アイディアや発想で競う人々
台湾は、世界的に見ても自転車生産が盛んです。
世界最大の自転車メーカー、ジャイアントも台湾の企業ですし、欧米のブランドでも実は台湾で生産しているものが少なくありません。自転車に詳しくない人には、台湾製と言うと、あまりいいイメージがないようですが、中国製とは違って、スポーツバイクのメイドイン・タイワンは決して安物を指すものではありません。
そんな自転車工業の盛んな台湾では、自転車関係の見本市やトレードショーなども盛んに行われています。その一つ、“
Taipei International Cycle Show ”が今月開催されました。私は業界関係者でも何でもないので、なかなか台湾まで見に行けないのが残念ですが、こうしたイベントには興味があります。
新製品や用具・用品などの情報も、もちろんなのですが、こうしたイベントと併せて開催されるコンペ、コンテストにも興味があります。次世代の自転車のデザインや、新しいコンセプト、アイディアを提案するようなものなど、見ていると触発されたり、発想力や創造性が刺激されるものもあります。
今までにない部分が認識できたり、自転車の可能性に気づかされたりすることもあります。世界中からの応募者のさまざまなアイディア、発想に触れることで脳が刺激を受けたり、近頃よく聞くアハ体験と言うのでしょうか、脳が活性化するような部分もあるのだろうと思います。
今回は、世界三大自転車見本市の一つであり、アジア最大の自転車見本市でもある“
TAIPEI CYCLE ”、台北国際自転車見本市と同時に行われた、国際自転車デザインコンテストの過去の多数のエントリーの中から、私が独断と偏見で選んだ、個人的に面白いと思う作品を取り上げてみようと思います。
こちらは、地形に応じてアジャスト可能なラバースプリングによるサスペンション機構を備えるという自転車です。デザインコンテストですので、デザイン的に優れたもの、新機軸を盛り込んだものもいろいろあるのですが、特にアイディアや発想が面白いと思ったものを中心に選んでみます。
折りたたんで牽引できる自転車というアイディアです。駅まで家人の分の自転車を牽引して迎えに行くような使い方が想定されます。フレームには独自のスーツケースが入る形になっているので、ビジネス用や通勤向けなどの用途も考えられます。小さな工夫ですが、自転車が運べる自転車というのは面白い着眼点です。
前輪を交換すると3輪のトライクになる自転車です。この形、ヨーロッパなどでは普及しており、デザインは別として、特段珍しいわけではありません。特に子供を乗せる自転車としても安定しており、停止時などにも転倒して事故になる日本の子供乗せママチャリより、安全面で優れています。
日本でも法律上、トライクの状態で歩道は走行出来ませんが、この作品は前輪を入れ替えることで、普通の自転車としても使えます。最初は普通の自転車として販売し、子供が生まれたら、オプションとして子育て期間のみ、子供乗せ部分だけを買うか、レンタル出来たら、日本でも人気が出るかも知れません。
アーミーナイフ、十徳ナイフ型に折りたたむ自転車です。デザインのアイディアとしては面白いですが、運びやすさなどの面では疑問も残ります。十徳ナイフのように違うアイテムが飛び出し、全く別の用途で使えたら面白いのに、ちょっと残念です。もう一ひねり、ほしいところです。
位置エネルギーと運動エネルギーを内蔵のクラッチ制御装置で貯めたり放出したりできるという設計だそうです。果たして、実用的なのかは不明ですが、充電のいらない、バッテリー切れのない電動アシスト自転車となれば面白いかも知れません。今後、こうした電力省エネ型の電動アシストは増えていきそうです。
自転車の敵の一つは雨です。多少の雨でも乗れるような、フードのついた自転車が実用化されてもいいでしょう。その場合、おそらくこのようなリカンベント型のデザインが有望だと思われます。ただ、もう一つの敵、風の問題がネックとなるのは避けられないかも知れません。
パーツやアクセサリーなどを自由に選んで組み立てる自転車です。体格に合わせた調整という役目も持っています。コンポーネントに分け、用途や好み、体格などによって組み合わせるという手法は他の製品でもありますが、自転車本体、自転車全体に適用するというアイディアです。
