December 26, 2014

大きな絵をえがくことも必要

年末年始のあわただしい時期になってきました。


交通安全運動というと、春と秋に全国で一斉に行なわれますが、冬のこの時期にも、年末交通安全運動とか、冬の交通安全運動などと称して、各地で独自に行なわれるものも多いようです。飲酒することも多くなり、事故が増える時期だからでしょう。この時期の自転車関連のニュースを取り上げてみたいと思います。


小中学生交通安全ポスターコンクール、最多テーマは「ながらスマホはやめて」

JA共済は、「第43回 小・中学生交通安全ポスターコンクール」に集まった16万5694点の作品の訴求テーマを集計。小中学生が今、どのような視点で交通安全を捉えているか分析した結果を発表した。

今年の審査作品をテーマ別に分類すると、携帯電話の使用マナーを訴えるポスターが全体の14.6%を占め、訴求テーマのトップとなった。同テーマは2010年と2013年に続き、今回3回目の最多テーマとなり、その割合は、2010年の8.0%、2013年の12.0%を上回る過去最高の構成比率となった。

交通安全ポスター交通安全ポスター

テーマ分析を開始した2003年には、携帯電話の使用マナーを訴えるポスターがすでに登場しており、ドライバーに向けて、運転中の携帯使用の危険性を指摘していた。その後、スマートフォンが普及し始めた2010年には最多テーマとなり、この時もドライバーに通話・メール禁止を呼びかけるものが大半だった。

それから3年後の2013年、再び訴求テーマのトップになると、今度は携帯電話を操作しながら歩く、いわゆる、歩きスマホ禁止を訴えるポスターが急増。そして今年のポスターにおいてはながらスマホをキーワードに、ドライバー・自転車・歩行者の全ての利用者に対し、様々な絵柄と構図で危険性を訴える作品が目立った。(2014年12月24日 レスポンス)


「小中学生が今、どのような視点で交通安全を捉えているか」というのは面白い切り口だと思いますが、はたして自分で考えて、ケータイの使用マナーに注目しているかと言えば、多少眉唾のような気がしないでもありません。ポスターを描かせる先生の意向が濃く反映しているように思えるのは私だけでしょうか。

ただ、いずれにせよ、歩きながら、自転車に乗りながら、クルマを運転しながらのスマホが危険なのは論を待ちません。最近事故やトラブルの大きな原因になりつつあるのも間違いないでしょう。小中高校生が真似をすると、さらに危険なので、大人が率先して範を示す必要があります。


自転車の安全三つの「L」 県警と「LinQ」がCM制作 [福岡県]

自転車の安全県警交通企画課は、九州発のアイドルグループ「LinQ」のメンバー4人を起用して、自転車に乗るルールを呼び掛けるCMを制作した=写真。県警ホームページや福岡市・天神のソラリアステージの大型ビジョンなどで来年1月から1年間放映する。

撮影は姪浜ドライビングスクール(福岡市西区)で1日にあり、4人は「LinQ」の頭文字「L」に掛けて「Stop Line(停止線での一時停止)」「Traffic Light(信号ルールを守る)」「Keep Left(左側通行を心掛ける)」を訴えた。

県警によると、県内の自転車が絡んだ交通事故は1〜10月に5266件(前年同期比373件減)。2010年から減る傾向にあるが、約半数が10〜20代による事故という。松岡法之管理官は「CMを通して、若い人たちに自転車のルールに関心を持たせたい」と話した。(2014/12/16 西日本新聞)


今どきのCMと言えばアイドルやタレントは欠かせないのでしょう。ただ、この手のCMは、とかくCMの内容よりアイドルそのものに気を取られて、メッセージが印象に残らないケースも少なくありません。交通安全のCMまでアイドルを使って、他と似たような感じにするべきなのか、多少疑問も残ります。


自転車安全5則、啓発ソングに 県警など

自転車を安全に乗る五つの規則を覚えてもらおうと、県警と県交通安全協会は、ヘルメットの着用や夜間のライト点灯などを呼びかける啓発ソング「5Songごそんぐ」を作った。県警はCD3000枚を作成し、幼稚園や小学校などに配布する。

「自転車に乗ったなら 車の仲間入り」「二人乗りはダメだよ 横並びもダメだよ 暗くなったらライトオン」――。

歌詞には、自転車は車道が原則、車道は左側を通行、交差点での安全確認など「自転車安全利用5則」が分かりやすく盛り込まれている。人気子役の小林星蘭ちゃん(10)と谷花音ちゃん(10)のユニット「すたーふらわー」がかわいらしく歌い上げ、合間に「危ないよ!」「確認OK!」などの合いの手が入る。

県警交通企画課によると、今年1〜11月の県内の人身事故のうち約3割の8168件が自転車事故で、自転車の信号無視や一時不停止が原因の事故も多いという。これまでは5則を書いたチラシを配布していたが、幼少期から意識を高めてもらうため歌にした。

