サイクルロード 〜自転車への道
世界の都市で自転車が選ばれ始めている。さまざまな角度から自転車の話題を。
February 17, 2014
街歩きを楽しくする事の効果
街にはたくさんの人が集まります。
前回、道路標示をアートにしたら、目立って注意の喚起に役立つと同時に、ドライバーの気持ちも和ませるのではないかと書きました。都市部の道路は渋滞することも多く、多くのクルマが行き交い、ストレスの元もたくさんあります。ドライバーの気持ちが和めば、交通弱者の保護にもプラスになる可能性があります。
しかし、考えてみるとストレスを抱えイライラしているのは、ドライバーに限りません。最近は、街中や駅の構内など公共の場所での、歩行中のマナーが問題になっています。スマホを使いながら歩く人も増えました。公共の場でのマナーやモラルの悪化が指摘され、トラブルになることもあります。
全く見知らぬ相手に、いきなり切りつけたりする通り魔のような事件も多くなってきている気がします。都市部では、全くの他人同士が混雑の中で行き交うことになります。忙しい現代人は時間に追われていますし、仕事や日常生活のストレスを貯め、イライラ、ギスギスしてくることもあるでしょう。
その意味では、歩行者の気持ちが和むようなアートがあってもいいかも知れません。世界の都市では、いろいろなストリートアートが制作されています。もちろん、それらが全て、人々を和ませるようなものではありませんが、人々を楽しくさせるようなものも少なくありません。
街角で思いがけず、そんな楽しいアート作品に出会ったら、思わず和むのではないでしょうか。何の変哲もない消火栓も、ちょっとしたアイディアで、ユーモアあふれるアートになります。他愛のない、いたずらのような作品でも、思いがけず見つけたら、ちょっと得した気分になるに違いありません。
海外の都市には、壁いっぱいに広がるような大きなストリートアートやペイントアートもあります。これはこれで驚きがありますが、あまり大きいと街の景観に影響しますから、賛否両論あるでしょう。必ずしも否定するものではありませんが、費用もかかりますし、日本では関係者の同意も簡単ではないと思います。
もっと小さく、ちょっとした落書きのようなアートでも、なかにはユーモラスで、思わず笑ってしまうようなものがあります。注意していないと見逃してしまうようなものを幸運にも発見したら、きっと嬉しくなるのではないでしょうか。街を散策するのも楽しくなります。
こういうアートを街で見かけたら、少なくとも、その場は和むでしょう。たまたま居合わせた見知らぬ人同士でも、思わず微笑みあうような光景が見られるかも知れません。誰もが笑顔になるような、悪意のないものであれば、広く受け入れられるのではないでしょうか。
地面の色と似ていて、うっかりすると、ぶつかってしまうようなポールとか構造物を目立つようにするペイントも、ちょっと一工夫すれば、ユーモアで和ますことが出来るはずです。よく、目立たせるため、黄色と黒を交互に帯状に塗ったりしますが、一律に無機質な塗装である必要はないでしょう。
注意深く探さないと見つからないようなものであれば、探す楽しみも出てきます。スマホを見ながら歩くより楽しいかも知れません。ゲーム感覚で探す人が増えれば、ちょっとした観光資源になる可能性があります。街を回遊する人が増え、地域の活性化につながる可能性もあります。
日本でも、街にアートを取り入れているところがあります。例えば大阪のアメリカ村では、町ぐるみでアートプロジェクトに取り組んでいます。ストリートアートは、商店街単位でも十分実施可能です。ちょっとした町おこしになったり、買い物客の増加に結びつく可能性もあるのではないでしょうか。
近年、下の写真のような落書きに悩まされる街が増えていると聞きます。意味のない記号などで、見る人を楽しませるものではありません。タギングなどと呼ばれるこうした落書き、書いた人の自己満足だけで、書かれた人には腹立たしいものでしかありません。当然ながら器物損壊であり、犯罪です。
落書きを消すのも大変で、非常に迷惑しているところも多いようです。消しても消しても書かれてしまうのですが、それならばと、あらかじめ絵を描いておくと、落書きされなくなるという話も聞きます。ストリートアートを、落書き対策として導入することも考えられます。
もちろん、落書きでなくアートとするためには、壁や構造物などの所有者、管理者の同意が必要になるでしょう。町ぐるみで取り組む場合でも、勝手に描かれたのでは収拾がつかなくなります。許可や審査が必要になるかも知れません。大きさの制限を決めるなどの、一定のルールも必要でしょう。
一方、公園とか広い遊歩道など、スペースがあるところなら自由度が高まります。トリックアートと呼ばれるようなものもあります。地面に騙し絵のように立体的に描いた絵で、知らずに見たらドッキリするような絵柄になります。こうしたアートも楽しいものがあります。
単なる「いたずら」のように見えても、その発想や感性に感心するようなものもあります。偶然むき出しになっていた配電盤をムンクの「叫び」に見立てるなど、なかなか秀逸なセンスです。標識の影かと思えば、描いてあります。しかも、あわせて“STOP(the)WAR”になっています。
せっかくのアートでも、ゲリラ的に勝手に描かせるのでは、玉石混交になってしまい、住民の支持を得られない可能性があります。壁や構造物の所有者の同意を得たとしても、美的感覚、ユーモアのセンスはそれぞれなので、人々を和ますアートになるか微妙です。
場合によっては、せっかく描いても消す必要が出てくるかも知れません。でも、それが下の写真のようなアートであれば、原状復帰も容易です。目玉や舌などを貼り付けただけで、ユーモアあふれるアート作品になっています。目玉は発泡スチロールなどで出来ているようです。
ペンキで描くと消すのは大変ですが、これなら簡単に取り外すことが出来そうです。発泡スチロールのようなものを貼り付けたり、粘土で作ったものを置いたり、シールを貼ったりなど、素材や方法の工夫次第で、いつでも簡単に撤去可能なストリートアートが可能になります。
原状回復が簡単ならば、一時的なイベントとして行うことも出来ます。町全体をキャンバスとして、自由に作品を制作してもらっても、撤去や移設など柔軟に対応できます。取り外して他の街に持って行き、各地で巡回して開催するようなことも考えられるでしょう。
日本の街は、近年どこも同じような景色になってしまい、街並み的な面白みに欠けると言われます。街を歩く楽しさが少なくなると、郊外型の大型商業施設ばかりが人を集め、商店街のシャッター街化が進みます。もっとアートを取り入れれば、人々を和ませ、イライラを減らし、街を歩くのも楽しくなるのではないでしょうか。
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日本選手の連日の活躍、どうしてもリアルタイムに見てしまい、完全に寝不足です。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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