自転車行政に圧力はあるのか
クルマ産業は日本の基幹産業です。
その裾野は広く、日本経済を支える存在であることに異論はないと思います。しかし、だからと言って、クルマメーカーの思惑が自転車を歩道に押し込めているのでしょうか。このブログにも時々、そう主張する人からコメントをもらうことがあります。多かれ少なかれ、そう考えている人がいます。(コメントの例は
こちらの最下部。)
果たしてそうでしょうか。私は自転車産業の関係者でもなければクルマ産業の関係者でもありません。この主張が正しいか否かの答えを知っているわけではなく、何か確固たる証拠を持っているわけでもありません。ただ、個人的にはそうではないと考えています。
クルマメーカーが自転車の歩道走行の元凶と見なす人の言い分はこうです。クルマメーカーや関連団体は政治家やマスコミに圧力をかけ、自転車に歩道走行を強いる状態を維持させ、クルマの邪魔にならないようにしている。だから自転車レーンは増えないし、車道走行は普及しないのだ、と。
クルマメーカーにしてみれば、自転車が便利になるとクルマが売れなくなってしまうので、なんとか自転車の利便性を高めないようにしたいはずと考えるわけです。車道走行する自転車が増えないのは、クルマメーカーの意向であり、それがこの問題の根源にあると言うのです。
言われてみれば、なるほど、そんな気がしないでもありません。しかし、そもそもクルマと自転車は二者択一なのでしょうか。多くの人は、クルマと自転車と、どちらを買おうかという迷い方はしないはずです。両者の用途は一緒ではない部分が多いからです。
都市部に住む人なら、駐車場代などクルマの維持費が高いので、クルマの所有をやめる人はいます。結果としてクルマの代わりに自転車を使う人もあるでしょう。近場なら自転車で代替できても、それはクルマか自転車かという選択ではなく、レンタカーやクルマのシェアリングとの比較ということだと思います。
通勤手段としてのクルマであれば、普通は電車やバスなどの公共機関との比較になるはずです。距離にもよりますが、職場まで自転車で通勤しようという人の割合は多くありません。最寄り駅までバスにするか、自転車にするかという選択はありえますが、クルマと自転車が直接競合する割合は低いと思います。
遠出したり、レジャーに使ったり、たくさんの買い物の荷物を運ぶのに、クルマと自転車では比較になりません。機動力も輸送能力も用途も違います。自転車レーンが整備されて、車道走行が容易になって便利になったからとクルマの購入をやめて自転車にする人が多いとは思えません。
クルマをやめて自転車に出来る部分、出来る人は限られます。また、自転車レーンがなくても車道走行する人はします。すでに、これだけ自転車が使われている以上、多少自転車環境が変わったからといって、クルマの売り上げを阻害する要因になるでしょうか。
つまり、クルマメーカーが政府や自治体、マスコミに圧力をかけ、自転車を歩道走行させようという動機付けは弱いと思います。ほとんどメリットもないでしょう。そうでなくても若い世代を中心にクルマ離れが指摘されており、免許をとらない人も増えています。自転車に乗りにくくする意味があるでしょうか。
確かに、クルマ産業の裾野は広く、その影響力は大きいと思います。しかし、エコカー減税とかエコカー補助金なら直接的で効果は大きいと思いますが、自転車レーン整備に圧力をかける意味がある、メリットが大きいとは思えません。むしろ反感を持たれたり、イメージの悪化につながるリスクのほうが大きいでしょう。
クルマメーカー14社で構成する業界団体「日本自動車工業会」は、自転車も『車道』を走る仲間として共存を打ち出していますし、車道への自転車レーンの整備も支持しています。見方はいろいろあるかも知れませんが、私の見る限り、それが建前のようには思えません。
歩道走行のほうが交差点での事故の確率が高いことがわかっています。自転車の車道走行で事故のリスクが低くなるなら、クルマのドライバーにも悪い話ではありません。もちろん、邪魔に感じるドライバーはいるとしても、クルマメーカーにとっても事故の減少はメリットになります。
自転車レーンの整備が市民の要望であれば、民意に逆らってそれに反対するほどのメリットがあるとも思えません。それによって渋滞が緩和し、クルマでの移動の速度や利便性が向上するならば、むしろそちらのメリットのほうが大きいと言えるでしょう。反対する理由は乏しいと思います。
環境負荷への配慮やエコ志向もありますし、自転車の安全を考えたほうが、クルマメーカーのイメージアップにもつなります。警察庁や国土交通省なども車道走行の原則へ、自転車行政の転換を打ち出しています。それに逆らい、民意を敵に回す危険を冒してまで道路整備の方向性をねじ曲げるメリットはないような気がします。
