通勤や買い物などの移動手段としてだけではなく、スポーツとして自転車を楽しむ人も大勢います。健康の維持や運動不足の解消、体力の増進、ダイエットなどを目的に自転車に乗るという人も多いでしょう。生活習慣病の予防のため、メタボ解消を目指す人もあると思います。
健康のために行なう運動やエクササイズはいろいろあります。テニスやゴルフといったスポーツをやる人、バスケットやフットサルなどの団体競技のチームに入る人、ジョギングやスイミングなどで汗を流す人もあるでしょう。トレーニングジムに通ったり、武道やボクササイズなどを取り入れる人もいます。
健康のために歩くという人もいれば、山歩きやハイキングなどを楽しむ人もあるでしょう。ハードな筋肉トレーニングでマッチョな肉体を目指す人もあれば、体操やヨガ、太極拳などを始める人もあると思います。健康のために身体を動かすといっても、いろいろな方法があります。
もちろん、中には複数のメニューをこなす人もあるでしょう。トライアスロンのような複合スポーツもあります。ただ、それぞれは別のアクティビティーであって、特に関連させたり、一緒にやるというようなものではないのが一般的だと思います。
イギリスのマンチェスターにあるヨガ教室のインストラクターである、
Marie Harris さんは、サイクリストのためのヨガを提唱し、新しく教室を始めています。自転車を楽しむ人たちに、ぜひヨガをやることで、さらにいいパフォーマンスを発揮してほしいと考えているのです。
自転車とヨガの組み合わせなんて聞いたことがありません。なぜ自転車とヨガなのかという疑問もわきますが、サイクリストに向く、サイクリストがやるべきヨガがあると言います。サイクリストは、もっとヨガを取り入れるべきだと主張しています。
なぜなら、サイクリストは自転車のメンテナンスは念入りに行なうのに、自分の身体のメンテナンスを気にしない人が多いからだと指摘しています。なるほど、言われてみれば、そうかも知れません。せいぜい走り始める前に軽くストレッチするぐらいという人も多そうです。
ヒザとか腰とか、どこか痛めれば別ですが、あまり自分の身体のメンテナンスに意識がいかない人は多いに違いありません。、Marie Harris さんたちは、サイクリストがヨガを取り入れることで、故障を防いだり、体幹を鍛えたり、身体のバランスを改善したり、もっと高いパフォーマンスが発揮できるというのです。
自転車は、例えばヒザへの負担は、ランニングと比べて数分の一というレベルだと言います。ランニングでアスファルトを走るとき、ヒザには体重の何倍もの衝撃が加わっていることを考えれば、ずっと身体に優しい競技だということになるでしょう。
しかし、自転車ならではの動きが災いする面もあります。すなわち上半身の動きが少なく、足の筋肉ばかりを使う動きが、身体のバランスを崩したり、部分的なコリや血行不良を誘発したり、悪い場合は故障につながるような状態をひき起こす可能性があるわけです。
自転車は、下半身の筋肉しか使わないように見えますが、実は全身の7割の筋肉を使うと言います。見た目以上に多くの筋肉を使っているわけですが、たしかに身体全体をバランスよく使っているとは言えません。実際に腰痛やヒザ通、股関節や背中の痛みなどを抱えているサイクリストもあるでしょう。
ツーリングなどで長時間、上半身が固定される結果、肩こりや首のコリ、目の疲れ、腕などの筋肉のこわばりといった不調を感じる人もあるでしょう。下半身も、歩くのとは違った動きを長時間続けることで、関節や筋肉の痛みを感じることもあると思います。
そのような、サイクリストに独特の身体の使い方によって、関節や筋肉をはじめとする身体の各所に歪みが生じたり、バランスが崩れたりするというわけです。それをヨガによって補正、矯正したり、バランスを整えたりするのだと説明しています。
私も短期間ですが、ヨガの教室に通ったり、家で実践していたことがあります。自転車との関係を意識したことはありませんでしたが、身体の柔軟性が増したり、関節の可動域が広がったり、姿勢が良くなったり、気分がとても良くなった気がした経験があります。
私はヨガに詳しくないので、よくわかりませんが、骨盤をはじめ身体の各部の歪みが矯正されたり、内臓の位置が補正されたり、代謝が上がったり、脳が活性化したりと、いろいろな効果があるという話を聞きます。最近はご無沙汰していますが、確かに、その効果を実感したことがあります。
スポーツバイクだと特に前傾姿勢を長時間続けることになりますし、猫背の姿勢になっているのも確かでしょう。身体のバランス的には良くないですし、筋肉は使っていたとしても上半身の動きは少なく、下半身も決まった動きで、筋肉の部位によっては、凝り固まってしまうと言われれば、そんな気もします。
このヨガのクラスに参加したわけではないので、その効果はわかりませんが、実際に受講している生徒たちには好評を博しているようです。サイクリスト向けのヨガと新しさを打ち出していますが、決して新しい「ヨガ」、今までにない「ヨガ」をやるということではないようです。
ヨガは、健康や身体を整えるための広く総合的な体系であって、その中から、サイクリスト独特の身体の動きや姿勢を矯正するのに効果的なポーズや動きを選んでいるということなのでしょう。ヨガを少ししか、かじったことのない私でも、なんとなく理解できます。
自転車で出かける前の準備運動が故障を防ぎ、終わった後のストレッチや筋肉のクールダウンが、翌日に疲れや筋肉痛を残さないためにも重要だとはわかっています。ただ、いつの間にか、疎かになってしまっているという人も多いのではないでしょうか。
ヨガに限らず、自転車と組み合わせることで、より良い効果があったり、相乗効果が見込めるようなものは、ほかにもありそうです。運動にしろ、何かのエクササイズやトレーニングにせよ、自分の好きなもの、決まったものしかやらない人は多いと思います。
存在は知っていても興味が無い、わざわざ手を出さないというものも多いのではないでしょうか。もちろん、嫌いなものや、合わないもの、面白くないものを無理してやる必要はありません。ただ、食わず嫌いだったり、よく知らないのに敬遠しているものもあるに違いありません。
そのあたり、自分の中での決め付けを排除して、何でも挑戦してみたり、今までやったことのないものを組み合わせてみるのも面白いかもしれません。何かを始めると、どうしてもそれに偏ってしまうのは、サイクリストに限ったことではないと思いますが、たまには視野を広げてみることも必要かも知れません。
飛行機が突然民家に突っ込むとはショックな事故です。乗員はともかく、巻き添えになった人がお気の毒です。