サイクルロード 〜自転車への道

今日はクリスマス・イブです。

家族で過ごしたり、恋人とデートしたり、友だちとパーティーという人もあるでしょう。もちろん、お店に勤めている人など、仕事が大忙しという人もあれば、特に普段と変わらない人もあるでしょう。でも、大人はともかく、子供たちにとっては、待ちに待ったクリスマスに違いありません。

サンタクロースの来るのが楽しみだった子供の頃を懐かしく思い出す人もあるでしょう。そう言えば、サンタが来るのを夜通し待とうとしていたとか、結局寝てしまったけど、クリスマスの朝、欲しかったプレゼントが枕元にあるのを見て飛び上がって喜んだ、なんて思い出のある人も多いのではないでしょうか。

今はプレゼントを用意する側になって、子供の喜ぶ顔を見るのが楽しみという親御さんも多いことでしょう。子供の頃にクリスマスプレゼントをもらうのも嬉しかったけれど、プレゼントをするほうが、もっと楽しいと感じているかも知れません。

ただ、世の中には、プレゼントをもらえない子供たちもたくさんいます。自分のところにはサンタクロースが来た試しがない、来るはずがないと諦めている子供たちもいます。子供の望むようなものを買ってあげられない親たちがいるのも事実です。



アメリカ・アイダホ州のボイシという街では、毎年この時期に“Boise Bicycle Project”によるボランティア活動が行われています。もう１０年も続いているこの活動ですが、今年も大勢の子供たちに自転車や自転車用品などが贈られました。



地元コミュニティーからは、要請に応じて３日で３００台もの子供用自転車が集まり、修理やメンテナンスをして、きれいにされた上で、子供たちにプレゼントされました。このプロジェクトがなければ、自転車を手に入れられない子供たちも大勢いるのです。



プレゼントする側には、たくさんのボランティアの大人が参加しています。修理をしたり、子供たちに安全な乗り方を教えるなど、毎年参加している人も少なくありません。彼らは、自転車をもらった子供たちの、あふれるような笑顔と、瞳がキラキラと輝くのを見るのが何よりも楽しみなのです。





バージニア州・ヘンライコ郡の警察署の署員から、地元の子供たちにクリスマスプレゼントとして贈られるのは、５０台の新品の子供用自転車です。全て、ヘンライコ警察のアスレチック・リーグに寄付されました。署員たちは、子供たちを真新しい自転車で喜ばすために、この木曜日をあてました。





贈られる子供・５０人は、地域の学校や社会福祉事務所によって選ばれました。この子供たちは、これまで自転車をもらったことも、所有したこともない子供たちです。そして５０人のほぼ全てが、自転車を欲しいと願っていた子供たちです。子供の親たちも、その表情を見て喜び、とても感謝しています。



警察署の署員たちは、特に忙しいこの時期、わざわざ休日出勤や、超過勤務をするなどして、この日の時間をつくり出しました。もちろん、それには理由があります。大喜びして顔を輝かせる子供たちと同じくらい、大きな喜びを経験できるからなのです。



フロリダ州・ブレーデントンという街にある、“Gator Lounge”という店のマネージャー、Neicee Flint さんとその同僚たちは、お店のお客からの寄付のおかげで、今年は６７人の子供たちに、クリスマスプレゼントとして、子供用の自転車を贈ることが出来ました。





彼女も自分が子供の頃に、クリスマスの朝、ツリーの下に自転車があった時の驚きと嬉しさを覚えています。選ばれた６７人の子供とその家族は、お店のお客の中からではなく、お客からの情報なども参考にして、子供へのプレゼントが出来ずに困っている家族が選ばれました。





彼女が涙ぐんでいるのは、彼女たちの、この計画が実現したからだけではありません。プレゼントされた子供たちの笑顔と、それを見て家族が本当に喜ぶ様子、そして、店の駐車場から自転車を押して出ていく前に、みんなが彼女にハグをして感謝の気持ちを表してくれたことに感極まったからです。



子供の頃はともかく、今はクリスマスなんて関係ないという大人も多いかも知れません。でも、子供の頃のクリスマスが楽しかったことを覚えている人は多いはずです。それは親や、誰かほかの大人のおかげだったのでしょう。世の中の、一人でも多くの子供たちが、楽しいクリスマスの記憶を残せるといいなと思います。

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慌ただしい季節ですが、こういう時こそ安全には気をつけましょう。皆さん、良いクリスマスを。メリークリスマス！