February 05, 2014

廃材と発想から生まれる価値

立春を過ぎましたが、寒い日が続いています。


季節はずれの暖かい日があったかと思えば、東京などでも雪が降り、北日本などでは大雪になっているところも多いようです。この時期、天候に恵まれず、趣味の自転車で出かけられない人も多いと思います。仕方がないので、休日は愛車のメンテナンスという人もあるに違いありません。

自転車のメカニカルな部分が好きな人にとっては、メンテナンスで愛車をいじるのも楽しい作業です。春になって、陽気がよくなる頃に備え、ふだんなかなか出来ないメンテナンスや調整をこの時期にしておくのもいいと思います。トラブルを未然に防ぐことになるので有意義です。

時間がある時に、パーツの交換などをしてしまおうという人もあるでしょう。ある程度、趣味の自転車の長い人だと、まだ使えるパーツとか、なんとなく捨てずにいる部品などがたまっていたりするかも知れません。そんなパーツを、何かに使えないか、何か作れないかと考える人は少なくないようです。

Facaro, www.facaro.comFacaro, www.facaro.com

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こちらの人は、なんと自転車のチェーンを使ってシャンデリアを作ってしまいました。よく見なければ、チェーンで出来ているようには見えません。こういう品を売っている店に飾られ、値札がついていたら、立派な工業製品と思ってしまうような出来です。

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よく見れば、確かにチェーンやホイールなどの廃材が使われています。立派なアート作品ですが、普通シャンデリアを製作するのに、わざわざチェーンを使おうとは思いません。少なくとも最初は、何かチェーンなどの廃材の使い道はないかと考えて、シャンデリアにたどり着いたのかも知れません。



サイトを見ると、たくさんの作品を制作しているようです。これほど大きいと、素材が素材だけに、結構な重量になってしまいそうです。実用的かどうかはともかく、チェーンでこんな立派な作品をつくれるということに驚きます。この新進のアーティスト、Carolina Fontoura Alzagaさんも自転車好きのようです。



それ相応の大邸宅でない限り、これだけの大きさ、重厚なシャンデリアを飾れる部屋というのは、なかなかないでしょう。でも、ランプシェードくらいだったら使えそうです。Joe O’Connell さんと Blessing Hancock さんは、自転車のチェーンホイールなどの部品をランプシェードに使っています。

Ballroom Luminoso, www.jbpublicart.comBallroom Luminoso, www.jbpublicart.com

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中のライトの光を遮るので、面白い光の模様が現れます。画像ではダンス場の照明として使われていますが、光を適度に遮るのが、ちょうどいいのでしょう。ライトの色とあいまって、ムーディーな雰囲気を演出しています。この光の模様もあわせてアートとなっています。

Bike Church, www.jbpublicart.comBike Church, www.jbpublicart.com

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ランプシェードそのものを見ても、きれいで廃品利用とは思えない出来です。その模様も、よく見なければ自転車のパーツとは気がつかないかも知れません。イメージとしては、チュニジアかモロッコあたりの、アラビア系のバザールに飾ってあっても違和感がなさそうに見えます。別に教会と名づけられた構築物も制作しています。

Dog Art, www.niritlevav.comDog Art, www.niritlevav.com

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こちらも見事です。チェーンで犬を制作しています。たんに犬というのではなく、犬種まで巧みに表現して、たしかにその犬種とわかるレベルなのも凄いところです。この Nirit Levav さんの作品、犬の表情や仕草まで表現されており、まさにアート作品、工芸品の域に達しています。

Dog Art, www.niritlevav.comDog Art, www.niritlevav.com

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こうして見てくると、自転車用のチェーンは、アート製作に向いているのではないかとさえ思えてきます。チェーンの独特の質感が作品の魅力となっています。もちろん、基本的には廃品であり、タダかほとんどタダに近い値段で入手できるのも大きいのでしょう。ちなみに、この犬達は数千ユーロで売られていると言います。

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チェーンは、使っているうちに伸びてしまう消耗品です。チェーンリングやスプロケットなども磨耗するので、時期がくると交換する必要があります。しかし、本来の用途に使えなくなったとは言え、大きく形状が変わるわけではないので、捨てるのがもったいないと感じる人もあるでしょう。

どのアーティストにも、自転車の消耗部品を素材として使うようになった背景には、同じような意識が働いたようです。エコ、リサイクル、環境への配慮といったコンセプト、姿勢をアピールするにもピッタリです。そして、そのベースには、自転車の愛用者ということもあります。

どれも作り始めると、自宅にころがっている廃部品では足りませんが、動画にあるように顔なじみの自転車店とか廃材置き場に行けば、常に廃部品が手に入ります。 Nirit Levav さんは、元々こうしたパーツや工具、ガレージ、機械いじりが好きという要素もあったようです。

この時期、地域によっては天候や路面状況から自転車で出かけられない人も多いでしょう。メンテナンスや愛車をいじって過ごす時間も多いかもしれません。手近の廃品を使って、何か作れないか、何か表現できないかと考えてみるのも面白そうです。





ソチ五輪が目前です。聖火も到着したようですが、ライターの火に見えてしまうのは私だけでしょうか(笑)。

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