオリジナルでも構いません。日本で、ふだん自分が走行しているコースとか、通勤コースなどを設定することも出来るわけです。トレーニングを兼ねて、来週走行するコースを予習するような使い方も可能です。
雨の日や、降雪地域の冬場に、家の中でローラー台やトレーナーを使ってトレーニングしているという方もあるでしょう。普通の機器だと、どうしても単調になりがちですが、この機材なら変化を加えるのも自在ですし、モチベーションの維持にも効果的なのは言うまでもありません。
ストリートビューは、提供されている地域に限られますが、家にいながら大陸横断だとか、世界一周が仮想体験できることになります。専用サイトを通じてバーチャルなレースに参加出来たり、記録を争うことも出来ます。これなら室内トレーニングも楽しいものになるでしょう。面白いマシンです。
インターネットやコンピュータの進歩で、いろいろと便利になってきました。さらに、このマシンとは関係ありませんが、無線や精密制御、ロボットなどの分野の技術革新も目覚しいものがあります。例えば、次の動画を見ても、新しい技術を感じさせます。
もしかしたら、さらに次世代のサイクルトレーナーは、虫くらいの大きさの飛行ロボットが道路に沿って飛行し、その映し出すリアルタイムの映像を部屋で見つつペダルをこぐ形になるかも知れません。つまり、居ながらにしてリアルタイムにどこへでも行ける仮想走行マシンが、少なくとも技術的には視野に入ってくるでしょう。
子供の頃に見たテレビのドラえもんの道具で、部屋の中に世界のリアルタイムの映像を投影し、家から一歩も出ずに世界旅行が出来る道具があったように思います。考えてみるとそれに近いと言えなくもありません。いつの間にか、子供の頃に夢見た、未来に近づいているのかも知れません。
まだ来週も新年会が入っていて新春気分が抜けませんが、今年も、もうセンター試験の季節なんですね。
こういった、インドアサイクルコンテンツの充実も胸が踊りますね。シミュレーターとしての側面、活用法もあるでしょうし、個人的に大きく期待している部分のひとつでもあります。
それにしても、ここまで進化していたんですね。