August 17, 2016

次世代への整備を進めるべき

リオ・オリンピックの熱戦が続いています。


連日、各種目で日本人選手が大活躍で、メダルラッシュが続いています。時差が12時間あるため、深夜までテレビ観戦で寝不足という人も多いに違いありません。さて、そんな折ですが、最近の自転車関連のニュースをピックアップしてみたいと思います。

まだ五輪の競技日程は終わっていませんが、今のところ自転車競技での目覚ましい成績は、残念ながら報じられていません。テレビなどでは全くのマイナー競技として、ほとんど取り上げられておらず、新聞などでも小さく結果のみが記されているくらいなのが現状です。


稲城「自転車のまち」目指す 五輪・ロードレースコースほぼ確実

自転車のまち二〇二〇年東京五輪・パラリンピックを契機に、稲城市が「自転車のまち」を掲げて観光振興に乗り出す。自転車のロードレース競技のコースが市内を通ることがほぼ確実で、市は「五輪のレガシー(遺産)を生かしてサイクリストを呼び込みたい」としている。

五輪のロードレースは公道などをコースとし、男子が二百キロ以上、女子が百キロ以上の長距離を走ってタイムを競う自転車版のマラソン。東京五輪の招致段階で招致委員会と都が準備した会場図では、稲城、多摩両市の丘陵地を抜け、多摩川対岸の府中市の市街地などを走る周回コースが含まれている。

稲城市の都道「南多摩尾根幹線」など道幅が広く、アップダウンのある道路はサイクリストに人気のスポットで、週末になると列をなして疾走する姿が見られる。

市はこの春に策定した観光基本計画で「自転車のまちづくり」を掲げた。高橋勝浩市長は、JR南武線南多摩駅近くに「サイクル・カフェ」を開業する構想を明らかにしており、シャワー室や喫茶店などを備え、地元の名産品や観光情報を紹介するサイクリストの拠点施設とする考えだ。市長は「東京五輪の開会の前にはオープンしたい」と積極的で、五輪を記念したモニュメントの設置も検討しているという。

五輪ロードレースのスタートとゴール地点は皇居に決まったが、コースは未定。都オリンピック・パラリンピック準備局は「決定までには時間がかかるが、招致段階のルートから大きくずれることはなく、微調整にとどま」としている。(2016年8月9日 東京新聞)



ミヤタサイクル、スポーツ自転車レンタル拠点

自転車販売のミヤタサイクル(川崎市、高谷信一郎社長)は7月下旬、神奈川県の三浦半島にある総合公園「ソレイユの丘」(横須賀市)にスポーツ自転車「メリダ」の最新モデルに乗れるレンタル拠点を開設した。舗道を高速走行できるロードバイクや山道を走るマウンテンバイクをそろえた。自転車の世界選手権で活躍するメリダの知名度向上につなげる。料金は4時間まで800〜2500円、1日1500〜4000円。(2016/8/14 日本経済新聞)


そうした中でも、2020年東京五輪へ向けての取り組みは始まっているようです。最近、スポーツバイクの人気が高まり、注目されることが増えているとは言え、まだまだごく一部に限られるのが現実です。欧米など、スポーツとしての自転車が盛んな国々とは比べるべくもありません。

オリンピックで自転車競技の選手が活躍するには、もっと選手層が厚くなくてはならないでしょうし、そのためには、競技人口の裾野が広がらなければなりません。付け焼き刃の対策で、東京五輪に間に合うとは到底思えませんが、スポーツとしての自転車が、少しでも多くの人の関心を集めるようになってほしいものです。


博多駅―キャナルシティ、車線減で自転車道・歩道拡幅へ

福岡福岡市は19日、JR博多駅と中洲方面を結ぶ「はかた駅前通り」の車線を減らしたうえで、自転車専用レーンを設けると発表した。歩道も拡幅する。月内に着工し、市地下鉄七隈線の天神南―博多駅間の延伸区間が開業する2020年度までに完成させる予定だ。高島宗一郎市長は記者会見で「車、自転車、人を完全に分離したい。歩いて楽しい街を作りたい」と話した。

博多駅博多口交差点から商業施設「キャナルシティ博多」北側の祇園町西交差点までの約800メートルで、片側2車線を同1車線に減らす。車道の両側に自転車専用レーン(幅約1・5メートル)を設け、歩道の幅は現在の5・5メートルから7・25メートルに広げる。

市は交通量を調査し、車線を減らしても渋滞などの問題は発生しないと判断した。地域や民間企業と連携し、広くなった歩道にオープンカフェを設置したり、樹木や花を植えたりする方針だ。(2016年07月19日 読売新聞)


