原発の安全や核物質の拡散、核関連施設へのテロなど、国際的に核管理への問題意識が高まっています。おりしも、北朝鮮がミサイル発射を予告しており、核実験やウラン濃縮などの問題への対応も問われています。イランの核開発問題や、それに伴う湾岸地域の緊張、原油高騰も他人事ではありません。

確かに核施設へのテロなども心配すべき問題だと思いますが、日本ではテロへの備え以前に、既に福島第一原発の事故で放射性物質が広く放出される事態となっています。事故の原因究明や責任の追及も終わっておらず、政府の安全性への評価も信用できる状態ではありません。
原発の安全性に対する信頼は大きく失われました。原発事故以降、全国54基の原発は停止し続け、もはやあと1基を残すのみです。しかし一方で、夏場の電力確保に向け、すでに再稼動が焦点のようにもなっています。世界はこの日本の状況をどう見ているのでしょうか。
ドイツには公共放送が複数存在します。その中で全国放送は、ARD(ドイツ公共放送連盟)とZDF(第2ドイツテレビ)です。そのZDFの制作したドキュメンタリーが、ネット上の一部で話題となっています。少し長いのですが、是非ご覧いただきたいと思います。見始めると目が離せなくなると思います。
※)上の動画を文章で読みたい方は、こちら→ 「
ドイツZDFテレビ 「フクシマのうそ」書き起こし」
動画をご覧になって、どう思われたでしょうか。私は、このドキュメンタリーが、どれほど真相に迫っているのか、あるいは福島原発の状態について明らかにしているのか、判定できるような専門的知識も業界の情報も持ち合わせていません。しかし、いくつか言える事はあると思います。
原発事故直後、政府はスピーディーのデータを公表しませんでした。例えデータが足りず、不確実な部分があったとしても、即座に公開していれば、子供を連れて放射性物質の流れる方向へ避難してしまうというような不幸な事態は起きなかった可能性があります。
日本のテレビなどのマスコミも、政府の発表する情報だけを流していました。しかし、事故直後からフランスやドイツ、アメリカなどのメディアでは、放射性物質の拡散予測を公表し、日本より外国で詳しい情報が流されているという状態がありました。結局、その後日本政府も公開せざるを得なくなったのはご存知の通りです。
つまり、日本の政府が知っていたとしても公表しない事実、マスコミが知りえたとしても報道しない事実があったということです。今後もあるでしょう。日本でテレビ等を見ていれば、なんでも情報が得られるような気がしますが、日本のことなのに、日本人に知らされないような状態がありえるわけです。
俗に原子力村と呼ばれるような利権構造があり、電力会社やその社員、電事連などの組織を通じて政治献金や研究費、天下り先のポスト、スポンサー料など、さまざまな形でカネが流れています。電力会社や政治家、官僚、学者だけでなく、マスコミも結果として片棒を担ぐ形になっています。
誰か、全てを操る人物がいて陰謀をたくらんでいると言うのではありません。誰だって職は失いたくないですし、おいしい利権は手放したくありません。上司の指示に従い、それが何を意味するかわからずに、結果として原子力村の利権構造に寄与する行動をしている人も多いに違いありません。
誰も陰謀を計画したり指図したりしなくても、利権があれば、誰もがその既得権を守ろうとするのは必定です。結果的に国民の不幸につながる事態に至ることは充分にありえます。ほかにも利権はありますが、原子力の利権はとりわけ強力で巨大、そしてとんでもなく危険で国家を一瞬で滅ぼしかねません。
再び事故が起きて、より深刻な状態となり、動画にあるように日本国の存続にかかわる事態になるかも知れません。そうなれば、利権も既得権もないわけですが、それでも国の将来のリスクのために、個々人が自分の利益を手放すことがないのが、利権のまさに構造的な問題です。
これはシステムの問題とも言えます。未だに、政治家や官僚、学者、多くのマスコミを巻き込んで原発利権を守り続けるための資金が、私たちの電気料金や税金から出ています。アメリカや韓国の2倍とか3倍も高い、その分を含んだ電気料金を支払わされているようなシステムのままでは、将来の危機は回避できません。
