February 16, 2017

結果として安全を目指す作戦

交通安全のキャンペーンにはいろいろあります。


警察や自治体などは、少しでも交通事故による死傷者を減らそうと、さまざまな交通安全の啓発を行っています。多くの取り組みがありますが、自転車に乗る際、ヘルメットをかぶろうというのもその一つでしょう。ありふれていて、あまり目に入りませんが、ポスターやネットなどでも呼びかけています。

しかし、実際には、一部スポーツバイクに乗っている人を除いて、ほとんどの人が着用していません。オートバイと違って、法律で義務付けられていないのですから、当然と言えば当然なのでしょう。学校の規則で強制されている児童・学生は別として、日本でヘルメットの着用は一般的ではありません。

いざ事故になった場合、頭部への衝撃は致命傷となりますから、ヘルメットをかぶっていたほうが助かる可能性が高いのは、誰でもわかっています。クルマとの事故でなく、単独で転倒するような場合でも、深刻な怪我を防げるのも、言われなくてもわかっています。

実際問題として、それほど事故に遭遇する可能性は高いと感じておらず、ママチャリで走っている程度なら、あまりスピードも速くないので、日常で危ないと実感することが少ないということだと思います。わざわざヘルメットをかぶろうという気が起きない人が大多数でしょう。

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なかには、ヘルメット着用をうるさく呼び掛けるのは、そもそもドライバーの立場からのものだと反発する人もいます。いざ人身事故を起こした時のための備えとして、被害者のほうに、ヘルメットという防護策をとらせようという考え方は理不尽だという主張です。

加害者になるのは、いつもクルマのほうなのだから、クルマのほうに対策をさせるべきだというわけです。非力な人間に対策させるのではなく、クルマのほうに衝突回避システムとか、外側へ広がるエアバッグを装備させるべきであり、被害を受けるほうが自ら防御させられるばかりなのはおかしいという反感です。

しかし、自転車の側に過失がある場合もありますし、単独での衝突や転倒、自転車同士、対歩行者の事故もあります。結局、怪我をするのは自分であり、場合によっては回復出来ない被害を被るわけですから、防御策をとらされる筋合いはないという主張が正しいとしても、あまり意味はないでしょう。

結局のところ、万一、事故になった時のヘルメットの有用性は充分承知しているけれども、そのメリットが大きいとは思えないというところでしょうか。それより、髪型が乱れる、面倒くさい、かさばる、荷物になる、といった点が、より現実的ということでしょう。

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私は、ヘルメットをかぶりましょうなどと呼びかけるつもりはありません。法律で義務付けられていない以上、自己責任であり、個人が判断する問題です。自ら危険やリスクを感じて、かぶろうと思う人はかぶるでしょう。そう思わない人に、他人がとやかく言う話ではありません。

でも、中には、ヘルメットをかぶりたいと思ったのに、いいヘルメットが見つからなかったという人がいます。アメリカに住む、Lydia Callaghan さんです。彼女は、カリフォルニア州のパロアルトという街に引っ越したのを機会に、ヘルメットをかぶりたいと思いました。

太陽が燦々と輝くカリフォルニアです。自転車に乗る際、紫外線が顔に降り注ぐのを防ぎたいと思ったのです。もちろん、頭部の保護にもなりますが、日焼けをしたり、顔に紫外線によるシミが出来たりしないよう、サンバイザーのついたヘルメットが欲しいと思ったのです。

日焼けを避けたいと思うのは、日本人女性も同じでしょう。日本でも多くの女性が、ふだん日傘をさしたり、つばの大きい帽子をかぶったり、日焼け止めを塗ったり、なるべく日焼けしないよう、日に当たらないように努力しています。キャラハンさんがそう思うのは、決して珍しくありません。気持ちは、よくわかります。

The Bouclier VisorThe Bouclier Visor

しかし、顔を広範囲に覆ってくれるようなサンバイザー、あるいはフードのついたヘルメットは見つかりませんでした。街で売っている、どの自転車用ヘルメットも、日焼けを防ぐという用途には向いていない、あるいは理想的でなかったのです。

欧米人は、日本人に比べて、一般的に日光浴を好む人が多いと言われています。欧米へ行くと、リゾート地以外ても、日常的に近所の公園とかバルコニー、川べりなどで日光浴をしている人を見ます。日焼けして、小麦色の肌になりたいという白人が少なくないのです。

