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CES”は、コンシューマー・エレクトロニクス・ショーの頭文字をとったもので、今年は今月5日から8日まで、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで開催されていた見本市です。一般消費者向け民生機器の見本市として、世界最大規模のイベントです。一般的には、家電製品の見本市と呼ばれています。
実際に、このCESでデビューした製品を見てみると、レーザーディスク、CDプレーヤー、プラズマテレビ、HDTV、ブルーレイディスク、3Dテレビ、ゲーム機器など、今は廃れてしまったものも含めて、数々の家電製品が並んでいます。その時代の最先端として発表されてきました。
かつては、テレビのような、イメージ通りの家電製品のショーでした。しかし、近年はその主役が変遷してきています。スマホやタブレット、ウルトラブック、3Dプリンターといった製品が主役を務めるようになり、新技術や新分野に注目が集まるようになりました。
そして、今やその主役は、自動運転、AI(人工知能)、IoT、ドローン、eコマース、ロボット、ウェアラブル、ゲーム&VR(ヴァーチャル・リアリティ)、AR(拡張現実)、サイバーセキュリティといった、最新あるいは次世代と目される技術、新たな分野へと変わってきています。
もちろん、我々一般の消費者がイメージするような、今までの家電製品の延長線にあるような製品も数多く発表されています。しかし、これまでショーの主役だった家電メーカーだけではなく、世界的なクルマメーカーや、IT企業などが参加するようになり、その顔ぶれは大きく変わってきています。
いまや、世界の名だたるクルマメーカーは、モーターショーよりも、“CES”を重視しているのではないかと指摘する専門家もいます。自動運転を見据えて、クルマはもはやエレクトロニクス製品として、IT企業や、センサーやソフトウェアなどのテクノロジー企業と連携していくということなのでしょう。
ドローンやロボット、ウェアラブル機器などが新しい家電、これからの家電と言えば、そうなのかも知れません。これまで、テレビやAV、ゲーム機器などが家電というイメージだった人は多いと思いますが、今や、その枠を超え、自動運転のクルマやAI、ロボットなどが民生向けの製品の中心となっていくのでしょう。
どうしても次世代の技術、最新の分野に目が行きますが、もちろんそればかりではありません。従来のような身近な家電製品の改良や新提案もあります。あまり一般向けには報道されませんが、教育分野とか健康、フィットネスなどの分野、住宅関連といった分野の新製品の発表も、多数おこなわれたようです。
さて、その中には、自転車関連の製品もあります。上に挙げたようなものからすると地味ですが、自転車関連の製品にも、最近は電子化、電動化の波が押し寄せています。例えば、こちら“
Falco eDrive”という製品です。これは、手持ちの自転車を電動アシストにする製品です。
このキットは、ホイールを交換することで、普通の自転車を簡単に電動アシスト自転車、eバイクに出来るわけですが、それだけではありません。スタンドが付属しており、室内でペダルをこぐ、トレーナーにもなります。エアロバイクのように、フィットネス用機器としても使えるというわけです。
ロードバイクなどの、いわゆるスポーツバイクに乗っている人なら、愛車を室内で保管している人も多いでしょう。日本では、自転車を室内に保管すると言うと驚く人が多いですが、欧米で室内保管は目新しい話ではありません。室内でフィットネス機器としても使えるのはリーズナブルです。
室内で使う際には、走行をシミュレーションするアプリと連動させることが出来ます。ただペダルをこぐだけだと退屈ですが、これはトレーニングにモチベーションを提供します。このキットが負荷になるので、室内でペダリングすると、バッテリーに充電することになります。
走行中に充電させることも可能で、そのぶん電動での航続距離が伸びます。ブルートゥースでスマホと接続し、GPSや、ロックなどの操作をスマホのアプリから制御することも可能になっています。もちろん、出先で、このバッテリーを手持ちのスマホの充電に使ったりすることも出来ます。
このブログでは、このような製品をこれまで多数取り上げてきたので、読者の方は、とくに目新しいものではないでしょう。しかし、特別に自転車に興味があるわけではない一般の消費者にとっては、新しいカテゴリーの製品ということなると思います。
このキット、CES2017で発表され、今月いっぱいは予約価格として割安で売り出しています。CESで発表するということは、自転車用品と言うより、一種の家電として位置付け、健康やフィットネスに関心の高い一般の消費者をターゲットにしているのでしょう。
世界最大の家電見本市と呼ばれてきた“CES”は、従来の家電というイメージの枠を超え、自動運転のクルマからドローン、ロボット、AI、IoTにウェアラブルと広がっています。考えようによっては自転車も電子化が進み、ある意味、家電の一種のようになっていくのかも知れません。
今年最強の寒波が流れ込んで大雪の地域も多いようです。積雪のない地域でも、路面の凍結には注意ですね。
Posted by cycleroad at 13:00│
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