街は華やかなクリスマスの飾りつけであふれています。飾りつけにもいろいろありますが、なんと言っても欠かせないのがクリスマスツリーでしょう。今回は、難しい話は抜きにして、世界のクリスマスツリーと自転車の関係について見てみたいと思います。
クリスマスツリーと自転車、何の関係もないようですが、実は世界各地で、自転車でクリスマスツリーが作られています。身近に材料として古い自転車があったという背景があるのだろうと思いますが、国や人種は違っても、考えることは同じというところでしょうか。
こちらはオーストラリアのショッピングセンターに設置された自転車を使ったクリスマスツリーです。古い自転車を使った、言ってみればリサイクルです。もみの木の感じを出すため、自転車は緑に塗られました。夜はライトアップされ、華やかな雰囲気をかもし出します。
デンマーク・コペンハーゲンの広場に立てるクリスマスツリーを自転車のホイールを使って組み立てているところです。下がコンクリートなので、実際のもみの木を使うと、伐採して置かなくてはなりません。木を切らずに済む方法ということで考えられました。デンマーク語では、クリスマスとホイールツリーの発音が似ているそうです。
左はオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のリズモア、右はアメリカ・ニューヨーク州のフィリップスタウンという街の自転車ツリーです。左は白を基調にカラフルな色使いでにぎやかな感じを出しています。右のように、普通のツリーでも使う電飾をつければ、まさにクリスマスツリーのようになります。
左はアメリカ・バージニア州のリッチモンド、右はニュージーランドのオークランドの自転車クリスマスツリーです。組み方、色使い、照明の当て方などは違いますが、どれもクリスマスツリーの雰囲気を出しています。右は、古い使える自転車をそのままぶら下げており、クリスマスが終わったら、福祉施設などに寄付されるそうです。
左はホイールを組み上げただけのシンプルなものですが、頂点にスターがあるだけで、クリスマスツリーを模していることがわかります。右はイギリス・ロンドンの街角に設けられた自転車ツリーです。著名な人がデザインしたシンプルでスタイリッシュなものですが、かえって寂しい感じになっている気がしないでもありません。
こちらは、中国・遼寧省の瀋陽市のショッピングセンターにつくられた高さ12メートルの大きなツリーです。大勢の人が集まる場所ですし、こうした場所に大きなツリーがあるのは珍しくありません。ただ、自転車で出来ていなければ、これほど注目されることはなかったに違いありません。
こちらは、スペインのバルセロナに設置されたツリーですが、ツリー本体に自転車は使われていません。ツリーに取り付けられた電飾が自転車につながっており、観客がそのペダルをこぐことで電飾が光ります。いわば、参加型の自転車クリスマスツリーです。
左は貸し出し用につくられた、ペダルをこぐと光るツリーです。右はオーストラリア・クイーンズランド州ブリスベンに設置されたものです。単なる飾りとしてだけでなく、買い物客などにアトラクションとして楽しんでもらうことが出来て、人が集まるのがメリットでしょう。
電飾を光らせるための電力の節約になるだけでなく、省エネなどの啓発にもなります。近年、環境負荷への配慮、エコやサスティナビリティーに関心が集まる中で、そのような姿勢を打ち出すためにも、うってつけなのかも知れません。
アトラクションとして貸し出されるものの中には、夜、光るだけでなく、明るい昼間は、ペダルをこぐと雪が降ってくるように見えるものもあります。白い雪が舞い上がるオモチャがありますが、それと似た感じです。空気で舞い上がる仕組みになっているようです。
家の軒先など、個人レベルでも自転車でつくったツリーを飾る人がいます。電飾などを使えば、たしかにクリスマスツリーっぽくなります。ただ、組み方などにセンスがないと、単にいらない自転車を積み上げただけに見えてしまう可能性があるのは否めません(笑)。
個人が家の中にかざるクリスマスツリーにも、自転車のパーツを使うというアイディアは有効かもしれません。ホイールなどを使って、オーナメントをぶら下げたり、電飾を光らせたりすれば、わざわざツリーを買わなくてもクリスマスの飾りにすることが出来ます。
自転車を室内で保管している人なら、自転車に直接飾りつけをしている人も多いかもしれません。やはりオーナメントや電飾をつけたりすれば、クリスマスツリーの雰囲気になります。新たにクリスマスツリーを置くスペースも不要ですし、不用品を組み立てる必要もないぶん手軽です。
使い古しのチェーンリングやスプロケットを捨てずに、なんとなく家にころがっているというサイクリストもあるでしょう。これを使って小ぶりのクリスマスツリーを作ることもできます。うまく組めば、クリスマスツリーに見えてくるのが不思議です。
子供用など、小さなものもあるならば、ホイールを使ってツリーを作ることも出来ます。チェーンリングやスプロケットで作ったものならコンパクトなので、一度作っておけば、来年も使えるでしょう。クリスマスツリーと言うより、置物ですが、クリスマスシーズンを盛り上げるアイテムになります。
チェーンリングやスプロケットで作るだけの数が無いという人なら、使い古しや切れたチェーンを利用することも出来ます。オーナメントにも出来るでしょう。普通の人が見たら、単なるガラクタかも知れませんが、サイクリストにとっては、なかなか味のあるアイテムになるでしょう。
工夫次第で、自転車を使ってクリスマスを盛り上げることが出来そうです。毎年のように載せていますが、これを聞かないとクリスマスという気がしないというサイクリストもあるかも知れません。最後に定番の曲、“Big Red Bicycle Christmas” を載せておきます。
と、いうことで今回も最後までご覧いただき、ありがとうございます。メリークリスマス!