自転車の通行に秩序をつくる
改正道交法施行から、一月半近く経ちました。
取締りに対する反響が続いているようです。自転車の違反について、メディアなどで取り上げられる傾向も継続しています。少なくとも、自転車の違反に改めて注目し、考える機会となっているのは間違いないでしょう。最近の報道をピックアップしておこうと思います。
大阪では「警官いても信号無視」が4割…自転車
大阪府警が、自転車の信号無視で摘発・警告した約500人に対して聞き取り調査を実施したところ、4割近くが警察官が近くにいるのを知りながら、信号無視をしていたことがわかった。
意識の低さが浮き彫りとなり、府警は今月、自治会などと協力して信号を守るよう呼びかける「信号守らせ隊」を発足させる。
これまでも自転車の信号無視は摘発対象だったが、さらに、6月1日施行の改正道交法で、信号無視など重大事故につながる危険行為を繰り返した自転車運転者には、安全講習の受講が義務づけられた。
同月末までに全国で登録された危険行為は549件。信号無視が231件と最多で、うち84件が大阪府内だった。府内では今年、自転車の信号無視が原因とみられる事故で10人が死亡。このため、府警は5、6月に聞き取り調査を実施した。(後略)(2015年07月10日)
全国的な傾向なのかわかりませんが、少なくとも大阪では、警察官がいても信号を無視するという人が4割もいるようです。信号無視は事故につながる危険を高めるのは間違いありません。守ったほうが自分のためです。しかし、そのことへの理解が足りず、面倒だ、止まりたくないという人もあるでしょう。
しかし、信号を無視して警察官に止められれば、即、赤キップを切られなかったとしても、かなりの時間をとられ、面倒なのは当然推測されます。警察官がいたら、そこだけでも信号を守ったほうが良さそうなものですが、それでも無視するとは、警察官もなめられたものです。
急いでいたという理由が半数に上るようです。急がば回れではないですが、止められないようにしたほうが、早いと思うのは私だけでしょうか。警察官がいても止められないとタカをくくっているのか、これだけ報道されていても知らない人が多いのか、そのあたりの事情はわかりません。
あるいは、一般的に大阪の人に多いと言われている、「お上」におもねらない、伝統的な反骨精神が影響しているのでしょうか。いずれにせよ、取締りが強化されても、地域によっては、必ずしも違反の抑止につながりにくい場合があるようです。
自転車マナー上向く?有料講習義務化 大阪の実態は
今月施行された改正道路交通法で、自転車で危険運転を繰り返す14歳以上の人に5700円の有料講習が義務づけられた。新制度は違反を防ぐ特効薬になるのか。自転車が絡む人身事故数が全国最多の大阪で実態をみた。
■記者は見た「堺筋の逆走、47%」
「都心部でも有数の自転車の通行量」。そう捜査関係者に教えられ、大阪・日本橋の堺筋に向かった。
両側に電器店やフィギュア専門店が並ぶ。歩道は自転車の通行が許可されているが、買い物袋を持った歩行者でごった返している。
ほとんどの自転車は車道を走っている。南下する自転車が多い。しかし、これは逆走だ。
大阪万博が開かれた1970年以降、堺筋は車も自転車も北向きの一方通行になった。車道での逆走は、講習の対象となる危険行為の一つ「通行禁止違反」に当たる。逆走で斜めに横断し、乗用車とぶつかりそうになる人もいた。
午後6〜7時の1時間、日本橋3南交差点(大阪市浪速区)に立ち、車道を走る自転車を数えた。通過した418台のうち逆走は47%の198台にのぼった。
「違反2回で講習っていうのは厳しすぎる」と同区の女性会社員(48)はぼやいた。商品の配達で自転車を多く使う。「車やったら一方通行を守るけど。自転車でも守らなあかんとなると、小回りが利かず仕事に支障が出る」
帰宅途中だった同市阿倍野区の会社員男性(30)は「一方通行の標識を意識したことはない。交通整理の警察官がいればもっと気をつけるのに」と話した。
平らな道が多い大阪では通勤や通学に自転車がよく利用されていると言われる。御堂筋など一方通行の幹線道路も多い。大阪府警は逆走の自転車が車と衝突する危険性が高いとして、信号無視や一時不停止などとともに警戒している。
府内で昨年に起きた自転車が絡む人身事故は全国最悪の1万3228件(自転車側の死者34人)。特に歩行者との事故(300件)がこの10年で2倍、自転車同士(520件)は1・6倍に増えている。府警は4月に全国初の専従部署「自転車対策室」(11人)を発足し、取り締まりや安全教育の方法を検討している。(後略)(2015年6月30日 朝日新聞)
こちらも大阪の記事です。これまでの習慣、違反が常態化している日常を変えることに、大きな抵抗がある人も少なくないのでしょう。いわば既得権のようになっていた違法行為を、今さら取り締まられることに対する反発があるのかも知れません。
しかし、法律より自分の都合が優先ということであり、自分勝手と言わざるを得ません。これは特定の場所における特殊な例なのかも知れませんが、違反が常態化してしまった結果、公徳心が不足し、自転車の違反程度で..といった考え方になっているのでしょう。もちろん、逆走の危険性も過小評価されているようです。