東電は相変わらず隠蔽体質で、何も明らかにしないまま値上げしようとしています。多くのマスコミは東電も原子力村も追及しません。電気料金値上げは、原発が止まって火力発電の燃料費がかさむので仕方がないとの論調です。産業用の電力需要があるし、原発再稼動もやむを得ないと言わんばかりのスタンスも見られます。
政府は今なお莫大な原子力関係の予算を計上しています。原発の推進や研究予算は、少なくとも当面は火力発電の燃料費に転用してもいいくらいです。電力会社は、いまだに原発推進のための工作費や立地対策に使われる費用を含んだ総括原価方式で電気料金を決めています。つまり原子力村の構造は安泰です。
こんな状態で、なし崩し的に原発の継続や再稼動を認めていいのでしょうか。原発の是非についてはいろいろな意見があると思います。簡単に止めればいいわけでないのも確かだと思います。しかし、仮に原発を継続していくとしても、こんな利権構造を残したままでは、将来に大きな禍根を残すことにならないでしょうか。
日本国内のテレビや新聞などを見ているだけでは、多くの国民は真実を隠されたまま、騙されたまま、破滅に向かいかねません。今から70年前、大本営発表とマスコミに煽られ、国民が熱狂のまま太平洋戦争に突入していき、壊滅的な敗北に向かったこととも重なります。
このまま原子力村の利権構造を温存したままでは、コストのかかる本当の安全対策など期待できません。そんな自浄作用が全く期待できないのは、これだけの事故を起こしても、国にカネだけ出させて経営権は譲らず、電気料金の値上げは権利だと言い放つ東京電力を見ても明らかです。
海外から見れば、原子力村の利権構造というこれだけ酷いシステムを放置し、日本ごと破滅へ向かいかねない状態なのに、国民がそれを許したままていることが信じられないというところではないでしょうか。もちろん、デモをすれば解決するわけではありませんが、少なくとも「フクシマのうそ」に騙されたままではいけません。
北朝鮮やシリアのような専制国家ならともかく、政府やマスコミが取り込まれ、真実が国民の目から隠されるような状態は大いに問題です。これは私たち国民が自ら正すしか助かる方法はありません。原子力村の利権構造は、今こそ断ち切るへきであり、今しかこの構造を改めるチャンスはないと思います。
私たち一人ひとりが出来ることは多くないかも知れません。しかし、主権者たる国民が決意すれば、変えられるはずです。そのためには、まず国民が広く事実を知る必要があります。日本のマスコミが報じなくても、今はネットもあります。原子力村の目くらましを見破らなくてはなりません。
核サミットも重要な会議だと思いますが、このままではテロに襲われなくても、内なる組織によって悲劇的な事態が繰り返されかねません。原発について、どう考えるかは人それぞれだと思いますが、一人でも多くの方に、原子力村の隠蔽や世論誘導に惑わされることのない中で考えてもらいたいと思います。
直接、自転車と関係ない話題で、先日も書いたのですが、一人でも多くの方にこの動画を見ていただきたいと思い、取り上げてみました。
原発 福島原発【退屈な日々 楽しいこと無いかなぁ・・・】at March 28, 2012 22:49
フクシマの嘘は見た。原発事故後色々な反原発の動きがあるが、それらは皆巧みに鎮火させられていて反原発の炎は決して燃え広がらないようコントロールされている。日本のマスコミを通じて反原発の情報を手に入れることはむずかしい。他の話題を塗り重ねる事でそれらは相当に強い関心をもって掘り起こさないといけない。例えば俳優山本某の動き最近では古舘さんの発言等々。
YouTubeにも刺客が送り込まれているのです。フクシマの嘘もやがて鎮火されることでしょう。livedoorも例外ではありません。必ずや誰の目にも届きにくい所に隠される事になる。サイクルロードさん、充分に気をつけて下さい。日本には言論の自由はあるが国策に反する内容は静かではあるが確実に消されます。何の根拠もないのですが、強く感じているところです。