February 07, 2017

自転車ゴルフというスポーツ

ゴルフは人気のスポーツです。


私も頻繁にではありませんが、プレーをすることがあります。晴れた日に緑の映えるコースでプレーするのは、とても気持ちがいいですし、ゴルフならではの楽しさ、爽快感があります。スコアはともかく(笑)、仲間と和気あいあいとラウンドするのは楽しいものです。

比較的年配になっても出来ますし、他のスポーツはやらないけれど、ゴルフだけはやるというお父さんも少なくないでしょう。最近は松山選手などの活躍も話題になりますが、プロスポーツとしても、野球やサッカーなどと並んで人気があり、テレビなどでも取り上げられます。

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もちろん、世界的にも人気があるスポーツです。世界中でたくさんのゴルフ好きの人々がプレーをしています。アメリカ・フロリダ州に住む、Todd May さんも、そんな大勢のゴルファーの一人ですが、メイさんには、もう一つ大好きなスポーツがあります。それはサイクリングです。

どちらも大好きなので、スポーツに充てる時間をどう使うかが、いつも悩みの種でした。ラウンドしていると、自転車に乗る暇はなくなりますし、サイクリングに出かければ、ゴルフは出来ません。どちらにも情熱を傾けているメイさんにとっては、時間をどう振り分けるかが問題でした。

ある時、彼は画期的な方法を思いつきます。ゴルフとサイクリングを同時にやろうと考えたのです。つまり、自転車に乗りながらゴルフをしようというのです。メイさんは、マウンテンバイク乗りでもあったので、ゴルフ場のコースを自転車で走ることに違和感はありませんでした。

Golf BikeGolf Bike

そこで開発したのが、“Golf Bike”です。後ろの荷台部分に、ゴルフクラブを入れる専用バッグを取り付けました。ベースになる自転車は、比較的こぎ出しやすい小径車です。また、後ろにバッグがあるので、トップチューブを傾斜させて、またぎやすくしています。

タイヤは、ゴルフ場の芝の上でも走りやすいよう、太めのものになっています。これで、一般的な電動カートの代わりに自転車に乗ってラウンドするわけです。多少の工夫はあるものの、それほど特殊な仕様ではありません。誰でも考えつきそうなものですが、これまでなかったのが不思議です。

正確に言うと、私は過去にも、ゴルフ場で乗る自転車をネットで見かけたことがあります。しかし、それは手で引っ張るセルフカートの代わりに、トライクを使うというものでした。前2輪のトライクの前方に普通のゴルフバッグを載せ、カートの代わりに使うという発想でした。

Golf BikeGolf Bike

この“Golf Bike”はカートと言うより、ボールを打って、移動するために自転車を使うという発想が先にきています。一般的な乗用の電動カートに乗る代わりに、コースを自転車で移動しようというスタイルです。これならば、確かにゴルフとサイクリングの融合と言えるかも知れません。

メイさんにとっては、好きな2つのスポーツが同時に出来て一石二鳥であるとともに、“Golf Bike”は新しいプレースタイルでもあります。自分でペダルをこいで、アップダウンのあるコースを行くわけですから、乗用の電動カートに乗って回るより、運動になることは間違いありません。

Golf BikeGolf Bike

一般的な乗用の電動カートは、コースの縁に設置された舗装された道を移動します。地面の下に埋め込まれたレーンに沿って移動するだけです。ですから、乗用カートから降りて、クラブを何本か持って、ボールのある地点まで横に歩いて移動しなければなりません。

しかし、この“Golf Bike”なら、直接次の地点まで行くことが出来ます。しかも、歩いて行くより速いのは明らかです。つまり、このことによってラウンド時間が短縮されるというメリットも出てきます。プレーのスピドアップにもつながるわけです。

Golf BikeGolf Bike

コースやプレーヤーの腕によっても違いますが、一般的に、ハーフを回るのに2時間ほどかかります。これに対し、“Golf Bike”を使ってプレーすると90分ほどだと言います。のんびりプレーしたい人は別ですが、時間短縮をメリットに感じる人もあるでしょう。ゴルフ場にもメリットがあります。

