生活の中で自転車を役立てる

自転車の役割は移動だけではありません。
人間の移動と共に荷物も運びます。しかし、日本ではカーゴバイクの類を見ることは滅多にありませんし、走っている自転車の大多数は、いわゆるママチャリです。ほとんどの人が、カバンなどの手荷物や買い物袋くらいしか運ばないのではないでしょうか。
スポーツバイクにもバッグや荷台等を取り付けて荷物を運ぶことは出来ますが、実際には、大部分の人が荷台や前カゴを取り付けていません。自転車は、ママチャリの前カゴに入るものくらいしか運べないような気がしている人も多いのではないでしょうか。
海外では、いろいろな工夫をして、さまざまなものを運んでいる人がいます。自転車だと運べないと思っているもの、自転車だと出来ないと思われるようなことでも、実現可能にしている例があります。参考になるかどうかはわかりませんが、今回は、そんな例をいくつか取り上げてみたいと思います。

自転車でピクニック用のテーブルと椅子を運んでしまおうと考えた人がいます。自転車でピクニックに出かける際に、お弁当くらいなら運ぶと思いますが、テーブルやチェアまで自転車で運んでしまおうという発想は、なかなか出てこないのではないでしょうか。

コンパクトにたたんで、自転車の荷台部分にセット出来るよう工夫されています。テーブルと椅子だけでなく、コップなどの食器、食材なども内部に入れて運べるよう考えられており、うまく形を変化させることで、荷台にセットしても、安定するようになっています。

荷台にセットした状態を見ただけでは、まさかテーブルと椅子になるとは思えません。同じような形のバックは見ますが、バッグ部分も別の用途に使おうという発想と見ることも出来ます。どのくらい実用的かは別として、なかなか楽しいアイテムと言えると思います。

自転車で荷物を運ぶために取り付けるラックとかカゴなどのグッズは、いろいろありますが、こちらは
ハンドルバーに取り付けられるバッグです。これならばスポーツバイクなどでも、工具を使わずに取り付け可能です。ウィスキーなどのボトルも安全に運べます。

こんなバッグにウィスキーを入れて運ぶという場面は、なかなかないと思いますが、ちょっとシャレた感じがします。前カゴにいれたのでは飛び出しかねない飲料のボトルも、安定して運べます。ハンドルバーに取り付けるバッグというスタイルは、いろいろ応用出来そうです。

こちらの会社は、自転車を使って出張スタイルのバーを提供するというサービスを展開しています。ジンをベースにしたカクテルなどを街角で提供します。室内も含めたイベントなどに呼ぶことも出来ます。野外でパーティーなどを開く時には便利でしょう。



提供するお酒の種類を限っているので、自転車で商売道具一式を運べるということもあると思いますが、自転車を使うことで、どこでも出張しますというアピールにもなっているのでしょう。クルマが入っていけない場所、路地でも公園でも、ガーデンでも出張出来ます。自転車を簡単に移動出来る屋台として使っているわけです。
こちらは、なんとペットの
犬を自転車で運んでいます。これを使えば、同じコースを散歩させるにも5分の1の時間で済ますことが出来ます。自転車で行ける場所なら、どこへでもペットと一緒に出かけることが出来ます。抱いて運ぶのは大変ですが、自転車に載せればラクに運べるでしょう。

と、言うのは冗談です。これは、“
Fairdale”というメーカーのサイトに掲載された、フォトショップで加工された合成写真です。ジョークとは思われず、抗議のコメントが殺到したようですが、よく見ると、ベースに同じ写真が使われており、確かに合成写真だとわかります。
この状態では犬もおとなしくしていないでしょうし、ペダルをこいだら、足が犬に当たりそうです。この犬用ラックというのはジョークですが、違う形で犬を運ぶバッグや、それが取り付けられる自転車なども売られています。自転車で犬を運びたいという需要もあるのでしょう。
前カゴや荷台にカゴを取り付けてしまうと、運べるものは限られてしまいますが、荷台のままにしておけば、いろいろなものを運べることが、
こちらの自転車を見るとよくわかります。意外に大きいもの、重いもの、手で運ぶのが大変なものでも、自転車を使えば容易に運べるものも多いと思います。



