August 29, 2012

新しい領域を開拓する自転車

8月も終わろうというのに厳しい残暑が続いています。


自転車で出かけても、相変わらずの暑さに閉口している人も多いのではないかと思います。強い日差しだけでなく、アスファルトからの照り返しも強いので体力を消耗します。自転車は風を受けるぶん汗が蒸発して体温上昇は抑えられますが、思ったより多くの汗をかいているので、脱水や熱中症の危険も小さくありません。

川沿いのサイクリングロードなどを走っていたりすると、この暑さに、思わず川に飛び込みたくなってしまいます。水しぶきをあげながら、自転車で水上を走行できたら、さぞ涼しいことでしょう..。そんな妄想ではなく、本当に水上で自転車を楽しもうとする人たちがいます。

陸上だけでなく水上も走行できる自転車、水陸両用の自転車に乗りたい、つくりたいと考える人は古今東西、少なくないようです。もちろん自転車好きなので、ボートではなく自転車にこだわります。今回は、自転車で水上を走行しようとする人たちの動画を集めてみました。




普通に考えるとこうなるでしょう。自転車に浮きをつけるわけです。浮きがあれば、例えば洪水の時などにも自転車が使えそうに思えます。ただ実際には、あまり実用的とは言えません。浮くことは浮きますが、動きは遅いのが難点です。バランスもあまりよくありません。



タイヤを浮きプラス推進装置に使うというのも、誰もが思いつきそうです。ただ、陸上を走行するのは相当に苦しそうです。後ろから押されています。水上に出ても、遊園地や池の乗り物としてならともかく、やはりスピードが遅いのがイマイチです。



身近なペットボトルの利用は誰もが考えるところでしょう。自転車と言うより、手作りの足こぎボートといった感じですが、リカンベントタイプの水上自転車と言えなくもありません。リカンベントスタイルにすれば、重心も低くなって操作性は上がりそうです。(仕組みはこちら。)



こちらは工作精度、見た目的な完成度はなかなかのものです。ただ、リカンベントにすればパワーが上がり、スピードもそれなりに上がりそうなものですが、あまり速いとは言えません。湖や池などで見るレジャー用のボート並みの速さでしょうか。水車型の推進装置に問題がありそうです。



それならば推進装置に、オールを使えばと考えたのでしょうか(笑)。水上ではボートのようにしたほうがいいという判断なのでしょうが、オールでこぐなら自転車である必要はありません。こぎ方も逆です。普通後ろ向きに進みます。いろいろな意味でツッコミどころ満載です。



スピードを出すには、推進装置を工夫する必要があります。水車方式よりスクリューのほうがスピードが出そうです。こちらは既製品なのか、フロートだけ流用したのか不明ですが、流体力学的な設計、つまり水の抵抗を考えるのも重要なポイントのようです。



こちらはリカンベントに見えなくもないですが、どう見てもビーチチェア(笑)です。しかし、ペダルに水かきのようなものを取り付け、意外に速いスピードが出ています。自転車とは少し離れてしまいますが、持ち運びなどにも配慮しています。海水浴には持ってこいかも知れません。



このくらいになると、相当の完成度です。水の抵抗と安定性を考えた双胴式で、リカンベントスタイルでスクリューを回します。けっこうなスピードが出ています。水の抵抗などの性能を考えて設計すれば、充分に速いものが製作可能と言えそうです。



こちらは、自転車に取り付けるキットとして売られているシャトルバイクという製品です。さすが製品として売られているだけあって、なかなかの速さです。水上自転車でもスピードが出せることがわかります。このくらいになれば、水上サイクリングと言ってもいいでしょう。楽しそうです。



水上自転車としては、これが一番優秀だと思います。まさに水上を走行しているようなスタイルなのに安定していて、スピードも出ます。実は水中にヨットで言うセンターボード、あるいはキールと呼ばれるような部品が突き出ているため、安定するようです。停止時に左右に広げるフロートもついています。

最高時速18キロ程度、充分に実用的な速度で巡航できます。手漕ぎのボートより、素人は足を使ったほうがラクでしょう。これだけスピードが出れば上出来です。川どころか、東京湾でも横断出来そうに見えます。まさしく水上のサイクリングとして、水上でも充分に自転車が楽しめるでしょう。

残念ながら、開発者のウェブサイトは無くなってしまっているようですが、これは欲しいという人も多いのではないでしょうか。東京や大阪のような水路の多い街であれば、移動手段としても結構使えるのではないでしょうか。水上の移動手段としての自転車、あってもいいような気がします。





南海トラフ地震の津波で死者想定が32万人ですか。3分とか5分で到達する地域もあるそうですから、まだ揺れているうちに避難開始しなければならないということなんでしょうね。

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この記事へのコメント
自転車にも色々な走り方?があるのですね。
興味深いです。

わたしはうつで休職中ですが、先日無理してロードバイクで走ってきました。
頭痛がしましたけど!

ぼちぼち、前を向いて生きて行こうと思います。
Posted by オペラ at August 31, 2012 15:42
オペラさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
世の中には、いろいろなことを考える人がいるものですね。
水上を走行出来たら楽しそうだなとは思うことはあっても、なかなか実行には移せないと思います。それを実現してしまう行動力は見習いたいものです。
自転車に乗って気分を変えるのもいいですね。
Posted by cycleroad at August 31, 2012 23:22
風景としての水も自転車も好きな私には、魅力的な文化です。

よく、私は湖や池、川のそばをサイクリングしますが、そばに水があるというのは、なにか安心感というか、安らぎを感じるものです。
何かを飲んだり食べたりするのも、そばに水のある風景があると、味わいに差が出てくるように感じるのは気のせいでしょうか。
いずれは、水上自転車にもチャレンジしてみたいものですね。
また、水中自転車というものもあれば、是非両方とも体験してみたいとも思います。

また、これは水ではありませんが、集楽をいくつも超えた山サイクリングの時、段々畑を眺めながら、そばに自転車をとめて軽い食事をとったことがあります。
自転車による運動からの心地良い空腹、そして美しい風景もあり、格別でした。

自転車と美しい風景は、料理における最高の調味料といえるでしょう。
Posted by 佐藤 at September 14, 2012 07:51
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
海辺にしろ、湖畔や川岸にしろ、水が景色に潤いを与えるのは間違いないでしょうね。
水運などの関係で、昔から栄えてきたこともあるのでしょうが、都市部においてもウォーターフロントは人気がありますし、やはり安らぐということで人が集まるということもあるのでしょう。
自転車によるウォータースポーツが出てきたら面白いですね。こう暑いと、余計にそう思います。
水辺に限らず、涼しい高原もいいですし、自然の中へ出かけるにも、自転車は持ってこいの手段ですね。
Posted by cycleroad at September 15, 2012 23:30
 
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