秋のさわやかな陽気になってきました。
島根の国道54号に「自転車ゾーン」 通行ライン試験施工
中国横断自動車道尾道松江線(中国やまなみ街道)の全線開通で国道54号の交通量が減少していることから、国交省松江国道事務所は28日、同国道に自転車通行空間を明示するラインの試験施工を実施した。交通量減をチャンスととらえ、将来の「自転車ゾーン」拡大の可能性も含めて検討を進めるという。
施工したのは、島根県飯南町頓原の約1キロと、同県雲南市掛合町入間の約1キロ。道路端から1〜1・5メートルに引かれた車道スペースを区切る白線(外側線)に沿って青緑のラインを引き、自転車利用者に走行エリアを示すほか、車のドライバーにも注意喚起できるようにする。
施工後は、自転車利用者やドライバーからの視認性やラインの薄れ具合などを確認。「道の駅たたらば壱番地」(雲南市)や「道の駅頓原」(飯南町)などを巡る10月4日のサイクリングイベント「道の駅グルメライドin中国山地」も利用して約200人のアンケート調査を実施する。
同事務所では、アンケート結果なども見ながら今年度内に方針を決定したい意向。「イメージとしては全線実施。広島側と連携することも考える」と話す。(2015.9.29 産経新聞)
国道にブルーライン 上川町1・3キロ 自転車の安全確保
旭川開発建設部は層雲峡近くの上川町清川の国道39号約1・3キロに、ドライバーに自転車の通行を意識してもらうための「ブルーライン」を道内で初めて整備した。観光サイクリングの人気が高まっていることから、自転車専用道路が未整備の区間に安全に走れる環境を整えて、観光振興につなげたい考えだ。
ラインは路側の白線の車道側に幅20センチの青い線を引いた。交通規制はないが、自動車に対して注意喚起するとともに、自転車に対しては進行方向を示す矢印を500メートル間隔で標示することで車道の左側走行を促す。愛媛県などで整備されているという。
今回整備したのは、国道に並行する自転車専用道路「旭川層雲峡自転車道線」の未整備区間22・4キロの一部。サイクリング関係者から、ツアー誘致のため、未整備区間の安全対策を求める声が出ていた。
同開建は7日に識者や町、警察などによるサイクリング利用支援検討会を立ち上げており、26日にモニターによる走行状況調査を行う。ラインの効果を検証した上で、残りの未整備区間への延長などを検討する。
道内では札幌市の市街地などで、歩道のある道路の路側をカラー舗装して自転車の車道通行を促す「自転車走行指導帯」を整備した例はあるが、郊外にはなく、ブルーラインの整備も初めて。(09/26 北海道新聞)
車道の自転車、「青」でも停止を 一部の県警指導
全国で導入が進む歩車(ほしゃ)分離式交差点のうち、歩道部分に「歩行者自転車専用」と書かれた信号機がある場合、車道を走る自転車もこの信号機に従うよう、一部の県警が指導している。歩行者自転車専用が赤信号だと、自転車は、後方から追い抜いていく車を避けて交差点手前で停止していなければならないことになり、自転車に乗る人からは「危なすぎる」という声が上がっている。
「自転車に乗っていて、交差点の手前で急に停止したら、後ろから来る車が怖いわ」。三重県中部の歩車分離式交差点で、経営コンサルタントの男性(65)がつぶやいた。
交差点は片側一車線の道が直角に交わる四つ角で、二年以上前に歩車分離式信号機が導入された。歩道と自転車横断帯があり、歩行者用信号機には「歩行者自転車専用」という標示がある。
男性は、会社勤めだった以前、この交差点をクロスバイクで毎日通り、今もたまに通行する。歩車分離式が導入され、通行方法が分からなかったため、地元警察署に電話で問い合わせると「車道左側を走ってきて、歩車分離式の交差点に着いたら、歩行者自転車専用の信号に従って、自転車横断帯を通行するように」と指導されたという。歩車分離式では、車が通り過ぎる横で、自転車は止まらなければならないことを意味する。
男性は「車道から自転車横断帯や標示は確認しづらい。自転車で走ってきて、交差点をどう通るのか瞬時に判断するなんて無理」と困惑する。
交差点で自転車が走行する位置に立って見ると、歩行者自転車専用標示の付いた信号は、交差点の角から約五メートルも離れており、街路樹や電柱に隠れて確認しづらい。
三重県警交通規制課によると、同県内には歩車分離式交差点が八十八カ所あり、うち四十七カ所に歩行者自転車専用の信号がある。担当者は「道交法に基づいて指導しているが、歩行者自転車専用の標示は、車道から見えづらい場合がある」と認めながら、「自転車は原則車道通行だが、現実には歩道を走る人が多く、それに合わせた標示をせざるを得ない」と説明。今後、歩道や車道の自転車交通量を把握しながら対応していきたいとしている。
一方、警察庁は「各都道府県警察には、交通実態などを踏まえ、規制を見直すよう指示している」としており、歩車分離式でこのような指導をしているのは三重県警だけではないとみられる。
交通問題に詳しい安井一彦・日本大理工学部准教授(交通信号制御)によると、自転車の通行区分を今後どうするかが大きな課題となっているという。「根本的な解決には、自転車専用の通行レーンと信号の整備が必要。今は過渡期で、安全を確保するにはケース・バイ・ケースで対応するしかないのでは」と話す。(2015年9月28日 中日新聞)
自転車道は「走りにくい」?