日本では、シティサイクルと言えば大多数がママチャリで、最初から前カゴなどが取り付けられた状態で売られている場合がほとんどだと思います。人々のイメージにも、自転車だとあまり荷物が運べないという先入観が定着してしまっている面があるのではないでしょうか。
トレイラーを使うなどすれば、家具やベッドなども自転車で運べます。でも、そこまでしなくても、フレームや前後の荷台スペースを上手く使えば、いろいろなものが運べるようになります。それによって趣味や仕事、生活の利便性が大きく広がるはずです。もっと自転車で運ぶというスタイルを考えてみてもいいと思います。
いきなり今週解散とは思いませんでした。これで忙しい師走が、さらに騒がしくなるんでしょうね。

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Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。

Posted by cycleroad at 23:30│
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2〜3年前に「こんな自転車日本でも作れへんかなあ〜」なんて何度も言ってたら試行錯誤の末にようやく満足のいくものが仕上がったみたいです。「じゃあ今度はカッコいいタンデム自転車をつくってみない?宮崎でも公道走れるようになったんやで〜、大阪や滋賀でも走らせてみたいねん」
http://www.ebscycle.com/feature.html
またまた僕が興味を持っている記事で、うれしい限りです。
僕の最近のアイデアではヒット作だなと思っているものがあります。
それは自転車に「つえ」を取り付けて、キーボードや買い物袋を運搬できるようにしたことです。
こちらをご覧ください。
キーボード運搬
http://blog.goo.ne.jp/tonsan2/e/7f5630f74951d1214e2cb9979135814e
買い物袋運搬
http://blog.goo.ne.jp/tonsan2/e/ae9d8b1fac5eaf43d7df7b5870eaa8f1
荷台に「つえ」を取り付けた記事
http://blog.goo.ne.jp/tonsan2/e/25e9be0f7fb667c869289e20ae5edd85
sharetheroadさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
これはいろいろ運べて、使い勝手の良さそうな自転車ですね。
シティサイクルといえばママチャリばかりで、実際ママチャリ型ばかりしか売られていないというのも、こうした運搬性能の高い自転車が普及しない原因だと思いますが、日本でも、こうした自転車がもっと評価され、普及してもいいのではないかと思います。
トンサンさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
拝見しました。いつもながらオリジナリティあふれる工夫に感心します。
器用でらっしゃって、ご自分で必要に応じて加工したりすることも出来るのが、うらやましいところです。
また、アイディア満載で、低コストでカスタマイズしているのも、なかなか真似のできないところでしょうね。
トンサンさんほど、いろいろ工夫して荷物を運んでらっしゃる方は、なかなかいないでしょう。いい意味で、かなり例外的だと思います。
荷台のイヌに腿を舐められそう、最悪噛まれそう
昨日の就寝時間が早かったせいか、早起きしすぎてしまいました。
サイクルロード様、毎記事大切に、そして楽しく、興味深く、ありがたく読ませて頂いております。頭が下がるばかりです。
カーゴバイクですが、これはひとつの究極で理想的な実用自転車の姿だと、最近特に強い気持ちを抱くようになりました。
日本でも絶対に普及、充実、浸透させるべきすばらしいタイプの自転車だと、私は確信しています。
荷物運転だけでなく、子供乗せ自転車としても大変優れているグッドデザインと言えましょう。
自転車をこぐ人にとって、乗せた人や荷物の状況がわかるのは、安心・安全につながり、本当に理想的と言えます。
カーゴバイクは、脱自動車推進のため、クリーンで健康的な移動手段である自転車のポテンシャルに気づいてもらうに、大きな可能性をもっていると思います。
また、私は子供乗せ自転車、そしてお年寄りの高齢自転車利用者のためにも、自転車が通る道路の段差やでこぼこを徹底的に解消してもらいたいとも、強く思っています。
私でさえ手首を痛めてしまうことがあるような段差が時折あるのですから。
そんな路面環境では、お子さんを乗せた自転車利用者さんも、お年寄りの自転車利用者さんにとっても、
大変な苦労苦痛箇所、危険箇所でもあり、それは市民らによる行政への要請によって、一刻も早く改善、正されなければならないものだと思います。
これは、自動車優先の歪んだ思想ゆえに、歩行者や自転車に不便を押し付ける構造の、妙なヘアピンカーブ的な道にも言えます。
次に、普段からパニアバッグを装着してあちこちを走っているので、最初の画像でオッと引き寄せられてしまいました。