関係者の数も膨大ですから、中にはいろいろな考え方をする人がいるでしょう。自転車を敵視するような発言をする人もいるでしょうし、個人的に反感を持つ人も少なくないと思います。しかし、クルマ産業の総意として、自転車を歩道に押し込めようとしているという主張には賛同しかねます。
自転車に乗る人の多くはクルマにも乗りますし、クルマを降りれば歩行者にもなるという、当たり前の事実もあります。クルマメーカーが、そうした事実を考慮せず、単純に自転車へ圧力をかけるとも思えません。すでに大量の自転車が利用されている以上、そのユーザーを敵に回す策はないでしょう。
クルマメーカーとして、些少な売上への影響より、自転車や歩行者との道路の共有という立場に立ち、社会正義、社会貢献を追求したほうがイメージアップにもなります。互いにすみ分け、共存を目指したほうが得策であり、その意味でも自転車レーンの整備に反対する理由は乏しいのではないでしょうか。
そうでなくても日本では人口が減少していき、市場の縮小が避けられません。トヨタや日産、ホンダといったメーカーは、すでに海外売上高比率が6割から8割に達しています。国内で、そんな意味の乏しい自転車行政への干渉をするより、もっとやるべきことがたくさんあるはずです。
グローバルに展開しているクルマメーカーです。そうでなくても縮小している国内市場で、しかも自転車レーンに反対だとか、歩道を走行させろなどという、重箱の隅をつつくようなことをやっていると考えるほうが不自然ではないでしょうか。
クルマメーカーのライバルは自転車なんかより、例えば、自動運転技術で先行するグーグルでしょう。もしクルマ産業にパラダイムシフトが起こり、グーグルの自動運転のソフトウェアを採用せざるを得なくなれば、ちょうどスマホなどがそうであるように、単に箱だけを作る存在に転落しかねません。
新興の電気自動車メーカーも脅威になる可能性があります。電気だけで走るクルマ、EVは、今のクルマと比べ、新規参入が圧倒的に容易と言われています。誰でも簡単に製造できるようになれば、新興メーカーの参入が相次ぎ、やはりスマホなどのように先進国に不利な価格競争に陥りかねません。
どう考えても、自転車をクルマ売上げにおける障害などと考えて、圧力をかけている暇があるようには思えません。もし、そんな点に固執しているとするならば、それこそ大変な問題です。関連を含めると製造業人口の約半分を占める巨大産業、日本の基幹産業の危機です。
そう考えると、クルマメーカーの圧力、影響力によって日本の自転車レーンの整備が進まない、車道走行が進まないなんていう考えは、むしろナンセンスに思えてきます。それより、自治体の役人の体質、考え方のほうが問題になっていると思います。
よく指摘されるように、行政の無謬性ということがあり、過去数十年にわたって続けてきた、自転車の歩道走行を前提にした道路整備が間違っていたと認めることが出来ないのです。車道走行に向けた整備をすると、これまでの行政を自ら否定することになってしまうからです。
いわゆる原子力ムラと言われるような電力利権とは根本的に違います。規制に保護され、総括原価方式で料金を決め、それを政治家やマスコミ対策に使うような構造的癒着や利権構造とは全く違う話だと思います。ありもしないクルマメーカーの陰謀や圧力を疑っても意味がありません。
40年以上にわたって、自転車の歩道走行という道路行政が行なわれてきた結果、市民に車道走行が怖いなどという感覚や違和感があります。地方行政も、警察庁や国交省など国の方針転換についていけず、たしかに歩道走行に固執するような状況があるのも事実です。
しかし、人々の意識を変え、ルールが遵守され、秩序が保たれるようにするためにも、自転車の走行環境を整備していかなければなりません。長年の習慣や負の遺産を変えるのは容易なことではありませんが、あるべき姿に戻すためにも、どこに問題があるのか、問題の本質は何かを見間違えないようにすべきだと思います。
容疑者が逮捕されましたが、万引き犯として画像公開して、もし違っていたらどうするつもりだったんでしょうかね。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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今回は自動車産業がテーマであったが次回は建設業界の立場で話すと面白いね。
自動車業界は自動車という危険物を販売するため、色々な安全キャンペーンをしているが、次回のテーマは自転車との共存だね。
特に並走時と右左折が問題だね。
