自転車の乗り方が表わすもの
太平洋高気圧が今のところ弱いようです。
そのため梅雨前線が南の海上から押し上げられず、そのぶん北から寒気が入って大気が不安定になっているそうです。おかげで梅雨らしい雨ではなく、局地的な激しい雨になっています。そんな折ですが、最近の自転車関連のニュースの中から、いくつかピックアップしてみたいと思います。
歩道から飛び出した自転車に車追突、高校生重体
20日朝、水戸市で、歩道から飛び出してきた自転車にワゴン車が追突する事故があり、自転車に乗っていた高校2年生の男子生徒が重体です。
午前8時前、水戸市の市道で、歩道から突然、車道に飛び出してきた自転車に、同じ方向へ後ろから走ってきたワゴン車が追突しました。自転車に乗っていた近くに住む高校2年生の男子生徒(16)は意識不明の重体です。
警察によりますと、当時、歩道の前方には自転車がもう1台走っていたということで、警察は、男子生徒がその自転車を追い抜こうと車道に飛び出した可能性もあるとみて、ワゴン車を運転していた男性(32)から話を聴くなど、事故原因を調べています。(20日 TBSニュース)
痛ましい事故です。おそらく、車道に出るとき、後方を確認しなかったものと思われます。確認していれば、出ることもなく事故にもならなかったはずです。しかし、このような状況は珍しくありません。すなわち、歩道から後方確認もせずに車道に飛び出してくる自転車を見ることは少なくありません。
個人的には、後方も見ずに車道へ飛び出せる感覚が信じられません。私にはとても出来ません。後方から来るクルマやオートバイ、車道を通っている自転車などが避けてくれると考えるのでしょうか。おそらく、多くの場合は、道幅にも余裕があり、ドライバーも避けるなどして、事故にならないでしょう。
しかし、タイミングによっては避けきれないこともあるはずです。右折車などがあって、左に寄っていることもあるでしょうし、別のものに気を取られていたり、避けようと思っても間に合わないこともあると思います。運を天に任せて、目をつぶって車道に飛び出すような行為が無謀なのは間違いないでしょう。
歩道から車道でなくても、駐車車輌を避けて車道の中央方向に寄る時、後ろを見ずに右に出る人がいます。後ろを走るクルマやオートバイ、自転車が予想していることもありますが、やはり後方を確認しないのは、思わぬ事故になりかねない危険な行為と言わざるを得ません。
正直言って、私には理解不能な行動ですが、このような人がいるのは間違いありません。実際によく見かけます。親や教師、その他交通教育の関係者は、当然振り返るものと考え、いちいち指摘しないこともあると思います。後方確認が必須であることを啓発していく必要があるのかも知れません。
自転車盗、「4・5・6」対策を実施する足立区
自転車盗が大幅に増加しているとして、東京都足立区は今月から緊急対策に乗り出した。
区内の刑法犯認知件数の約4割が自転車盗で、被害の約5割が住宅の敷地内で起きており、約6割は無施錠の自転車だった。そこで、「4・5・6」をキーワードに、自転車利用者に注意を促し、主要駅周辺の見回りなどを強化する。
今年の区内の刑法犯認知件数は4月末までで2317件。前年同期より94件減っていたが、自転車盗は140件増えて883件となった。例年は全体の3割前後で推移していた割合が、約4割を占めている。
自転車盗の発生場所を分析すると、約5割に当たる421件が、マンションなどを含む住宅敷地内だった。被害にあった自転車の約6割(541件)が無施錠だったことも分かり、区は「4・5・6」のキーワードと共に、緊急対策を8月末まで行うことを決めた。
緊急対策では、発生件数が多い綾瀬、竹ノ塚、六町の3駅を対象に、見回りを強化する。盗難が多発する昼(正午〜午後1時)、夕方(午後6時〜7時)、夜(午前0時〜1時)を中心に、警備会社などに委託しているパトロール隊員が重点的に巡回する。
そのほか、教育委員会を通じて地元の中学校、高校に、キーワードを記載して注意を促すチラシを配る。街頭でも、区職員がカギをかけるよう呼びかけるという。
◆ICタグを装着実験で盗難ゼロ
足立区内で自転車盗が増えている一方、区が3月から社会実験中のICタグを使った自転車盗対策が好調だ。今月15日時点でタグを装着している約500人は盗難にあっておらず、区は「一人でも多くの区民に活用してほしい」と呼びかけている。