「さすべえ大丈夫?」問い合わせ相次ぐ…大阪だけの特異現象、自転車運転で厳罰化1カ月で 大阪府警は「使用控えて」
悪質な自転車運転者に講習を義務づける改正道路交通法が施行され、1カ月が経過した。全国的にイヤホンやスマートフォンを使いながらの運転を気にかける人が多い中、大阪府警にはこんな声が寄せられているという。「『さすべえ』は大丈夫なのか」−。自転車のハンドルに傘を固定するための傘スタンドだ。府警は「けがをさせたら安全運転義務違反に問われる可能性も」として使用を控えるよう呼びかけているが、製造・販売元は「違法なものではないのに…」と困惑している。
スマホに匹敵
「片耳イヤホンはダメなんですか?」
「自転車に乗りながらスマホで話すのは?」
改正道交法が施行された6月1日以降、全国の都道府県警察にこんな相談が相次いだ。講習の対象となる危険行為は14類型あるが、警察庁によると、イヤホンやスマホの利用に関する相談が大半だという。
そんな中、大阪が異色の傾向をみせている。
「スマホや携帯電話の問い合わせが多いのは同じだが、さすべえもそれに並ぶくらい」と府警担当者。ある警察署では、1日4〜5件寄せられた相談のすべてがさすべえに関してだったこともあるという。
さすべえは、アイデアグッズを製造・販売する「ユナイト」(愛知県清須市)の商品。自転車の片手運転にならないように、傘を自転車に固定するアーム状の道具で、ハンドルに取り付ける。
「大阪のおばちゃん」が愛用しているとされ、街中では雨傘、日傘を問わずに利用する姿がみられる。同社も「正確な数字はないが、販売先は半分以上が大阪だろう」としている。
さすべえに代表される傘スタンドについて、府警は「使用は控えてほしい」という。なぜか。
理想は雨がっぱ?
道交法や大阪府道路交通規則には、視界を妨げるような車両の積載物などについて規定があり、府警は「傘スタンドに傘を取り付けた場合、傘の幅が0・3メートル、高さが2メートルを超えると違反」と説明する。
さらに、使用者の視界が妨げられたり、風でふらついたりしたことにより事故を起こした場合、安全運転義務違反に問われる可能性があるという。「雨の日は雨具を着て運転を」(府警担当者)というわけだ。
だが、「法律違反の商品でもないのに使わないよう呼びかけられても…」と困惑するのは製造・販売元のユナイト。担当者は「高さが調整できるため視界を妨げることはないし、重量はわずか620グラムで不安定にはならない」と強調する。
警察庁が交通マナーを定めた「交通の方法に関する教則」は、携帯電話やヘッドホンの使用を禁止する一方、「傘を自転車に固定して運転するときも(中略)危険な場合があります」との記述にとどめており、同社担当者は「禁止行為ではないと思っているが、人込みや強風では使用しないなどの注意喚起は今後もしていきたい」と話している。(産経新聞 2015.7.8)
傘さし走行も危険行為ということで、傘を自転車のハンドルに固定する『さすべえ』の是非が話題になっています。傘の幅から言って、普通自転車の範囲に入らないのは明らかです。先端の尖った突起物を取り付けることになり、歩行者に対し危険ですから、その点でも違反になりそうです。
片手運転するより安全という議論もありますが、雨で視界の悪い中、濡れないために傘を前方に倒し、結構なスピードで突進してくる人を見れば、危険でないとは思えないでしょう。本来であれば、違反であり禁止と明確にしたほうが混乱もないはずです。
ただ、これまで事実上、黙認されてきたという経緯があるのも確かです。製造しているメーカーにとっては死活問題でしょうし、警察も「使用は控えてほしい」というような、曖昧な対応にならざるを得ないものと思われます。少しずつ変えていくしかないということなのかも知れません。
自転車でイヤホンは本当にダメ? 傘の固定は? 警視庁に聞いてみた
6月1日に道路交通法が改正され、自転車の交通ルールが変わりました。新たな仕組みは「14歳以上の人が、14類型の『危険行為』で3年間に2回摘発されると、3時間の有料講習が義務づけられる」というもの。さっそくネットには「捕まった」「厳しくなった」という声が続々と投稿されています。片耳イヤホンは本当にNGなのか?講習って何を教わるの?警視庁に聞いてみました。
「スマホやイヤホンで捕まった」
まず聞いたのは、ネットにあふれる「改正のせいで、スマホやイヤホンで捕まった」という声について。
交通部管理官の濱田里司警視は「取り締まりの対象は従来と何も変わっていません。あと、スマホやイヤホン、傘差しは、今回の14類型そのものには入っていません。ネットで話題になっていますが、そもそも『危険行為』は、どれも今までも法律で禁止されてきたものです」と説明します。
「イヤホンは両耳、片耳は関係ありません」と濱田警視。「安全運転に必要な音や声が聞こえているかで判断します。スマホや傘差しは片手になるので確実な操作を損ない、さらに傘差しは安定性を失い、スマホは周囲が目に入らなくなるため、取り締まりの対象になります」
では、ネットにある「捕まった」というのは?
