October 28, 2012

実験すればいいとは限らない

秋の行楽シーズン真っ盛りです。


自転車シェアリングの社会実験週末の道路は、行楽地に向かうクルマ、帰るクルマがあちこちで渋滞しています。行き帰りだけでなく目的地でも行楽客の集中で渋滞していたり、駐車場の空き待ちの行列が出来ていたりします。渋滞を避けて電車で出かけるのも手ですが、現地での移動の点で不便ということもあります。

そんな時に便利なのが、レンタサイクルでしょう。最近は、全国各地で新たに自転車レンタルを導入するところが増えています。観光地ばかりではなく、都市での自転車シェアリングの実験といったニュースもあって、ごく最近のものだけ拾ってみても、いろいろあります。


コミュニティーサイクル:小江戸を自転車で 24時間利用可能、川越市試験導入 /埼玉

爽快!高級レンタル自転車 紀ノ川エリアの観光に /和歌山

コミュニティーサイクル松山市、12月から観光客にEVなど貸し出し /愛媛

貸し自転車でおもてなし 福岡市が社会実証実験 /福岡

品川で自転車シェア実験 /東京

ナビ付き自転車 試験貸し出し 長瀞町観光協 /埼玉

ICカードで自転車貸し /神奈川

「まちのり」で回遊性向上図る 観光庁の支援事業に /石川


社会実証実験サイクリストなら輪行という手もありますが、行楽などで電車で出かけた際は、現地にレンタサイクルがあると移動するのが便利になります。従来の古いママチャリが申し訳程度に置いてあるのと違い、最近はスポーツバイクを用意するところも増えているのは嬉しい傾向です。

観光地でのレンタサイクル以外にも、都市部で自転車シェアリングを実験導入するところも増えています。日本でも紹介され、最近見聞きすることの増えたパリやロンドンなどの都市型のサイクルシェアリングを意識してのことなのは間違いないでしょう。

各地で自転車の活用を推進しようという機運が高まっているのはいいことだと思いますが、ここのところ、雨後の筍のように各地で行われている自転車シェアリングの実験については、疑問に感じる部分もあります。一種の流行のように、乗り遅れるなとばかり、比較的安易に実験を実施しているように見えて仕方がありません。

ICカードで自転車貸し本来、パリやロンドンで導入され、ニューヨークでも来春導入されるような都市型の自転車シェアリングシステムは、都市の交通システムとして機能させるためのものです。バスや地下鉄網を整備するのと同じように、都市での市民の交通手段として自転車を活用しようという考え方です。

日本では自転車と言うと、徒歩の延長か下駄代わりくらいに見られることが多く、自転車を立派な交通機関と考える土壌がありません。バスや地下鉄などと同じと言われても、ピンと来ない人が多いに違いありません。その結果、単なる貸し自転車の機械式全自動版くらいに考えられています。

都市交通ですから、場所が限られていたり、少ない貸し出し拠点、台数では、その利便性を発揮できません。それ相応の規模で導入されなければ都市交通の手段として成り立たちませんし、意味がありません。自転車の走行環境の整備も必要になります。単なるレンタサイクルとは異なるものなのです。

そこまでの構想を持って実験を行っているのであればいいですが、そうとは思えないようなものも存在しています。もしかしたら、自転車の共有で放置自転車が減るのではないかとか、最近よく聞くから、話題にもなるので実験してみようというのでは、上手くいくとは思えません。

コミュニティーサイクル社会実験その性質から言って、小規模な実験では、市民が自転車シェアリング本来の利便性や、都市交通としての機能を体験し、理解できるはずがありません。近隣の人、たまたま知った人が地区限定で便利に使うかも知れませんが、都市交通としての効果を測ることは出来ないはずです。

貸し出し用のコンピュータシステムが思った通り機能するかのテストなら別ですが、それは導入が決まってからやれば済むことです。自転車シェアリング導入の是非を小さな実験で検証するのは、あまり意味があるとは思えません。地下鉄建設の是非を決めるため、自動改札機のテストだけやってみるようなものです。