> 自転車に乗る人の多くはクルマにも乗りますし、クルマを降りれば歩行者にもなるという、当たり前の事実もあります。
その認識が根本的に間違ってます。自転車に乗る人の圧倒的多数は、高齢者・年少者・非正規労働者など、クルマを所有・運転できない人たちです。ドライバーたちがわざわざあんな遅くて無防備な乗り物を選好するのは、貴殿のような実用性皆無のスポーツ車を乗り回すマニアだけでしょう。
だからほとんどすべての自転車利用者は交通法規を学習する機会もないですし、真後ろから自車の数倍ものスピードでクルマが襲いかかり、しかも退避スペースもなきに等しい車道走行に本能的な恐怖を感じるのは当然のことでしょう。もし車道走行が強制されれば、彼らにとっては事実上の自転車非合法化と感じるようになり、劣悪な公共交通の利用を強いられるか、外出そのものの断念に追い込まれるのは確実です。
機会があるたびにいろいろな人たちと ロードバイクのことで
話をしてきました。
自転車に興味がない人たちや
普段 自転車に乗らない人たちやママチャリに乗っている人たちは「ロードバイク」は「競技用自転車」で「特殊な人たちだけが乗っている自転車」と思っているそうです。
私の自転車は「ロードバイク」 といってブレーキもついていますしギヤもついています。
ロードバイクがママチャリと同じ造りをしていることを知らないで、また 理解もしないで 単純に「車道を走るスポーツ自転車は 危ない」と思っているわけです。
「思っている」というよりも「思わされている」
と言って良いでしょう。つまりそのバック (背景) には
車道を走る自転車を増やしたくない「思惑」(おもわく)
が存在するということなんです。
その思惑は 大手メディアによる偏向報道が大きいと思いますが 大手メディアだけではありません。
日本のメディアは 官僚たちと政治家たち
の意向を踏まえて報道しているのですから、政治家たち、官僚たちもそのバック (背景)に存在すると思います。
政治家たち 官僚たちが 国内の大手メディアに大きな影響を与えていることは NHKを含めた複数の国内大手メディア
による原発事故報道を見て知った人が多いと思います。
NHKは ほとんど広告収入がありませんが
大手企業から 多額の寄付金を受けていますから、また、大手企業にとって不利益になる報道をしないのですから、民放と同じ と思います。
20年以上ロードバイクを続けてきた私は原発事故以前に こう考えていました。
「クルマメーカーの広告のためにメディアは自転車競技の報道をしない」と。
つまり ツール・ド・フランスなどの一般車道を走行する自転車ロード競技を報道することによって車道を走る自転車が増えるとメディアは困るわけですね。なぜなら
「車道を走る自転車が増えることはクルマの需要が減る」ことだからです。どんな人でも 自転車に乗りながら
同時にクルマに乗ることが出来る人は一人も存在しませんから
車道を自転車で走る人が増えるということは今までクルマで通勤や買い物をしてきた人たちの需要がクルマから自転車に
シフト (転換)してしまうことになります。メディアは クルマの需要が減ることによって広告出稿を減らされると困るわけです。クルマの需要が減れば 広告出稿も減らしますし寄付金も減らすことになる、と思います。当然でしょう。
そこで メディアは偏向報道、大げさに言えば「洗脳」をおこない「スポーツ自転車は 危ない」と 一大キャンペーンを張るわけです。(スケアード・ストレート等の手法を含めて)
ピストバイクとロードバイクの違いを知らない
ような一般人を「スポーツ自転車は 危ない」
と「繰り返し 洗脳する」 ことによって車道を走る自転車を増やさずクルマに乗っている人たちが自転車にシフト (転換) しないように報道するわけです。
言い換えると「寝た子を起こしたくない」とも言えますね。
この国ではクルマ産業によって、利益、利権を受けている
政治家たち、官僚たちが多く存在すると思います。
メディアは クルマの需要が減ることによって
広告出稿を減らされると困る。。。。。
その結果国内のメディアは 新聞のJapan Timesを除いてツール・ド・フランスの報道さえ
ほとんどしませんよね。
テレビの地上波でさえほとんどツール・ド・フランスの報道を
しないのですから車道を走る自転車が増えるわけがない。
大手メディアと言っても都合の悪いことは報道しないのです。
cycleroadさん,こんばんは.先日は当方のコメントにご返信有難うございました.
さて,今回の記事のテーマについてですが,一般に日本のマスメディアが「自転車」を支持しない傾向にあるのはやはり彼等の主要スポンサーに対する気兼ねがあるからではないかと,私もMaggio Rabbitさんと同様の印象を持っています.