荷物を運ぶ時だけ、3輪のトライクになる自転車です。これは別のところでも取り上げた記憶がありますが、走行性能面でのデメリットが抑えられれば、意外に実用面で評価されるのではないでしょうか。これも日本の場合は、歩道走行出来ないのがネックとなりますが..。
なんと変形してストレッチャー、担架に変身する自転車です。クルマの入れない狭い路地、大きな建物の中、救急車が使えない災害現場などで活躍するかも知れません。パッと見にはナンセンスに見えますが、案外実用的かも知れません。手で運ぶ担架と違い、長い距離でも安定して運べますし、運ぶ人の疲労度も違うでしょう。
こちら、果たして技術的な実現可能性は不明ですが、発想の奇抜さでは群を抜いています。なんとタイヤが連続してキャタピラー、無限軌道のような形で一つになっています。悪路走破性など、どれほどのアドバンテージがあるのかはともかく、独創的なデザインです。
こうしたコンぺの作品を見ていつも思うのですが、世の中にはいろいろな発想をする人がいるものです。こうしたアイディアコンテストが毎年、世界中で行われていることを思えば、斬新なコンセプトや、常識を覆すような新しい自転車が、いつ何時現われても不思議ではないのかも知れません。
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また北のロケット打ち上げですか。さすがに大変なことになるので、日本に落とさないよう上げる自信はあるのでしょうけど..。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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いいですねえ、ワクワクします。
未来を感じますし、自転車がこれからどう進化していくか、自転車を取り巻く環境がどう向上していくか・・・長生きして、この目で、しっかりと見て、身体で感じていきたいものです。生涯、自転車に乗り続けたいものです。関わり続けたい。
私は最近、荷物や子供を運ぶ自転車にも関心が出てきまして、ロングテールバイクのようなタイプも好きですが、特に子供乗せ自転車ですね。
少なくとも、私が見た中では、海外の子供乗せ自転車は、どれも、子供の位置が低い位置となる設計になっていました。
日本のように子供を高い位置に載せるような構造になっては、いない。転倒した時のことを考えると、低い位置であればあるほど、子供の安全性が高いのは明らかです。
日本の子供乗せ自転車には、まだ改良の余地があるように思えて仕方ありません。法令上の縛りがあるのでしたら、その法令をなんとかするべきでしょう。子供の安全のためにも。自転車が自動車の危険に晒されるのであれば、自動車への制限や取り締まり強化、インフラ整備で解決していく。段差で乗せた子供がつらい思いをするなら、車椅子の方のためにも、段差をなくす方向でいく。弱者保護という観点からしても、当たり前のことです。自転車のための環境整備は、地域のクリーンで安全な環境実現にもつながります。
また、子供を乗せる位置は、記事の写真のあるように、前のほうが安心という感じはします。やはり、目に見える位置に子供が座っている、というポイントは大きいですから。
あまりにも子供が小さければ、子供をしっかり固定できる抱っこ紐で一人乗り用自転車、でしょうか。用事が済んで帰ってくるまで、信頼出来る人に預ける、ということが難しいのであれば、そうなるでしょうし、自分の子供のことは、なるべく、自分が目を離さず見てやりたいものです。
そういえば、こないだ、某コミュニティで、自転車の話になったんですね。で、台湾製を低く見るような声が出まして、その方には懇切丁寧に台湾製のすばらしさを熱心に解説するコメントがたくさんついてました。高級有名ブランドのOEMやらプロチームへの機材供給・・・等々と。
自転車の世界において、台湾は間違いなく、偉大と言えます。
GIANTの震災復興支援も記憶に新しいですね。GIANT社のESCAPR R3は定番クロスバイクですし、先日発表された、ESCAPE AIRのコストパフォーマンと軽量性に、度肝を抜かれた方も多いでしょう。