「おそらく止められてイヤホンの音量を確認されるなどしたうえで、指導・警告を受けたことを捕まったと書いているのではないでしょうか」(濱田警視)とのこと。
警視庁としては、耳にイヤホンを入れているとどうしても注意力が落ち、周囲への意識が散漫になるので「あくまでも事故防止に、外すように指導している」。スマホのハンズフリー装置を使っている場合でも、適正な音量かどうかが指導の目安になるそうです。
傘を自転車に固定してもだめ?
では、傘を手に持たずに器具でハンドルやフレームに固定したら、両手でハンドルを握れるから、安全運転義務違反にはならない?
「関西では売れているようですね。ですが今度は積載制限の違反になりますし、風でバランスを崩す原因になりますから、事故を起こせば安全運転義務違反になります」(濱田警視)
道路交通法では「荷物は、荷台・カゴ等の積載装置に」「荷物によりハンドル操作が妨げられたり、バランスが悪くなったり、尾灯・反射器材(後方反射板)などが隠れたりしてはいけない」とされています。東京でも使っている人を見かけることがありますが、NGだったようです。
「一発レッド」は珍しい 捕まったわけではない?
ネットでは「捕まった」という表現も、よく見かけます。
「警視庁が捕まえたとみなすのは検挙、つまり切符を適用した場合です。通常は指導・警告で、いきなり捕まり(検挙・摘発)、交通切符(赤切符)を切られるのは希な事例です。渡す際は、名前を控えています」
渡されるカードを見せてもらうと、なるほど黄色の「警告カード」でした。14歳未満へは「マナーカード」で青でした。
「今回の改正で、ネットで言われているような取締りが特別厳しくなったわけではありません。特に危険な14項目をピックアップし、繰り返した場合は講習を受けるようになったということです」とのことでした。(後略)(2015年07月03日 朝日新聞)
イヤホンについても物議を醸しています。片耳ならいいのか、との疑問がわくのもわかります。今のところ、警察は音量を確認し、その程度で判断しているようです。しかし、人間の耳での判断は、人によってバラつきが出ます。取締りに恣意的、あるいは曖昧な部分が出てきてしまう可能性があるでしょう。
私は、音量で判断すべきではないと思います。そして、片耳だろうが、何を聞いていようが、自転車に乗りながらだったら、全て違反とすべきです。必ずしも音量が大きくなくても、また片耳が聞こえていても、危険なことに変わりはないからです。
もちろん、周囲の音が聞こえないから危険ということもあります。しかし、それだけでなく、耳から入ってくる情報に気を取られて、周囲への注意力が散漫になることがあるからです。これは、クルマで、携帯などで会話しながら運転するのが禁止されているのと同じ理由です。
耳からの情報、それが音楽であれ英会話であれ、一瞬そちらへ注意が集中してしまうことがあります。そのため、周囲を見ていなかったり、見えていても周囲の状況への対応が遅れることがあります。これも危険であり、音量や片耳かの問題ではないと思います。
さすべえと違って、イヤホンやヘッドフォン、ハンズフリー装置などは、他でも使えます。今まで事実上黙認されてきたのは同じですが、禁止することにメーカーへの配慮はいらないでしょう。下手に音量とか片耳とか、細かい条件をつけるほうがわかりにくくなります。私は全て違反として徹底したほうがいいと思います。
自転車対象に速度取り締まり 滋賀・草津、1時間で25人指導
滋賀県警草津署は8日、自転車に対する速度取り締まりを、草津市追分南6丁目で実施した。増加する自転車事故の防止を目指し、「全国的にも珍しいのでは」(同署)という取り組みで、安全運転を呼びかけた。
同市は昨年7月、自転車の事故・盗難対策を掲げた市自転車安全安心利用促進条例を施行した。しかし、同署によると、施行後1年間の事故は176件と施行前より38件も増加。歯止めをかけるため、指導を強化した。
自転車の制限速度は法的に明確な基準がなく、同署が独自に、車道はバイクと同じ時速30キロ、また歩道は徐行運転を超える時速20キロとした。
