何か事件や事故が起きると、現場付近の監視カメラ、防犯カメラの捕らえた画像がテレビで流されます。地震が起きれば、お天気カメラや定点カメラなど、常時撮影しているカメラの画像が出ます。インターネット上で24時間視聴できるライブカメラなどもあります。
テレビのニュースなどでは、視聴者提供の動画が流されたりすることも珍しくなくなりました。今どきは、携帯電話やスマホにカメラ搭載は当たり前ですし、コンパクトなデジカメも普及しています。誰でも気軽に動画を撮影し、ネットに投稿するのも簡単なので、動画投稿サイトでは世界中の動画を見ることが出来ます。
半導体技術の進歩により、CCDやCMOSといった画像センサは高性能で高画質になっています。値段も安くなり、出荷台数も高い伸びを示しています。家庭にもドアホン用カメラや、テレビ電話用のパソコン用ウェブカム、留守宅監視やセキュリティー用カメラなど、いろいろなカメラ製品が入ってきています。
最近はクルマにも、いわゆるドライブレコーダーを搭載する人が増えています。事件や事故にあった時などに、貴重な記録、証拠になります。タクシーなどには、車内を撮影するカメラも搭載され、犯罪発生時の犯人の逮捕に役立てられています。そのほかにも、あらゆる場所でカメラが増えています。
ちなみに、昨年2月、ロシアのチェリャビンスク州に隕石が落下したのは記憶に新しいところですが、この時、世界中に配信された、隕石が空を横切って落下していく画像は、クルマに搭載されたドライブレコーダーの画像が多かったそうです。それだけドライブレコーダーが普及していることを示しています。
ロシアでは、ドライバーの交通ルールの遵守意識が低く、日本と比べたら無法状態に見えるという話をよく聞きます。飲酒運転も多く、接触事故などは日常茶飯事です。一方、事故が起こっても、警察や裁判があてにならず、保険会社は極力支払いを拒否することで悪名が高いと言います。
目撃者がいたとしても、買収されて嘘をつかれてしまいます。また、クルマにワザとぶつかってくる当たり屋行為も少なくないのだそうです。ロシアで運転するには、自衛のためにドライブレコーダーが必須というわけです。日本より高いと言われる普及率も納得です。
さて、あらゆるところで増えつつあるカメラですが、自転車に搭載する人もいます。ハンドルやヘルメットにカメラを取り付け、走行動画を撮ったり、趣味で投稿するだけではありません。自転車用のドライブレコーダーとして、事故やトラブルの時のために備えようと考える人も増えています。
実際に、そうした用途のための製品も売られています。事故が起きた時、自転車側が負傷する可能性が高く、クルマ同士と違って、相手のナンバーを確認する余裕がないことも考えられます。接触、転倒して、そのまま相手の車輌に立ち去られるケースも考えられます。
事故に対する備えとして、自転車にドライブレコーダーというのも、決して珍しくない時代になっていくのかも知れません。装置は小さく軽くなっており、電池や記憶メディアも小型で、長時間録画が可能になっていることも、自転車への搭載に追い風です。
偶発的な事故のリスクに加え、車道走行している人なら、クルマのドライバーの悪意を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。ワザと煽ったり、幅寄せをしたり、危険な行為をされた人もあるでしょう。残念ながら、実際にそういうドライバーがいます。
クルマのドライバーの中には、自転車が邪魔で腹立たしい存在と感じている人もいます。たしかに、後方も確認せずに進路変更したり、逆走している上に駐車車輌の陰から飛び出したり、同じサイクリストから見ても、危険で傍若無人に見える人がいて、ドライバーが腹を立てるのも理解できます。
もちろん、交通弱者を保護する義務があるわけで、意図的に乱暴な運転をすることが認められるわけではありません。そんなドライバーの肩を持つつもりはありません。ただ、自転車の交通ルール無視が目に余ると、自転車を目の敵にするようなドライバーがいるのも確かで、多くの自転車乗りが実感するところでしょう。
場合によって、脅威は自転車の後方から迫ってくる可能性があります。通常、自転車用のドライブレコーダーは、ハンドルなどに取り付けて、前方を監視することを想定しています。追い抜かれれば記録できますが、接触して転倒した場合など、前方カメラでは役に立たない場合があるでしょう。