狭い」「交差点で歩行者と交錯」
都市部で整備が進む自転車向け道路について、「道幅が狭い」「対面通行でぶつかりそう」と、使いにくさを指摘する声が出ている。利用のマナーも定着しておらず、試行錯誤の段階。国土交通省では、新たな運用指針作りに乗り出している。
東京都心の港区に昨年完成した、新橋と虎ノ門を結ぶ「新虎通り」。道路両側の歩道の中に幅約2メートルの自転車道が設けられた。「せっかくの自転車道ですが、とても走りにくいんです」と話すのは、自転車に関するブログを運営する、編集者の須貝弦さん(40)だ。
交差点部分になると、自転車道は終了し、自転車歩行者道(自転車が走ってもいい歩道)へと切り替わる。「自転車道では自転車と歩行者が分けられてお互い安全なのに、交差点になると歩行者とぶつかってしまう可能性があります」
また、この自転車道は自転車同士の双方向通行。「狭く、対向する自転車とぶつかりそうな圧迫感があります」と須貝さん。しかも、歩道と勘違いした歩行者が入ってくるため、道路を管理する都にも「通りにくい」という声が寄せられているという。
東京都江東区の亀戸地区の国道14号線にも、幅2メートルの自転車道が約400メートル設けられている。車道脇にあり、柵で分離された構造。
自転車は歩道から、車道側に設けられた自転車道に入る。ただ、ここも自転車道は双方向通行で、歩道に比べると狭く感じられる。距離が短いこともあり、自転車道に向かわずにそのまま歩道を通行する自転車も目立つ。車道に設けた自転車道があるのに歩道を走るのは、道路交通法違反だ。
NPO法人「自転車活用推進研究会」(東京)理事長の小林成基さんは「安全な自転車道のマニュアルがきちんと確立できていない」と話す。
自転車は道路交通法で「軽車両」とされ、車道を走るのが原則。ただ、交通事故が増加した1970年、歩道で自転車も走れるように同法が改正された。「自転車は歩道」という意識はここで生まれた。
しかし、自転車と歩行者がぶつかる事故が増え、2012年は02年の1・3倍になった(交通事故総合分析センターのデータから)。自治体が自転車向け道路に力を入れ始めた。
道路上の表示方法は自治体によってまちまち。金沢市では車道の左端を赤茶色で塗った自転車レーンを作っている。大阪市の本町通では、車道に青い矢羽根マークなどで表示している。自治体などが独自に行っているため、色や形の形式は統一されていない。
国土交通省と警察庁は12年、自転車道の整備に関する「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を作った。それ以降に問題が指摘され、現在、専門家の委員会で新しいガイドラインが検討されている。
「自転車道は一方通行を原則とする」という方針を打ち出す見込み。表示についても、ピクトグラム(絵文字)などを用いて全国的に統一することを検討している。
自動車が速く走る幹線道路では、柵などを設けた自転車道(原則幅2メートル以上)を整備することになっているが、不可能な場所も多い。新ガイドラインでは、道路を色分けした自転車専用通行帯(自転車レーン)も暫定的に認める方針。
柵のない自転車レーンの場合、車が駐停車してしまうことも多い。歩行者が自転車向け道路に入ってくる問題も含め、交通マナーが重要になってきている。
地域の合意形成必要
東京工業大学教授(環境交通工学)の屋井鉄雄さんの話
自転車向けの道路を作る上で重要なのは、地域の合意形成だ。自転車道の柵があると、車の駐停車がしにくくなるといった面もある。自転車と歩行者の安全を守るため、自転車がどう走るのかという地域の将来像を示しながら、住民同士で意識を共有していく必要がある。