この日の取り締まり現場は自転車の通勤・通学者が多く、速度の出やすい坂道。小学生の通学路のため、危険が指摘されていた。同署員約10人がスピードガンで速度を測り、超過した自転車を指導。「速度を控えてください。大事故につながります」と注意し、指導警告票などを渡した。
午前7時半から1時間で速度超過を指導した人数は25人。最高速度は車道で時速42キロ、歩道で時速36キロだった。試行的に同様の取り締まりを実施した6月24日は13人だった。(2015年07月08日 京都新聞)
自転車のスピード違反の取締りというのは聞いたことがありません。たまたま注意されることはあっても、わざわざ速度を取り締まるという例はないと思います。当然ながら、スピードの出しすぎは危険ですが、問題は取り締まる速度です。草津署が勝手に決めるのは問題ではないでしょうか。
たしかに、自転車のスピードの出しすぎが問題となる場所もあると思います。特に徐行が義務付けられている歩道を時速36キロなんて論外です。徐行は6キロとか8キロとかのスピードと言われていますから、30キロ近い速度超過です。
しかし、車道の場合は違います。クルマの法定速度が標識などで定められていると思いますが、自転車も車輌ですから、制限速度が40キロだったら、自転車も40キロ、50キロなら50キロということになるはずです。もちろん、そんな速度が出せるかどうかは別の話です。
もし標識や道路標示がない場合、クルマの場合は60キロですが、自転車については定められていません。自転車に60キロなんていう制限は現実的でないということなのでしょう。坂や風など条件によっては出るかも知れませんが、通常は、決める意味がないということなのだと思います。
だからと言って、草津署が独自に決めていいことではありません。あくまで法律に基づいて取締りを行なうべきであって、それが法治国家の基本です。警察だからと言って、たとえ安全のためだとしても、法律にないことを取り締まるのは問題ではないでしょうか。
例えば、クルマに対し、制限速度は60キロだけれど、それでは危ないからと勝手に40キロと決め、止めて注意したら、ドライバーは怒るでしょう。もしやるなら、40キロに制限速度を変更して、周知期間を置いてから取り締まるべきなのは当然です。
スピードを出している人に、指導警告して、速度を出さないように促したい気持ちはわかりますが、車道は30キロとなどと勝手に決めて、止めるのは問題だと思います。一方、歩道で徐行を超える速度が20キロというのも問題だと思います。徐行も具体的数字は示されていませんが、20キロは速過ぎでしょう。
自転車の危険運転を減らせる方法
改正道路交通法で、自転車の取り締まりが厳しくなって1カ月がたつ。信号無視、飲酒運転、傘差し・スマートフォン操作の片手運転など、14項目の危険行為を3年間に2回繰り返した運転者(14歳以上)に安全講習の受講を義務付け、受けなければ5万円以下の罰金が科せられることになった。インターネットなどでは「おれ、すぐ捕まりそう」などの書き込みは多いようだが、実際に摘発されたという話はほとんど聞かないし、街角で警察官が目を光らせている姿もあまり見かけない。
本当に取り締まりは強化されたのか。『週刊プレイボーイ』(7月6日号)は疑問を持ったようで<“悪質自転車”減少が実感できないのはナゼ?>とワイド特集で取り上げている。「東京に限って言えば、厳しかったのは(改正法が施行された)6月1日だけで、それ以降はあまり変わっていないですね。警察はもっと人員を割いて、厳しく取り締まる必要があると思います」
自転車活用推進研究会の事務局長・内海潤氏はこう話すのだが、警察も自転車の違反ばかりに人員を割くわけにはいかないだろう。都内のある警察署交通課の職員がぼやいている。「自転車の違反取り締まりは強化しています。しかし、これ以上厳しくしようとしても、警察官の人数が足りないんですよ」
悪質自転車の取り締まりがなかなか進まないのは、今回の改正が中途半端だったことも理由のひとつと言うのは、自転車に関する著書も多いテレビプロデューサーの疋田智氏だ。「改正道路交通法が施行された現在でも、警察は危険運転の違反に対して、“赤キップ”でしか対処できないんです」「赤キップは刑事処分です。(略)非常に手間がかかるし、連発すれば検察や裁判所にも負担になるので、現場の警察としては、よほどの危険運転でなければ赤キップは切れない」