それが何より証拠には,昨年の「さいたまクリテリウムbyツール・ド・フランス」の時も,約20万人もの観衆を動員したにもかかわらず,実況放送や後日の録画放送は言うに及ばずTVのスポーツニュースでさえ全く伝えられませんでしたから.
また,巷を走る自転車の交通道徳や放置自転車を扱うTVニュースの特集でも,往々にして自転車側にとって好ましくない表現(例えば,出演者にスポーツ自転車のごく基礎的な知識や経験が欠如している等)をされることがあり,これによる影響も小さくないと思われます.
マスメディアが支持しない「自転車」が,大多数の子ども達に夢を与えられる筈もありません.
私も自動車メーカー自体が自転車向けの道路整備に対して圧力をかけているとは思っていませんが、今回の記事に寄せられたコメントを読んでみて、自転車の利便性向上が自動車の販売に対してマイナス要因になる・・・と本気で考えている人も一定数居るのだろうな、と思いました。
以前からテレビや新聞が自転車のマイナス面を強調する傾向に違和感を感じていましたが、番組や記事を作っているスタッフの中に上記のような考えの人が居ればスポンサーに配慮なり遠慮をしたつもりで自転車に不利な内容に傾いてしまうのかもしれませんね。
また、道路行政については無謬性と同時に、今の道路を作っている現役世代が自転車の歩道走行を当たり前として育った世代になりつつあるのかな・・・とも思います。
人間ってどうしても「諸悪の根源」と言いますか、一部の黒幕が影で社会を操っているに違いないという陰謀論を好みますけど、世の中そう単純ではありません。個々の人間がそれぞれ全く違う利害で協力・対立を繰り返すことで成り立つのが人間社会なんですから。
自転車が目障りな自動車メーカーや、それに迎合するマスメディアも当然いるでしょうが、だからといって不確実なものに責任を押し付けるような狭隘な物の見方をせず、まず社会のルールを決める立場にいる行政の「自転車に対する無関心さ」を何とかしようという記事の考えは現実的だと思います。
ところで、信頼に足るデータもなく、自転車利用者を貶めるような発言をしている方は、ぜひ根拠となる統計等を提示して頂きたいものです。
ななななさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
クルマ業界が自転車との共存の観点から、インフラの整備推進をもっと訴えてくれるといいと思いますね。
ほのおちゃんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
『自転車に乗る人の圧倒的多数は、高齢者・年少者・非正規労働者など、クルマを所有・運転できない人たち』とは、何の根拠があって言い切れるのでしょうか。ご自身の身の回りがそうなだけでしょう。
たしかに高齢者・年少者も多いと思いますが、例えば、ふだんは駅までママチャリで通勤し、土日はクルマに乗るような人も多いはずです。
スポーツバイクに乗るマニアよりも、ママチャリとクルマというスピードも移動範囲も積載能力も違う乗り物のほうが、使い分ける意味が大きいですし、実際に使い分けている人は多いと思います。
日本の自転車とクルマの世帯保有率から言って、そういう人が少なくないのは自明です。自分は主にクルマでも、家族が自転車というような例も多いでしょう。
自分は主にクルマでも、家族が自転車に乗ることを思えば、見方も変わります。クルマを降りて歩行者として歩けば、歩道の自転車を危なく感じ、車道走行すべきと感じる人もあると思います。そういうことを言っているわけです。
若い世代では微減ですが、全体の免許保有者は微増しています。免許保有者は8千百万人を超え、子供を除くと相当な割合です。
自転車に乗っている人の多くは免許を持っているわけで、『ほとんどすべての自転車利用者は交通法規を学習する機会もない』なんてことはありません。
各種統計でも、自転車に乗っている人で法規を知っていて違反する人が多いと報告されています。自転車利用者に交通法規を学習する機会がないなんて主張がナンセンスなのは、誰の目にも明らかです。
根拠も無く、自分の偏った思い込みだけで、『その認識が根本的に間違ってます。』と言い切っていますが、ご自身の認識のほうが間違っていないでしょうか。
ご自身の主張がいかに偏見と思い込みに満ち、他人から見たら失笑ものか、客観的に自覚されたほうがいいと思います。
Maggio Rabbitさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ロードパイクにブレーキもギヤもついていることぐらい知っています。ピストなどの固定ギヤの自転車と混同している人が多いのはその通りでしょう。実際に危険で事故も起きていますが、それをマスコミが大きく報道したのも知っています。スポーツバイクがどのようなものか知らずに危ないと思っている人も多いでしょう。
しかし、そのことが、なぜ『車道を走る自転車を増やしたくない「思惑」(おもわく)が存在するということ』になるのかが不明です。
