この大型連休中、全国の観光地には多くの人出が予想されています。ここのところ景気の先行きに期待感が出ていることや、前半と後半に分かれる曜日の並びなどもあって、国内旅行客は昨年を上回ると予想されています。自転車でサイクリングに出かけようという人もあると思います。
為替が円安方向のため、海外旅行には割安感が薄れていますが、それでも多くの人が出かけることでしょう。いつもは折にふれ、自転車関連のニュースを取り上げていますが、今回は趣向を変えて、海外の最近の自転車関連のトピックを取り上げてみたいと思います。
ハンガリーの首都ブダペストでは、
アースデイにあわせて恒例のイベントが行われました。同国では、このイベント、クリティカルマスと呼ばれています。大勢のサイクリストが道路に繰り出し、環境への負荷が低い自転車の利用や、自転車が走行しやすい街づくりを訴える大規模なライドイベントです。
普通、自転車の世界でクリティカルマスと言うと、週末などに自然発生的に起き、多くのサイクリストが一緒に都心を走り回るというものです。明確な主催者がいるわけではなく、だんだんとサイクリストが集まって「発生する」現象と解釈されています。
明確な定義があるわけではないので、自然発生でないクリティカルマスがあってもいいわけで、ハンガリーでは、日にちを決め、ポスターが掲示されて公に告知されるイベントです。ヨーロッパでも最大規模のクリティカルマスとして知られ、多くのサイクリストでにぎわいます。
ブダペストは、ドナウの真珠と称される美しい街ですが、世界遺産にも指定される古い街並ということもあって、決して自転車で走りやすい街とは言えません。自転車環境の充実を訴えて自転車を持ち上げるポーズは、毎年ポスターにも描かれる象徴的なポーズとなっています。
アップル社の新しい社屋とその敷地についてもニュースになっています。まるで巨大なUFOのような建物が目をひきます。さすが株式の時価総額世界一になった企業です。広大な敷地には車道と歩行者用の歩道だけではなく、自転車用の通路も設けられる計画になっています。
アップルやグーグルなど、先端のIT企業の社員には、自転車を活用する人が少なくないと言います。社員が社内で共有するオシャレな独自のシェアサイクルまで備えていることが知られています。自転車用通路も当然必要なわけですが、時代の先端企業は、移動スタイルについても先取りしていると言えるのかも知れません。
オーストラリアでは、自転車のヘルメット着用が義務付けられています。当然ながら外国人や外国出身者も従う必要があるわけですが、
宗教上の理由でそれが難しい人についての適用が問題になっているようです。確かに、ターバンを巻く人が、その上にヘルメットをかぶるのは困難でしょう。
裁判の結果などを受け、クイーンズランド州では法律が変更されるようです。日本人から見ると、ターバンの形をしたヘルメットでも発売されれば一件落着のようにも思えますが、もちろん信仰の問題ですから、そういうわけにはいかないのでしょう。
中東オマーンの首都マスカットでも、自転車シェアリングがお目見えしました。一部では道路の整備なども始まったようです。もちろん、伝統的にも気候的にも、これまで自転車での移動がほとんど根付いていない地域ですので、野心的な取り組みであり、普及していくかどうかは未知数です。
しかし、同国の成人男性の75%は太りすぎで、いわゆる生活習慣病も増えており、運動の必要が意識されていると言います。まだまだ揺籃期であり、風習や交通ルールなどでも混乱があり、いろいろと難しい問題もあるようですが、中東にも自転車活用のムーブメントが押し寄せているようです。
ロンドンでは
最高速に挑戦する自転車ビルダーの話題が取り上げられています。異様に大きなチェーンリングが取り付けられています。フルフェイスのヘルメットにレザースーツでの挑戦は、使われなくなった滑走路で行われています。こんな場所だったら、一度自分の限界を試してみたい気がしないでもありません。
イタリア・ミラノのデザインウィーク2013では、
スイス・ローザンヌの学生の作品が話題になっています。単純ながら洗練され、機能的な自転車用アクセサリーです。ブレーキやフック、ライト、スノーチェーンなど、どれもシンプルですがユニークです。
危険を回避するためにベルを鳴らすこともあると思いますが、本当に切迫した状態であるほど、相手に警笛を鳴らす必要も高くなります。しかし、とっさに急ブレーキをかけるような場面で、ブレーキと別にベルを鳴らすのは困難でしょう。ブレーキレバーにベルをつけるとは面白い発想です。
ロサンジェルスの“CICLAVIA 2013”に登場した、いわゆる
トールバイクです。高さは4.5メートルほどのようですが、動画を見ると、かなり高く感じます。乗り降りは大変ですし、止まり木になるようなものがないと、途中で停止することすら困難だと思いますが、普通の自転車とは全く違う眺めが楽しめそうです。
◇ ◇ ◇
ゴールデンウィークに海外に出かける方の中には、渡航先で自転車に乗ろうと考えている人もあるかも知れません。ただ、日本とは自転車の仕様が違っていたり、自転車が守るべき交通ルールも、日本のようにルーズでない国がたくさんあります。
もちろん右側通行だったり交通事情も違いますし、日本にいる気分のまま歩道なんか走行しようものなら、即検挙されて罰金を払わされる国もあります。観光スポットを回るにも自転車は便利ですが、現地のルールに従って、安全には気をつけて乗ってほしいと思います。
連休の天気は良さそうです。鳥インフルエンザがちょっと気になりますが..。
Posted by cycleroad at 23:30│
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