安全講習より前に必要なこと
警察庁が、安全講習の義務化を検討しています。
日本経済新聞の記事から引用します。
自転車ルール徹底へ有識者会議 警察庁、悪質違反に講習
警察庁は4日、自転車の交通ルールの徹底策を議論する有識者会議の設置を決めた。自転車の交通事故死傷者の3分の2が交通違反を犯している事態を重視。利用者全体にルールを周知させる方法や、飲酒運転やブレーキの不備など悪質な違反者への安全講習の義務化などを検討する。
有識者会議は年内にも提言をまとめる予定で、警察庁は会議の動向を踏まえ、道路交通法改正も視野に準備を進める。
警察庁によると、昨年1年間の自転車関連の事故は前年比5.0%減の14万4018件。自転車乗車中の死傷者は同5.1%減の14万884人でいずれも減少傾向にある。しかし、死傷者のうち64.9%の9万1442人に何らかの交通違反があり、違反者は高水準で推移している。
違反者の約6割に当たる約5万7千人は、前方不注意などの「安全運転義務違反」だったが、信号無視も約3500人、通行区分違反も約2900人いた。警察庁幹部は「自転車利用者の安全を守るためにも、悪質な違反者には交通ルールを徹底する機会を設ける必要がある」と話す。
警察庁によると、警察が関与した自転車向けの講習は昨年1年間で約3万回開かれ、約350万人が受講している。10年前に比べ約1.5倍に増えたが、免許取得時や更新時に講習が義務付けられている自動車と違い、自転車向けの講習は学校行事やイベントなどに限られている。
自転車が絡む交通事故では、福島県で昨年6月、酒を飲んで路上で寝ていた50歳代の男が、警官の制止を無視して自転車を運転、交差点で軽トラックと衝突事故を起こし、酒酔い運転で摘発されたケースなどがある。
警察庁が昨年10月、自転車の走行ルールの徹底や悪質運転の取り締まり強化を打ち出して以降、自転車の交通違反による摘発は急増している。昨年は3956件、今年は7月末時点で3274件に達している。摘発に至らない警告や指導は昨年219万6612件に上る。(2012/10/4 日本経済新聞)
警察庁は、自転車の交通ルール教育の強化が重要と考えているようです。自転車に限ったことではありませんが、教育の重要性は強調されてもし過ぎることはないでしょう。遠回りでじれったい気もしますが、かえって近道ということもあります。妥当な対策であり、王道とも言うべき当然の考え方です。
先日も取り上げましたが、同じ時期に有識者の懇談会を立ち上げ、自転車のナンバー制度やデポジット制度などを打ち出した東京都とは好対照です。唐突にナンバー制度などという、多くの人が首をかしげるような対策をねじ込もうとしている都に比べれば、オーソドックスでまともな考え方に思えます。
これまで、安全講習を受ける機会は限られており、主として学校で生徒向けに行われるケースがほとんどです。このため一般社会人、大人向けの講習の機会がないことを問題にしています。結果としてルールを知らない大人が多く、交通ルール違反につながっているというわけです。
確かに、知らずに違反をしている人がいるのは間違いないでしょう。最近は話題に上るようになって変わってきたとは言え、少し前までは、自転車は原則車道走行であることを知らない人が大半だったという事実もあります。そうした人たちがルールを知ることで、改善されていく部分は確実にあるはずです。
信号無視が違反だと知らない人はいないと思います。でも、車道の右側走行とか、併走といったような行為が、法律で禁止されているとは知らない人もいます。そんな人たちがルールを知り、なぜ禁止されているか、そうした行為によってどういう危険があるかということを理解することには意味があります。
結果として起きた事故の事例とか、違反が招く重大な結果、刑罰や賠償金額などを知り、ルール違反をすることの愚かさやリスクを知ることも無駄ではないはずです。安全講習を受けて、今まで知らずに違反していた人が、自発的にルール違反を改めていくならば、事故防止、事故件数の減少にも有効に違いありません。
