October 27, 2014

新しい発想が常識になる余地

前回、自転車用品の開発について取り上げました。


以前は、いわゆるクラウドファンディングに載った自転車用品について取り上げるサイトなど皆無でしたが、最近は各所で取り上げられるようになってきました。すでにご存知のものもあると思いますが、記録しておく意味も兼ねて、もう少し取り上げておこうと思います。

スポーツバイクに乗り始める人が、最初に直面するのがサドルの問題かも知れません。薄くて硬いサドルが多いので、お尻が痛くなるのです。硬いのには理由があり、慣れの問題なのですが、どうしてもサドルが合わなかったり、痛みが続く人もあるようです。

Reprieve-SaddleReprieve-Saddle

そのため、痛みを和らげたり、身体との接点を調整するようなサドルも多数販売されていますが、このサドル、“The Reprieve Bicycle Saddle”は、空気を注入することで硬さを調節することが出来るというものです。サドルの下にある専用バルブから付属のポンプで空気を入れます。

Reprieve-SaddleReprieve-Saddle

痛いからといって、あまり柔らかいと効率の良いペダリングが出来なくなりますし、慣れてくれば硬さも、それほど気にならなくなる場合が多いと思います。なかなかサドル選びは難しい面がありますが、空気の注入で調整ができるというのは、新しい機能性の提供と言えるでしょう。



自転車は、限られたパーツの中に、必要な機能を効率的に盛り込むよう計算されています。パーツにはそれぞれ働きがあります。その中で、あまり機能的な意味のないのが、フレームの塗装かも知れません。せいぜいメーカーのロゴや消費者にアピールする色やデザインが施されているだけです。

LumenLumen

しかし、この塗装も安全性の向上に大きく貢献させるべきと考えるのが、こちらの“Lumen”と呼ばれる自転車のフレームです。レトロリフレクティブ、回帰反射型と呼ばれる通常の反射材と比べて高反射の塗装が施されており、夜間の視認性は抜群です。

LumenLumen

サイクリストの中には、夜間の視認性に注意を払わない人も少なくありません。前後のライトや反射板をつけているので安心している人も多いでしょう。しかし、それでも暗闇に紛れたり、他との相対的な暗さで目立たない場合があります。少しでも目立つことは重要な安全性能と考えるべきでしょう。

Lumen



同じことは自転車用品にも言えます。自転車に乗るときに使うバックパックも夜間の視認性に大きく貢献できるアイテムと考えることが出来ます。ごく一部に反射材を使っているバッグはありますが、安全を考えるならば、少しでも目立つほうがいいのは自明です。

Reflective-BackpackReflective-Backpack

光が当たった時の反射率がとても高いファブリックで出来ています。薄暗い中でも少し光ります。自転車を買い換えるより手軽に購入出来ますし、自転車に乗るときに使うバッグが決まっているなら、こうしたバッグを選択する意義は大きいでしょう。

Reflective-BackpackReflective-Backpack

最近増えている自転車シェアリングの自転車に乗るときや、自転車でなく夜道を歩いているような時でも、バッグを背負っている限り機能します。夜の暗い細い道などでは、歩いていても視認されずに交通事故に遭う危険性がありますから、ふだん使うバッグが光って損はないと思います。



こちらは、感応式信号を自転車でも作動させるための装置“Veloloop”です。確かに、クルマ用の感応式信号のある交差点では自転車で停止しても反応しません。日本では多くの場合、同時に歩行者用か二輪車用の押しボタンがあって、それを押せばすみますが、そうではない国もあるのでしょう。

VeloloopVeloloop

クルマの交通量があれば、少し待てばいいとしても、そうでない場合、いつまで経っても信号が青にならないことになります。動画を見ると、左折信号(日本での右折信号)が、左折車がない限り、青にならないところがあるようです。センサーは道路に埋め込まれている電磁式なので、反応させることが可能なのでしょう。

たしかに、左折の信号が青にならないと対面する直進車が途切れず、曲がれないことは考えられます。わざわざこのような装置を開発するくらいですから、困っている人もあるのでしょう。ただ、資金調達額は伸びていないので、そう多くはないようです。



もう一つ、自転車用でなくオートバイ用ですが、次世代のヘルメットと言うべき製品が話題になりました。その名は“Skully AR-1”、ヘッドアップディスプレイを搭載し、後方の映像を見ることが出来ます。AR、拡張現実技術を使ってライダーの前方にディスプレイがあるかのように投影するので無理なく見られます。

Skully
Skully

GPSが搭載されており、ナビを表示することも出来ます。そのほか音声認識によって、手を使わずに音楽を再生させたり、電話など各種の操作ができます。当初はスマホを経由して機能させていましたが、現在のモデルでは、アンドロイドベースの独自のファームウェアを内蔵し、ヘルメット単体で動作します。



モデルP−1では、加速度センサーやデジタルコンパス、ジャイロセンサーなども搭載し、リヤビューカメラは後方を180度カバーし、バッテリーも9時間程度は持つと言います。目標の25万ドルの10倍の金額の調達に成功し、開発が進んでいます。

SkullySkully

自転車にハイテク・ヘルメットが必要かについては賛否両論あるかも知れません。ただ、ナビやスマホを使い、提供される情報が増えていく中、こうした技術が当たり前になっていけば、当然ながら、潜在的に同じニーズのある自転車用も開発されていく可能性は十分あるでしょう。



すでにあるパーツや定番の商品でも、クラウドファンディングサイトに掲載されるアイディアを見てみると、なるほど改良余地があることに気がつきます。もちろん国によって違うものや、ローカルなニーズもありますが、まだまだ新しい自転車用品の登場の余地は小さくないということのようです。




新入幕翌場所に新関脇の逸ノ城に、番付も話題性も抜かれてしまった遠藤にも奮起を期待したいですね。

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