区によると、この実験は都内初の試み。ICには持ち主が特定できる情報が入っており、IC入りのリストバンドのようなタグをハンドルなどに取り付ける。一方、区の駐輪場の出入り口にICの情報を受信する機械を設置し、どの自転車がいつ出入りしたかを記録。盗まれた場合は防犯カメラの映像と照合し、持ち去った人物がわかる仕組みだ。
今年度末まで、竹の塚西、竹の塚東、西新井、五反野北、関屋、千住大橋の6か所の区営駐輪場で実験する予定だ。
区は希望者を約5000人募集中。現在の利用者は約500人で、さらに利用者を増やすよう広報活動に力を入れるという。区危機管理課の山上嘉人課長は「一定の防犯効果が認められるICタグを積極的に使ってほしい」と話している。(2015年06月20日 読売新聞)
足立区の例で、地域差はあるかも知れませんが、盗難の5割が自宅敷地というのは意外に多く感じます。駐輪場と違って、油断しがちなのかも知れません。無施錠が6割という数値も、相変わらずの高さです。格安のママチャリで盗まれてもいいと考えるのかも知れません。
自分のものなのだから無施錠も勝手と考える人も多いのでしょうが、窃盗を誘発するのは確かです。自転車盗は少年の非行の入り口になると指摘されており、それが、やがて凶悪な犯罪につながることもあります。無施錠は無責任であり、地域の治安を悪化させ、自らにも、はね返ってくる行為と気づくべきでしょう。
後半の部分、ICタグで出入りを記録しておけば、後から防犯カメラの録画と照合できるのはわかります。しかし、3月から500人が一人も盗難に遭っていないのが不思議です。ICタグにどんな盗難を防ぐ効果があるのでしょう。今後の報道に注意してみたいと思います。
スポーツ自転車事故に注意 軽量化で破損、転倒多く
人気が高まっているスポーツタイプの自転車に乗っていて「部品が壊れた」「けがをした」といった相談が全国の消費生活センターに寄せられているとして国民生活センターが18日、注意を呼び掛けた。車体が軽いため外部からの衝撃に弱く、利用者が重傷を負う事故も起きているという。
同センターによると、平成26年度までの5年間で自転車の危険性や走行中のけがに関する相談が計838件あり、うち152件がスポーツタイプだった。利用者が重傷を負った事故はうち24件あり、自転車事故全体の割合より高かった。
競技用に作られたスポーツタイプの自転車は軽量化を重視しており、横倒しにしただけで部品が変形することがある。国民生活センターによる実験では、サドルや変速機など部品の取り付けが緩いまま走っていると、外れて破損につながるという結果も出た。(2015.6.18 産経新聞)
スポーツ自転車、転倒に注意 乗る前の点検ポイント
人気が広がっているスポーツ用自転車で、点検や整備の不足が原因の転倒事故が起きていると、国民生活センターが18日、注意を呼びかけた。「日常生活で使ういわゆる『ママチャリ』と比べて専門的な知識が必要。車両の構造や使用方法をよく理解して乗ってほしい」と話している。
スポーツ用自転車は、軽量でタイヤが細いロードレーサーや比較的乗りやすいクロスバイクが主流。センターによると、2014年度までの5年間でけがやけがのおそれがあったという相談は152件あり、うち24件は骨折など1カ月以上の重傷を負ったという相談だった。不適切な取り扱いが原因とみられるケースが多いという。
センターは実証実験をして注意点を探った。その結果、ハンドル周辺や車輪、サドルを正しく固定していないと、走行中に部品が壊れたり、サドルやタイヤが外れたりするおそれがあることが分かった。ハンドルの高さを調整する時や外した車輪を再び装着する際には注意が必要だ。
後輪の変速機に付く「ディレーラハンガー」という部品は、車両を転倒させると曲がることがある。点検せずに乗り続けると、変速機が車輪に巻き込まれ、大きな事故につながるおそれがあるという。センターは、運転前の点検を呼びかけている。(2015年6月20日 朝日新聞)
スポーツバイクの整備不足による事故が報道されています。少し前にあった、粗悪な格安スポーツバイクの話とは違うようです。なぜ、ここへ来て相談が増えているのか、その理由がいまいちハッキリしません。あまり知識のないまま、スポーツバイクに乗る人が増えているのでしょうか。
それとも、スポーツバイク人口が増加しているために、メンテナンス不足で事故が起きた事例が目立ってきているだけなのでしょうか。そのあたりは不明ですが、いずれにせよ、メンテナンスを怠るべきでないのは間違いありません。他山の石として気をつけたいものです。
