ロードやマウンテン、あるいは子供を乗せるなど、種類や目的が決まっている場合は、どうしても選択肢が絞られるということはあるでしょう。でも、たんに自転車が欲しいなと思い立って、自転車屋さんの店頭で選ぶような時には、人によって選ぶポイントが違ってくると思います。
値段もあるでしょうし、フレームの素材や性能、重量やパーツのグレードなどのスペックにこだわって選ぶ人もあると思います。何にこだわるかは人それぞれですが、男女の違いというのも大きいのではないでしょうか。我々男性からみると、女性のこだわりや選ぶポイントが、全く違う価値観の上にあると感じることがあります。
例えば、色から入るとか、カワイらしさにこだわる、オシャレでなければイヤといったチョイスです。男性にしてみれば、もっと重要なポイントがあるのではないかと思ってしまいますが、感覚的に譲れない線があったりします。往々にして、男性が理屈で選ぶのに対し、女性は感性で選んだりする気がします。
もちろん、女性の選び方を批判するとか、揶揄するような意図は全くありません。個人差がありますので、一概に男性がどう、女性がどうと言えない部分も多いでしょう。ただ、私の個人的な感想としては、男女で、ずいぶん考え方が違うと感じることは多いように思います。
日本では、特に独身の若い女性の自転車に乗る人の割合が低い気がします。出回っている自転車の多くがママチャリ、それも銀色の均質で個性に乏しい、似たようなものが多いことが影響しているのかも知れません。もっと『カワイイ』ものがあれば、違ってくる可能性もありそうです。
だからと言って、フレームを丸っこくするとか、形をメルヘンチックにすればいいとは言いません。量産される自転車の場合、単に女性ウケを狙ってフレームを変えるわけにもいかないでしょう。でも、パーツによって、ガラリと雰囲気が変わる場合もあります。
女性の視点から、女性デザイナーがデザインするというのも重要なポイントかも知れません。特にママチャリ以外の自転車の場合、ユーザーは圧倒的に男性の割合が多いため、どうしても男性がデザインした、男性目線の自転車が多くなるということもあるのではないでしょうか。
こちら、Kathryn Carlson さんという女性がデザインした、“
Buca Boot”というパーツ、その意味でも面白いと思います。普通の自転車の荷台に取り付けるストレージ、自転車用のトランクですが、全体的な印象も特徴的なものにしています。木材や布地を使っているところもオシャレな感じです。
普通だったら、荷台に箱を載せた自転車なんて、業務用か何かのようで、間違ってもキュートとは言えないでしょう。でも、この自転車、女性らしさが感じられて、かわいらしく見えますし、普通のカゴやバスケットよりも、見ようによってはオシャレに見えます。いかにも女性のデザインという印象があります。
この形も、男性がデザインしたら、もっと違うものになっていたでしょう。全体のフォルムは、必ずしもスタイリッシュとは言えませんが、大きな箱を取り付けたにしては、女性が「カワイイ。」と言いそうな雰囲気を持っている気がします。(女性ではないので、違っているかも知れませんが..。)
形だけでなく、そのアイディアにも光るものがあります。普通だったら、ただのカゴかバスケットになるところが、フタがついており、鍵までかかります。しかもフタの開き方が特徴的で、フタをあけたまま使うことも出来るように考えられています。
女性にとって、少し大きめのバッグを使うような感覚かも知れません。とかく、荷物が多くなりがちな女性なら、こんな自転車があれば重宝するでしょう。フタがしまるので、雨に降られても濡れませんし、カギがかかるので、自転車に荷物を載せたまま、その場を離れることも出来ます。
とは言っても、自転車ごと盗まれたら意味がないわけですし、カギも壊そうと思えば壊せるでしょう。当然ながら貴重品を入れておくような用途には使えません。でも、ヘルメットを入れておいたり、ちょっとした荷物を入れておくには便利なのではないでしょうか。
走行中も、フタを閉めておけば、カゴからバッグをひったくるような被害を防止することが出来ます。箱にスッポリ入らないような大きめの荷物でも、ゴムで固定することが出来るようになっています。こんな自転車なら、生活シーンの中で、便利に使えそうと感じる女性も少なくないのではないでしょうか。
もちろん女性に限らず、男性の中にも使いたいと思う人はあると思います。工具などを積んでおくクルマのトランクのような役割を果たすかも知れません。あるいは、オートバイのシート下の収納スペースに、ヘルメットをしまうのと似た感じでしょうか。
自転車の荷台に取り付けて使うこのパーツ、現在は事業化に向けて資金調達中です。必ずしも女性だけをターゲットにしたものではありませんが、女性がプロデュースしただけあって、女性に人気が出そうです。自転車も、女性目線から見直せば、まだまだ隠れたニーズはあるのかも知れません。
この週末もいい汗が流せました。このくらい暑くもなく寒くもなく、雨が降らずに風が弱い日ばかりだといいんですが..。
Posted by cycleroad at 23:30│
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