今年の三寒四温は温度差が大きいようです。
雪道の自転車 安全走行のコツは?
◆ 「滑る」前提に用心
スノータイヤ/足着きやすい小型に
山形に赴任して3年。冬の雪にはだいぶ慣れたが、どうにも気になるのは雪道を走る自転車だ。車を運転している時は、脇を走る自転車が滑って転んだりしないかとヒヤヒヤする。実態を探ってみた。
雪が舞った先月平日の夕方、山形市十日町の交差点に立った。歩道は融雪道だが、交差点や自転車道には雪が積もっている。その雪道を自転車が行き交う。
「もちろん危ないですよ。この冬は2度転びました。けがはありませんが」
声をかけた山形市のパート女性(50)が白い息を吐きながら答えてくれた。勤務先から20分かけて帰宅するところだという。「バス停は家から遠いし、時間も合わない。だから命がけで自転車に乗るの」。本当に危ないと思う場所は自転車を押して歩くという。
約1時間に40人以上の老若男女が自転車で交差点を通過した。マウンテンバイクの男性会社員(33)は「前ブレーキはできるだけ使わない」と雪道を走るコツを教えてくれた。山形南高の男子生徒(16)は「日陰は凍っているところが多い。夜は路面が見えにくいので特に要注意」。そんな2人だが、「この冬も転んだ」という。やはり転倒率はかなり高そうだ。
山形市内では、冬も自転車で通学する生徒をよく見かける。積雪が多い新庄市の新庄北高や米沢市の米沢興譲館高は冬の自転車通学を禁じているが、山形市内では認めている高校が多いからだ。「道路状況は日々異なるので、一律に禁止できない。降雪時は乗らないように指導している」(山形東高)という。
県警によると、県内で1〜2月に発生した自転車絡みの事故は2008〜12年の5年間で計198件。死亡事故も1件起きている。自転車の雪道走行には法令上の規定がなく、県警交通企画課も「『乗るな』とは言えない」と話す。春夏秋に比べれば、冬に自転車に乗る人は少ないため、県警は毎年春先に自転車に関する啓発活動を実施。冬はパトロール中に注意を呼びかけるぐらいだという。
雪道走行の安全性を少しでも高める方策はないのか。山形市の自転車専門店「じてんしゃ蔵守三」の山田守幸社長は「絶対安全とは言えませんが、スノータイヤがあります」。雪道専用に加工され、比較的滑りにくいタイヤだ。2本6千円程度で、工賃は2千円ほど。また、20インチなど小型の自転車を使うことも、足が地面に着きやすいので安全性は多少高いという。
山田社長は「『滑る』ことを前提に走らないと、一瞬で転びます。路面状況を把握しながら、走ることが何よりも大切。危険を感じたら乗らないこと」と話している。(朝日新聞 2013年3月5日)
自転車安全指導カード 2012年は最多5万8593枚
「危ない自転車」に対する警察の指導が厳しさを増している。県警が街頭での指導・警告の際に渡す「自転車安全指導カード」の交付数が2012年、5万8593枚に上り、08年の交付開始以来、最多となった。警察庁が打ち出している摘発強化の方針に伴う対応で、県警交通企画課は「今後も厳しく街頭指導を行う」としている。
「ここは一時停止場所です。きちんと止まって」「一列で走って。危ない」。2月下旬の朝、通学や通勤で多くの自転車が通る静岡市駿河区の交差点で、静岡南署員と交通指導員計8人による自転車の街頭指導が行われていた。
この交差点は見通しが悪く、脇道から出てくる歩行者も多いため、自転車を含むすべての車両が一時停止しなければならない。だが、左右の安全を確認せず、交差点を突っ切ろうとしたり、2台が並進したりする自転車が目立った。街頭指導が始まる前には、イヤホンをつけ、携帯電話を操作しながら走る人の姿もあった。
約30分で、渡された指導カードは4枚。街頭に立った署員は「注意しても、言うことを聞いてくれないことも多い」と嘆く。県警交通企画課によると、県警は08年から、違反者に対する指導・警告の際、違反内容や安全運転の注意点を記した安全指導カードを渡している。違反内容は、一時不停止と並進が7割以上を占めるという。