聞くところによれば、欧米人にとって日焼けは、一種のステイタスなのだそうです。長いバカンスがとれる人は日焼けしているので、言ってみれば、見栄を張るために日焼けをしたがる人も多いと言われています。もちろん、そればかりではないでしょうが、日本人より日焼け好きなようです。

ただ、欧米人と言ってもいろいろです。特に白人の場合、肌のメラニン色素が少ないため、もともと日焼けに弱く、小麦色というより真っ赤になってしまう人もいます。水ぶくれになってしまうなど、強い日差しは危険であり、日焼けを避けたい人も少なくないわけです。

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キャラハンさんは、お父さんを黒色腫という皮膚ガンで亡くしました。そのこともあって、日焼けをしたくなかったのです。もちろん、シミやそばかすの原因になりますし、お肌の老化にも直結します。日焼けによる肌へのダメージで、老けて見えてしまうのも避けたいところです。

腕や身体の外に出ている部分は服でカバーできます。もちろん日焼け止めを塗るのも手ですが、なるべく顔に直射日光を受けたくないと考えたのです。しかし、顔への直射日光を避けるという目的に適した自転車用ヘルメットは見つかりませんでした。

The Bouclier VisorThe Bouclier Visor

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そこで彼女は、自分で作ることにしました。ヘルメットそのものではなく、“The Bouclier Visor”、自転車用ヘルメットに装着して、日差しを防ぐ大きなサンバイザーです。市販されている、ほとんどどんなヘルメットにも装着できるように工夫しました。

これは、自転車に乗りたいのに、強い日差しが気になって乗れないという、世の女性たちには福音となる製品と言えるのではないでしょうか。もちろん、女性だけではなく、男性の中にも、いろいろな理由で日焼けをしたくないという人はいます。

The Bouclier Visor

日焼けしていると、どうしても遊びまわっているような印象を与えてしまうことがあります。それを避けたい営業マンとか、上司の手前、焼けたくない人もいるに違いありません。男性であっても、日焼けで肌がボロボロになったり、老化が進むのは避けたいでしょう。

必ずしも夏用とは限りません。強い日差しは夏だけのような気がしますが、実は春や秋でも紫外線は意外に強いと言います。肌へのダメージを避けるため、冬でも対策をしているという女性も多いのではないでしょうか。その意味では、一年を通して使いたいバイザーです。

The Bouclier Visor

日差しを防ぐ目的であれば、ヘルメットではなく、普通の帽子に取り付けることも考えられます。しかし、帽子だと風で飛びやすく、さらにバイザーを取り付けることを考えると、向いているとは言えません。取り付ける部分がしっかりしていないと、風で煽られたり、形状が安定しないということもありそうです。

ヘルメットに取り付けるならば、安定した形状を保て、走行しても風で飛びません。オートバイに似たようなバイザーのついたヘルメットがありますが、時速数十キロで走行しても、煽られたり、形が歪んだりしません。やはり素材の柔らかい帽子よりヘルメットのほうがベターと言えるでしょう。



The Bouclier VisorThe Bouclier Visor

さて、冒頭の話題に戻りますが、日差しを効果的に遮るヘルメットがあったら、日本でも欲しいと思う女性は少なくないのではないでしょうか。男性は、そこまでしてUVケアをするか怪しい部分はありますが、少なくとも女性の日焼け、日差しに対する忌避感は、男性が考える以上のものがあります。

つまり、安全のためにヘルメットをかぶりましょうというキャンペーンでは、誰もかぶりませんが、UVケアに最適なヘルメットということなら、ママチャリに乗る人の中でも、かぶる人が結構出てくるかも知れません。結果的に頭部の保護も出来るわけで、UVカットを啓発するのは一つの手だと思います。

最近は、若い世代を中心に、お肌に気を配る男性も増えてきています。安全には無頓着ても、お肌の状態は気にする人なら、かぶる可能性があります。安全を訴えても、ほとんど効果がないのですから、お肌のケアを前面に打ち出す作戦、やってみる価値はあるのではないでしょうか。




北朝鮮の金正恩労働党委員長の異母兄、金正男氏が暗殺されたようです。これは何を示すものなのでしょうか。

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