自転車夜間取り締まり 道交法改正で府警
夜間(午後6時〜午前6時)の自転車の死亡事故が多発していることから、府警は12日夜、府内の交差点など約70か所で、約300人態勢で指導取り締まりを行った。
府警交通総務課によると1〜5月、自転車の交通事故死者は昨年同期を14人も上回る27人で、うち夜間の事故が16人と約6割を占める。事故の発生場所は主に交差点で、自転車側が信号を無視して車にはねられるケースが目立つという。
この日、取り締まりが行われた大阪市東淀川区の交差点では、府警自転車対策室などの警察官ら約10人が、信号無視や無灯火の自転車運転者らに対し警告を行ったほか、飲酒検問も実施した。
取り締まり中、自転車の男性が一時停止の標識を無視したとして、交通違反切符(赤切符)を切られた。この行為は改正道路交通法(1日施行)で「危険行為」に指定されており、男性は「改正されたことを知らず、『自転車だから』という軽い気持ちがあった。自分の身を守るためにも今後は気をつけたい」と話していた。(2015年06月13日 読売新聞)
自転車夜間取り締まり 違反切符36件 大阪府警
大阪府警は12日午後6〜8時、府下全域で自転車の夜間一斉取り締まりを実施した。改正道交法が今月施行され、自転車運転者が3年間で2回以上、危険行為をしたとして交通違反違反切符を交付されたりした場合、講習が義務付けられる。
今回、切符が交付されたのは、危険行為に該当する、信号無視26件▽遮断機降下中の踏切への立ち入り7件▽一時不停止2件▽通行禁止1件−の計36件。警告にとどまったのは702件だった。(2015.6.13 産経新聞)
大阪では、夜間の取り締まりも強化されているようです。飲酒検問も実施されています。自転車で飲酒検問があるとは思っていなかった人も多いはずで、自転車での飲酒運転の抑制につながるものと期待されます。飲酒は思わぬ事故につながりかねないのは言うまでもなく、評価される傾向だと思います。
夜間、暗い道を無灯火で、しかも逆走してくるような危険な人もいます。自転車同士でも肝を冷やした経験のある人は少なくないでしょう。これまで、夜間の自転車の取り締まりというのは、あまり聞いたことがなかったですが、確かに夜間の取締りも必要と言えるでしょう。
歩行者・自転車 高速道進入トラブル多発
高速道路や自動車専用道路に、歩行者や自転車が進入するトラブルが多発している。歩行者などの高速道路への立ち入りは、道路法や高速自動車国道法で禁じられているが、県警のまとめでは、県内でも年間に50件程度発生。大事故につながる恐れもあり、道路を管理する公社などは、対策強化に乗り出す方針だ。
東名高速では今年2月、バスツアーに参加した70歳代の男性が、パーキングエリアでの休憩の後もバスに戻らず、本線の中央分離帯を歩いているのが見つかった。男性は認知症の疑いがあるといい、保護した高速隊は「午後5時頃で車両も多く、片側2車線の本線を横断できたのが不思議なくらいだ」と振り返る。
高速隊によると、県内では昨年1年間に46件発生。内訳は、歩行者が25件、自転車が17件、原付きバイクが4件で、全体の半数以上の24件が65歳以上だった。立ち入った理由で最も多かったのが「道迷い、道間違い」の18件で、次いで「認知症疑い」の12件。高齢者らが高速の出入り口につながる道を進むうち、気づかないまま入り込んだとみられる事例が目立つという。
今年1〜5月には19件発生し、うち11件が65歳以上だった。いずれも人身事故には至っていないが、「自転車を引いた高齢者が入ってきた」などの通報で保護されたという。
高齢者の立ち入りを防ごうと、名古屋市内と周辺を走る名古屋高速では、都心部の出口8か所に「進入禁止」の文字と高齢者のイラストを描いた看板を設置している。今年度は、トラブルの多発場所など10〜15か所で新たに看板を設置する方針で、名古屋高速道路公社交通管理課の中山裕昭主幹は「物理的に入れないようにするのは難しいが、できることからやっていくしかない」と話す。
いるはずのない歩行者や自転車は、高速道路での思わぬ大事故につながりかねず、ドライバーも注意が必要だ。高速隊の竹内篤副隊長は「歩行者や自転車がいるかもしれないと思って、慎重な運転を心がけてほしい。もし見かけたらすぐ通報を」と呼び掛けている。(2015年06月21日 読売新聞)