さも見てきたかのように書かれていますが、具体的な根拠が一つもありません。
憶測だけで書かれていませんか。バックに存在すると思うのはなぜですか。そう思い込んでしまっているのではないですか。
NHKにCMが無いのは誰でも知っていますが、NHKに大手企業が寄付という話は聞いたことがありません。それは歳末助け合いとかNHK厚生文化事業団への募金ではないのですか。
もちろんNHKに癒着や利権が無いとは思いませんが、自転車について偏向報道する意味があるとは思えません。
本文にも書きましたが、原発の、いわゆる原子力ムラの利権とは全く違います。
自転車ロードレースもかつては地上波で放送されていたこともありますが、やはり日本では人気がないから放送しないのでしょう。興味のある人が少ないヨーロッパのスポーツを報道しないのも当たり前です。ほかにも日本で人気がないため報道されない世界のスポーツはたくさんあります。
『クルマメーカーの広告のためにメディアは自転車競技の報道をしない』というのは単なる憶測でしょう。根拠がありません。メディアが自転車競技の報道をしたくらいで、クルマメーカーが広告を出稿しなくなるとは思えません。
(続く)
(続き)
自転車の車道走行がクルマの需要を減らすという理屈にも根拠が希薄です。
『「車道を走る自転車が増えることはクルマの需要が減る」ことだからです。どんな人でも 自転車に乗りながら同時にクルマに乗ることが出来る人は一人も存在しませんから』
というのは論理に飛躍があります。それは歩道走行でも同じことでしょう。同時に乗れないからなんて屁理屈です。両方所有し、用途で使い分けている人も多いはずです。
『車道を自転車で走る人が増えるということは今までクルマで通勤や買い物をしてきた人たちの需要がクルマから自転車にシフト(転換)してしまうことになります。』というのもおかしいと思います。歩道走行から車道走行に切り替える場合も多いわけで、必ずしもクルマから自転車の車道走行に移行するとは限りません。
自転車で車道走行するかどうかに関わらず、すでにこれだけ自転車を利用する人がいるのですから、通行場所が変わったからといって、大きく需要のシフトに影響するかは定かではないでしょう。
クルマの売上げが落ちたら、かえって広告を増やすこともあると思います。仮にクルマの売上げが減ったとしても、その理由が自転車の車道走行と、どうしてなるのでしょう。相関関係、因果関係が不明です。
むしろ若い世代がクルマを買わないのは、スマホやゲーム、ネットやSNSなどの影響が大きいとの分析はよく見ます。通信費が高くなり、他に費やす費用は相対的に減っています。
そういう気がするだけで、何の根拠もないのに、クルマと自転車の車道走行だけを結びつけるのは強引ではないでしょうか。
(続く)
(続き)
ツールドフランスだけでなく、F−1やNBA、NFL、NHLだって、ほぼ報道しないじゃないですか。世界的には注目のスポーツで報道しないものはたくさんあります。ツールドフランスは日本では一部のマニアだけの関心事ですから、報道しないのは当然です。
メディアにとって都合が悪いと言うのは思い込みではないでしょうか。報道しないのは理由が違うと思います。
本文の最初に述べたように、私は、その主張が正しいか否かの答えを知っているわけではなく、何か確固たる証拠を持っているわけでもありません。ただ、客観的に見て、いかにも正しそうに見えますが、その主張には根拠が無く、思い込みの部分が強いように見えます。注意深く読むと、論理がおかしく飛躍があり、少なくとも説得力に欠けると思います。
私は、そうは思えないというだけです。
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
『一般に日本のマスメディアが「自転車」を支持しない傾向にある』というの自体、思い込みではないでしょうか。
私は自転車関連の番組を自動で録画するように設定しているのですが、自転車で何々巡りとか、自転車の旅といった、自転車をクローズアップした番組は、最近とくに増えていると思います。
自転車のマナーの悪さを批判的に報道することも多いと思いますが、最近の自転車ブームで、と紹介し、いろいろな自転車関連の話題を伝えるような番組も多いと思います。
必ずしも支持しない傾向とは思えず、それはあまりに悲観的な思い込みではないでしょうか。
今どき20万人程度集客するイベントはたくさんあります。動員人数より視聴者の関心の高さということもあります。
単に、より優先度の高いニュースがあっただけということもあります。
そんな気がすると思っていると、そう見えてしまう、そう感じてしまうこともあるでしょう。
たしかにメディアにも無理解があり、マナーの悪さなどに批判的なものもありますが、それは事実で仕方がない部分もあります。
しかし、それだけで判断するのも早計ですし、そもそもメディアが支持、不支持ということ自体、違うような気がします。