安全教育を重視し、その強化をしていくことに基本的に異論はありません。交通ルールを把握せず、いい加減な走行をする自転車乗りは、きちんと法令を遵守しているサイクリストにとっても危険な存在ですし、一緒にされるのは迷惑な話です。教育の重視は正論です。ただ、疑問な部分がないわけではありません。
実際には講習を受け、素直に改める人ばかりとは思えません。むしろ少ないでしょう。多くは悪質な違反者が問題だと思いますが、そうした悪質な違反者ほど、素直に講習を受けるとは思えません。免許制度もない中、どうやって安全講習を義務化するかという問題もあります。
講習受講者には、駅前駐輪場の月極め契約の優先権を与えるなどの方法が議論されているようですが、そうした手法が必ずしも有効とは思えません。例え講習を受けたとしもルールを守るとは限らないわけで、クルマでいう青キップのような制度がないため、罰則が有効な抑止力になっていないという現実があります。
年間220万件にも及ぶ、摘発に至らない警告や指導がそのことを物語っています。罰則が強化されても、膨大な違反件数をどのように摘発するかという問題もあります。指導する立場にあるはずの警察官が、自転車のルールを守っていないケースが目撃されているのも問題です。
しかし、何より問題なのは、本当にルールを知らないのか、知らないことが問題の本質なのかという点です。過去に行われた調査で、違反行為が違反だと知っている人が実は大部分を占めるという結果も出ています。交通ルールを知らないのではない可能性があります。
自転車の交通ルールを学校で習ったり、クルマの免許取得時に勉強した人が多いのは、免許の取得率を見ても明らかです。ルールによって多少のバラつきはあるものの、守られていないルールも、調べてみると実は高い割合で知っているという実態が明らかになっています。
自転車以外のことを見ても、子供の頃に習った社会のルールを大人になっても当たり前のように守っている例はたくさんあります。細かい数字などはともかく、自転車のルールについてだけ、大人になって習いなおさなければならないというのは変です。
つまり、ルールは知っているものの、現実には誰も守っていないので、守る必要はないと考えている、守る気にならないということがあるに違いありません。だとしたら、安全講習を強化したところで、必ずしも効果が上がるとは限らないでしょう。
法令から社会的な慣習に至るまで、公共の場での社会のルールとして誰もが普通に守っているようなルールはたくさんあります。それが当たり前になっており、周りも守っているので何の疑いもありません。ふだんは意識することすらなく守られている多くのルールによって社会の秩序が保たれています。
逆に言うと、自転車に関してはルールが守られていないため、誰もが守らなくなってしまっていると言えます。一応ルールがあるものの、多くの人が守っていないし、事実上、有名無実になっているから忘れてしまっているということもあるかも知れません。
教育の重要性を否定するものではありませんが、本当に必要なのはルールの周知ではなく、ルールが守られるような環境、そして守られるようなルールなのではないでしょうか。逆に、いくら周知徹底しても、ルールが守られる環境になっていなければ、講習をしても意味がない可能性があります。
欧米の自転車先進国、あるいは先進都市と呼ばれるような地域では、子供への安全教育が徹底しています。しかし、いったん習って身についてしまえば、毎日のことですし、大人になって再び学びなおすことは、ほとんどありません。そうした地域で、大人への教育に力が入れられているという話はあまり聞きません。
そう考えると、必要なのは講習よりもルールが守られるような環境づくりなのではないでしょうか。そして、過去に何度も書いていますが、ルールが守られない最大の理由は、自転車の歩道走行だと思います。ほかの理由についても、自転車の歩道走行こそが根本的な原因となっていると思います。
自転車が歩道走行できる日本では、自転車は歩行の延長のようになっています。歩行の延長ですから、歩行者を縫うように走りますし、ケータイを操作しながら走ります。ヘッドフォンをつけて音楽を聴きながら、傘をさしながら走るのも当たり前のようになっています。