自転車は手軽な乗り物だが、道路交通法では「軽車両」と位置づけられており、「一時停止」などの道路標識に従う義務がある。また、車道通行が原則で、歩道通行は「例外」となる。だが、警察庁のアンケート調査(2011年10月)によると、「ルールを知らなかった」「ルールは知っているがあまり守らない」「ルールは知っているが守らないこともある」の合計が半数を超えた。
こうした実情を背景に、自転車が絡む事故は後を絶たない。県警が12年に道路交通法違反容疑で書類送検した自転車の運転者は297人(前年比84人増)で、このうち282人が事故の当事者だった。一時不停止は139人、信号無視は101人で、他は無灯火など。年代別にみると、高校生の86人、高齢者の53人、中学生の44人が目立つ。
自転車が絡む県内の事故件数(12年)は5495件で、うち85件が歩行者との事故だった。県警交通指導課の鈴木政信次席は「自転車の利用者は、車の免許を持っていない中高生も多い。街頭指導は有効な対策となる」と話す。
警察庁は2月、一定の期間に2回以上摘発された人に講習を義務づける道交法の改正試案を公表するなど、危険運転に対する厳しい姿勢を示している。(2013年3月5日 読売新聞)
桜並木に自転車・歩行者専用帯 東京・国立 車線減らし整備へ
桜並木が有名な東京都国立市の市道「さくら通り」で、市は新年度から四年かけ、車線を減らして歩行者と自転車の専用通行帯を設ける。現在の歩道は自転車の利用も多く、歩行者との接触事故が心配されていた。
さくら通りは幅二十メートルで、片側二車線ずつの計四車線と、植樹帯を含んだ三・五メートルの歩道がある。計画では片側一車線ずつにして、幅五メートルのスペースを確保。植樹帯を挟み、一・五メートルの自転車専用帯と、二・三メートルの歩行者専用帯を設置する。
自転車と歩行者を分離して幅を広げることで、樹齢五十五年ほどの桜の根を踏まれにくくする狙いもある。「桜の根を傷めず、のんびり歩けるようにしたい」と佐藤一夫市長。新年度予算案に延長一・八キロのうち、四百メートルの整備費用として一億四千百万円を盛り込んだ。
さくら通りは、JR国立駅南口から延びるメーンストリートの「大学通り」と交差し、延長約一・八キロ。桜百九十本、イチョウ百四十本が植えられており、開花時期は大勢の花見客でにぎわう。(2013年3月2日 東京新聞)
交差点 自転車守れ 警視庁「ナビライン」試行 文京区など2カ所
交差点を走る自転車の安全を高めようと、警視庁は、交差点内に自転車の通行路を表示する「自転車ナビライン」の試行を始めた。同庁は、自転車と歩行者の接触事故を減らすために自転車走行路の整備を進めているが、これまでは交差点に自転車の通行路を示す道路標示はなかった。今後、自転車に車道や専用路を走るよう促す一方、交差点での事故を防ぐ狙いがある。
自転車は道路交通法上「軽車両」に位置付けられ、自動車などと同じように道路標識に従わなければならない。だが、実際は、自転車が歩道を走り、歩行者とトラブルになることも少なくない。警視庁は、車道の左端をカラー舗装した「自転車レーン」を都内に十四キロ整備しており、ナビラインは自転車向けの表示を交差点にも広げた形だ。
ナビラインが試行されたのは、文京区の千石一丁目交差点と港区の札の辻交差点の二カ所。千石一丁目交差点(図)では、これまで自転車は自転車横断帯を通行するのがルールだったが、車両と同じように直進できるようになる。これにより、車両の運転手が、自転車が直進か左折かの判断をしやすくする。一方、車両の運転手は、自転車通行路の確保と二段階右折する自転車への注意が求められる。
ナビラインの設置を知ってもらおうと、警視庁は十二日朝、千石一丁目交差点でチラシを配る街頭活動をした。警視庁の椎名康雄都市交通管理室長は「本来、自転車は車道を走らなくてはいけない。ナビラインの試行を検証して、問題がなければ、設置箇所を増やしていきたい」と話している。同様の取り組みは、札幌市、宇都宮市が始めており、東京都は三例目。(2013年3月12日 東京新聞)
自転車の安全確保へ、車歩道の段差解消ブロック、設置者に撤去指導/川崎
川崎市は8日の市議会予算審査特別委員会で、車歩道の段差解消のために車道に置かれるブロックの撤去を、設置者に求めていく考えを示した。車道を走行する自転車の安全確保が目的。車道中央寄りに大きく膨らんで走行せざるを得ない状況の改善につなげる。
