代表的なのはエアロバイクでしょうか。土日や休日は自転車に乗って外へ出かけるけれど、平日は仕事帰りにトレーニングジムへ行ってエアロバイクをこぐという人もあると思います。自転車通勤では無理ですが、エアロバイクなら、終わってシャワーを浴びて一杯やって帰れる(笑)なんて理由もあるかも知れません。
家の中で自転車のペダルをこぐ人もいます。雨の日などのトレーニング用に、自転車をそのまま室内でこげるローラー台、いわゆる3本ローラーや、タイヤをセットして負荷をかけられるサイクルトレーナーなどを使って、室内で自転車をこいでいる人もあると思います。
家で、ダイエットなどの目的で購入した家庭用エアロバイクを使っている人もあるでしょう。有酸素運動を長く続けるのにペダリングは適しています。室内ならば、テレビなどを見たり、音楽を聴いたりなど、何か他のことをしながらトレーニング出来るという利点があります。



室内でペダリング運動をするための装置は、ローラー台からエアロバイクまでいろいろあります。そして当然ながら、こうした器具も日々改良が施されたり、新しいコンセプトの製品が市場に投入されます。これまでにもユニークな製品やサービスをいろいろ取り上げて来ました。
モニターに景色が映し出され、いながらにしてバーチャルな走行体験が出来るエアロバイクとか、移動しながらトレーニング出来るフィットネスジム、どうせなら、そのエネルギーを使って何かをしようという発想の製品など、いろいろと取り上げてきました。
今後、こうした器具も進化をしていくでしょう。忙しい現代人がトレーニングジムや家庭など、室内でペダリングする機会は増えていく可能性があります。そこで今回は、室内でのペダリングのための機器の進化の方向を占う上で興味深い、2つの事例を取り上げてみたいと思います。

こちらはなんと、水中でトレーニングするエアロバイクです。ちょっと深めのバスタブのような容器の中にサドルとペダルがついています。“
FITWET”というこの器具、ジャグジーとエアロバイクを合わせたような、意表を突くスタイルです。水中エアロバイクという、ある意味、斬新なコンセプトと言えるでしょう。

水中でのペダリングは、水の抵抗を受けて、より大きな負荷がかかる分、効果的なフィットネス効果が得られます。ジェットバスのような水流が出るので、そのマッサージ効果が同時に得られるようにもなっています。血行促進と共に血管の能力や持久力も高めると言います。
室内でエアロバイクに乗ると、外で自転車に乗るのと違って風を受けるわけではないので、汗が吹き出します。トレーニングなので仕方ありませんが、これならプールでのエクササイズのように、涼しくトレーニング出来そうです。実際、体温の過度の上昇を抑えるというのもウリの一つとなっています。
1時間で最高800キロカロリーを消費でき、ペダリング効果と温浴効果、ジェット水流などの効果で、特に下半身のフィットネスに効果が高いと言います。このあたりの宣伝文句は、下半身の脂肪を落としたいと願う女性に魅力的に聞こえるのは想像に難くありません。

健康機器にありがちなセールストークに聞こえなくもありません。しかしながら、同じ時間、空中でトレーニングするのと比べ、3倍から12倍の効果を上げることが出来ると言われれば、なるほど水中というのもリーズナブルなのかなと思えてきます。
この“FITWET”、給排水のための配管も必要でしょうし、さすがに個人宅に設置しようという人は少ないと思いますが、ジムやフィットネスクラブにあったら人気が出るかも知れません。少なくとも、エアロバイクにしようか、プールでのエクササイズにしようか、ジェットバスに入ろうか悩む必要はなくなります(笑)。

こちら、“
VELA”という名ですが、言われなければ、何なのかわからないのではないでしょうか。シャレたインテリアか、芸術作品か何かのようにも見えます。実は、れっきとしたエアロバイク、サイクルトレーナーです。サイクルトレーナーのデザインとしては、従来のものとは比べ物にならないセンスの良さです。
これならば、相当おシャレな部屋に置いてあっても、違和感を与えないのではないでしょうか。トレーニング機器なのに、ハイセンスな家具かインテリアのようにしか見えません。これまでのエアロバイクやサイクルトレーナーのデザインとは一線を画す製品です。

先進的なのは、本体のデザインだけではありません。室内を暗くしてペダルをこぎ始めると、本体に埋め込まれたプロジェクターから床面にスポットが投影されます。ペダルをこぐ速度によって、スポットが流れる速さが変わり、まるで夜空へ続く光の道を走行しているかのようです。
イルミネーションによってスピード感を感じられるわけです。室内を暗くして、光だけを見て走行すれば、幻想的な世界、異次元の空間にいるような感覚にとらわれるかも知れません。不思議な感じですが、これはトレーニングに集中できる効果もありそうです。
この光は、トレーニングのガイドにもなっています。ペダルと連動して流れる速さや色が変わり、ウォームアップの速度やエクササイズの速さに到達したこを知らせてくれます。力を入れすぎて、有酸素運動の範囲を超え、無酸素運動の領域に入る速さになったことも教えてくれます。メーターより直感的で、ずっとスマートです。
こうして見てくると、エアロバイクやサイクルトレーナーにも、まだまだいろいろなアイディアを盛り込む余地がありそうです。多くの可能性が秘められていると感じさせます。家電などと同じように、健康機器、運動不足解消のための器具として、家庭に普及していくかも知れません。

単に雨の時、外を走行出来ない時のトレーニング器具や、単なるダイエットのための運動器具としてだけではありません。脈拍や心拍数を始め、身体のさまざまなデータを収集し、同時に健康管理に使える医療機器として進化していくようなことも考えられるでしょう。
今回取り上げた機器が、そのまま普及するかは別として、エアロバイクやサイクルトレーナー、あるいはローラー台といった機器は、案外面白い存在と言えるかも知れません。家の中やジムで使う、単なる自転車を模した器具から、何か別の新しいプロダクツが生まれてくる可能性もありそうです。
医学や租税法学の分野で、ウソや盗用の問題が世間を騒がしています。なんで、すぐバレるようなウソをつくんでしょうかね。