これも時々報道されますが、歩行者や認知症の疑いは別としても、自転車で間違って進入する背景には、逆走があるのではないでしょうか。左側通行が徹底されておらず、相変わらず平気で逆走するような人が少なくありません。出口の看板もいいですが、もっと左側通行の徹底をしていくことが重要ではないでしょうか。
自転車「ロード」 キャンプ誘致へ
2020年の東京五輪に向け、南房総地域の3市1町が合同で、自転車ロードレースの事前キャンプ地誘致に乗り出すことになった。今年1月、鴨川市を拠点に自転車ロードレースの女子チーム「チェリージャパン」が発足し、地域の環境や地形の魅力を再発見したことがきっかけ。同市は「ロードレースの聖地にしたい」と意気込んでいる。(今井恵太)
動き出したのは、鴨川、館山、南房総の各市と鋸南町。17日に行われた「東京五輪・パラリンピック鴨川市対策推進本部会議」で方針が報告された。チェリージャパン監督の高橋松吉さん(59)も出席し、今後、相互に協力していくことを確認した。
高橋さんは1984年ロサンゼルス五輪の男子ロードレース日本代表選手で、その後も代表チームのヘッドコーチなどを務めた。南房総地域には合宿でよく訪れていたといい、20年ほど前に同市に移り住んだ。
高橋さんらは昨年12月に選考会を実施し、チームを結成。現在は県外を含めた16〜28歳の5選手が所属しており、高橋さんのもとで東京五輪でのメダル獲得を目指し、4市町周辺の道路を使って練習を積んでいる。
日本自転車競技連盟によると、五輪の女子ロードレースの距離は120〜140キロ。JR館山駅〜同安房鴨川駅の海沿いの国道を往復すると約120キロのコースを取れるため、実戦を想定した練習も積める。
4市町の海沿いの国道は信号と交通量が少なく、内陸部にはアップダウンの激しい道もあるため、練習環境として適しているといい、高橋さんは「あまり知られていないが、これほど恵まれた環境は東京の会場から近い首都圏ではあまりない」と太鼓判を押す。
4市町はチェリージャパンの活動を通し、「ロードレースの街」としての地域の潜在力を見つめ直した形だ。鴨川市は「経済の発展にもつながる」(長谷川孝夫市長)として、キャンプ誘致の波及効果にも期待している。(2015年06月21日 読売新聞)
日本では、自転車のスポーツと言えば競輪で、賭博というイメージが強い中、ロードレースの人気の向上が期待されます。ロードレースは駆け引きの要素も強く、チーム戦としての見所も満載です。マラソンや駅伝など、ロードスポーツ好きの日本人好みだと思います。
ヨーロッパと比べて、日本では自転車ロードレースの人気に大きな差がありますが、自治体でロードレースに目をつけるところが増えてきています。これはいい傾向だと思います。多くの人には関係ないかも知れませんが、スポーツとしての自転車が広く認識されることにつながります。
一般的な日本人の自転車に対するイメージも変わってくるでしょうし、欧米を見ていると、そのことは自転車の社会的な役割、インフラ整備といった部分にも影響を与えると思います。東京五輪に向かって、もっと注目が集まり、その人気がブレイクすることを期待したいところです。
マクドナルドが自転車用のテイクアウト容器、“McBike”を開発し、日本にも導入する予定と発表されています。話題性はありますし、あれば便利です。ただ、前カゴのある自転車が大多数の日本では、必ずしも必要ではない気もします。果たしてスポーツバイクで買いに行く人がどれだけいるのでしょう。
私は元々行きませんし、特に気にしてはいませんが、それでも最近は悪評が多数、耳に入ってきます。中国工場の床に落ちた肉など衛生面、期限切れの食肉使用、相次ぐ異物混入では人間の歯まで出てくる始末です。客をなめた価格政策とかメニューの撤去など批判も多く、売上げが激減して、客離れが深刻だと言います。
被害者のように振舞う、無責任で高飛車な女性社長の対応も最悪ですが、不祥事続きで、もはや謝罪会見にすら出てこなくなりました。“McBike”もいいですが、もっとやるべきことがあるように感じるのは私だけではないでしょう。あまりの体たらくに、“McBike”の日本上陸もむなしく見えてしまいます。
シリア難民 欧州へ命懸け マケドニアの高速道、自転車で
【ベレス(マケドニア中部)=宮本隆彦】戦火を逃れたシリアなどの難民が豊かな欧州北部を目指す旅の途中、バルカン半島の小国マケドニアで自転車や徒歩での危険な移動を強いられている。マケドニア政府が難民の公共交通機関の利用を禁じているためだが、重大事故の多発を受け、法改正の動きが進んでいる。