疋田氏は反則金だけの“青キップ”を導入すべきだったという。改正法施行後も、運転マナー違反で警察官に呼びとめられて渡されるのは、多くは「指導警告票」だ。これは罰則がないので、何回受けても安全講習にはつながらない。そもそも、顔写真付きの免許証を常に携帯しなければならない自動車やバイクの運転と違って、自転車の危険行為を摘発しても、現場で本人確認ができるとは限らない。氏名・住所を明かさず、逃げ切ろうとする者も少なくないはずだ。
では、悪質な危険自転車は野放しのままなのか。内海氏は「路上喫煙対策が参考になります」と面白い提案をしている。危険行為をした自転車運転者に、その場で過料(路上喫煙では多くが2000円程度)を払わせることがいいという。「そういった制度にすれば、自転車の危険運転もかなり減らせるはず」
警察、自治体は検討してみてはどうだろうか。(2015年7月1日 朝日新聞)
記事にある、青キップの反則金制度の導入だと、本人確認の手段や手間が問題となりそうです。でも、路上喫煙と同じように、その場で科料というのは、検討の余地がありそうです。自治体の職員でなく、警察官が取り締まるならば、トラブルにもなりにくいでしょう。
◇ ◇ ◇
いろいろな記事を見てきましたが、まだまだ混乱や軋轢があるようです。これまで、事実上、黙認されてきた部分もあって、一朝一夕にいかないのも無理はありません。かと言って、わさわざ法改正をして、現状を大きく改善していこうというのですから、おざなりには出来ません。
過渡期ということで、警察のほうにも戸惑いや慣れない部分があるようです。そのあたりは、徐々に修正や基準の統一、運用の見直しなどが必要になってくるのかも知れません。しかし、いくらこれまで常識のようになってしまっているからと言って妥協したのでは元の木阿弥で、法改正の意味がありません。
もちろん、勝手に解釈したり、法にないことまで取り締まるような勇み足は控えるべきでしょう。官民ともに、過渡期の混乱や戸惑いがあるのは仕方がないとしても、せっかく改革へ踏み出したのですから、ぜひ最低限の自転車のルールは遵守される状態、秩序を作り出してほしいものです。
長雨が続いていたのが一転して晴れて暑くなりました。でも今週後半には台風が来そうです。また雨ですね。
Amazonの自転車関連グッズ
Amazonで自転車関連のグッズを見たり注文することが出来ます。
Posted by cycleroad at 23:30│
Comments(17) │
TrackBack(0)
この記事へのトラックバックURL
取り締まりはもっと厳しくてよいと思います。自転車に乗るとき、公的な写真つき身分証(学生証、パスポートなど)の携帯も必要にした方が良いかもしれません(小学生以下は(親の引き取りが必要として)無しでOKか?)。
イアホンは、(補聴器などを除き)NG、さすべえは、普通自転車の枠で規制+突起物規制(たとえば子供向けの傘のように、先端の直径が8mm以上を条件とする)が妥当に思います。差し渡し60cm以下なら、ほとんど役に立たないでしょう。(車道なら、普通自転車でなくてよいので、先端形状の条件を満たせば、サイズにかかわらず使用OK.ただし、よほど郊外でなければ車に煽られて怖くて使えないでしょうが)
速度取り締まりの件、安全指導ならともかく、法律に従わない検挙はいけないと思います。60km/hはともかく、少し頑張れば、それなりの時間、30km/hでの巡航も可能な乗り物なのですから。
徐行の件、車の場合、(明確な定義はないものの)一般的に言われる時速8km程度以下からなら、1m程度で停止すると思います。JIS規格によると、自転車のブレーキは、時速10kmから3m以内で停止なのですね。単純に解消すべきエネルギー(速度の二乗に比例)だけから計算すると、半分の時速5kmで3/4m(=75cm)となり、歩道ではこれ以下で走行してほしいと思います(ほんとは乗らずに押してほしい。時速5kmなら、速足の方が早い)。
もっと安全なさすべえが開発されないかなあ。ハンドルに固定するのは危ないから、せめてサドルの後辺りを使えないかなあ?