事実上、どこでも走れるので、人の多い歩道だろうと商店街だろうと走行し、平気でスピードを出します。また、歩道に沿って、駅前だろうがどこにでも入って行きます。そして、どこにでも止めることで、迷惑駐輪、放置自転車にもつながっています。歩行の延長なので飲酒運転も安易に考えています。
歩道では歩行者優先で徐行しなければなりません。でも、自転車に乗れば、ある一定以上のスピードを出したくなるのは自然です。歩行者と同じ速さでは自転車に乗る意味が乏しいのも事実です。歩道を暴走する人の肩を持つわけではありませんが、歩道を通行させて徐行させることがナンセンスなのです。
自転車のルールを教えるのはいいですが、そのルール自体に無理があります。根本的な歩道走行という誤りを放置してきたため、ルールにルールを加え、屋上屋を架すことになっています。無理があるばかりか、最近は歩道走行のまま一方通行化しようとするなど、ルールとして余計にわけがわからなくなってきています。
複雑でよくわからず、しかも元々ナンセンスである歩道走行を原則としたルールを守らせようとすることに無理があると思います。現実として多くの人が守っていません。なかなか守れないようなルールを、いくら講習しても無意味なのではないでしょうか。
最近は車道走行が原則とは言いながら、現実的には歩道走行を認めざるを得ません。40年以上間違った道路行政を続け、道路整備を続けてきた結果、歩道ばかりが広くて車道走行しにくい場所があるのも確かです。歩道走行しかしたことがない人、この状態では車道走行など怖くて出来ないと言う人が大半です。
そんな状態で、いくら安全講習を強化しても、それすら弥縫策にしかならないのではないでしょうか。交通ルールを徹底するならば、まずルールをシンプルで当然あるべき姿、車道走行を前提にしたものに戻し、誰もが容易に守れ、何の違和感もなく無意識に守れるようなものにすべきです。
中途半端に歩道走行を許したままでは、歩道でスピードを出す人はなくならないでしょう。逆走やケータイ使用などの違反も、駅前に迷惑駐輪する人も防げないと思います。まず自転車が車両として認識され、扱われ、シンプルで普通に守れるようなルールにすべきでしょう。
欧州などでは、当然ですが自転車が車両として認識されています。乗る人もその自覚を持って乗ります。クルマなどと同じように交通ルールの遵守が要求されるのは当然です。車道上で違反すれば、即自らの危険になります。お互い走りにくくなりますから、自然に逆走などはなくなり、一定の秩序が生まれます。
歩道は走行しませんので、実用的なスピードを出しても、基本的に歩行者の迷惑にはなりません。周囲にはクルマや他の自転車が走行していますから、ケータイを使ったりすれば、周囲に迷惑なだけでなく、自分の身に危険が及びます。違反がないとは言いませんが、ごく普通にルールが守られる秩序が出来ています。
欧米と同じように、自転車が車両として扱われ、誰もが車両として自覚して乗るようになれば、ある程度は自然とルールが守られるようになると思われます。日本だけが自転車の歩道走行を認めるというナンセンスな状態、また自転車利用者を甘やかした状態のため、ルールが守られず、秩序も崩壊しているのでしょう。
車道走行に戻すため、まず自転車レーンなど車道走行の環境を整備する必要があると思います。道路を大改造せずとも可能なのは警察庁や国土交通省も言っていることです。この40年来の弥縫策、対処療法の積み重ねをリセットしなければ、いくら講習してもルールが守られる状態にはならないのではないでしょうか。
首都高の老朽化対策で、都心環状線は不要だと、高架を撤去する案が浮上しているそうです。自転車用に転用という手はないですかね。自転車なら、高架への負荷も小さいと思いますし..。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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自転車レーンでの違法駐車の取り締まりが先決でしょう。