深夜十一時。マケドニアを南北に貫く高速道路「E75」。時速百二十キロで闇を切り裂く車のヘッドライトに突如、路肩を走る十数台の自転車が照らされた。数分おきに同じようなグループに出会う。
彼らの多くはシリアからの難民。アサド政権、反政府勢力、過激派組織「イスラム国」(IS)が三つどもえの内戦を続ける母国を逃れた。野宿を重ね、ドイツやスウェーデンなど欧州北部を目指している。
北に向けて自転車を駆る難民の姿は高速沿いの一般道でも頻繁に見られる。十五人ほどで移動中のアイマン・ヌシーンさん(23)はシリアで英語を学んでいた。ギリシャまではバスや列車で移動し、警官の目を盗んでマケドニアに不法入国。国境の町で百六十ユーロ(約二万二千円)で自転車を買い、衛星利用測位システム(GPS)機能が付いた携帯電話の地図を頼りにペダルをこぐ。「シリアでは希望を見つけられない。仕事、住む場所、そして平和がほしいだけだ」と話した。
地中海で難民を乗せた船の遭難が相次ぎ、アフリカからイタリアへ渡る海路の危険性が認識される中、バルカン半島を陸路で北上する難民が急増している。
マケドニアの非政府組織(NGO)レギスは「二カ月ほど前から増え、今では連日三百人が国境を越えて来る」と指摘。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、隣国セルビアでの難民申請は二〇一二年の五千人から、一五年は一〜五月だけで二万二千人に跳ね上がった。
しかし、高速道路の路肩を自転車で走ったり、鉄道の線路を歩いたりする旅も危険を伴う。中部ベレス近郊では四月二十三日夜、線路を歩いていた難民十四人が列車にはねられて死亡した。地元メディアによると、昨年十一月以降の死者は計三十人に上るという。
こうした状況に国内外で批判が強まり、マケドニア政府は今月十五日、難民に公共交通機関の利用を認める法改正を決定。十八日にも議会で可決される見通しだ。レギスのヤスミン・レジェピ代表(36)は「今後は列車でマケドニアを通過でき、自転車や徒歩での危険な移動は大幅に減るだろう」と期待している。(2015年6月18日 東京新聞)
内戦とか難民とか、日本では実感のわかない部分ですが、中東では自転車が難民の足としても使われているようです。確かにクルマと違って安価ですし、徒歩よりは大幅に機動力がアップしますから、使えるならば自転車を使うというのは当然の行動と言えるのでしょう。
難民を乗せた劣悪な状態の船が遭難する例が相次いでおり、多くの人が命を落しています。それを考えれば、陸路を行こうとするのも自然な流れなのでしょう。世界には、祖国から脱出するために命がけで自転車に乗らざるを得ない人がいることを思うと、日本に生まれたこと、平和であることに感謝せずにいられません。
私たち戦後の時代しか知らない者にとっては、この状態が当たり前ですが、実は70年もの間、平和を維持できているのは、とても貴重であり、誇るべきことなのは間違いありません。70年間戦争をしていないのは、国連加盟国193カ国のうち8カ国、アジアでは日本以外にブータンだけと言います。
国会では、集団的自衛権の行使など安全保障法制の議論が続いています。個人的には、憲法学者のほとんどが指摘するように違憲だと思います。少なくとも、解釈で簡単に変えるような話ではなく、やるなら堂々と憲法改正すべきでしょう。この70年間の平和が何によってもたらされたのか、よく考えてみたいものです。
なでしこジャパンがベスト8、リアルタイム観戦できなかったのが残念ですが、あと3つ頑張ってほしいものです。
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Posted by cycleroad at 23:30│
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歩行者でも自転車でも後方確認をしたほうがよいことは確かなんですが
世の中には後方確認をしない歩行者や自転車ほか、自動車でもろくに安全確認をしない場合があるものです。
歩道進入前に歩道の左右から歩行者や自転車が来ていないかをロクに確認せず飛び出すドライバーが目につくぐらいですしね。
歩道でさえ自動車は、自転車より多くの人々を加害している現実があるほど、自動車の歩道における運転は劣悪を極めています。