規模のメリットがあってはじめて自転車シェアリングシステムの意味が出てきます。単なる自転車の貸し借りだけではなく、自転車レーンの整備等によって、市民が実際に走行しやすくしなければ効果も上がらないでしょう。本来は、都市の交通政策を総合的に考えて導入を構想すべきものだと思います。

レンタサイクル各地の自治体の取り組みを全て否定するつもりはありません。日本では理解されにくい部分もありますし、まず実験だけでも実施することで、関係各所の理解を得たり、機運を盛り上げたりする必要があったりもするのでしょう。そのあたりの事情はよくわかりません。

しかし、自転車シェアリングの意味やその本質的な部分を理解して実験していないのであれぱ、それは無意味と言わざるを得ないでしょう。単に機械式の自動貸し出しシステムのように考えているだけなら、パリやロンドンのような成功は望むべくもないことは明らかです。

実際に、これまで数多くの自治体で、自転車のシェアを目指して同様の実験が何度も繰り返されてきました。かなり力が入ったものも数多くあり、鳴り物入りでスタートしたものもありました。しかし、そのほとんどは失敗、消滅し、今は跡形もありません。

公共レンタサイクルそれでも熱心な自治体が後を絶たないのは、やはりどうしても放置自転車対策の効果を期待するからなのでしょう。でも、そうした目論見での実験は、結局は税金の無駄でしかないと言っても過言ではありません。それほど数多くの自転車共有の試みが失敗してきています。

海外の事例を見れば明らかなように、都市交通網として整備するのでなければ、シェアリングシステムの成立は難しいと思います。コストが吸収出来ず、利用も広がらず、結果として早晩撤退を余儀なくされます。今まで、そうした失敗例が腐るほどあるわけですから、少しは調べて勉強してほしいものだと思います。

最初はもの珍しさも働いて話題になりますが、結局は思ったほど利用が進まず、人知れず静かに消えていく可能性は低くありません。その結果、ちょっとの実験だけで自転車シェアリングシステムは成立しない、わが自治体では市民が求めていないという結論に至ってしまうわけです。

サイクルオアシス海外では、ニューヨーク、パリ、ロンドンといった大都市だけではなく、もっと規模の小さい都市にも自転車シェアリングシステムの導入が広がっています。現時点でその数は全世界で少なくとも百数十以上に上っているはずです。その有用性は多くの都市で認められているのです。

日本の都市では、言ってみれば、間違った使い方を、ちょっとだけ試して使えないと判断してしまう形になっています。日本の場合は一部特殊事情があるにせよ、世界で自転車の活用が広がっている中、これは不幸なことと言わざるを得ません。中途半端な実験は、かえって有害とさえ言えるでしょう。

パッとしない実験結果が各地で積み重ねられることで、チマチマ実験していても仕方がない、一挙に都市全体に導入しよう、となるとも思えません。観光地などでのレンタサイクルと違って、都市での自転車シェアリングの実験は、逆効果にもなりえます。昨今の状況を手放しでは喜べないのが残念です。