注射違反の他に侵入禁止区域での駐車も罰則を強化して、民間人からのGPS情報付き画像添付メールでの通報を有効にし、累積5回毎にその車の持ち主に罰金、累積を重ねる毎に罰金の増額、位にしないと自転車レーンを区分けしても便利に無料駐車場として使うコンビニ配送車だらけになるだけだと思います。
私もみぃさんも同じ考えです。車道を走行するに、
最大の障壁となるのは、路上駐車、違法駐車車両に他なりません。
また、実際に、違法駐車があり、自転車の子供がそれを避けようとしたところを、
後続自動車に接触されたり、対向自動車と衝突した事例もあると聞きます。
自転車には優先権がありました。
自転車側に優先権があっても、それを踏みにじる傲慢な言動や
人命軽視の運転をとる自動車ドライバーを、
私はいやというほどこの目で見、そして耳にしてきたのです。
彼らは『流れが大事だ』と言います。
その流れとやらのために、どれだけの安全が破壊され、
市民らがおびえ、死傷されてきたか、
交通刑務所囚人や前科者が生まれてきたか
そこまで考えが及ばないのでしょう。
人としての良心と理性を取り戻す教育
これを自動車運転手らに徹底させるべきです。
そして、根本的な解決への道として、脱自動車政策を推し進める。
これは世界中の先進都市、先進地域が行なっている、世界的な流れなのですから
日本もその正しい道を歩むべきでしょう。
『流れ』のためには、交通犯罪行為を容認し、
それを助長する言動があふれているのが、日本の自動車運転手の世界です。
意識改革が必要となっています。
『流れ』という妙な単語に心をとらわれ、前方の自動車や自転車、更には生活道路や通学路を通る歩行者に対してまでも
自動車による煽り運転や威嚇クラクション、接触寸前の追い抜き等が蔓延しているのですから。
自動車は、自転車を追い抜く場合には、側方間隔1.5メートル以上取ること、という基準があります。
しかし、それ以下の距離での接触寸前の追い抜きをかける危険運転自動車が後を絶ちません。
こういった危険運転ドライバーを正さなければ、市民らは自転車で車道を走ることはなかなかかなわない。
なぜ日本の自動車運転手らは、教習所に通い、教育を受け、免許を取ってまで、
自動車という極めて危険な車両を操りながら交通犯罪行為や危険運転を繰り返すのか。
私からしてみれば、彼ら彼女らは、人としての良心をわずかも残さない、狂人にしか思えません。
自動車が我が物顔で路上駐車し、自動車が自転車を保護優先する義務を履行しない危険運転、交通犯罪運転を繰り返しているゆえに、安全が破壊されている。
私は、自転車利用者への教育も大事だとは考えます。
しかし、なにより、なによりも、自動車運転手への、自転車や歩行者を保護優先するという
人として当たり前の運転を徹底させるよう啓発、教育することこそが、必要だと、強く、強く感じています。
速度超過を繰り返し、横断歩道でも停止せず、歩行者や自転車が通ろうとしている歩道に強引に割り込み、塞ぐ。
このような自動車運転を、私は日常的に見ています。
子供に対しても容赦がないどころか、相手を子どもと見るや、つけあげるような危険運転をし始めることもあるのです。
車道を走る自転車利用者も、自動車から接触寸前の追い抜きや異常接近の煽り運転、威嚇のためのクラクション(警音器使用制限違反)、
これら自動車から受ける威圧的な危険運転の蔓延、路上駐車車両もあり、たいていは歩道に追いやられてしまっています。
『法に準じ、正しくあろうとする自転車利用者』
なぜ、彼らがこのような理不尽な仕打ちをうけ、行政は彼らを守るために全力を尽くさないのか
私には理解できませんし、速やかに正されるべきことであると信じています。
自動車と自転車の混合交通ならば、速度差を小さくしてこそ、安全は向上します。
自転車通行帯のない道路は制限速度の引き下げと自動車への取り締まり徹底強化が不可欠でしょう。
特に、車道における最弱者である自転車に対しての、威圧的な危険自動車運転
これは特に厳しく取り締まられ、罰則も重くし、撲滅のために尽力するのが当然の行政の姿です。
自転車通行帯を早期に整備し、路上駐車撲滅活動を徹底して継続する。
そうしなければ、本来の道路における秩序は守られません。
自転車によりクリーンで健康的なスマートムーブを心がける良識ある市民