また、横断歩道において自動車は徐行が義務付けられていますが、おそろしい速度で進入してくる自動車も多いです。
交通の鉄則は弱者保護優先です。
ゆえに、自動車側の、もっと弱者の安全を保護優先する予測運転を徹底させる活動も必要不可欠だと思いますね。
自転車でもランナーでもそうですが、後方確認せずに前方車や電柱、危険箇所を追い抜きや回避のために右にやや膨らむ者は少なくないものです。
今回の事故、交通弱者を保護優先するべき自動車側が、それを見越して速度を落すなり、右にふくらんだり、などをすれば命を奪う惨状にはつながらなかったことは確実です。
自動車への交通弱者保護優先という当たり前の意識を植え付けるためにも教育や啓蒙等も強化するべきだと思いますね。
もちろん、速度超過や安全運転義務違反の自動車取り締まり強化もセットで、です。
クルマもママチャリもスポーツ車も乗っている人間からすると、自転車を追い抜くときにスピードを出すのは危なっかしい自転車を早く追い抜きたいだけなんですよね。
確かに歩道を横切って車道に出たり、横断歩道で歩行者が待っているときは一時停止しなければなりません。ただ横断歩道での一時停止は誰かが止まれば対面のクルマも止まる、というようにドライバーは周りのクルマやバイク、あるいは自転車を見て走行する傾向が強いです。どうしてもスピードが出るので小さなもの、つまり人間(さらには自転車も)は見落としやすいのです。クルマの免許を取ると自転車の乗り方が変わると言われますが、あれはクルマから自転車がどう見えているのかがよくわかるからです。
上の事故は痛ましいものですが、歩道から車道へ飛び出した自転車に同情する気にはなれません。車道への飛び出しを予測してクルマを走らせなければならないとしたら相当遅く走るか、側を通るときだけ猛スピードで走るかのどちらかしかありません。歩行者や自転車は交通弱者ではありますが、周りの交通を無視してよい訳ではありません。自分の身を守りたいならまずは周りを見るというのが当たり前でしょう。基本的に教育を強化すべきは自転車のほうだと思いますが、学校教育の中だけで教えるのは限界があるように感じます。個人的には自動車教習所に子供たちを呼んでクルマに乗りながら自転車の危険性を考えさせるのが良いと思うんですけれどね。
道路交通法には、車両が歩道を横切るときの規定はありますが、歩道を走っている車両が車道に出るとき、および、その逆の規定はないのですね。自転車が歩道に上げられるまで、歩道を走行する車両は無かったので、当たり前といえば当たり前ですが。
厳密にいえば左折ではないし、通行帯変更でもない。交差点でもないで、法律上、明確な規定が無いように思えます。常識的には、どちらの場合も移行する側が一時停止して安全を確認し、移行する先の通行を邪魔しないようにするのが正解のように思いますが。
現状では、歩道の様子が車道から見えないのが問題です。歩道上に自転車を走らせる場合、車道との境にある植栽を歩行者領域と自転車領域の間に設け、車道から歩道上の様子がよく見えるようにすることが必要でしょう。
ところで、車両が、片側複数車線の道路において、先行する車両(自転車を含む)を追い越すときは、一つ右の車線に移らなければならないのですね。また、並進している自転車を追い越す場合、多重追い越し違反になる可能性があります。自動車の運転者が、このルールをどれだけ知っているか、疑問です。
今日の記事の補足
自転車は元々バックミラーが無いため、走りながらの後方確認がやりにくい。
マトモに左側通行した結果、高速道路に入り混んでしまう構造の道路が有る。
GreenTopTubeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
『後方確認をしたほうがよい』という話ではないでしょう。自分の身を守るために、後方確認するのは当然だと思います。
確かに弱者優先とは言え、向こうが気づいていなかったりなど、想定外のことも起こりえます。
どちらが悪いという問題とは別に考えるべきです。
結果として、自分の生死を無考えに相手に委ねてしまう行為、目をつぶって運を天に任すような行為は、とても正常な行動とは思えません。
歩道走行していて、車道に出るときには自分からも確認をし、相手が法規に従っているか、危険はないか、何かアクシデントはないか、確認するのは当然であり、その習慣を身につけるべきだと思います。
ママチャリストさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
