アイウェアも進化しています。トンネルや日陰を走行する時などに役立つ、一瞬で色が変わるサングラスや、スマホのナビ画面や後方の画像をメガネの中に表示できるウェアラブル・ディスプレイなども実用段階に入ってきています。自転車に乗る時に使うアイウェアもハイテクによって便利になる時代です。
ただ、前回取り上げた例は一部に過ぎません。今後、グーグル・グラスのようなメガネ型のウェアラブル・コンピュータが普及してくれば、それを利用したアプリの開発とあいまって、スポーツグラス、自転車用のアイウェアに、いろいろな機能が搭載されていくであろうことは容易に想像がつきます。
当然ながら、サングラス表示用の自転車ナビケーションも出てくるでしょうし、走行中に他の人とコミュニケーションをとるための自転車向けアプリが登場してくるのも時間の問題と思われます。アイウェアは、コンピュータと人間を結ぶ、マン・マシンインターフェイスとして進化するものと思われます。
さらにアイウェアの進化は、インターフェイスとしてだけにとどまりません。メガネそのものも進化しています。例えば、こちらのメガネは、焦点の合う距離やピントを電気的に変えることが出来ます。言ってみれば、シームレスな
デジタル遠近両用メガネです。
単なる近視や老眼たげでなく、加齢とともに目の焦点を合わせる能力が衰えます。遠くを見て近くを見た時とか、その日の目のコンディションや疲れなどによって、ピント合わせづらくなり、ぼやけて見えるようなことも出てくるでしょう。そんな時に、メガネのほうでピントを調整することが出来るわけです。
動画撮影用の
カメラを内蔵したアイウェアもあります。最近はハンドルやヘルメットなどに固定して動画を撮影するのは珍しくありませんが、メガネだけで動画撮影機能を実現しています。これによって、ハンズフリーで視線の先のシーンを手軽に撮影することが可能になります。

このようなメガネを使えば、自分の目線で動画を記録することが出来ます。記録した動画を無線接続でネット上にアップし、クラウドに保管することも当然考えられます。イザという時のための、ドライブレコーダーのような使い方も考えられるでしょう。
さらに、メガネを一種のデバイスとして進化させることを考えている会社もあります。日本のメガネ会社である、JINSは、“
JINS MEME(ミーム)”というウェアラブル・デバイスを開発しています。眼の動きによって生じる微細な電位差(眼電位)を正確に読み取ることが可能なメガネ型端末です。
この眼電位から、人間の感情や疲れ、集中力などが読み取れるそうです。自分自身が自覚していないような心と身体の変化まで敏感にキャッチすると言います。疲れが蓄積したり、感情的で冷静でなくなっていたり、集中力が低下しているといった状態を測定できます。
自分では、まだ自覚するほどのレベルでない疲労とか、眠気、集中力の低下などを、メガネが先に察知します。イライラしたり、感情的になっているといった、自分では必ずしも客観的に気づかないかも知れない状態も、メガネが認識してくれます。
疲れや眠気、集中力の低下、あるいは腹を立てているなどで事故の危険性が増していると判断されれば、メガネが前もって休憩を指示するようなことも可能になるでしょう。後から考えたら、注意力が散漫だったのが事故の原因だったと推測されるような場面で、未然に事故が防げたら非常に有用と言えるでしょう。
現在、開発者向けに、仕様情報などソフトウェア開発キットを提供し、可能性を探ったり、使い方を開発している段階です。このデバイスとしてのメガネを使った新しい発想のアプリの開発が期待されます。特に自転車用というわけではありませんが、自転車向け、あるいはスポーツ用に使えるものも開発されるに違いありません。
ナビデータと連動して、身体の状態に合わせた最高のタイミングで、休憩や昼食の場所まで指示してくれるようになるかも知れません。今日はあまり気分がノッていないと見るや、より平坦なルートに変更したり、早めに切り上げるよう、コースが短縮されたりするかも知れません。
視線の動きを感知して、道行く異性に気を取られていたりすると、一発でメガネにわかってしまい(笑)、脇見は危険と警告を受けたりする可能性もあります。好き嫌いは別としても、危険の芽を未然に摘んでくれるような機能が実現することは十分に考えられます。

ちなみに、将来的には、自転車用アイウェアのデザインが変わってきても不思議ではないでしょう。当然ヘルメットと連携して使用することも考えられるでしょうし、ゴーグルかヘッドギアとでも言うべき、機械的な外観になってきたりするかも知れません。
写真は、単なるスチームパンク系の
ファッショングラスで特別な機能はありません。イメージとして載せただけです。ただ、デザインも含め、自転車用アイウェアの世界が、今からは考えもつかないようなスタイルに進化する可能性も否定できないでしょう。
使うかどうかは人それぞれですし、普及するかどうかも、まだ未知数ですが、自転車用アイウェアがデジタル化、ハイテク化していく流れは確実に進んでいくものと思われます。それは、利便性や安全性の向上ということにとどまらず、自転車の乗り方を変えるようなものになるかも知れません。
残念ですが、完敗ですね。ここまで得点されるとは思わなかったですが、やはり、これがサッカーなのでしょう。
Posted by cycleroad at 23:30│
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