彼ら彼女らが快適に暮らせる地域こそ、私は先進的で健全な、魅力ある地域だと考えています。
サイクルロード氏がお書きになった
>教育の重要性を否定するものではありませんが、本当に必要なのはルールの周知ではなく、ルールが守られるような環境、そして守られるようなルールなのではないでしょうか。
>そう考えると、必要なのは講習よりもルールが守られるような環境づくりなのではないでしょうか。
>車道走行に戻すため、まず自転車レーンなど車道走行の環境を整備する必要があると思います。
この件、まさにまさに、その通りだと強く同意します。
私は、人々が道交法通りに自転車で走ろうと実践し、途中でくじけていく様子を、幾度となく目にし、聞いてきました。
車道は制限速度が高く、速度超過自動車が蔓延し、接触寸前の追い抜きや煽り運転、威嚇的なクラクション、路上駐車・違法駐車など
いくら自転車で車道を正しく走ろうと思おうとも、自動車の傲慢で威嚇的な運転、交通犯罪行為の数々と
自転車レーンの不整備、そして路上駐車対策の遅れ、
自転車に対して危険運転をする自動車への教育・規制・取り締まりすべての不十分さなど、行政側の怠りもあり
自転車を操るレベルが高水準にあり、なおかつ意志が強い勇敢な者ではないと、車道は自転車がそうそう走れない惨状となっています。
また、車道を走ろうにも左折専用車線を直進させたり、歩行者横断歩道の隣にある自転車横断帯の通行を強制させる歪んだ道交法の問題もあり
その辺りの整備も必要不可欠であり、緊急課題と言えましょう。
サイクルロード様、この度の記事でも、私は見識が大きく広がったように思えます。
安全、教育、講習、交通、行政、道路、整備、環境、法律、制度……
他にも大変たくさんのキーワード、要素があり、少々複雑に見えますが、突破口はあるはず。
私も、自転車警察官が率先して道交法通り車道を走り、
市民ら、歩行者自転車自動車等すべての市民に、広く継続してお手本を見せることが
その突破口のひとつになるのではないか、と考えています。
高頻度で警察官を自転車に乗せ、地域の車道を走りながら何度も何度も巡回していただく。市民らに手本を示し続ける。
そのアピール効果は絶大であり、自転車警官が車道を走り続ければ、自転車を安心して活用できる、道路や法律を含めた環境性も加速することでしょうから。
また、都心環状線を自転車用に転用というグッドアイディア
これはぜひ担当者の方々には実現のために努めていただきたいと、私も思います
『ものを大切に』 『もったいない』
この素晴らしい概念を、都心環状線に対しても、今こそ実行するべきでしょう
自転車ならば重量は自動車の数100分の1以下なのですから。
だからこそ、自転車は道路も傷めないエコな車両と言われているのですしね。
サイクルロードさんのお書きになっている通りルールの周知より環境整備が大事だと思います。
現状の道路環境では車道走行が安全とアピールしても路上駐車や路肩の狭さの問題で多くの自転車利用者は納得しませんから・・・
みぃさん、こんにちは。コメントありがとうございます。 自転車レーンでの違法駐車の取り締まりも必要ですが、取り締まって有効活用すべき、その自転車レーン自体が、まだまだ整備されていません。
特定の場所の僅かな距離に過ぎず、認知度も低いのが問題です。
自転車レーンが当たり前のように整備され、人とクルマと自転車がそれぞれ通行区分を守る形が確立される必要があるでしょう。
もちろん、自転車レーンへの駐車など論外というモラルを形成していくため、その過程では取締りなどが必要になると思います。
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ドライバーのモラルが高く、歩行者や自転車の優先、交通弱者の保護が、言われなくても行われている状態なら問題はないのでしょうが、現実からは程遠いのは、おっしゃる通りだと思います。
弱者保護どころか、いろいろご指摘いただいたように、危険な運転があふれています。
だからこそ、自転車レーンを整備する必要があると思います。そして物理的にクルマと分離し、自転車の安全を確保するべきだと思うのです。
