単にサイクリングが好きな人だけでなく、本体やパーツにこだわる人、パフォーマンスを追求する人、スタイルやファッションに関心が向かう人、他の趣味と組み合わせる人もいます。中には、好きが高じて自転車の改造を楽しむ人、オリジナルな自転車を自作する人、パーツを使ってアート作品を作る人もいます。
鉄道マニアに、いわゆる撮り鉄とか音鉄、時刻表鉄など、いろいろなタイプの鉄道好きがいるように、自転車趣味にもいろいろなタイプの人がいます。鉄道も自転車も基本的には乗るものだと思いますが、それに加えて、さまざまな楽しみ方があってもいいでしょう。
鉄道マニアもそうだと思いますが、趣味の自転車好き以外の人には、なかなか理解しにくい部分かも知れません。ただ、特にマニアでなくても、ふだん自転車を愛用し、その本当の魅力を知っている人なら、自転車好きの気持ちが理解出来る人も少なくないでしょう。
これまでにも、さまざまな「自転車人」を取り上げてきましたが、今回はイラストレーターです。
Mike Joos さんというポップなイラストを描く人ですが、その作品の多くの割合を自転車に乗った人のイラストが占めるという、まさしく自転車好きのイラストレーターです。
イラストレーターの中には、自転車を絵にする人もあると思いますが、ただ自転車を描くのではなく、自転車に乗った人、キャラクターを描いているのが特徴です。例えばこちらのように、アメリカン・コミックのヒーローが自転車に乗っているイラストです。

日本でもおなじみのアメリカンヒーロー、スーパーマンとバットマンです。本来は空を飛ぶはずのヒーローが自転車に乗っているというだけで滑稽な感じがあふれています。乗っている自転車も、それぞれのキャラクターにあわせたオリジナルなものとなっています。

こちらはスパイダーマンとアイアンマンです。どれも世界的に有名なキャラクターで、実写映画も作られているわけですが、原作にしろ実写映画にしろ、おそらく自転車に乗るシーンというのはないでしょう。乗るはずのないキャラクターが乗っているという面白さがあります。

ハリウッド映画の主人公は、ほかにも描かれています。ご存知、インディージョーンズとゴーストバスターズです。鞭を持ってカーボーイハットのジョーンズ博士は、苦手な蛇がタイヤに、ゴーストバスターズのほうは、一目でわかるロゴがタイヤです。

映画と言えば、このシリーズは欠かせないでしょう。スターウォーズです。ハン・ソロが乗っている自転車の車輪はミレニアム・ファルコンですし、ダース・ベイダーが乗るなら、その車輪はデス・スターということになるでしょう。自転車に乗っているというだけで、何かユーモラスな感じになります。

レイア姫はジャバ・ザ・ハットをトレイラーに乗せて引いています。C−3POのタイヤは、R2−D2になっています。こうしたユニークな図柄は、Tシャツやグリーティングカードなどとして売られていますが、これは欲しくなる人もあるのではないでしょぅか。

日本が発祥のキャラクターも描かれています。ゴジラとスーパーマリオです。ゴジラは珍しく普通のロードバイクに乗っています。マリオのタイヤは、たしかに亀がシックリときます。この亀、何というのか調べてみたら、シェルクリーパーと言うそうです。

有名な童話のキャラクターも出てきます。ピノキオは、その鼻が伸びて自転車のフレームになってしまっているのがユニークです。アリスのほうは、双子のトゥイードルダムとトゥイードルディーに乗っていますので、不思議の国のアリスではなく、鏡の国のアリスだとわかります。

セサミストリートの人気キャラクター、クッキーモンスターの大好物は、当然クッキー、それもチョコチップクッキーです。アメリカン・コミック、忍者タートルズのレオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテッロは、全員ピザが好物ということになっています。ちなみに、これはレオナルドです。

お馴染みのファーストフードのキャラクターまで出てくるところが笑えます。マクドナルドのドナルドは、当然ながらハンバーガー以外には考えられません。そして、ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースは、チキンということになります。

こうなってくると、歴代大統領が描かれているのも予想がつきます。第16代のエイブラハム・リンカーンの肖像は1セント硬貨に使われており、初代のジョージ・ワシントンは25セント硬貨です。ちなみに10セントはフランクリン・ルーズベルト、5セントはトマス・ジェファーソン、50セントはジョン・F・ケネディです。

大統領だけではありません。エルビス・プレスリーは宝石が散りばめられた自転車に乗っています。スティーブ・ジョブズは、アップルの古いロゴです。ちなみに他の登場人物とは違い、スティーブ・ジョブズは実際に自転車に乗っていました。一時アップル社を離れた時期はイタリア・トスカーナ地方を自転車で旅していたそうです。

レオナルド・ダ・ヴィンチは、有名なウィトルウィウス的人体図が描かれたホイールに乗っています。一方、サルバドール・ダリは、代表作「記憶の固執」をはじめ何度も描いていて、そのシンボルのようになっている「柔らかい時計」のタイヤに乗っています。

エリザベス女王から仏陀まで出てきます。エリザベス女王が1ポンド硬貨に乗っているのはいいとして、仏陀の乗るホイールの図柄、陰陽太極図は、インド発祥の仏教ではなく、中国の道教のシンボルだと思いますが、細かいことは言わないことにしましょう(笑)。

有名な言葉を一緒に添えたものもあります。アルベルト・アインシュタインは相対性理論について自転車に乗りながら考えていたと言われています。実際に彼が自転車に乗っている写真も残されています。J.F.ケネディは、「自転車に乗る純粋な喜びに匹敵するものはない。」と言ったそうです。
イラストとして自転車だけを描いたのでは、あまり面白い絵にはならないと思いますが、人物やキャラクターが乗っている図にすることで、なんともユーモラスで魅力的なイラストになっています。ユニークな手法と言えるでしょう。ちなみに、Mike Joos さんの作品には、自転車以外のシリーズもあります。
自転車とイラストという組み合わせは、おそらく、Mike Joos さんが自転車好きだからこそ出てきたものと思われますが、そこに、誰もが知るキャラクターを加えたところがアイディアです。単に自転車と何かを組み合わせるだけでなく、そこに、もう一ひねりを加えられないか考えてみる手はありそうです。
相変わらずJR北海道では、いろいろトラブルが続いているようですが、大丈夫なんでしょうか。
Posted by cycleroad at 23:30│
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