この事故については、その詳細がわからないので、なんとも言えません。
ただ、一般論として、私もいくら弱者優先だからと言って、後ろも確認せずに車道に出るような走行は自殺行為に等しいと言わざるを得ないと思います。
そういう人も見ますし、多くの場合は事故にならないとしても、自分の命を原理原則だけに委ねるような行為は無謀であり、安全確認は当然でしょう。
自転車の教育が必要な状態なのは、その通りでしょう。ただ、クルマのほうが相対的に法規が守られているとは言え、弱者保護の原則が軽視されている傾向があるのは否めません。
それは、事故のリスクを高めることであり、結局は自分の身に返ってくることも自覚すべきだと思います。
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
おっしゃるような内容は、自転車の歩道走行が始まったとき、緊急避難的に行なわれた証左であり、根本的には無理がある、あるいは法的な不備があるということになるのでしょう。
事故の詳細がわからないので、何とも言えませんが、歩道の様子が車道から見えないために起きた事故だとするならば、自転車の歩道走行の危険の一つということになるのかも知れません。
「歩道走行させるなら、車道との境にある植栽を歩行者領域と自転車領域の間に設ける」べきなのはその通りですが、それならば歩道を削ってしまって、車道にし、自転車レーンにして車道走行させるほうがいいと思います。
確かに、追い越しのルールを厳密に理解している人は少ないでしょうね。
ななななさん、こんにちは。
バックミラーは義務付けられていませんが、必要ならいくらでも取り付けられます。しかし、バックミラーにはどうしても死角が出来るので、自転車だけでなくオートバイやクルマも、振り返って目視するのが原則です。
クルマも左側通行で進入するのですから、それは当たり前です。歩行者や自転車が入り込むのを防ぐために看板や標識が設けられています。
逆走だと、そうした看板や標識が設置されていない、出口から入ってしまうことが起こりうるので問題だと指摘しているわけです。
補足になっておらず、ご自身の理解不足と言わざるを得ません。
オートバイに乗っていた時の事ですが、2車線を並走する白バイの内1台が
方向指示器も出さず突然目の前に割り込んで来たという経験があります。
新人研修中か何かで先輩の指示に気を取られていたんでしょうかね。
急ブレーキを掛けながら思わず怒号を上げてしまいましたが、
衝突しなかった・後続車に追突されなかったのは幸運としか言いようがありません。
厳しい選抜試験を経た筈の白バイ警官にだってこんな事はあります。
俳優の萩原流行さんも後方確認を怠った警察車両に接触されて亡くなられましたね。
後方確認は当たり前、自転車にだってバックミラーは付けられる、
(私も付けておりますが、ほんの小さなミラーでも「一段階目の予防安全装置」
として想像以上に役立ちます)それでも「絶対」はありません。
「うっかり」は必ず起こります。当たり前の安全確認、やれば出来る自己防衛、
これを疎かにすれば「事故が起きないのは運が良かっただけ」としか言えませんね。
義務教育では水泳が必修課目です。近年では緊急時の着衣水泳術まで教える学校が
現れていると聞きます。水泳よりも日常的な自転車、「うっかり」を減らし、
「絶対は無い」を教えるためには、実技教習・法規座学を含めた「自転車の授業」
が必要なのではないかと思います。「運が悪かった」で諦めないために。
Tomさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
信号のない場所で、徒歩で道路を横断する時、無意識にでも左右を確認すると思いますし、それが当然だと思います。
自転車での進路変更の際に後方確認するのも、それに近いものがあるように思います。
ただ、おっしゃるように「うっかり」もあるでしょうし、進路変更の場合は、後続車が予測して避けてくれるなどしたため、これまで問題がなく、危険と思わなくなっている人もあるのかも知れません。
たしかに、自転車に乗り始めるような年齢で、教育するのは必要かも知れません。
後方確認も習慣、あるいはクセのようなもので、最初にそのクセをつけておけば、自然とするようになるのも期待できますね。
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)