そう考えると、後方を監視するカメラが必要かも知れません。そこでこのカメラ、“
Fly6”です。シートポストなどに装着する、赤いテールライトにカメラが内蔵されています。軽くてコンパクト、ただのテールライトを取り付けているのと、あまり変わりません。
それだけではありません。さらにユニークな機能が搭載されています。カメラの周囲のLEDが光り、録画していることをドライバーにアピールするようになっているのです。ドライバーも録画されているということに気づけば、滅多なことは出来ないに違いありません。
万一の場合の記録という機能に加え、録画していることを知らせることにより、安全運転を促す機能が期待できます。防犯カメラや、設置されているお店の店内などに、「監視カメラ作動中」などと書かれているのと同じで、予防する効果が見込めるわけです。
言われてみれば、なるほどと思いますが、面白い発想です。資金調達サイト“
Kickstarter ”では大きな支持を集めています。サイクリストにとっては、普通のテールライトを装着するのと変わりません。それでいてイザというときの記録に加え、予防効果が見込めるかも知れないとするなら、取り付けない手はありません。
ただ、多少気になる点もあります。動画を見る限り、点滅して目立つようにしている普通のテールライトと変わらないように見えなくもありません。監視カメラを内蔵していると気づかないドライバーも多いような気がします。そうだとすると、予防効果は期待できません。
よほど、この製品が話題になって有名にならない限り、そうとは気づかないドライバーも多いのではないでしょうか。もっと、いかにも監視カメラという形状にすることも考えられます。そうすると邪魔でかさばるものになりそうで痛し痒しですが、もう一工夫ほしい気がします。
一方で、もしこの“Fly6”がブレイクし、広く普及して定番商品になるようであれば、形状は問題ではなくなります。それこそケータイやスマホにカメラ搭載が当たり前になったように、テールライトにカメラ内臓が常識になり、世間一般の認知度が高まれば、予防効果も期待できるようになるでしょう。
元々テールライトは安全のためのグッズですが、その意味合いが大きく変わり、テールライトをつけている自転車と事故になれば、証拠が残り、当然責任を追及されるというのが常識になるかも知れません。そんな、走行の安全に貢献するグッズになっていく可能性を秘めています。
近年、街中のあちこちに監視カメラ・防犯カメラが増え、いわゆる監視社会となり、個人のプライバシー侵害が心配されています。どこでもカメラに監視されていることを、不快に感じる人もあるでしょう。ただ、一方で、犯罪の抑止や犯人の検挙の大きな助けになっています。
同様に、ドライバーにはカメラ監視への嫌悪感があるかも知れません。でも安全に貢献するのも確かです。カメラがドライバーに冷静さを取り戻させ、イライラして乱暴な運転をして事故を起こすことを防ぎ、起こさなくて済む事故を実際に防いでくれるなら、ドライバーにとっても有意義なのではないでしょうか。
シベリアの永久凍土に3万年以上眠っていたウイルスの蘇生に成功したそうです。今後、知られざる昔のウイルスが新たな脅威に..なんてことが起きるかも知れませんね。
Posted by cycleroad at 23:30│
Comments(4)
こんばんは。ドラレコですか。Fly6は良さそうですね。私の場合、事故の際に付けておいたことで、警察の方には乗車における真摯さがどうやら伝わったようで処分は免れました(自転車道路における事故ですから、どちらが悪いということはないが、相手の飛び出しにせよ軽車両である自転車の分が悪いということになりました)。
ところで、6年乗ったB社シティサイクルを、同じくB社の中級クラスに買い換えたのですが、感覚が違いすぎてまだ自転車屋からの帰りにしか乗っていません。もう1つ、新しい間は自宅保管で問題ないのですが、街で放っておくのがちょっと不安です。管理人さんの私見で構いませんが、自動ロック式(電磁式)の有料駐輪場における、自転車盗難ってどのくらいあると思われますか?あれを壊して取って行く人もいるのかちょっと心配です。会社からは自転車通勤は完全禁止を言い渡されていますが、毎週金曜日だけは気分転換の為に乗車しております。そして、ジテツーが減ったことで、体重も半年で5kg増えてしまいました…。