自転車が原則車道走行することは、昔から法律に定められていることであり、本来は当たり前のことです。しかし、長年の間違った道路行政により、歩道走行が当たり前のようになってしまっています。それでも、最近は少しずつ、車道へ自転車レーンを設置するという、本来の形が見られるようになってきました。

ただ、これまでの多くは、車道の幅に余裕があるところに限られてきました。この福岡市の、クルマの車線を減らして自転車レーンを設置する動きは、その点で注目されます。「車、自転車、人を完全に分離したい。歩いて楽しい街を作りたい」という考え方は、大いに評価されるべきです。

都市の中心部で、ただ渋滞するだけのクルマの車線をこれ以上増やしても、ほとんど意味はありません。歩いて楽しい街、すなわち、人間優先というのは、都市の在り方として至極真っ当なものです。これまで、無意識のうちにもクルマ優先で来てしまったことに、気づかなければならないと思います。


自転車レーン集中整備、事故死傷者29%減 県、整備拡大進める

埼玉県内の道路や自転車歩行者道に自転車専用帯(レーン)を55カ所(総延長50キロ)で整備した結果、整備箇所では自転車の関係する事故の死傷者数が29%減少したことが、県のまとめで分かった。

上田清司知事は「整備前には歩道走行などが多かったが、レーンをつくることで車道を走る自転車が大幅に増えた。市町村と協働して、さらに自転車レーンの連続化を進めたい」としている。

県道路環境課などによると、自転車乗用中の負傷者数は減少傾向にあるが、昨年の県内の死者数は42人で全国ワースト3位。直近5年の死者数は31〜44人で推移している。

自転車は原則、車道を走行することが義務付けられており、県は自転車の通行位置を分かりやすく明示するため、2013年度から3年間で県内55カ所の道路を整備する「自転車すいすい55プラン」を策定。予算計7億円を投じて集中的に整備した。

計画では整備対象の道路を2種類に分類。歩行者の多い駅周辺道路では「まちなか安心自転車レーン」として、車道の歩道側を青色に塗った自転車レーンを熊谷、上尾、志木、春日部駅周辺など30カ所(計23キロ)で整備した。

車の交通量が多い郊外の国道や県道では「わけて安心自歩道整備」として、川口市や蓮田市、東松山市などで25カ所(計27キロ)を整備。国道などでは、自転車が車道を走行するのは危険な場合もあるため、自転車歩行者道を真ん中で分ける白色の線を引き、自転車と歩行者の通行位置を明確化した。

この結果、整備した50カ所では整備前の12年度に比べ、自転車が関係する事故の死傷者数が29%減少。50カ所のうち自転車レーンを整備した30カ所では、車道を走行する自転車の割合が整備前の17・2%から整備後は32・8%に倍増した。

整備した7カ所で246人を対象にアンケートを行ったところ、「整備されてよかった」と回答した人が55%で、「どちらかと言えばよかった」を含めると73%が肯定的な意見だった。

同課は「レーンを整備した場所では車道を走行する自転車が倍増したが、逆に言うと残り67%はまだ歩道走行などをしており、警察や市町村と協力して啓発活動を行っていきたい」と話す。

本年度も予算約8300万円を投じて、戸田、川口、上尾、所沢市など6カ所で計3キロの自転車レーンの整備を進める。(2016年8月17日 埼玉新聞)


県単位で整備を進めるところも出てきました。やはり首長に理解があると、実用レベルでの自転車レーンの整備が進みます。そのおかげで事故の死傷者が減るという目に見える効果が上がり、市民の理解、支持も進むということが、この埼玉の例で明らかになっています。他の自治体も、ぜひ参考にしてもらいたいものです。


自転車で「ポケモンGO」事故、新潟県内で2件 道交法違反で摘発7人

新潟スマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO」の国内配信が始まった7月22日から8月2日までに、このゲームが原因となった交通事故が新潟県内で2件起きたことが同県警への取材で分かった。道交法違反の摘発は7人、自転車利用者への指導・警告は17件にのぼった。

県警によると、事故はいずれも自転車に乗っていた男性がゲームの画面を見ていて発生。停車中の乗用車にぶつかった男性が打撲の軽傷を負ったほか、歩行者の男性にぶつかって打撲の軽傷を負わせたという。車を運転中にスマホで通話したり画面を見たりしていて県内で摘発された件数は、今年上期(1〜6月)に6515件と前年同期よりも678件増えた。県警はポケモンGOの影響も踏まえ、指導や取り締まりを強化する方針だ。(2016/08/05 サンスポ)