ta_isoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
ツイッターで、この記事を読んで、『クルマメーカーが自転車インフラの整備に圧力をかけているなんて思っている人がいるのか?聞いたことが無いぞ』と言っている人もいましたが、それは知らないだけで、一定程度いると思います。
ふだんは、あまりそんなことを話し合う機会は普通ないので、そう思うのも仕方ありませんが、このようなブログを長年やっていると、そう考えている人からコメントをもらうのも確かです。
個人的にモラルの悪い自転車に頭にきていたり、嫌な思いをすることは多いと思います。確かに無法な自転車も多く、仕方がないでしょう。
番組プロデューサーに、そんな経験があれば、そういう方向の番組構成になるのもわかります。
ただ、そもそも自転車を批判するのがクルマメーカーの意向に沿うのでしょうか。そんな番組をつくらないと広告がもらえなくなるのでしょうか。
そもそも、これだけ既に自転車に乗る人がいるのに、意味があるのかと思ってしまいます。
自転車の歩道走行に対する思い込みというのはあるでしょうね。
銀河眼さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も、『一部の黒幕が影で社会を操っているに違いないという陰謀論』の類、思い込みのような気がします。
番組制作者とか個々の人には、いろいろな考え方や思惑があるかも知れませんが、クルマメーカーがこぞって自転車バッシングをするよう圧力をかけているとは思えません。
そんなことに意味があるようにも思えません。とくに自転車インフラの整備を進めさせない意味は乏しいと思います。
ただ、例えば原発の、いわゆる原子力ムラの利権については、いろいろ事実が明らかになっています。原子力行政を動かす意味や利益、電事連が巨額の広告費を使ってマスコミに圧力をかける理由も理解できます。そういう癒着や利権が存在するのも確かでしょう。
他に、そういう事例があるから、自転車についても黒幕陰謀説を勝手に想像して思い込んでしまうのでしょう。
原子力ムラの場合は総括原価方式による料金が資金源になり、意味は十分ありますが、クルマメーカーがそんな効果も疑問なことにお金をかけるとは思えません。
>しかし、人々の意識を変え、ルールが遵守され、秩序が保たれるようにするためにも、"自転車の走行環境を整備"していかなければなりません。
問題は「自転車に道を譲る謙虚さ」がクルマ(ドライバー)に欠けていることだと思う。言い換えれば「人間に対する思いやりが感じられない」ことだ。ドライバーの多くが自動車に食われて(クルマに変身)人間味を失っているからだと思う。下記の記事にあるようなドライバー(ヒトデナシに等しい)に対して言いたい。「クルマの分際で人間様に向かって偉そうな顔をするな!(自転車を脅かすな!)」、「クルマ本位のルールを人間様に押し付けるな!(自転車に道を譲らんかい!)」
http://cyclist.sanspo.com/147636
>尾道市瀬戸田町の男性(66)は「車を運転していると併走した自転車が車道にはみだし、危険を感じることもある」と話す。
サイクルロードさん reply ありがとうございます。
貴方とは意見が対立しているとは思いませんが、自転車政策についての理想や貢献する構想が異なるようです。
私が理想とし 貢献を臨んでいる自転車構想は 現在のロンドン並みか ロンドン以上に車道を走る自転車を増やすことです。
<iframe width="560" height="315" src="//www.youtube.com/embed/rhocrQEDelc" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
動画開始後 1:00:39辺りを御覧ください。2003年ロードプライシング、2005年同時多発テロ後の交通状況のデータです。貴方もこのブログに載せたことがあるかもしれません。小林氏も指摘しているとおりクルマの需要と自転車の需要が 逆転しています。
そして 別の説明箇所では 「自転車が普及して バス路線が廃止に追い込まれているところがある」ことも指摘しています。
つまり drastic(抜本的)に自転車を増やしていくことは クルマの需要を減少させ 車の買い換えインターバル(期間)を延ばすこと クルマそのものの購入にも影響してくる と言うことです。
前出の通り 私は20年以上続けているローディで 車道を走るクルマが減り 車道を走る自転車がロンドン以上に増えることを望む一人ですが それを望まない業界団体があると言うことです。
上記 小林氏の説明は こちらを見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=rhocrQEDelc