それによって車道走行を実現しなければ、40年来の自転車行政の誤りであり、今の自転車利用者のモラルの崩壊と混乱の元凶である歩道走行を矯正することは出来ないと思われます。
主要道路には標準で整備されるくらいの徹底が必要でしょう。
その上で、自転車利用者に対してもルールの遵守を求め、歩道を暴走して歩行者に怪我をさせることのないようにすべきだと思います。
(続く)
(続き)
左側通行を守って車道走行し、信号や一時停止を守り、ケータイ利用や飲酒、不法改造しないなど、シンプルでわかりやすいルールになります。
そして、通行に秩序が形成されていけば、ルール無視は、自分が走りにくいし危険ですから、自然と定着していくことも期待できます。
少なくともヨーロッパなどの自転車都市では、そのような秩序があります。日本より、はるかに事故もトラブルも少ないのは間違いありません。
そのレベルに到達するのは、長い道のりかも知れませんが、まず第一歩は、自転車走行環境の整備ではないでしょうか。
教育も大切ですが、歩道を走らせて、しかも徐行させるのはナンセンスです。守れないルールを講習しても不毛です。教育を意味あるものにするためにも環境の整備が先決です。
誰もが車道走行できるようにして、自転車は本来の車両として扱われる秩序が築けます。ルールもわかりやすく、守れるものになります。
長い道のりのようにも思えますが、みなが自転車レーンを使い、車道走行するようになれば、案外秩序は早く形成されるような気もします。
ブラインドケーブさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、車道走行が安全で快適と誰もが理解するよう、車道の車線を減らしたり、パーキングメーターを撤去して、充分な幅をとる必要があるでしょう。
違法駐車されない仕組みも求められます。
場合によっては歩道の幅を減らしてでも、充分な幅のきちんとした自転車レーンを整備してほしいものです。
自転車が使いやすい環境を整えるには、教育と走行環境がセットでないと意味が無いですね。同感です。
自転車レーンだけあってもルールをも守らなければ無意味ですし、ルールを守っていても自転車本来の性能が引き出せる走行環境がないと、自転車に乗る意味がありません。
ところで、当方の北海道でも本格的な自転車専用レーンが出来たとニュースで報じられたので、先日試走してきましたが、残念なレーンでした。まだまだ道は遠そうです。
http://www.youtube.com/watch?v=R2-Y6O-rmug&feature=plcp
さすらいのクラ吹きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
細かい複雑な規則もそうですが、歩道走行を走行させて、同時に徐行を義務付けるのはナンセンスだと思います。これを本当に徹底させるならば、百メートルおきに警察官を立たせるくらいの体制が必要でしょう。
この点だけとっても、今のまま教育だけで秩序を確立するのは無理だと思います。守れるルール、守るための走行環境が必要です。
行政の担当者にも、まだまだ固定観念があるのでしょうね。抜本的に変えていくべき時期に来ているような気がします。
こん○○は。
各省庁の概算要求が出揃った折のこと、コレも予算獲得へ向けた「筵旗」の1つだと思います。背広で仕事する人は押しなべて歩く・汗を流すのが嫌い、自転車叩きは格好のセールスポイントになります(邪推)。また「いずれ増税がある≒枠が広がるから自分達だけが我慢する必要など無い」とも(これまた邪推)。
それはさておき…
ルールに守られた実感の無い人はルールを守ることの意味を考えることが出来ない、無理からぬことです。ルールを設けるは何のためなのか?安全とは何に対するソレだったのか?講習とやらをムゲに「止せ」と言うつもりはありませんが(言っちゃうけど)、おそらくこのままでは「何が何でも歩道へ」が「何が何でも車道へ(おっと、自転車レーンも要注意ですよ)」になるだけで、チカラにチカラで応酬する20世紀的野蛮そのものが変わったりはしないでしょう。
法解釈の見直しだけでも解決できること、ケッコウありそうな気がしますが如何なもんでしょう?