よもやテーブルと椅子だとは。どなたかとサイクリングをして、たとえば花見や、観光地での飲食等のシチュエーションで輝いてきそうな感じですね。
自転車のキャリアに据えられた犬の画像には、正直ちょっと肝を冷やしてしまいました(笑)
合成でよかったです。あの犬とキャリアフレームの位置関係、そして地面の段差による衝撃等を考えると、犬の骨や臓器は、おそらく無事では済まないでしょうから。落下による犬のケガも容易に予想できますし。画像が本当であれば、私でも抗議の声を挙げたとおもいます。
ただ、家族同様の愛犬と一緒に安全に、サイクリングに出かけられたらなあ、という切なる気持ちは、私も日頃、ふと思うことがありますし、何かよいアイデアはないかなと模索しているところでもあります。
犬を前に乗せて、私は自転車で走る。私が日頃から目にしている景色を、犬にも楽しんでほしいという想いがあります。風を感じ、音を感じ、匂いを感じ、そして風景を共に感じたいと。
そして、散歩コースに入ったら、私も犬も自転車から降りて、ともに散歩するといった具合ですね。
陽気なミュージックを鳴らし、夜はイルミネーションを輝かせて観光客を運んでました。こんな感じ、、、
http://melakajp.com/about/town/t-007.html
マラッカのオランダ広場周辺の博物館や遺跡めぐりに限るようですが漕ぐのはけっこう大変そうで、ドライバーはスリムな(痩せ細った?)人が多かったみたい。
本の紹介です。もっと早く読めばよかった、、
「子どもが道草できるまちづくり」(通学路の交通問題を考える)学芸出版社
「クルマが快適に走れる」交通安全教育と交通事故対策から「歩行者が安心して歩ける」道路政策への転換を提案。
1.歩行者をクルマのスピードに合わせることで「クルマが快適に走れる」交通安全教育。
2.ガードレールなどの施設によってクルマのスピードと歩行者のスピードを分けることで「クルマが快適に走れる」交通事故対策。
3.歩行者とクルマのための道を分け、歩行者とクルマが出合うときにはクルマを歩行者のスピードに落とさせることで「歩行者が安心して歩ける」道路政策。
anonymousさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
犬としても、あまりラクな姿勢ではなさそうですね。
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いえいえ、勝手なことを書いているだけです。読んでいただいている皆さんの「応援」に励まされて更新しています。
都市にもよりますが、オランダやデンマーク、ドイツなどへ行くと、いろいろなタイプのカーゴバイクが活躍しています。
仕事で使う人ばかりではなく、個人が生活の中で使っている様子が伺えます。
それに比べて日本では、移動に自転車を使う人は多いですが、運搬に使う割合が低いのは否めないでしょう。
もっと運搬に向いた自転車が普及すれば、モノを運ぶシーンで自転車を使う人も増えるのではないかと思います。
確かに、自転車先進都市と言われるような都市とは違い、日本ではクルマ優先のインフラ整備になっており、そのために歩行者や自転車に不便を強いる構造になっているのは間違いないでしょう。
クルマによる交通や流通も必要ですが、人々の生活環境を犠牲にするようなインフラ整備には、疑問の声も少なくありません。
クルマを使わなくても、自転車で意外に多くのものが運べるという状態にするためには、こうした自転車の普及だけでなく、道路整備も重要な要素になるでしょうね。
(続く)
(続き)
犬の画像は、愛犬家でなくてもギョッとするでしょうね。でも、さすがにこの状態で運ぶのは現実的ではないでしょう。
犬を飼っている人が、犬と一緒に出かけたいというニーズは確実に存在するようです。
日本で市販されているのかどうかはわかりませんが、サイクルモードなどの自転車見本市、展示会で、犬を運べるようにした専用の自転車を見たことがあります。
小型犬なら、自転車で運ぶための専用のバッグというのもあるようですね。
sharetheroadさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
マラッカのトライショーですね。私もテレビなどでは見たことがあります。
他の東南アジアのリキシャの運転手の中にも、多かれ少なかれ、商売道具の愛車をカスタマイズする傾向はあるようですが、これほど派手に飾り立てるのはマラッカならではなのでしょうね。
sharetheroadさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
興味深い内容のようですね。日本の交通行政に多くの疑問があり、クルマ優先の思想だからこそ、事故もおきている面は否定できないと思います。
通学路で子供が命を落とす事故も続発しています。
では、どうすればいいかという点についての専門家の提言のようですが、私も興味がある分野です。
ご紹介、ありがとうございます。
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