昼にカナダで大きな地震があったようです。今回は影響なしでしたが、海岸を走行していて、揺れてないのに津波という可能性も頭に入れておく必要がありますね。

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この記事へのコメント
いつも興味深く読ませていただいています。
私は、日本で自転車シェアリングを行うことの本当の問題点は、一般の方の自転車に対する意識を下げ、さらに自転車がいい加減なものになってしまう、ということだと思っています。
サイクルロードさんがいつも書かれているように、私も日本で自転車政策が進まない根本的な原因は、歩道走行と質の低い自転車の氾濫により自転車が持つ本当のポテンシャルが理解されていないことにあると思っています。
その上にさらに自転車シェアリングが導入されると、自転車がちょっと乗ってすぐ乗り捨ればいい、今以上に安くていい加減なものになってしまいます。
さらにヨーロッパでさえも、シェアリングの自転車を利用する人はルール、マナーをあまり守らない傾向にあります。ただでさえ自転車マナーのむちゃくちゃな日本では、いい加減な走り方をする自転車が今以上に街にあふれかえることになるでしょう。
むしろ今の日本では自転車シェアリングの利用者が少ないことでそのような問題が起こらず、助かっていると言えます。
自転車シェアリングが多く導入されているフランスやイギリスなどは、元々自転車というとロードバイクで飛ばすイメージで、一般の生活ではあまり使われていなかった国々です。ですから、自転車を誰でも気軽に使えるレベルまで降ろしてくる必要があったわけです。
日本ではそれとは逆に、今、自転車を使っている人の意識の向上が最も必要なことです。そのためには短い距離で使い、スピードも出ないママチャリタイプの自転車のシェアリングではなく、自転車の本当のポテンシャルを理解してもらえるようないい自転車のレンタルと、より長い距離をスピードを出して走行してもらえる環境を整えることが必要です。
Posted by 藤本芳一 at October 29, 2012 23:05
うっかりメールアドレスとURLをちゃんと入力せずにreturnを押してしまいました。再度入力させていただきます。
Posted by 藤本芳一 at October 29, 2012 23:08
 世田谷区桜新町の電動自転車のレンタルサイクルの利用登録しています。東急田園都市線桜新町駅から小田急沿線までの数キロ先に移動するのに、電車だと1時間、自転車だとう数十分でいけて便利だとの事です。
 観光地は別として都会のレンタル自転車は、荷物が沢山積める軽快車(ままチャリ?)や子載せ自転車が良いと思います。
 全距離自転車移動は辛いし、駅から数キロあると荷物もったり、子ども連れて歩くには辛いです。駅から数キロあると、どうしても自宅から自家用車になりがちです。各駅にレンタルサイクルの拠点が出来れば、鉄道+自転車で、自家用車よりも小回りが利いて便利になりそうです。
Posted by 世田谷花子 at October 30, 2012 08:36
役所は過去に失敗例しかない、国内の自転車政策を行い、税金を投入していく。なぜ成功例の多い海外の政策をまねしないのか不思議です。
Posted by ブラインドケーブ at October 30, 2012 17:14
藤本芳一さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃるように、自転車シェアリングシステムが導入されることによって、さらに自転車がいい加減な存在、いい加減な扱いになってしまうというのは、充分考えられますね。
近頃はオシャレなものも多いですが、費用を浮かせてられて、処分にもなって一石二鳥とばかり、撤去したママチャリを流用しようとするところもあります。
当然整備も充分でないわけで、扱いが乱暴になるのは目に見えています。自分の自転車以上にいい加減な扱いになるのは自明です。
そうでなかったとしても、好きなときに安く使えるため、乱暴に扱う人はどうしても出てくるでしょう。
確かに、自転車に対する認識はヨーロッパなどのそれと、日本のそれとは大きく違います。
自転車文化の違いや歴史的背景などもあって、かたや都市交通の手段、かたや子供の乗り物かゲタ代わり、ずいぶん差が有ります。
自転車のポテンシャルに対する理解も含め、そのあたりの違いが大きいのも、その通りだと思います。
自転車シェアリングを提供しようとする側の理解も足りないように思いますが、使う側のレベルも問題と言えそうですね。
Posted by cycleroad at October 30, 2012 23:22
世田谷花子さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
世田谷の電動自転車のレンタルサイクルは、東西に比べて南北方向の交通手段が発達していないという、世田谷地域特有の弱点を補う目的で導入されたものですね。
基本的に駅と駅を結ぶことが想定されており、都市を網羅する形で設置されるシェアリングシステムとは、少し違います。
鉄道の駅はもちろんですが、もっと細かく貸し出し拠点を設けることで、電車プラス自転車だけでなく、自転車単独でも便利に都市内を移動できるようにするというのが、都市交通としての自転車シェアリングシステムの考え方ですね。
Posted by cycleroad at October 30, 2012 23:37
ブラインドケーブさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
同感です。他の自治体のフリ見て我がフリ直してもいいと思うのですが..。見てないんでしょうか。
まあ考えてみれば、市民からすると当たり前のことでも、そうならないというのは、自転車政策に限ったことではありません。
いわゆるお役所仕事ということなのでしょうね。
Posted by cycleroad at October 30, 2012 23:48
去年パリに宿泊した際にべリブをあちこちで見かけました。市街地の渋滞はひどいものでタクシーの移動もままならないぐらいでした。昨日の小林盛基さんの講演によるとパリ市内の平均交通速度が16キロから22キロに改善されたそうでパリ市長の政治生命をかけた取り組みが功を奏したのでしょうね。近くで済ましていたランチもちょっと足を延ばせるようになって街の活性化にも寄与してるとのお話でした。
Posted by sharetheroad at October 31, 2012 13:23
先日、亀岡市立安詳小学校に「飛び出し坊や」の話をしてきました。