自転車への締め付けを不当に強くし過ぎると、自転車を敬遠する人が増えて自動車乱用が増え、道路の危険が増すという現実があるんですよね。
これは先進諸国の専門からがお手本として見ているオランダやデンマークの専門家らも同じ意見です。
http://melma.com/backnumber_16703_6226386/
そして、
『自転車イヤホン運転めぐり物議 聞こえていれば大丈夫との回答』
なる記事において
・自転車の「イヤホンをつけての運転」をめぐり、誤解が広まっているという
・「外部の音が聞こえている状態であれば違反にならない」と交通相談センター
が結論として掲げられており
イヤホーンは禁止されていない | JABLaw代表理事のブログ
http://blog.jablaw.org/?eid=1070352
の記事を見ても分かる通り、外部の音が聞こえるイヤホン使用ならば合法であり、法的には自動車のカーオーディオ使用と同格であることがわかります。
そして、他者への危険性は自動車のほうがウンと高く、自動車はカーオーディオを使用していなくても遮音性が高く外部の音が聞き取りずらいという危険性を持つために、自転車イヤホンは規制緩和して、自動車のカーオーディオのほうを規制強化したほうが、自動車から自転車への乗り換えを増やす効果が期待でき、結果として重大事故の減少が見込めると思います。
また、先進諸国が自転車行政をお手本としているオランダでは、傘さしも認められているようで、さらには二段階右/左折も必要なく、右/左折レーンを同等と使えるようなルールだそうです。
【コラム】世界の街から アムステルダム(2)/オランダ
https://archive.is/h1JxO
不当に自転車への締め付けを厳しくすると、自動車乱用につながり、環境破壊や環境汚染が引き起こされ、自動車乱用により自動車という大変危険な車両の通行が増えることは、道路の危険増加につながるから、という合理的な理由から、だそうです。
そして、それが成功しているからこそ世界中の国々から賛美されているのですよね。
確かに、自動車が増えれば増えるほど交通渋滞は深刻になりますし、救急車の到着遅延や経済の停滞が引き起こされますし、当然と言えると思います。
自動車乱用が蔓延し、自動車流入制限、自動車抑制施策が不十分なために渋滞公害発生 渋滞で動けない救急車(警察車両、消防車両も) 失われる人命。
http://www.youtube.com/watch?v=uC9IPDyFgs8
自動車のための道路を作れば作るほど交通問題は深刻になる。
http://wired.jp/2015/03/19/traffic-jam/
また、徐行に関しては自転車の場合、徐行だとフラフラ蛇行運転となりがちなため、他の歩行者や自転車にぶつかってしまう危険性が増えるがために無闇やたらな低速度での徐行をするよう強制すると、逆に歩道利用者全体の危険が増えることが予想されます。
自動車には徹底した徐行を、頻繁な取り締まりで強制するぐらいがよいとは思いますが。
日本は、先進諸国でもっとも自転車を円滑安全に通行してもらうためのインフラ整備を怠ってきた後進国であり、ながらく歩道通行が容認されてきました。
今でも、その歩道通行容認時代のそれと物理的なインフラについてはほとんどの道路でかわっておらず、自動車運転手らの自転車関連法令や車道における交通弱者保護優先の意識や法令においての無知無理解が蔓延しています。
自転車の安全な車道走行を妨げる路上駐停車、違法駐車という交通犯罪も蔓延しており、それは自転車レーンにおいても変わりません。
ポールなどで車道と自転車レーンを区分けしなければ自転車レーンが機能しないほどの、自動車の低いモラルについても一刻も早い是正が求められている現状でもあります。
過去の『交通戦争』時代と、インフラについてはさほど変わっていないでしょう。
歩道も自転車レーンもない道路を自動車が歩行者自転車の横スレスレを追い抜いていくことは日常茶飯事としてあります。
欧米ではそういった歩道も自転車レーンもない道は、ボラードやライジングボラードで自動車通行をブロックするそうです。
これぞ弱者保護優先という交通の鉄則をきちんと道路に反映したやり方だといえると思います。
話を戻します。自動車が大勢の自動車運転手、自転車利用者、歩行者を加害した時代のインフラと、今のインフラはそう変わっていません。
車道においては、自動車の速度超過、スレスレ追い抜き、幅寄せ、警音器使用制限違反、安全車間距離保持義務違反、路上駐停車、違法駐車等の交通犯罪が横行しており、道交法通り車道を走る自転車でさえ、たいへんな不安ななか走らざるを得ない状況になってしまいます。
そんな惨状ななかで「自転車はどのような状況でも、たとえ子供を乗せていても、車道を走りなさい」というのはあまりに酷で、更には歩道においてはフラフラ運転にならざるを得ないような徐行を強制させてしまえば、自転車の立つ瀬がない、苦境に陥らざるを得なくなってしまいます。
自転車ばかりを締め付けては、自動車の乱用がますます深刻になってしまい、排ガス公害も深刻なり、道沿いを歩く子供も咳やクシャミ、気管支炎、喉の痛みなどで涙を流し苦しむ未来が待つだけです。
生活道路はもちろん、歩道でさえ自動車は自転車より遥かに多数の深刻な被害を歩行者に与えているのですから、これからは、いかに自動車を減らしていくかが命題となっていくことは確かです。
http://d.hatena.ne.jp/delalte/20111021/1319158025
そんななか、自転車の規制だけを闇雲に追い求めていくような論調は、交通問題をより深刻にしていく結果に流れてしまうという強い危惧を感じるものです。
