March 13, 2014

懐かしい自転車に再び乗れる

誰にでも、懐かしく感じるものがあります。


それは、昔撮った写真だったり、故郷の風景だったり、母校の校舎だったり、かつて使っていた愛用品だったりするでしょう。子どもの頃の遊びやおもちゃとか、音楽や映画かも知れません。今は使わなくなってしまった日用品などにも、昔の記憶をよびさますものがあるでしょう。

ただ人によって、また年代や地域などによっても懐かしく思うものは違います。例えば、ときどきテレビで懐メロ番組をやっていたりしますが、流れてくる曲に、思わずその当時の思い出がよみがえり、懐かしさを感じる人もあれば、何も感じない人もいます。知らない曲でかえって新鮮に感じる人もあるかも知れません。

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アメリカ人のある年代の人にとって、昔風のオランダ製自転車、いわゆるダッチバイクも懐かしさを感じるアイテムのようです。今はロードバイクやアメリカ生まれのマウンテンバイク、ビーチクルーザーなどが主流になっていますが、昔乗っていたという人も多いのでしょう。

ダッチバイクと言うのは、自転車の国オランダ生まれの、ヨーロッパのスタンダードとも言うべき自転車です。今でもオランダやドイツなどではたくさん走っています。スポーツ用ではなく、ふだんの生活の中で活躍する、無骨だが質実剛健、どちらかというと実用性重視の自転車です。

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日本で言うとママチャリに近い部分もありますが、中身としては、むしろ実用車、かつて新聞配達や郵便配達、蕎麦屋の出前などによく使われていた自転車に近いかも知れません。本場のダッチバイクは、今でも後輪のハンドブレーキがなく、ペダルを逆回しして止まる機構が使われています。

さて、そんな一部の人には懐かしささえ覚えるダッチバイク風の、レトロな雰囲気のある自転車を製造、販売しようというプロジェクトが、ネット上の資金調達サイト、“ Kickstarter”で立ち上がっています。キャンペーンを行っているのは、“Peace Bicycles”です。




まだ出来立ての新興のメーカーにも関わらず、今流行りのモデルを販売するのではなく、レトロ感あふれる自転車を製造、販売しようとしています。このプロジェクトを支持して小額の資金を提供するほかに、550ドルから700ドル程度で、実物を購入することが出来ます。

なんで、今さらそんなレトロで古いタイプの自転車を製造しようとするのかと訝る人もあるでしょうが、このプロジェクトをスタートさせたのには理由があります。あえてビンテージで美しいダッチスタイルにした自転車ですが、それだけではありません。

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ただオシャレでシックなだけでなく、流行のスポーツバイクとは違い、普段の生活の中で荷物を積んだり、通勤などに使う実用的な自転車が欲しいというニーズに応えるものなのです。フレームも男性用のベーシックなダイヤモンドフレームと、スカートでもまたぎやすい女性用があります。

実用性重視のアップライトな乗車ポジション、前後の泥除け、チェーンガード、スカートなどを巻き込まないような後輪のスポークガード、頑丈な荷台、荷物を載せるカゴを前後に取り付けることも出来ます。フレームは好きな色を選ぶことが出来るようになっています。

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見た目はビンテージですが、中身は違います。足の力で止めるコースターブレーキではなく、Vブレーキが使われています。日本のママチャリとは違って、変速機も外装式の7速のディレーラーで、クイックリリースなども採用されています。今の技術を使うことで、必要な性能や使いやすさ、快適性や安全性にも配慮しているわけです。

前方を照らすライト、テールライトも、形はレトロですが、LEDが使われており、軽量化が図られています。全体の重量についても各所で軽量化が図られ、本物のダッチバイクよりも軽く、軽快に走行できるように設計されています。見た目はダッチバイクですが、中身は別物というわけです。

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実用的なばかりでなく、ダッチバイク風のスタイルは、スーツやドレスを着て乗ってもサマになります。通勤でも、買い物でも、普段着で乗りやすく、見た目もオシャレに乗れる自転車というコンセプトなのです。年齢的に、スポーツバイクを敬遠する人にも選びやすいモデルと言えるでしょう。

95パーセント組み立てられた状態で出荷、配送され、マニュアルを見ながら自分で組み立てることが出来ます。でも、希望があれば最寄の自転車店に送らせ、組み立ててもらうことも可能です。自転車を日常生活に取り込もうという人、自転車を始めようという人にも、もってこいだとアピールしています。

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アメリカでは、スポーツバイクや固定ギヤ、いわゆるフィクシーなどが人気ですが、スーツを着て、前傾姿勢でスポーツバイクに乗ることに違和感を感じる人は少なくないでしょう。通勤用の普通の自転車の選択肢が少なく、色すら選べないことに、不満に感じたことが製造を思い立った理由です。

スピードが出る、スポーツとして乗る自転車はたくさんありますが、普段の生活で荷物を積んだり、スーツやスカートで乗るのに適当な自転車がなかったこと、欲しいものを見つけられなかったのが動機だと言います。一方、本当のビンテージ自転車は手に入りにくく、使い勝手にも不満があります。

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かと言って、ディスカウントストアで量販されるような格安の自転車には品質的にも不満があります。価格的にも、格安自転車と10万円以上するような自転車の中間の価格帯の選択肢が少ないと感じていました。そして、自分たちの感覚に合った、「美しい自転車」が欲しかったという面もあったようです。

新しく参入するにあたっては、環境負荷を軽減するために、もっと自転車を広め、そのことによって社会的責任に貢献したいという希望が述べられています。また、自転車の売り上げの一部で世界の困っている人達、必要としている人たちに自転車を寄贈するプログラムにも取り組んでいます。

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なかなか面白いコンセプトだと思います。ビンテージなダッチバイクのスタイルを生かす一方で、その古い部分は新しい技術を使って、制動力アップや軽量化などを進め、使い勝手や実用性を高めています。新しいデザインではなく、レトロな雰囲気を大事にして、人々の懐かしさを誘うあたりも上手いやり方と言えるでしょう。

実際の製造は、すでに実績のあるメーカーに委託するので、きちんと品質が管理された自転車が納期どおりに届けられると言います。いわゆるファブレスで委託製造し、“Kickstarter”でニーズを確かめながら通信販売するというスタイルもユニークです。

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見た目はレトロなスタイルですが、中身は今どきの技術で新しくし、全体としては今までになかった製品をプロデュースするという手法は、ほかの商品にも使えるでしょう。懐かしいグッズが中身を新たに復活するというスタイル、他の製品でも出てきていいような気がします。





浦和レッズの垂れ幕、人種差別よりも、サッカーに限らずサポーターや応援団に独特の権利意識、一般の観客に対しても排他的な意識が根底にあるような気がしますね。

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