参考、
「飛び出し坊や」は現代の道祖神、、
http://www.asahi.com/kansai/travel/kansaiisan/OSK201007140089.html
飛び出し坊やの歌。
http://www.youtube.com/watch?v=r1lmWalPdnM
各地の看板。
http://www.kt.rim.or.jp/~naoyom/manager/tobidas.html
逆に危険運転致傷の罪に問いたいぐらい。身代わりとなってくれた「飛び出し坊や」に感謝しろと言いたい。
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sougou/031126ke1110.html
Posted by sharetheroad at October 31, 2012 13:51
生命のメッセージ展で、、
(いくら法律が否定しようとも)クルマ社会(スピードが支配者)が現実なのよと。

僕が幼稚園児の頃はクルマ社会なんかじゃなかった。ひとりで歩いて通園してもクルマにおびえることはなかった。でも小学校に上がってからは急速にクルマが増えていった。プロのドライバーのクルマからマイカーへ、そして生涯の伴侶へと。クルマと離婚すれば不自由な社会が現実となった。生命の叫びが絶え間なく聞こえる社会。それに対して「理不尽な!」で思考停止する社会。「イジメ社会」が現実となったのよと。
http://8507.teacup.com/criticalmass/bbs
Posted by sharetheroad at October 31, 2012 14:34
sharetheroadさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
大都市パリのヴェリブの成功は、多くの都市に影響を与えたと思います。渋滞の低減に街の活性化とは、いい効果も出ているようですね。
街の一部で実験ばかり重ねているより、各地の首長は思い切って全面導入したほうが効果も顕著でしょうし、むしろ全面的に導入しなければ、都市交通として機能せず、効果も見えずにもったいないのではないかと思いますね。
Posted by cycleroad at November 01, 2012 23:24
sharetheroadさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
載せていただURL、見てみようと思います。いろいろ教えていただき、ありがとうございます。
Posted by cycleroad at November 01, 2012 23:34
今年に入ってパリのベリブを体験してきましたが、話には聞いていましたが、規模の大きさに驚愕。自転車の台数が、2万台以上、ステーションの数が1800箇所で、おおむね300m間隔で設置。パリ中心部では、路地をいくつか行けば、ステーションがすぐに見つかる。そして走っている自転車の、2台に1台はこのベリブという印象で、車道を自動車の流れに乗って走っていました。
また、ベリブに関連するバスや運搬車両もよく見ました。これらは定時的に動き、台数調整や故障車の回収を行います。セーヌ川には中で修理も出来る船が動いているそうで、これなら道路渋滞に影響しない。(パリの中心部のクルマの多さはひどい物で、だからモーターバイクもすごい数で、ベリブ導入前はもっとひどかったようです。)
ブリュッセルのビロ(Villo)も体験しましたが、だいたいベリブの10分の1と言う規模でしょうか。それでも、中心部での密度は似たような物で巨大な印象でした。
いずれも、30分は無料。一日や半日借りるような観光用レンタルとは異なり、仕事や生活での短時間移動を担うという設定です。