沼沢和明氏(公明)の質問に答えた。沼沢氏は、幸区内で起こった自転車絡みの死亡事故の現場写真を示しながら、「段差解消ブロックがはみ出しているため自転車が(車道の隅を)通行できず、狭い歩道上を走らざるを得ない。このことが、事故の要因の一つとも考えられる」と述べ、対策の必要性を訴えた。
道路法では、コンビニや駐車場など車両の出入りを伴う開発を行う場合、道路管理者の承認を得た上で、開発行為者に歩道の切り下げなどの改良工事に当たるよう求めている。
しかし実態としては、より手軽な段差解消ブロックを設置するケースも多い。通行の妨げになるものを車道に置くことは道路法や道交法で禁じられており、ブロックも該当するが、行政も指導の手が回らないのが現状だった。
予算委で、大谷雄二建設緑政局長は「ブロックはバイクや自転車の事故につながる恐れがあり、道路排水の妨げにもなる」と指摘。その上で、「車道も歩道も幅員が狭く、交通量が多い箇所を中心に現地確認を行い、設置者に撤去指導を実施していく」と述べた。
また、歩道の縁石に勾配を付けることで段差を解消する手法についても、「急勾配とならざるを得ないなど構造的な課題も出てくるが、道路の状況を踏まえながら実施を検討したい」とした。
幸区の事故は、2月4日午前7時25分ごろ発生。大型車も頻繁に行き交う市道で、転倒した自転車から投げ出された女児=当時(5)=がトラックにひかれて死亡した。トラックは踏切待ちのため停車中で、女児はトラックの下に潜り込む形となった。自転車は母親が運転。幅1・3メートルの歩道上を走行中、バランスを崩して車道方向に倒れたという。(2013年3月9日 神奈川新聞)
自転車の貸出期間、3カ月に延長 飯田市
低炭素社会実現を目指し、二酸化炭素の排出を削減するためにレンタサイクル事業を展開している飯田市は新年度から、1日だけだった貸出期間を3カ月間に延長する。通勤時など日常的に利用してもらうことで、生活習慣病の改善など健康の増進につなげることも狙いだ。
長期間の貸し出しは市民が対象で、料金は一カ月五百円。利用期間は利用者が自由に決められる。貸し出す自転車は電動アシスト自転車、クロスバイク、マウンテンバイクの三種類で約四十台。それぞれ申し込みの先着順に貸し出していく。
自転車の利用期間中は市へ返却する必要はなく、自由に使うことができる。経年劣化による故障の修理は市が負担するが、それ以外の修理代金は利用者が負担する。
市は二〇〇九年、環境モデル都市に選ばれたのをきっかけに自転車の貸し出し事業を開始。坂道が多いことからマウンテンバイクなどスポーツタイプの自転車を導入した。これまでは一日限定で無料で貸し出していたが、利用者から長期間の貸し出しを求める要望が多かったという。
健康状態の変化を知るために、希望者には貸出時と返却時に体重などを測定する事業も合わせて実施する。保健師から健康についてアドバイスも受けられる。申し込みは市役所や自治振興センターなどで用紙を入手し、市地球温暖化対策課に申し込む。
同課の佐藤寛也さんは「日常的に運動を継続するのは難しいが、通勤などに運動を取り入れれば、継続しやすい。二酸化炭素を排出しないエコな自転車で健康増進を図ってほしい」と話している。(2013年3月9日 中日新聞)
近場は公用自転車で 小山市来月から エコな「ゼロ予算事業」
近場への仕事は車ではなく、エコな自転車で−。
小山市は四月から、職員が庁舎の近くに出向く際の移動手段として、新たに自転車の活用を進める。自動車から切り替えることで、燃料代や二酸化炭素の排出を削減。市の財布と地球に優しい施策になると期待する。
市によると、これまでは近場でも主に車を利用してきた。自転車は、保管期限の切れた放置自転車をリサイクルするため、費用のかからない「ゼロ予算事業」となる。
すでに二月から試行を始めており、本庁舎に「公用車」となる自転車二台を配置した。車と同じように、庁内の予約システムを通じて利用。直線距離で一・二キロほどの神鳥谷(ひととのや)庁舎などへの移動に使っている。
ただ、今のところ約一カ月間で利用は計十四回と、二日に一回程度。市の担当者は「まだ取り組みが始まったばかり。利用の拡大を推進していきたい」と話している。(2013年3月9日 東京新聞)