歩行者の年間死亡者数は1714人(当然ですが、ほとんどが自動車による加害が原因です) 交通事故総合分析センター 平成22年
https://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info94.pdf
平成25年度 自動車運転中の年間死亡者数は1415人 歩行者は1584人 警察庁交通局
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Pdfdl.do?sinfid=000023620477
日本はなぜ極端に歩行者の交通事故死が多いか OECDフォーラム2011のデータベースより
http://spaceglow.at.webry.info/201305/article_1.html
横断歩道でさえも歩行者自転車の安全が、自動車の交通犯罪暴行行為により侵害されています。 横断歩道、93%の無関心
http://pon-s.tea-nifty.com/blog/2006/08/zebra_crossing.html
横断歩行者等妨害等違反の自動車の多くは、速度超過も併せて犯しているという惨状です。なぜこれにまつわる取り締まり強化を訴える人が少ないか日本のミステリーですね。先進諸国では自動車が停止するのは当たり前なのですが。
マスコミの嘘 捏造する団体の実態 マスコミがひた隠しにする 『自転車側が第一当事者(最も過失が高い側)の割合はたった15.4%であり、圧倒的大差で自動車側の危険運転の蔓延により、歩行者や自転車が加害されている』 という現実。
http://melma.com/backnumber_16703_5796048/
全然割合の少ない自転車加害事故を大仰に取り上げ、抑圧につなげるマスコミ、行政
http://d.hatena.ne.jp/delalte/20111025/1319554054
自動車とドラッグ、どちらが有害か
http://firefly1384.web.fc2.com/dokusyo/d030.html
交通安全根本対策は自動車抑制にあり
http://greentoptube.hatenablog.com/
自動車から自転車への乗り換えを、積極的に推進していきたいものですね。その推進において、我々が手本として見ている自転車先進国オランダやそれに準ずる先進諸国の考えとしては
『環境を壊し、道路を危険化させる自動車乱用を防ぐため、自転車が不当に不便なものとなるよう追い込まないこと。自動車より自転車が便利となるように優遇制度や利用環境整備をすること。』
です。
そして
『歩行者自転車といった弱者を自動車から守り、弱者が自動車より安全円滑に通行できるためのインフラを整備すること。その為に自動車通行を抑制する移動式オービス(移動可能型速度自動取締機)やハンプ、歩車分離式信号、自動車侵入防止棒などを徹底活用すること。』
なのです。
私達が正しい方向に努力すれば、交通弱者保護優先という、人として当然の概念が反映された道路環境は、必ず作られます。断言できます。
オランダにおいて、人の命と環境を尊ぶ人々の闘ってきた歴史が、それを証明しています。
そして、それは世界中の都市においても、善良な人々の活動が実を結び、証明され続けています。
▶ How the Dutch got their cycle paths - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=XuBdf9jYj7o
サイクルロード 〜自転車への道/自転車王国の土台にあるもの| オランダ
http://blog.cycleroad.com/archives/51933669.html
察してくださるとは思いますが、少々読みづらいと感じる人もいらっしゃると思うので、修正という形で投稿させてもらいます。
誤:これは先進諸国の専門からがお手本として見ているオランダやデンマークの専門家らも同じ意見です。
正:これは先進諸国の専門家達がお手本として見ている、オランダやデンマークにおける専門家達も同じ意見です。
誤:また、先進諸国が自転車行政をお手本としているオランダでは、傘さしも認められているようで、さらには二段階右/左折も必要なく、右/左折レーンを同等と使えるようなルールだそうです。
正:また、先進諸国が自転車行政をお手本としているオランダでは、傘さしも認められているようで、さらには二段階右/左折も必要なく、右/左折レーンを合法的に堂々と使えるような安全ルールだそうです。
自転車警察官でさえ歩道に追いやられている被害があり、歩道を走らざるを得ないほど、自動車通行や路上駐停車、違法駐車により危険となっている車道をなんとか自動車抑制、自動車取り締まり強化と、自転車安全円滑通行インフラの整備で改善していきたいですね。
危険な自動車通行とインフラ不備が元凶としてあるのですから、まずは元凶をきちんと正していくことが問題解決につながります。
先進諸国と比較して、あまりに遅れた未熟で欠陥の多い自転車インフラのまま、自転車にだけあれこれ求める姿勢では、いつまでたっても本当の解決には至らないのですから。
私は、やはりまず自転車が自らを正すべきだと考えます。
自転車の歩道走行がOKになったころに「歩道上で」車との接触を経験してから、子供が車道を走れるようになるまでの数年間を除き車道を走行してきましたが、自転車にとり、車道上で危険なのは、自動車ではなく、自転車です。
さすべえや、不適切な荷物の積載は、自動車における竹やり出っ歯以上に危険です(鋭利な突起物や、見えにくい先端等)。
一般道でレースをする車はあまりいませんが、レースの真似をして、トレインを組んでローテーションを行う自転車グループはたくさんいます(先頭数台以外は前につくことしか考えていないので、抜かれる際とても危険)。歩道上でローテーションするグループすらいます。