東京などの場合、ゴルフ場は一般的に郊外にあるため、ゴルフをするにも往復に時間がとられ、1日がかりです。ただ、地域によっては、ゴルフ場までの距離が近いところもあります。例えば、朝一でハーフを回ってから、仕事に行くなんて人もいます。

Golf BikeGolf Bike

2時間かかるところを90分、あるいはもっと早く回れるならば、平日の朝などでもプレーする時間が作りやすくなるでしょう。仕事が終わった後、日没までにハーフ、あるいは1ラウンド出来てしまうかも知れません。ゴルフ好きには、時間短縮はメリットになりえるわけです。

この“Golf Bike”、2010年にプロトタイプが完成し、2013年にはアメリカのゴルフ用品の見本市、PGAショーでも発表されました。アメリカやカナダのゴルフ場の中には、このバイクを置くところも出てきているようです。あれば試してみたくなる人もいるでしょう。



冒頭で、日本でもゴルフは人気のスポーツだと書きました。しかし、実は日本のゴルフ人口は急速に減少しています。2001年に、年間1340万人もいたゴルフ人口ですが、2015年には720万人にまで減っています。今後は、団塊世代が高齢化してゴルフをやめていくため、さらに急速に減っていくと言われています。

ゴルフ場運営会社の経営破たんや閉鎖が増え、ゴルフ場の数も減っています。ゴルフ場やゴルフ用品業界は、大きな危機感を持っています。よく言われるように、「おじさん」のスポーツと見られがちなゴルフですが、若い世代を取り込む必要に迫られているわけです。

ゴルフ人口の急減少の背景には、最もゴルフをする世代だった団塊世代の高齢化の一方で、若年層のゴルフ離れがあります。若い人たちがゴルフをやらない、あるいは興味を示さなくなってきています。付き合いなどで、始める必要に迫られることも少なくなってきているのでしょう。

Golf BikeGolf Bike

ゴルフ独特の理由もあります。ゴルフを始めると、道具を揃えたりラウンドするのにお金がかかる、コースに出てプレーするまでに相応の練習が必要など、敷居が高いことが挙げられます。若年層のクルマ離れで、ゴルフ場へ行くのが不便ということもあるのでしょう。

若年層で、やったことのない人にしてみれば、「おじさん」のスポーツというイメージがあるのは否めません。ボールを打って、電動カートに乗って移動するだけで、そもそもスポーツとしての魅力が感じられないという人もあるに違いありません。やったことのない人には楽しさ、面白さはイメージ出来ないでしょう。

ゴルフ業界が危機感を募らせる、このゴルフ人口の減少問題について、何か意見を言おうというのではありません。名案もありません。ただ、この“Golf Bike”、やろうと思えば簡単に導入できるでしょうし、一つの試みとして検討の余地があるのではないかと思います。

Golf BikeGolf Bike

電動カートと比べれば、フェアウェイの芝への負荷もわずかで、特に工事も必要なく、投資額も少なくてすみます。もし“Golf Bike”の導入で、電動カートが置き換わるならば、相応の経費節減になるでしょう。上で書いたように、プレー時間の短縮で、回転率が上がって一日の受け入れ人数が増えるかも知れません。

ゴルフの下手な初心者にとっては、電動カートとボールがある地点との間をクラブを持って何回も往復するより、“Golf Bike”で全てのクラブが手元にあって、打球の落ちた地点まで直接行ける方が、プレーはラクかも知れません。疲労困ぱいして、悪い印象が残ることも少ないのではないでしょうか。

イメージ的にも、従来の「おじさん」のゴルフより、スポーツという印象を与えるかも知れません。新しいスタイルとして話題になったり、興味を示す若い人が出てくる可能性もあります。ゴルフと自転車を融合した、「自転車ゴルフ」という発想、案外面白いのではないでしょうか。




偶然のタイミングですが、松山英樹選手が日本人最多の米ツアー4勝目を上げています。まだまだ勝てそうです。

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