alaris540さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
東京都のナンバー制度導入よりは、オーソドックスでまともな方法だと思いますが、やはり予算を獲得したり、安全講習を実施する組織や団体をつくって、結果的には天下り先を増やすだけの結果になるのかも知れませんね。
なぜ車道走行が必要なのか、なぜ違反行為が危険なのか、本質的なことを理解してもらうのは必要だとは思います。
しかし、歩道を走行する場合は車道側を徐行し云々から始まって、一方通行だとかいろいろ複雑な現行ルールを講習して守らせようというのは、結局自転車利用者をがんじがらめにしようというだけで、なかなか上手くいかないと思います。
シンプルで最低限のルールを守れば自然に秩序が出来るような環境を整備すべきだと思いますね。
交通ルール教育をやることは悪いことではないですが、それより先に、やるべき事は山ほど有ります。
まずは警察官の自転車が、法律を守ること、法律を守らせるなら、守れるような環境にすること。(これは、法律に反した方向性で行政や取り締まりをしてきた40年間のツケで、実現は時間がかかると思います。)
最近感じるのは、もっともっと根本的なことです。日本では、歩行者の人権は守られているのかと言うことです。ほとんど海外では見ない歩道橋を見て、ぞっとします。私が子供の頃から、道路での歩行者の横断の安全を確保できないため、歩行者に不便を強い、本来運用が禁止されている自動車に対しては、利便性を重視。そして、横断歩道で歩行者が待っていても、止まる車はほとんど皆無と言う状態。免許制である自動車でさえ、みんなでやれば怖くないと、歩行者妨害が当たり前の状態。日本はこれで経済成長を遂げたのでしょうが、これからも同じでしょうか? 自転車や、子供の通学路の問題が、対クルマの問題として出ても、被害者側の対応ばかりで、自動車側の規制や位置づけの転換など議論は皆無。お役所は運転の許可を与え続けるだけで、運転に問題のある高齢者の自動車に、マークまで付けて、乗れるように、考えているほどです。
これらの根本的な問題があるから、自転車の問題に顕著に現れるのだと思いますが、自転車だけの問題ではなく、歩行者の権利や、自転車を含めた車両全体のあり方の問題です。日本では、歩行者の移動権が確立していない現実がある以上、他の交通上の問題を解決するのは難しいのかと、がっくりするばかりです。
manさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
歩行者の優先、保護という点では、日本の状況は全くお寒い限りというのは、私も感じます。
欧米と比べると非常に未熟であり、途上国のそれだと感じざるを得ません。
日本が高度経済成長を遂げた時代、増えるクルマの量にインフラの整備が追いつかず、自転車を歩道に追いやった当時、そのことは歩行者にも負担を強い、しわ寄せがいったわけですが、この当時に今の状況を招いた元があるのだろうと思います。
どんどんクルマが普及していく中で、経済効率のためならば多少は仕方がないとばかりクルマが優先されるような風潮が世の中にもあったのでしょう。
しかし、いつまでも途上国スタイルではいけないわけで、多くの人がそれを感じ始めているのも確かではないでしょうか。
交通ルールだけでなく、道路インフラにしても、相変わらずクルマ優先の思想になっており、それが例えば通学路で小さな子供が犠牲になるような状況につながっているのも間違いありません。
もっと多くの人が、こうした身近な問題について考えるようにならないと、政治や行政には反映していかないということなのかも知れません。
自動車交通を取り扱う仕事をしている自分の見解では、
交通教育は十分なのに、遵守する気が無いというのが現状だと思います。
自動車は、横断歩行者の保護・最高速度遵守。
自転車は、左側通行・一時停止。
歩行者は、車道通行の禁止・斜め横断の禁止。
残念ながら、上記の規則を全て守れる人は少数だと言えるでしょう。
短期的な対処療法としては、交通指導員の権限を大幅に増やして、各種の違反に即時罰金を課すことが挙げられるでしょう。
その場合、歩行者・自転車にも自動車と同様の罰則を適用する必要があります。
長期的には、道路インフラに予算を投じて「歩・自・車」完全分離を目指して欲しいところです。
その際には、都市部の自動車相互通行を見直し、一方通行化によって歩道・自転車レーンの拡充に努めるべきだと考えています。
いずれにせよ、関係省庁には短期的な施策と長期的な展望を持って対応して欲しい。
Bosswoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
確かにルールは知っていても守っていない、守る気がないというのもあるでしょうね。
周囲も守っていないので、守る気にならない、守らないのが常態化しているということなのでしょう。
