April 28, 2016

スマートバイクという新端末

新しいモバイル端末が登場しました。


と言っても、新型iPhoneの話ではありません。新しいモバイル端末は、自転車の形です。と言うより、自転車そのものです。その名も、“Le Super Bike”、LeEco 社という中国の電子機器メーカーが開発しました。先週まで行なわれていた“Consumer Electronics China”という展示会で発表されています。

Le Super BikeLe Super Bike

スマホのような画面がステムに組み込まれ、文字通り自転車のフレームごと、スマホのようなモバイル端末になっています。取り外すことは出来ません。充電パックを取り外して充電するか、タイヤにの回転によって発電した電力で充電するようになっています。

近年の半導体技術の進化、モバイル通信の発達で、ふだんの生活の中でも、スマートフォンなどが身近になりました。そのスマホをハンドルなどにマウントしたり、ブルートゥースで接続するなどして、自転車用の各種アプリを使うスタイルを提案する商品も増えてきています。

Le Super BikeLe Super Bike

スマホではなく、専用端末としても、GPSや各種のセンサーなどを使い、これまた小型で高性能になってきているバッテリーと組み合わせ、走行データなどを扱ったり、道をナビゲーションするようなアイテムが販売されています。サイクルコンピュータの進化形と言ってもいいかも知れません。

画像素子が小型化、高性能化したおかげで、動画カメラ、もしくはドライブレコーダーのように使う、動画記録用のアイテムを搭載する人も出てきました。こうした電子パーツ、アクセサリーが急速に普及しつつある中、それらを最初からフレームに搭載したモデルが登場するのも、当然予想された動きと言えるでしょう。

Le Super BikeLe Super Bike

最近は、“IoT”をキーワードに、あらゆるものがネットにつながっていくと言われています。自転車にも半導体が組み込まれ、ネットにつながるようになるのも、もはや時間の問題なのかも知れません。このような自転車が開発されるのも、時代の流れなのでしょう。

この、“Le Super Bike”、さまざまな機能が搭載されています。速度や走行距離といった基本データから、心拍数など乗り手の身体データまでをリアルタイムに取り込み、トレーニングの成果を確認したり、フィットネスプランなどに役立てたりすることが可能です。

Le Super BikeLe Super Bike

Le Super BikeLe Super Bike

もちろん、地図で目的地を選定し、GPSを使ってナビゲーションさせるような機能も搭載されています。前後のライトを自動点灯させたり、ウィンカーで後方車両へ進行方向を伝達することも出来ます。レーザー光を地面に照射し、夜間の視認性を高める機能もあります。

走行データとGPSデータを連動させて履歴として保存するロガーとしても機能しますし、カメラと連動させて、画像を撮影、記録することも出来ます。さらに、クラクションやスピーカーまでついていて音量を調整することも出来ます。音楽プレーヤーとして、曲を流して走行することも出来るわけです。

Le Super BikeLe Super Bike

Le Super BikeLe Super Bike

もちろん、ネットにつながっていますから、SNSなどを通して、他の人とコミュニケーション出来るような機能もあります。自転車から離れると、自動的にロックがかかる機能も搭載され、他人が勝手に乗って逃げられないようになっています。ロックした状態で盗もうとすると振動を検知して、オーナーに知らせます。

自転車ごと盗まれるのを防ぐため、駐輪時には通常のロックをする必要がありますが、もし盗まれた場合には、検知して通報するだけでなく、GPSで現在位置を知らせるので、追跡することも可能になっています。およそ、今考えられる電子的な機能は、ほぼ網羅されていると言ってもいいのではないでしょうか。

Le Super BikeLe Super Bike

スマホのように見える4インチのディスプレーはステムに組み込まれ、モバイル端末としての本体や他のパーツも含めフレーム一体となっています。ディスプレーにタッチする以外にも、ハンドルやトップチューブなどに物理的なボタンが配置されており、自転車に乗りながらでも簡単に操作が出来ます。

スマホと同じ、Androidをベースとした、“BikeOS”という独自のOSを搭載しており、自転車用に特化した、乗りながら使うのに適した仕様となっています。価格は標準モデルで800ドル程度です。展示会でも実物が展示され、中国では、すでに実際に販売されているそうです。



まさに次世代の電子自転車といった趣きです。さまざまな機能があらかじめ搭載されており、使い方によっては便利でしょう。サイコンやデータロガー、ハートレートモニター、GPSナビ、動画カメラ、ウィンカーやライト、視認性向上アイテム、盗難防止機器といったものを別々に揃えなくてすみます。

ただ、全ての自転車が、このような「e自転車」になっていくとは思いません。日本で言えば、ママチャリで最寄り駅や近くのスーパーへ買物に行くためにしか使わないような人もたくさんいるわけで、そのような用途には、明らかなオーバースペック、無用の機能満載ということになります。

Le Super BikeLe Super Bike

この“Le Super Bike”が人気を博し、売れるかどうかはわかりませんが、今後の自転車の進化の方向の一つとして十分に考えられます。このような自転車が普及して一般的になれば、端末としての部分も安くなっていくでしょう。IoTとして、ビッグデータが収集され、新しい展開が開ける可能性もあります。

個人的には、フレームに組み込むのではなく、手持ちのスマホをマウントし、各パーツと連動させて同じ機能を実現するほうが汎用性が高く、セキュリティなどの面でも便利そうな気もします。ただ、いずれにせよ、今後も自転車を多機能モバイル端末にするような機器、もしくはフレームは、競って開発されていきそうです。




依然として震度4が発生しています。車中泊が続く過酷な状況に置かれている被災者の健康状態が心配です。

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