右側通行の自転車や、歩道を全力で走る自転車はよく見かけますが、これらを行う自動車はまずいません。
今回の取り締まり強化は、自転車が暴走族化しているのを、なくそうとしているレベルであり、何ら厳しくないと感じています。
自動車にもいろいろ問題はありますが、まずは自転車も自動車と同程度にルールを守ること。これができなければ、自転車の権利主張はできないと考えます。
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
取締りの強化すべきという声は少なくないと思いますが、身分証の携行となると反対意見は多いと思います。
携行違反の罰則等も問題になりそうです。
基準等については、妥当なものがあるとしても、複雑になれば、取締りもたいへんになるでしょうし、やはり理想的には、はっきり禁止したほうがいいと思います。
ななななさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
過去にいくつか取り上げていますが、海外ではいろいろ開発されていますね。
佐藤さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
クルマのほうが危険で有害であり、その規制や取締りも強化すべきという点について異論があるわけではありません。
また、世界的にもそうであるように、少なくとも都市部では、クルマから自転車へ乗り換えていくような方向に進むべきという点もその通りでしょう。
ただ、そのことと、自転車の違反の横行については、別に考えるべき部分もあると思います。
法令を順守している自転車利用者が危険に晒されるような不条理な面もあります。
クルマとの関係で考えて、自転車の違反は、より被害が少ないと容認していると、自転車の通行の秩序の形成が進まなくなってしまうでしょう。その意味で、別に分けて考える部分も必要だと思います。
自転車のルールが無視されるようになっている根底には自転車の歩道走行があると思いますが、自転車のルール順守を推進する中で、インフラの不備がクローズアップされる傾向も出てきています。
ルールを徹底するためにも、自転車レーンなどの整備が必要となれば、クルマとの関係を見直すことにもつながっていくのではないでしょうか。
クルマの違反や危険について鈍感になっているのは、日本人全般に、クルマ優先が固定観念になっているためだと思います。
一部の人が、そのことを、いくら強調しても固定観念が崩れない背景には、自転車が便利で大きなポテンシャルを秘めていることが、日本のママチャリ全盛の中で理解されてこなかった面もあるでしょう。
一般の人にも自転車の有効性を理解させ、その乗り換えを促すためには、日本のママチャリの歩道走行を是正し、自転車のルール無視、無秩序状態を正していくことも重要だと思います。
ひでさんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
私も自転車の違反の取締りの強化は、クルマや交通全体での位置づけとは別途進めるべきだと思います。
今回の法改正にしても、新しく違反が追加されたわけではなく、これまでも違反だった行為をカテゴリーに分けただけです。
それを守らないことが他の自転車利用者を危険に晒しているのも確かで、そのことを是正していくのは是非必要なことだと思います。
『自転車が自らを正すべき』とか、『自転車の権利主張はできない』といった、自転車とクルマを対立させて考えるのではなく、両方使う人も多いわけですし、ママチャリ利用者も含めて、自転車の利便性が実感されれば、もっと自転車インフラが必要ということにも理解が進むのではないでしょうか。
そのためにも、違反の横行を改め、通行の秩序を確立することが、また車道走行を誰でも安全にできるようにすることが必要だと思います。
cycleroadさん,こんばんは.
6月18日付「使えるのに使っていない技術」のコメント欄で紹介された[あしプラ管理人]がこの程,自転車の交通道徳を攪乱させかねない記事をUPしましたので是非ご一覧願いたいと存じます.
http://blog.livedoor.jp/ashitanoplatform/archives35793418.html
内容は「双方向通行自転車道整備の利点,課題と改善策」で,妙に自転車道の「左右双方向通行可」に固執しているのですが,私は到底賛成できません.
重い低速の所謂ママチャリでは,進行方向右側で目と鼻の先の目的地へ行くのに「左側通行厳守」を徹底されると所要時間で著しい不便を強いられるというのが,片側の自転車道で右側通行容認を主張する理由なのですが,ドライバーの立場で言うと,進行方向左側では自転車専用道であっても逆走は逆走です.
幹線道路の片側の自転車専用道で右側通行可の例外を増やすと,そうではない他の一般道路と区別して正しく左側通行の基本ルールを守れる自転車族がどれ程いるものか,甚だ疑問です.
彼の記事に反対の理由を当方のYahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/cs433485/55120350.html
にも書いておきましたので,お目を通して頂けましたら幸甚です.
マイロネフさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
いろいろな考え方、論点があるようですね。後ほど読んでみたいと思います。
情報をお寄せいただき、ありがとうございます。
※全角800字を越える場合は2回以上に分けて下さい。(書込ボタンを押す前に念のためコピーを)