ただ、歩行者にまで罰則を適用する場合、取締りに要する人件費などを考えれば、果たして現実的かどうかという問題はあると思います。
一時的に違反が減っても、取り締まり体制を縮小したら元の木阿弥という可能性もあります。ならば、やはりインフラの整備によって、違反をしにくくするほうが賢明なように思います。
欧州などの例を見ても、自転車レーンが整備され、正しく利用されるようになれば、例えば逆走などは、しにくくなるでしょうし、ある程度は秩序が確立し、違反は減ると思います。
例えば、中央分離帯を越えにくくすれば、わざわざ無理をしてまで斜め横断する人はいなくなるでしょうから、いかに違反しにくい、違反する意味がない形に持っていけるかもポイントだろうと思います。
もちろん、そこまでやるのは大変な部分もあるとは思いますが..。
違法駐車はどんどん110番するようにしてます。
警察が出没するようでは停められないという悪質運転者への抑止力になりますし、
通報が多いところは対策をとるよう警察への圧力になります。
anonymousさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
個人的には、違法駐車の取り締まりを警察に直接要請したことはないのですが、通報すれば、すぐに取り締まってもらえるものなのでしょうか。
単に迷惑というだけでなく、事故を誘発しかねない危険な違法駐車、悪質な違法駐車もありますから、厳しい取締りを要請するのも必要でしょうね。
排除するところまで見届けた訳ではありませんが、
110番担当者は電話の最後に「通報ありがとうございます、警察官を派遣します」と答えてました。
自転車交通問題は、「制度で縛るよりは安全講習によるルールの徹底、それよりもっと大事なのは、環境整備」とのご意見に賛同します!
僕も、かねてから、自転車のマナー違反の大部分は、サイクリストの環境の不備から来ていると思っていました。
もちろん、悪質なサイクリストもいるのも事実だと思いますが、そういう人がどれくらいいるかは、環境を整備した後でなければ分からないと思います。
とは言っても、行政が主導して環境整備をしてくれる見込みがまだ薄いので、やはり、サイクリスト有志で働きかけていくしかないと思ってます。
個人的には、湘南地域でこんなサイクリングクラブを立ち上げようと思ってます。
湘南クロス・サイクリング・クラブ(仮)
http://srd.bokudeki.org/?p=7
是非、読んでご感想などお聞かせください!
anonymousさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですか。通報すれば、きちんと応えてくれるようですね。
たまに、わざわざ警察官が来て駐車車両を移動しているところを見ることがありますが、通報によるものたったのかも知れません。
栗田さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
自転車を歩道走行させるという、世界的にもナンセンスな状態を40年も続けていることにより、守れないようなルール、現実的でないルールになっていることが一番の問題だと思います。
まず、歩道を徐行させるという自転車にとって大いにナンセンスな状況を変えなければならないでしょう。
本来、車両である自転車を歩道走行させてきた結果、車道でも邪魔者にされ、歩道でも厄介者にされているような環境を変えていかなければ、ルールを守らせるようにも無理が生じると思います。
問題は、40年以上続いた結果、多くの人はそれが普通になってしまい、おかしいと感じていないことにもあると言えるでしょう。
それを変えていくためには、おっしゃるようにサイクリストたちが声をあげていく必要もあると思います。
いろいろなやり方があると思いますが、自転車に乗る人たちが、それぞれの地域、それぞれの立場、それぞれの考え方で、少しずつであっても行動していくことの意味は大きいと思いますね。
全く同感です。
ほぼ同じようなことを考えている人に出会えてよかったです。
それも、とても研究されていて勉強になるので、時間が許す限り、過去の記事まで全部読みたいと思っています。
最近、楽天の中古自転車屋さんで12800円のクロス自転車を注文したんですが、こういう形でも手軽にスポーツ自転車を手に入れて、車道を堂々と走行する装備とプライドみたいなものを、サイクリングクラブを通して準備し育てていきたいなと思ってます。
栗田さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
サイクリストの中には、同じようなことを考えている人は少なくないと思います。
スポーツバイクに乗る人、自転車本来のポテンシャルを知る人、ルールの重要性を理解する人、車道を走行する人が増えれば、そういう人はさらに増えていくだろうと思います。
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