自転車向けの道がある程度整ったとしても、住民の意識はまだ追いついていない。自転車はどう走るのか示した「自転車安全利用五則」といった基本を、自転車に乗る人だけでなく、車を運転する人にもより理解してもらう努力が必要。学校のPTAや地域団体などが地道に呼びかけることは効果があると思う。
◇自転車安全利用五則 (内閣府が2007年作成)
1 自転車は、車道が原則、歩道は例外
2 車道は左側を通行
3 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
4 安全ルールを守る
飲酒運転・2人乗り・並進の禁止
夜間はライトを点灯
交差点での信号順守と一時停止・安全確認
5 子どもはヘルメットを着用
「歩道は歩行者のもの」
◎取材を終えて 自転車道近くの歩道を歩いている時、自転車のベルを鳴らされたことがあった。自転車道に入ろうとして、私が邪魔だったようだが、歩道でベルを鳴らし、歩く人に道を譲らせるのは道路交通法違反になる。
自転車のルールを知らない人が結構多い。
自転車道が整備されても、歩行者と自転車が出合う場面はある。自転車道や自転車レーンなどの整備を進めることはとても大事なことだが、それだけで自転車の問題は解決しない。
自転車から降りれば、誰でも歩行者になる。みんなが歩道を安全に歩けるように、「自転車は車(軽車両)」「歩道は歩行者のもの」というルールを自転車に乗る時、再確認したいと思う。(崎長敬志)(2015年10月06日 読売新聞)
「サイクルセイバー」開始 尾道市、島嶼部での自転車トラブル出張修理
自転車の突発的なトラブルに対応することで、安心してサイクリングを楽しんでもらおうと尾道市は3日、自転車整備士が現場に駆けつけて修理などを行う「サイクルセイバー」の運用を始めた。
同市と愛媛県今治市を結ぶ瀬戸内しまなみ海道を訪れる外国人サイクリストの増加を受けたもので、英語にも対応したコールセンターを開設。向島、因島、生口島の島嶼(とうしょ)部を対象に10〜12月末の間と3月の土、日、祝日に実施する。
タイヤやチェーン、ブレーキ、変速機などに走行不能になるトラブルが発生した際、コールセンター専用ダイヤル((電)080・2887・5577)に連絡して名前や国籍、場所、故障内容などを申告すると専門スタッフが現場で出張修理する。出張料金は無料だが、ブレーキインナーワイヤの交換(1080円)など修理費は有料。
運営はサイクリスト向け複合施設「Onomichi U2」が担当。3月末まで実施して今後のサービス内容を精査する。(2015.10.4 産経新聞)
京都市営の駅前駐輪場で自転車無料点検サービスを開始
アーキエムズは、2015年9月30日(水)より、有人管理の京都市営駅前駐輪場(JR沿線7施設、阪急沿線5施設)12施設にて、「エシカル無料自転車点検」サービスを開始する。
「エシカル自転車無料点検」は、駐輪場に停めておくだけで自転車の状態を無料で点検できるサービスだ。定期的に点検を行うことで、転倒や衝突などの危険な事故を防ぐことができる。点検箇所は、ハンドル、タイヤ、ペダル、ブレーキ、チェーン、サドル、ライト、ベル・ブザーの8ヶ所。
点検は、自転車整備の経験を持つスタッフが行う。点検結果は、書面(自転車点検チェックリスト)にして持ち主に渡される。サービスは、桂川駅東・西自転車等駐車場から開始。1つの施設につき、月2回程度の実施となる。
無料点検サービスの対象は、京都市営駅前駐輪場(12施設)の利用者。予約受付時間は7:00〜22:00で、作業時間は9:00〜17:00。今後、大阪や兵庫の同社運営の駐輪場でも、自転車無料点検サービスを展開していく予定だ。(2015年9月25日 )