雪に弱い首都圏などでは、電車が止まり、高速道路が閉鎖されるなど混乱が出ているようです。さすがに自転車で出かけるのは無理なので、家にこもっている人も多いことでしょう。こんな時だからと、ふだん出来ないメンテナンスや、愛車いじりをする人もあるかも知れません。
前回は、パーツ交換や愛車の保守作業で出る、いらなくなったパーツや消耗品などを利用してアート作品を作り上げる人の話題を取り上げました。そんな自転車パーツのアーティストは、美術系だけに限りません。自転車の各部分や部品を利用して、音楽を生み出そうという人もいます。
たしかに自転車は、いろいろな素材のパーツが組み合わさっており、形状もさまざまです。指ではじいたり、叩いたり、ひっかいたりすれば、バラエティに富んだ音が出そうです。しかし、それは素材が振動して出る音、いわばノイズの一種であり、なかなか音楽にしようという考えは浮かばないのではないでしょうか。
こちらの、
Johnny Random さん、自転車など身近な道具から出る音を使って、音楽にしてしまう作曲家、アーティストです。"Bespoken" という楽曲を発表しており、楽曲を購入することもできます。その一部は、上下のプレーヤーでも試聴することが出来ます。(環境によって再生できない場合はリンク先へ。)
部品を使って出した音をサンプリングして組み合わせて音楽にしているわけですが、自転車の各部分から、これだけ多彩な音を、しかも美しく抜き出していることに驚きます。ここまでのものを制作するのは簡単ではないのだろうと思いますが、デジタルで音楽を扱える人なら、面白い趣向なのではないでしょぅか。
実は、この方、以前取り上げた、Specialized 社のサイトで公開されたクリスマスソングの楽曲部分を制作した方です。お馴染みのメロディを自転車のパーツの音だけで構成し、画像とあわせて動画にしています。このように、きちんとした音階で、既存の曲のメロディーラインを奏でることも出来るわけです。
Specialized 社は、プロモーションにも自転車の部品の音を使った音楽というアイディアを使っています。それが上の動画です。音をサンプリングして、曲を構成するというデジタルの技術を使わなくても、実際に自転車を叩いたり、弾いたりして演奏することも可能です。
音楽的なセンス、リズム感などが必要ですが、下の動画であたりだと、素人にも出来そうに思えてきます。きちんと音階をつくって演奏するのは難しいと思いますが、リズム系の楽曲のような感じであれば、リズム感だけでもいけそうで、やってみたくなる人も多いでしょう。
似たようなことを考える人は少なくないようです。自転車のあちこちの場所から出る音だけで、人に聴いてもらえるような音楽にするのは、けっこうハードルが高そうですが、メロディは他の楽器を使って奏でるのであれば、形になりやすいかも知れません。
ところで、自転車の各部を使って音を出すというアイディアは、昔からあったようです。古い動画が残っています。おそらく昔のテレビ番組か何かだと思います。音楽と言うには多少苦しいですが、自転車を楽器にして、即興で演奏してみせています。
古いと言えば、1899年に出願されたアメリカの特許に、フレームが楽器になった自転車が掲載されています。ペダルと連動して、オルゴールのような仕組みで音を奏でるもののように見えます。実際に製造されたのかは不明ですが、自転車を楽器にというアイディアが、古くからあったのは間違いありません。
自転車で走行することで音を出そうと考えた人もいます。筒のようなものをフレームに取り付け、そこを通る風で、管楽器のような仕組みで音を鳴らしているようです。楽曲として演奏するわけではありませんが、うまく合わせれば、ハーモニーくらいは出せそうです。
ただ走るだけですが、ユニークなアイディアです。あまり大きくて迷惑になったり、騒音のような音ではどうかと思いますが、単にグループで走行するだけではなく、うまく一緒に音楽を奏でられるようになったら楽しいかも知れません。自転車で音楽を楽しむ方法は、ほかにもいろいろ考えられるでしょう。

これまでにも、自転車のパーツを楽器にして演奏してしまう人などは、いろいろ取り上げましたが、特に楽器の演奏が出来ないという人でも、自転車で音楽を楽しむことは出来そうです。悪天候で、出かけられなくなってしまった時など、自転車で何かミュージックをと考えてみるのも面白いかもしれません。
いよいよソチ五輪の競技が始まりました。時差のあるのが辛いところですが..。
Posted by cycleroad at 23:30│
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