cycle roadさんだけでなく みなさんに考えていただきたいことがあります。2011年11月25日に警察庁は 全国の警察署に「自転車は 車道通行」という通達を出しました。約3年たちますが 制服を着たニッポンの警察官たちは 未だに歩道を自転車で通行しています。彼警察官たちが徐行する場合は歩道通行OKなのは 「車道が危険な場合」に限るにもかかわらず「早朝のガラガラの3車線車道に併行する歩道」でさえ自転車に乗って通行しています。多くの人たちは 「歩道を通行する警察官は良くないね」と言う程度であまり気にかけていない人が多いと思います。ココで なぜ? どうして?と考えてみていただきたいんですね。歩道を通行する警察官にも 理由があるかもしれません。「車道を走る車が怖い」「犯罪者に逆恨みで追突されたくない」と言う理由かもしれませんが 年齢やキャリアに関係なく ほとんどの制服警官が歩道を走っている理由に乏しいと思います。警察庁の通達と真逆の指導を 組織として警察官たちに歩道を通行するように指導している と考える方が自然に見えます。制服を着た警察官が車道を走ると「クルマの路上駐車の摘発が少なくなる」「スピード違反のクルマが少なくなる」「→反則金の減少により 道路標識や道路標示の更新費用をまかなえなくなる」と考えているのかもしれないし 他の理由があるのかもしれません。いずれにせよ 日本全国の制服警官たちが すべて車道を走行すれば 現状以上に 車道を走る自転車は増える と思いますし 私以外に指摘している人が多いことも知っています。なぜ 組織として 制服警察官たちに「自転車で歩道を通行するように」指導するのか?私は ニッポン警察を含めて車道を走る自転車が増えることを恐れている組織 団体がある と考えているわけです。
最1の問題はクルマ(ヒトデナシ)にあった。第2の問題は、「運転免許制度」や「取り締まり」が「クルマ本位」に運用されてることだと思う。そのことはこちら(一部抜粋)で指摘されてるとおりだと思う。
自動車原理主義批判 http://homepage3.nifty.com/nskk/teigen020.htm
*自動車を至上の存在とし、その価値を生命よりも重く見る *運転免許はほとんど無制限に「配布」されている *警察が形式的な交通違反の取り締まりしかしないのは、厳格な取り締まりをすれば、大量の運転者が検挙されることになり、自動車社会そのものが崩壊してしまうからである *万一、取り締まりの対象になったとしても手厚い救済措置が用意されている *歩行者は、自動車を敵と思い警戒しなければ殺傷されてしまう *死者数を設定する狂気の計画は小泉政権に限らず、歴代の政府がずっと行ってきている *交通事故死者数の目標はゼロ以外にはあり得ない
第3の問題は、私たちの社会(国民性)にあると思う。
クルマ(ヒトデナシ)社会
http://8507.teacup.com/criticalmass/bbs
クルマ(ヒトデナシ)が国民(人間)の人権(命)よりも優先される社会(国民性)、これが私たちの正体(素顔)です。
自転車通行帯整備の過程で、車道を狭める為に自動車の総量規制の話が出ると、自動車業界は牙を向くだろう。
<訂正>
上記小林氏の説明は 0:58:42辺りを見てください。
SHARETHEROADさん、こんにちは。
クルマに乗ると謙虚さをなくす人が多いのは、その通りかもしれませんが、ここではその話は関係ないと思います。
問題は、と総括されていますが、ここでは自転車行政に圧力をかける勢力について考えているわけで、全く見当はずれの指摘です。
記事にあるドライバーに直接伝わるとは思いませんが、言いたいことがあるなら、せめてその記事に直接コメントすればいいじゃないですか。
なぜここで関係のない記事に悪態をつかなければならないか理解に苦しみます。ここは掲示板ではないので、記事と関係のないコメントはご遠慮願います。
Magさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も意見が対立しているとは思っていません。ただ単に、『一部の勢力が自転車行政に圧力をかけている』とは思えない、お説には説得力がないと感じるだけです。
具体的な立証をされようとしているように見えますが、論理に飛躍があります。
『自転車が普及してバス路線が廃止に追い込まれているところがある』
そういうところもあると思いますが、『それを望まない業界団体』があることの立証には、まるでなっていません。
『drastic(抜本的)に自転車を増やしていくことは』とおっしゃっていますが、すでに8千万台も自転車があって、利用者数、割合だけで言えば世界有数の自転車大国です。台数がこれ以上に『『drastic(抜本的)』に増える余地がないでしょう。
『クルマそのものの購入にも影響してくる』ことがあることを言いたいようですが、そうだとしても、『それを望まない業界団体がある』という結論にどうしてなるのでしょう。
別に揚足をとるつもりはありませんが、全く説明になっていません。