ポケGOしながら自転車11人警告 県警、乗用車を運転の3人摘発

福井スマートフォン向け人気ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」をしながら自転車を運転していたとして、福井県警は5日までに11人を警告した。また「ポケモンGO」をしながら乗用車を運転したとして、道交法違反(携帯電話使用)で3人を摘発し交通反則切符を交付している。県警では重大事故につながる可能性があるとして、スマホを操作しながら車を運転したり、自転車に乗ったりする「ながらスマホ」に対する取り締まりを強化することにしている。

自転車運転者への警告はいずれも男性で、15歳以下は1人、16〜24歳が8人、25歳以上は2人だった。自動車運転者の摘発は、越前市で30代男性、勝山市で40代女性、福井市で20代男性の3人で、交通反則切符を交付した。減点1点、反則金はオートバイ・普通車は6千円。

ただ、携帯電話使用での自転車運転者への警告は47件、自動車運転者の摘発は558件。「ポケモンGO」が占める割合は多くはなかった。

集計期間は21〜30日。同期間に展開した夏の交通安全県民運動に合わせた若年運転者対策の取り締まりの一環で警告や摘発を行った。(2016年8月6日 福井新聞)


社会現象として大きな話題となり、歩きスマホや自転車スマホによる事故が危惧されたポケモンGOですが、人が死傷するような事故が報じられていないのは幸いです。ただ、各都道府県レベルでは、違反の摘発も行われているようです。ここに挙げたのは一部ですが、推して知るべしというところでしょう。

地域によって、あるいは場所によっても差はあると思いますが、実際に歩きスマホや自転車スマホなどを見ることが増えたと感じます。ゲームをやるのは勝手ですが、周囲を危険に巻き込む行為は、甚だ迷惑であり、非難されます。事故やトラブルを起こす前に考えてほしいものです。


自転車は環境物品? 中国の強引なこじつけに欧州猛反発 混迷するWTO交渉の舞台裏

自転車は排ガスもなくエネルギーを使わないエコな乗り物。当然、環境物品として扱うべきだ−。

関税太陽光パネルなど環境関連製品の貿易自由化に向けた世界貿易機関(WTO)の「環境物品協定(EGA)」交渉における“ある国”の驚くべき主張である。自転車大国とされるその国は、EGAの関税撤廃対象品目に自転車を加えようと画策。国内の自転車市場が飽和の危機にあり、輸出拡大に活路を見いだそうと躍起なのだ。南シナ海への海洋進出同様、その強引な手法で交渉を進める中国のことである。

(中略)

■自転車関税撤廃はEUが猛反発

だが、この見せかけの譲歩と引き換えに中国が狙うのは冒頭の「自転車」の関税撤廃だ。中国の自転車業界は、全体として順調に推移しているとはいえ、成長の不均衡も表れ始めている。特に電動自転車の生産台数は2桁増を維持していたが、2013年は1桁となり、14年は初めてマイナスに転じるなど苦戦。中国が自転車関税の撤廃にこだわるのは、こうした国内事情も強く反映されている。

一方で、自転車関税の撤廃に猛反発しているのが、ビアンキやキャニオンなど世界的な有名自転車を多数抱える欧州連合(EU)だ。そもそもEUは11年に中国製自転車への反ダンピング(不当廉売)課税(税率48.5%)を5年間延長し、期限を16年までにすることを決定するなど、中国自転車の域内流入に対して特に厳しいハードルを設けている。実際、EU加盟28カ国中22カ国が関税撤廃に反対を表明しており、10日のG20貿易相会合終了後、マルムストローム欧州委員(貿易担当)は北京に向かい、中国の貿易担当幹部と直接交渉をしたとも伝えられる。

14年に始まったEGA交渉は、アジア太平洋経済協力(APEC)が12年に合意した54品目をベースに関税撤廃し、さらに撤廃対象品目を拡大する方向で協議を進めている。54品目は、バイオマスボイラー発電機などの部品や大型発電用ガスタービン、風力発電機やその部品、太陽光パネル、環境計測機器などだ。こうした対象品目をベースに考えた場合、「自転車を環境物品と認めるのは、あまりにも強引なこじつけ論」というのがEU側の主張だ。(後略)(2016.08.01 夕刊フジ)


以前から、中国から輸入される格安粗悪な自転車が、日本の市場を席捲し、悪貨が良貨を駆逐する形になっていることを指摘してきました。このため格安で粗悪なママチャリが街に氾濫し、修理や整備をせずに、使い捨てのように使う人が増えてしまいました。放置自転車が増え、撤去されても取りに行かない人が少なくありません。

言ってみれば、中国製の格安自転車が、社会問題を起こしている面もあります。こうした事態に対し、EUは中国製自転車への反ダンピング(不当廉売)課税(税率48.5%)を課していることも書いてきました。経済の解説記事なので、部分的に抜粋しましたが、この記事を見るとそのことがわかります。

