日常の生活の中で不便や不満があって、それを解決、解消する手段がないものかと考えることもあると思います。マンガのドラえもんではありませんが、こんな道具があったら..とか、もっと具体的に、ここをこう改良して欲しい..といった要望があったりするかも知れません。
常日頃、不満な点、不便なところを解消したいと考えていて、アイディアがひらめくこともあるかも知れません。そんなアイディアが商品化されて、同じ思いを持っていた人に支持され、ヒット商品になるケースもあります。ネット上には、そんなアイディアがたくさん披露されています。
しかし、おそらく多くの場合は製品化まで行き着くことはなく、単にアイディアとして終わるでしょう。気持ちはわかるけれど微妙なもの、今一つなものも少なくありません。発想はいいけれど実現性が疑問だったり、果たして売れるのだろうかと思うようなものもあります。
自転車に関連するアイディアについては、これまでにも、いろいろ取り上げてきました。今回は、発想は面白いけれど、実用面でちょっと疑問なもの、少し残念なもの、評価が分かそうなもの、微妙なものについて取り上げてみたいと思います。
こちらは、新しいグリップのアイディアです。冬の寒さで手がかじかまないよう、ヒーターが埋め込まれています。一方夏は、汗ばんで滑らないよう空気が送られるようになっています。グリップに速度を表示するディスプレイも付いています。さらに前側には太陽電池パネルがビルトインされています。
冬の寒さや夏の暑さ、どちらの時も快適にハンドルを握るための工夫です。着眼点は面白いと思います。ただ、いつも太陽に向かって走るわけではないので電源供給に弱点がありそうですし、手のひらは温かくても手の甲は寒いなど、ツッコミどころも満載です
サドルカバーを毛糸で編むためのキットです。雨よけにするには、毛糸の目から浸み込んでしまうでしょう。おそらく、冬にシートが冷たいのを緩和するためのサドルカバーだと思われます。見た目はキュートですが、果たして実用性はどうなのでしょうか。
サドルの冷たさは伝わらなくなると思いますが、毛糸だとすぐズレてしまいそうな気もします。毛糸だったら、やはり身につけないと暖かくありません。プレゼントにするため、キットを買って編む人もいるのかも知れませんが、私だったらマフラーか手袋のほうが嬉しい気がします。
カギの部分がリモコンになっていて、押すとワイヤー部分が光り、音が鳴って場所を教えてくれるというワイヤー錠です。これは便利かも知れません。日本でも似た考えのママチャリに装着する馬蹄錠を見たことがあります。日本のようにそっくりのママチャリが延々と並ぶようなケースでは有効かも知れません。
あまり、そのような状況が多いとは限らない海外のアイディアとしては目新しい気もします。ただ、大量に出回っているママチャリでもなければ、意外に見つかるものですし、必ずしも必要性は高くありません。ケーブル部分が短く、こんなかけ方しか出来ないのでは肝心の防犯性能の点で疑問です。
サドルをロックにするというアイディアです。発想としてはユニークだと思います。特に、盗難が多い海外では、大きくてかさばるU字錠や太くて長くて重いチェーンを携行する人も多いですから、自転車の一部が錠前になれば、荷物が減ってラクというのはあるでしょう。
しかし、これでは日本のママチャリの定番である馬蹄錠と変わりません。持ち上げて、簡単に持っていかれます。他のロックと併用するにしても、このシステムのためにシートポスト本来の、サドルの高さの調整が出来ないわけですし、あまり実用的だとは思えません。
こちらは、スタンドとロックを併用するというアイディアです。サイドスタンドが、伸縮式になっており、スポークの間に差し込まれることで、ロックの役割も果たします。確かに、これならば、あっという間にロック出来ますし、ロックを携行し忘れることもありません。その点ではユニークです。
しかし、これも未だ日本のママチャリの一部に採用されているシリンダー錠と同じで、後輪を持ち上げれば簡単に盗まれてしまいます。アイディアとしては面白いですが、そもそも盗難防止機能という点で、その効果は甚だ疑問と言わざるを得ません。
今回取り上げたものの中には、多くのアイディアの中から選ばれ、賞をとったものもあって、そのことも意外な感じがします。不便や不満を解消しようと考えたアイディア、発想は認めますが、実用面には疑問があります。おそらく実際には、自転車に普段乗っていない人が考えたものもあるのではないでしょうか。
今ある製品に対し、新たな発想や改良を施し、もっと便利に出来ないか、何か新しいものが生み出してやろうという時に、自転車は身近ですし、格好の題材ということがあるのかも知れません。自転車関連のアイディアは、他の製品に比べて多く見かける気もします。
実際に実用的かは別として、これだけ多くのアイディアが出されるということは、自転車を使う中での不便、不満も多いということなのでしょう。かなり成熟した製品のような気がしますが、まだまだ改良の余地がある、進歩する余地があるということなのかも知れません。
もう来週には3月ですか。2月は短いので、なんとなく月末が慌しいですね。
Posted by cycleroad at 23:30│
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