すたーふらわーの2人が自転車のハンドルを持ったり、ヘルメットをかぶったりする動きが入ったダンスを踊る映像もあり、25日から県警のホームページで公開する。同課は「楽しく口ずさみながら交通ルールを覚えてほしい」としている。(2014年12月19日 読売新聞)


こちらは歌です。お堅いお役所仕事のわりには柔軟なのかも知れませんが、果たして子供が口ずさんでくれるものなのでしょうか。今どき幼稚園児ですらユーチューブを見る時代、DVDやBDでなくCDなのは苦しいでしょう。時代遅れとは言いませんが、一考の余地がありそうです。


自転車マナー知って 愛媛大付属高生が乗り方学ぶ
(2014年12月05日 愛媛新聞)

自転車運転を安全に 改正道交法1年、利用者に街頭指導 静岡
(2014.12.2 産経新聞)


自転車マナー各地の関係者の地道な努力には敬意を表します。教育が重要なことも間違いありません。ただ、せっかく交通ルールを教わっても、いったん街に出れば、ルール無視の大人だらけです。子供たちもルールを遵守するのが馬鹿らしくなり、結局はルール無視の大人の仲間入りする悪循環が断ち切れません。

せっかくの交通安全の啓発活動も、ザルで水をすくうようなものとなってしまいます。やはり大人も含めルールが守られるような社会へ、秩序の確立が必要でしょう。そのために、自転車が歩道を走行したり、逆走や信号無視するような混沌状態を改めるなど、あるべき姿を描き、そこに至る全体的な戦略が必要だと思います。


県内にサイクリングロード設定へ 知事答弁「既存道を活用」

11月定例岡山県議会は12日、一般質問を続行。佐藤真治(自民、岡山市南区)、青野高陽(同、久米郡)、渡辺吉幸(同、勝田郡)、蜂谷弘美(同、同市北区・加賀郡)の4氏が登壇した。伊原木隆太知事は、既存道を活用したサイクリングロードのルート設定に乗り出す考えを明らかにした。質問戦はこの日で終了、15日から委員会審議に入る。

佐藤氏は地域活性化の観点から県内への大規模自転車道の整備を要望。知事は「新設は困難だが、自転車利用者を対象とした魅力的な推奨ルートの選定や、ルートを示すラインの整備、休憩施設の案内看板の設置などについて市町村と連携しながら検討したい」と述べた。県道路整備課は「2015年度予算に向け、作業を進めていきたい」としている。(後略)(山陽新聞 2014年12月12日)



ようこそ サイクリスト 県、自転車修理拠点を整備

廃線跡地や湖畔を走る全長約40キロの長距離サイクリングロードがある県が、首都圏の自転車愛好家を呼び込もうと町おこしに取り組んでいる。手軽に走ってもらうため“愛車”の修理拠点を置き、リピーターも狙い周辺で関連イベントを実施している。

サイクリングロードは「つくばりんりんロード」や「霞ケ浦自転車道」。旧筑波鉄道の線路跡を舗装して土浦から筑波山の麓まで延びるコースと、霞ケ浦の北岸を走る眺望や路面の質の良さが売りのコースだ。

つくばりんりんロード総務省の統計(二〇一一年)では、東京、埼玉、千葉、神奈川四都県のサイクリング人口は四百万人を超える。県は、電車で都心から一時間程度と日帰りできる利便性の高さを生かそうと、二〇一二年度から修理拠点「自転車サポートステーション」の設置を本格化させた。

コース周辺のコンビニや飲食店などで、空気入れやパンク修理の工具を貸し出し、二年で百カ所以上を整備した。その一つで飲食店を経営する飯島利幸さん(38)は、インターネットで周辺の天候や路面状況の情報を発信。「ネットで店を知って埼玉県から自転車で来た人や、別の機会に車で再訪してくれた人もいる」と語った。

「トレーニングに来てもらうだけでなく、地域の良さを知ってもらう仕組みも必要」と話すのは県地域計画課長の根本博文さん(57)。県後援のイベントを開き地元産の梨を配ると、自宅用に箱詰めで購入したいとの声が寄せられたという。

県特産の果物を栽培する農家を季節に応じたコースで巡ったり、つくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の見学を兼ねたりするイベントを検討している。根本さんは「将来はレンタルサイクルも充実させ、手ぶらでの茨城観光の移動手段に発展させたい」と意気込んでいる。(2014年12月24日 東京新聞)


各地でサイクリングロードなどを充実させる動きが目立ってきています。都市部の自転車レーンなどとは別に、郊外の自転車道などの整備が進むのも、サイクリストにとっては嬉しい傾向です。既存のサイクリングロードをもっと有効に活用できるよう、接続したり、連絡させるなどの工夫も期待されます。