日本は日本で、ANCHORでお馴染みのブリヂストン、パナソニック、丸石、ミヤタ、そして、コンポーネンツのシマノ等々と、応援していきたいものです。
スポーツ自転車界も、記事にあるような先進的なデザイン自転車の世界も、目が離せません。
先進的なデザインの自転車が広く普及し、また新しい画期的なアイデアが生まれ、更に自転車が進化していく。
人々が、エコロジー、エコノミー、ヘルスフルなライフスタイルを、送りたいと願えば願うほど、自転車はそれに応えてくれるでしょう。
cycleroadさんこんばんは。
「ラバースプリングによるサスペンション...」
「位置エネルギーと運動エネルギーを内蔵のクラッチ...」
楽しいですね、こういうの。
乗ってみたいです。
「タイヤが連続してキャタピラー...」を見ていて、
何となく、ブリヂストンのパンクしないタイヤを連想しました。
www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2011112902.html
cycleroadさんの紹介にもあったように思いますが...
...
大げさに言えば、サスペンションの機能美に誘われて、
MTBもどき号で走り始めました。
しかしながら、ロードバイクに「あっ...」という間に
置き去りにされてゆく悲しさから、ロードバイクを始めました。
今度は何!?
リカちゃん弁当(リカンベント)でしょうか?
んんーーっ、このご時世では、許されぬ無謀な計画になりそうです。(^^;;
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
それぞれのアイディアの実現性は別として、どんな自転車が出てくるのだろうか、私たちを驚かせてくれるような自転車が出てくるのだろうかと考えると、見ていて楽しいですよね。
子供乗せ自転車で、子供の乗車位置が低いのは、大きな長所ですね。さらにトライクタイプだと、低速で走行してもふらつかない点も大きなアドバンテージと言えるでしょう。
日本では、トライクタイプなどは、歩道走行可能な自転車としては認められていないので、普及しないのだと思われます。
法令の縛りと言うより、自転車走行空間というインフラが決定的に不足しているから、自転車の車道走行の原則が実現していないからということになると思います。
台湾は、中国と同じように見られてしまい、誤解されることが少なくないようです。コンピュータなんかも、実は多くが台湾でOEMで製造されていたりしますね。
Fischerさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
各分野で進歩する技術や素材で、まだまだ自転車の分野に取り入れることが可能なものは、たくさんあるでしょうね。
その中には革新的で、それまでの標準、それまでの常識を変えてしまうようなものもあるはずです。
自転車の世界でも、これまでにも、そうした技術革新が行われてきたことを思えば、今後も行われていくだろうと思います。楽しみですね。
タイヤ自体は熟成した技術ですが、突然大きな飛躍をとげることがあってもおかしくありません。
さすがに、自転車が2輪のように見える1輪車になったら驚くでしょうけど..(笑)。
確かに、いろいろなタイプの自転車に乗りたくなるというのはありますから、その意味では、あまり魅力的な新ジャンルが出てくるのは複雑な部分かも知れませんね。
最近アメリカ人の女性が幼児二人をトライクに乗せているの見ましたがオシャレでかわいかったです。
フードに覆われて寒さ、雨に強そうでした(夏はきついかも)
中の二人はとびっきりの笑顔でこちらが幸せな気分になりました
日本でもトライクはもっと普及してもよさそうですね
ロードバイク初心者さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
子供も、二人並んで乗れたりするのは楽しいでしょうね。低速でもふらつかないぶん、ゆったりとオシャレに走れるというのもあるかも知れません。
おそらく、夏はフードが外せたりするのではないでしょうか。
歩道が走行出来ないのがネックですが、車道走行が一般的になれば、普及するかも知れませんね。
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