日本で行われている実験や、実施は、最終的に想定される規模がこれだけ異なると、仕組みが同じでも、全く異なるインフラ(もしくはインフラになっていない)と言わざるを得ません。それを、ベリブなどを参考にとか、似た効果を期待しているとか言うなら、全くの間違いで、例えれば、大都市のバス路線網に対して、駅とイベント会場を結ぶだけの臨時無料バスの違いのようです。

続く。
Posted by man at November 07, 2012 16:09
欧州の都市のバイクシェアリングは、移動距離は違えども、鉄道,地下鉄やバスと同じ公共交通機関ですから、ステーションは駅やバス停と同様、普通に売っている市街地図に当たり前のように載っていました。道路整備や、地下鉄構築度同様、大都市の市民の移動手段として考えていますから、お金のかけ方も違います。それでも鉄道建設よりは大幅に安いはずですが。

仮に日本で同じ規模のことをするなら、東京23区及びその周辺で都営交通の一端を担うと言うことで、地下鉄や都バスの動きにも影響する大プロジェクトになります。もちろん、規模が合えば同様に有効とは限らず、日本の現状からすると、同じ運用が出来るとはとても思えません。残念ながら日本の自転車の運用は多くが歩行をちょっと延長した程度。自転車に期待している移動距離が大きく異なりますから、移動規模も縮小します。もちろん、これは将来、日本での自転車事情が変わってくれば別、私としては、30年後にでも、そうなってくれる期待をしているのですが。
Posted by man at November 07, 2012 16:11
manさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
パリのベリブ、体験されましたか。こうした手本がいくらでもあるわけですから、日本で導入されている小さく限定的なものとは、おっしゃるように似て非なるものであり、全くインフラにならないということは、誰でも容易にわかりそうなものです。
実験として行われているものでも、インフラとしての効果を測るなんて無意味でしょう。一定の規模とネットワークとして構築されて初めて、単なるレンタサイクルではなく、都市交通として機能するわけで、小規模な実験で効果をみようというのは、あまり意味があるとは思えません。
都市交通として導入を決断すれば、渋滞の低減と移動時間の短縮など利便性の向上、都市部の生活環境の改善、インフラ整備のコスト圧縮、市民の健康増進への寄与など大きな効果も見込めます。
都市部へのクルマの流入抑制などと同時に進めてもいいでしょう。
多くの都市で実証されているのですから、下手な実験をして感想を聞くより、都市交通のインフラをどうしていくか決断する段階、あるいはビジョンを示すべきなのではないかと思います。
(続く)

Posted by cycleroad at November 07, 2012 23:38
(続き)
おっしゃるとおり、日本では自転車は歩道走行で、歩行の延長くらいにしかなっていないのは問題だと思います。ただ、バスや地下鉄とは全く別に、日本でも機能させることは可能なはずです。
そのためには、自転車の走行環境を整備し、自転車が歩道走行しているような状態を改めることで、自転車本来のポテンシャルを理解できるような環境が必要になると思います。
クルマだけでは渋滞などで機能不全に陥っている部分がある都市交通を、シェアサイクルというインフラ、選択肢を増やすことで、より利便性が高まることを、もっと周知することで、世論が形成されていくようなことも導入に至る環境として必要なのだろうと思います。
市民の理解やコンセンサスも含め、導入へ向けた環境整備を進めていく必要があるのは確かでしょうね。
Posted by cycleroad at November 07, 2012 23:39
国内で行われたこれまでのシェアサイクル実験はお粗末なものばかりですね。
機械式ステーションシステムばかりに注視して、拠点を増やせないのでは本末転倒です。
表参道のシェアサイクルcogicogi等は、機械式ステーションという縛りを無視→人手による貸出しシステムで拠点を増やした良い例だと思います。
横浜国立大学で行われている実験にはかなり期待しています。↓
http://www.ynu.ac.jp/hus/koho/7039/detail.html
現状は駅⇔キャンパス及びキャンパス内の移動手段としての実験ですが、拠点がいらなくなるかもしれない技術なので注目してます。
Posted by Bosswo at November 08, 2012 11:11
Bosswoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
交通インフラとしての効果を検証し、導入の可否を探るために社会実験として行うようですが、ごく一部に導入してみても、ネットワークとして機能するわけではありません。
人々の使い方も違ってきますし、インフラとしての有効性は発揮できないので、似て非なるものとなり、実験としての意味は薄いと思います。
システムの実証実験などは別として、導入するかどうかを、社会実験の結果を見て決めようというのはナンセンスだと思います。
必ずしもステーションを必要としないシステムは、海外でも開発されているようです。
ステーションがなければ、どこでも返せるわけですが、そうなると駐輪施設の整備などが問題となりそうですね。
Posted by cycleroad at November 08, 2012 23:25
cycleroadさん,おはようございます.非常に着目すべき内容ですので遡ってコメントを申し上げます.