基本的には自由貿易を推進すべきですし、他の物品との兼ね合いもあるので、政策として自転車の関税だけを議論するわけにもいきません。ただ、そのことが日本の自転車の格安・粗悪化を招いている事実、EUは、毅然として対策をとっていることは知っていてもいいと思います。


ローソンで自転車シェアリング 青森の4店舗からスタート

レンタルローソンとNTTドコモは、2016年8月23日から、青森県内のローソン4店舗で自転車のシェアリングサービスを始める。それぞれに専用自転車5台を用意し、旅行者向けに提供する。周辺の観光情報やサイクリングルートも案内する予定といい、まず青森市と弘前市の4店舗で始め、順次、導入店舗を増やしていく計画。サイクルシェアリング事業を手がけるドコモ・バイクシェアがシステムをサポートする。

ウェブで予約、いつでもレンタル

利用希望者はウェブサイトで事前予約し、発行されるパスコードを自転車の操作パネルに入力して、24時間いつでもレンタルすることができる。料金は3時間パスが500円、1日パスが1000円(ともに税抜き)。ドコモが提供する決済サービス「ドコモケータイ払い」、またはクレジットカードで支払う。

今後、店舗の立地や利用状況をみながら、全国の店舗にサイクルポートの設置を検討していくといい、ローソンは、「本サービスを通じて、全国各地の観光地の新たなインフラを目指すとともに、今後も全国の店舗網を生かし、地域のお客様の利便性向上に努めていく」としている。(2016/8/16 J-castニュース)


これは、バイクシェアと呼ばれていますが、パリのヴェリブのような、いわゆる都市型自転車シェアリング、公共交通としてのバイクシェアとは違います。むしろ、レンタサイクルです。ただ、旅行客にとっての利便性を向上させるサービスであることは間違いないでしょう。


自転車観光、石狩管内熱く ガイド付きツアー始まる

北海道サイクリングを兼ねて観光地を巡り、景観やグルメを楽しむ自転車観光が石狩管内でも盛り上がりを見せている。札幌では観光団体などによるガイド付きの本格的な自転車ツアーが始まった。自治体の間にもサイクリングマップを作ったり、駐輪場を整備したりと、近年の自転車ブームを取り込もうとする動きが広がっている。

ガイド付き自転車ツアーは、一般社団法人シーニックバイウェイ支援センターなどが昨夏に設立した「さっぽろサイクルラボ」が7月中旬から本格開始。都心部ツアーから、さっぽろ羊ケ丘展望台(同市豊平区)を含む郊外ツアーまで4〜30キロの4コースを用意する。途中、菓子店やワイナリーなどにも立ち寄る工夫をしており、料金は自転車のレンタル料など込みで1人4千〜2万円。サイクルラボは10月末までに50回の開催を目指している。

自転車ツアーの舞台は札幌だけではない。北広島市は今季、市内を巡り、休憩時に地元産の菓子や軽食を提供する人気の自転車ツアー「ツール・ド・キタヒロ」の開催回数を昨季の2倍の4回に増やす。

また、本年度初めて3コースのマップを作り、観光地5カ所に駐輪場を新設した。今秋には千葉県で開かれる自転車の全国見本市にも出展し、「自転車を通じ自然の豊かさや札幌からの近さを知ってもらう」(市観光振興課)考えだ。

石狩市も今春、石狩灯台などを巡る12コースのマップをつくった。2018年春に厚田区で開業する道の駅には駐輪場を整備し、修理の工具なども貸し出す予定という。

既存の民間ツアー会社も好調だ。札幌市中央区の「サッポロアクティブナビゲーション」は昨年は約30組の自転車ツアーを実施したが、今年はそれを上回る勢いという。「札幌は空港に近い上に景観が良く、周辺にファームレストランも多い」と人気の高まりを分析する。(08/03 北海道新聞)


ガイド付きツアーは、特に日本の交通事情に慣れていない外国人にとっては、ありがたいサービスだと思います。爆買いで注目されたような訪日外国人は減っていますが、長期的に訪日客を増やす意味でも、自転車による観光インフラの整備には意味があると思います。



もう一つ、おまけ。話題になっていた動画を掲載しておきます。中国では政治体制の問題もあって、無数の監視カメラが仕掛けられており、よくその画像が話題になりますが、その一つです。中国の自転車泥棒、街路樹を切り倒してオートバイで持ち去るとは、なんとも豪快です(笑)。




連日嬉しいメダルラッシュが続いていますが、卓球女子団体の銅メダル、福原愛選手の涙にはグッときましたね。

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