なぜ『それを望まない業界団体』が存在すると言えるのか、具体的にどう自転車行政に圧力をかけているのでしょうか。
せっかくご説明くださっていますが、論理がつながっていないのは明らかでしょう。
Maggio Rabbitさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
たしかに制服警官が歩道走行するのは問題だと思います。周りの人が気にかけないのも、当の本人たちが平気なのも、40年以上歩道走行が当たり前だったからでしょう。
そう簡単には意識は切り替わらず、習慣が抜けないからだと思います。
別に警官の肩を持つつもりはありませんが、重要な通達でないものが十分に徹底されていない例はあります。
日本の警察は自治体警察で、警察庁の傘下にはありません。各地の事情に沿って運用されている面もあるでしょう。
一方で、埼玉県警のように自転車ポリスを発足させ、専用の自転車で車道走行している例もあります。
私も警官は車道走行すべきだと思いますし、通達をもっと徹底させるべきだと思います。ただ、それが徹底されていないのが『警察を含めて車道を走る自転車が増えることを恐れている組織 団体がある』からだと信じる理由が不明です。
なぜ車道走行が徹底されていないと、一足飛びに、そういう団体からの圧力だとなるのでしょうか。そこが全く説明されていないから説得力がないと申し上げているわけです。
警察庁が「自転車の原則車道通行」という通達を出したのは、このブログでも何度も取り上げています。しかし、各警察だけでなく、東京都交通局なども国の方針に反対する行政を推進することを表明しています。中央の「原則」という通達だけでは、地方自治を統制できず、そう簡単に意識や習慣、行政の考え方も変わらないのでしょう。
逆に埼玉県警は車道走行する自転車ポリスを発足させ、県内全域に自転車レーンを整備し、自転車県を標榜しています。
なぜ埼玉県には圧力がかからないのでしょうか。
(続く)
(続き)
そういう団体があると想像するのは結構ですが、具体的にそれを示すような事象が示されていません。警察官の例も状況証拠にすらなっていません。
もし具体的で、なるほどそうだと思える理由が示されれば、私もそういう団体があるかもと考えられるでしょう。
ただ今の説明では、あると想像するに至った理由というだけで全く説得力がありません。要するに思い込みの域を出ていません。むしろ思い込みと思わせる結果になっています。
考え方が違うので、私の言っていることに納得できないでしょうけれど、少なくとも客観的にみて、到底説明になっていないというのは明らかだと思います。
SHARETHEROADさん、こんにちは。
私もクルマ優先の意識は問題だと思いますが、ここではその話題ではありません。
ここでは自転車の車道走行をさせないようにする団体、圧力について議論されています。
ここは掲示板ではありません。記事やコメントと脈略のないコメントは無遠慮で迷惑な街の落書きと一緒です。
ご遠慮願います。
SHARETHEROADさん、こんにちは。
ご自身が掲示板で主張している内容を他の人に知らせたいとの気持ちはわからないでもないですが、他の議論をしているところに投稿されるのは迷惑です。
クルマを嫌うのも結構ですが、別の話をしているところに、執拗に関係のないコメントを投稿されるのは迷惑です。
ご主張に共感する人、共感する部分がある人も少なくないと思いますが、嫌がらせのように、関係のない議論を妨害するのは、イメージも悪くなると思います。
せめて、その話題を扱っている記事へのコメントにしてください。
ななななさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
民意によって、クルマの通行を抑制しようとするならば、それに異議を唱えるクルマ業界がは、市民の反感を買い、反発を受けるでしょうから、少なくとも表立って『牙をむく』ことは出来ないのではないでしょうか。
cycleroadさん、replyありがとうございます。
<以下 再掲出>
貴方とは意見が対立しているとは思いませんが、自転車政策についての理想や貢献する構想が異なるようです。
私が理想とし 貢献を臨んでいる自転車構想は 現在のロンドン並みか ロンドン以上に車道を走る自転車を増やすことです。
登録自転車7000万台+未登録自転車1000万台のすべてが 車道を通行することを理想とし 貢献に望んでいる構想です。
<以上>
Maggio Rabbitさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も意見が対立しているとは思っていません。自分の言う事が正しいと言い張るつもりもありません。
ただ単に、クルマメーカーが自転車行政に圧力をかけていると主張される根拠が希薄と感じているだけです。
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