当地長野市でも前々回の善光寺御開帳が行われた2003年に「NASL(ナッスル)地球環境フォーラム」なる市民グループが「みどりの自転車」と称する無料貸自転車の実験を始めました.

これは市民から用済みの自転車を募集して緑色系のペンキを小汚く塗りたくり,彼等の指定した市内数箇所の置き場(グリーンステーション)を拠点に,当初は錠を付けず誰にでも自由に使える自転車として用意したものですが,常駐管理者が不在ですからすぐに壊れたりパンクしたりするのは当然で,さらに使用中他人に乗って行かれると困るので,自分で錠を付けそのまま私物化する例も続発しました.

当初は画期的と,当地の地域紙も誉めそやしたりしましたが,提供される中古自転車本体から補修用(中古)部品,さらには点検整備のボランティアまで,とにかくタダで使えるものなら何でも使ってやろうという厚かましいシステムで,結局は疋田智氏や貴兄が指摘している通りの経過となり,いつしか忘れ去られてしまっています.

こういう共用自転車を絶えず新車に近い状態を維持して安全性を保障するのは,決してお遊び半分,趣味半分でできる性質のものではありません.放置自転車を安易に利用しようとするなら,結局は無責任自転車になってしまいます.
Posted by マイロネフ at June 09, 2015 07:09
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この件に関連して、他の記事でも何度か取り上げていますが、自転車シェアリングが話題となる以前から、放置自転車を利用したりして、無料の貸し自転車を自治体が提供する例が後を絶ちません。
最近でも群馬のほうで話題になっていますが、無料ということで、自転車が散逸してしまい、継続が困難になっています。
利用者のモラルを嘆いていますが、そもそも、無料の貸し自転車は、政策として間違っています。
通勤者と昼間の利用者が共有すれば、使う自転車の数が減らせて、放置自転車もなくなると考えるようですが、浅はかとしか言いようがありません。
同様の失敗例は、私が知るだけでも過去に腐るほどあります。他の自治体の失敗例くらい、調べればすぐわかりそうなものですが、そういう頭もないのか、市民の税金だから構わないのか、予算を消化したいからか、どうしようもない自治体は全国に無数にありますね。
Posted by cycleroad at June 09, 2015 23:46
金沢市の「まちのり」の写真が多用されていますが、「まちのり」が失敗例だとでも断じたいのでしょう?
Posted by 暁烏 at December 02, 2016 20:14
暁烏さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
囲みで引用先を示した通り、この当時ニュースになっていたものを載せただけです。
ライドシェアについては一般論として、疑問を感じるものが散見されると指摘しているだけであり、金沢市のものが失敗かどうかは知りません。個々の事例を判断する材料を持っているわけでもなく、その意図もありません。
文章を読んでいただければわかることで、ご指摘は見当違いではないでしょうか。
Posted by cycleroad at December 03, 2016 23:21
 
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