多すぎて今さら目に入らない、意識していないことも多いですが、たまにセンスのいいポスターなどが目にとまることもあります。ユーモアのセンスが光るもの、風刺がきいていたり、ウィットに富んだものなど、思わずニヤリとさせられてしまうようなものもあります。
具体的な商品やサービスのことを説明しようと、情報が盛りだくさんなものは、かえって見る気がおきず、必要がなければ、目に入らなかったりします。逆にシンプルで何が言いたいのか、すぐにわからないようなものほど、注意を惹かれたり、興味がわく場合も多いと思います。
そのあたりは、広告を製作する人の腕ということなのでしょう。いい広告を作るためには、お金もかかっているに違いありません。今回は、
世界の広告の中から、自転車関係、あるいは自転車が使われている広告で、ちょっと目を惹くものを取り上げてみたいと思います。
こちらは、トレックのマウンテンバイクの広告です。ただの深い森や荒野の風景に見えますが、よく見ると駐輪用のラックが映っています。知らない人はそれと気づかないかも知れません。こんな場所に駐輪ラックとはミスマッチであり、場違いです。
ラックがあるのは非現実的なわけですが、違和感なく風景に溶け込んでいます。このラックがあるだけで、自転車そのものは映っていません。でも、それなのにマウンテンバイクでの冒険を示唆しているところ、行ってみたいと思わせるところが面白い広告と言えるのではないでしょうか。
こちらは、オーストラリアの自転車販売チェーンの広告です。オーストラリアもキリスト教国だと思いますが、こんなパロディを広告にして顰蹙を買わないのか、むしろその方が心配になってしまいます。妖精ならまだしも、キリストはストレート過ぎないのでしょうか。よく見ると、サイクリスト独特の日焼け跡があります。
こちらはビジネスカード、日本で言う名刺です。実はこの名刺、パンク修理用のパッチになっています。財布の中にでも入っていれば、イザという時パンク修理に使えるというアイディアです。これは目をひく広告ではありませんが、なかなかユニークです。工具として使える名刺もあります。
ガレージから出たら、すぐそこが荒野で、マウンテンバイクで冒険に出かける、そんな非現実的なシーンにインパクトがあります。山の中の秘密基地をイメージしているのかも知れません。もちろん、これは極端なイメージですが、ドアを開けると冒険があるというメッセージは伝わってきます。
こちらはフォールディング、折りたたみ自転車の広告です。折り目のついた紙を背景に、その36分の1にしか商品が写っていないところが大胆ですが、そこが目を惹く要因になっています。小さくコンパクトになるというメッセージもこめられているのでしょう。
女性の顔が髪に隠れていて、目を惹く図柄だとは思いますが、パッと見て、何を意味しているのかわからない人も多いかも知れません。電動アシスト自転車の広告ですが、この自転車には「追い風」もついてきますよ、というメッセージで、坂道でのアシスト力をアピールしているわけです。
これは、スクーターではなく、スポーツ飲料の広告です。よく見ると人物とスクーターの影が自転車に乗るサイクリストになっています。大人になって自転車からオートバイなどに乗り換えた人も多いと思いますが、そうした人に、身体を動かそうというメッセージなのでしょう。
自転車ショップの広告ですが、自転車は映っていません。とても自転車で上れるとは思えないような場所に、駐輪ラックが見えています。困難な目標に挑戦する情熱を表現しているわけです。これもなかなかセンスのいい広告と言えるのではないでしょうか。
こちらは、監視カメラメーカーの広告です。よく見ると右上に製品が載っています。今まさに自転車を盗もうとしている泥棒に向かって、「笑って!、カメラに映っているよ。」と笑顔で声をかけている構図です。ユーモアですが、窃盗犯には防犯カメラの存在を意識させ、犯行をためらわせるかも知れません(笑)。
こちらは、透明な自動ドアに透明なフィルムを貼る形のポスターです。商品はフォールディングバイク、折りたたみ自転車で、ドアが開くと自転車がたたまれた形になります。これはアイディアです。うまく自動ドアを使い、商品の特徴もアピールしています。
スポーツショップの広告のようですが、新大陸への上陸がモチーフとなっています。新しい世界を探検しようというメッセージです。スポーツとしての自転車を経験したことのない人にとって、スポーツバイクに乗ることは、まさに新しい世界の探検に踏み出すことになるでしょう。
日本では、あまり質のよい自転車の広告を見ません。格安のママチャリが市場を席巻している関係で、単価の高い自転車を買う人は、ごく限られていることが背景にありそうです。宣伝広告費をかけ、広く消費者にアピールして割の合う商品ではないということなのでしょう。
放置自転車や、マナーが悪く歩道を暴走する自転車など、一般的なイメージが悪いことも影響しているのかも知れません。質のいい広告が、自転車の一般的なイメージを高めるということもあると思いますが、日本では、そのような循環になっていないことが残念です。
2020東京五輪決定、良かったですね。後で知ってもいいとは思いつつ、私も早起きしてしまいました。
Posted by cycleroad at 23:30│
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