さらには、単独ではなく隣接県とも協力し、例えば茨城県の場合なら、茨城から埼玉、東京都下を通って神奈川に至る環状道路など、広域に連続する大きなサイクリングロード網の整備も視野にいれてほしいものです。最近はサイクリング目当ての訪日客も増えていますし、観光客の誘致にもつながるのではないでしょうか。


東京)八王子市「自転車競技を」 五輪誘致名乗り

八王子市は24日、2020年東京五輪で、自転車のバイシクルモトクロス(BMX)とマウンテンバイク(MTB)競技の誘致を目指すと発表し、大会組織委員会に要望書を提出した。

五輪誘致現在の計画では両競技は江東区有明と東京湾の埋め立て地を予定している。しかし舛添要一知事が五輪会場の見直しを表明しているほか、市によると国際自転車競技連合からは現在の開催地が航空路の下にあるため空撮に支障があることを問題視する声もあるという。

市は候補地として、同市川口町と上川町にまたがる圏央道沿いの緑地約5ヘクタールを想定している。市内では1964年の東京五輪で自転車のロードレースとトラック競技が開かれており、市都市戦略課の担当者は「自然豊かな八王子は自転車競技に最適。五輪終了後も会場をそのまま使うことができ、撤去費用を削減することもできる」と話す。(後略)(2014年12月25日 朝日新聞)


集客や観戦しやすさを考えれば湾岸地区でしょう。でも、マウンテンバイクなら八王子のほうが地形的に適しているでしょうし、五輪後にもMTBやBMXを楽しむスポットとして使うことを考えれば、地価の高い湾岸地区より、周辺との連携などを考えても郊外へ持っていくメリットはありそうです。


小型自転車で「生き方表現」 BMX世界3位池田選手が千葉市長訪問

「自転車のフィギュアスケート」といわれるBMX(バイシクル・モトクロス)フラットランドの世界選手権で今シーズン世界ランキング3位に輝いた千葉市出身の池田貴広選手(24)が、結果報告のために同市役所に熊谷俊人市長を表敬訪問した。

BMXフラットランドは車軸にステップが付いた小型の自転車でアクロバティックな技を繰り出し、難易度や独創性を競う。池田さんは今シーズン、国内や米国などで開催された5大会のうち、第1戦のフランス大会で準優勝するなど年間を通じて好調を維持。世界ランキング3位の好成績を収めた。池田選手は競技の魅力について「自由なところ。オリジナルの技などで考えや生き方を表現できる」と話し、「皆様の応援をモチベーションにできた」と笑顔で話した。(2014.12.21 産経新聞)


「小型自転車」と言われてしまうのも仕方がないのでしょう。BMXの知名度が一般にはまだまだ低いのは否めません。五輪の開催が決定して選手のモチベーションが上がっていると思いますが、今後6年間で露出を高め、より多くの人に関心をもってもらうことも、BMXの認知度アップに必要だと思います。

Tyre Tracks series

ニュースではありませんが、もう一つ。シンガポール在住の自転車好きアーティストの作品が話題になっています。タイヤのトレッドパターンを使って描いたのは、パリのエッフェル塔、ロンドンのロンドンブリッジ、ニューヨークのエンパイヤステートビル、そして北京の紫禁城です。

Tyre Tracks series

Tyre Tracks series

ちなみに、世界の大都市のランキングでいくと4位は東京ですが、考えてみれば、建造物で世界的に有名なランドマークが無いことに気づきます。東京タワーやスカイツリー、浅草の雷門も知名度や建物の特徴的に劣ります。東京に何かシンボル的な建物を造る、例えば江戸城再建なんていうのも面白いかも知れません。

Tyre Tracks series

インクを塗って、版画の要領で作ったものと思われますが、特徴が見事に表現されています。版画と言えば、昔は木版画の年賀状もありましたが、最近はさすがに見なくなりました。今どき版画にしたら目立つでしょう。ただ、一念発起して愛車のタイヤを使って製作するには、年が押し詰まりすぎなので、ご注意を(笑)。




そう言えば小笠原の西ノ島、ずいぶん大きくなっているようです。日本のハワイに出来るくらいになりませんかね。

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この記事へのコメント
 サイクルロードさんの言うように、交通ルールの周知はアイドルの起用等のキャンペーン的なものでは難しいように思えます。
 キャンペーンを行うなら、新規に設置した自転車レーンを宣伝するようにしたほうが良いかもしれません。そうしなければ、キャンペーンをやってもアイドルがかわいかったことしか印象に残らなそうです(笑)
Posted by ぶらいんどけーぶ at December 28, 2014 17:45
ぶらいんどけーぶさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
CM製作会社とか芸能事務所などの思惑などもあるのかも知れませんが、アイドルを使って安易に作られている印象はぬぐえませんね。
多くの人が気づいていない危険、リスクもあると思うので、それを周知させるために、もっとドキリとさせるような、インパクトのあるものでもいいような気がします。
Posted by cycleroad at December 29, 2014 23:17
 
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