楽曲のカバーやスポーツのカバーリングの話ではなく、覆ったり、包んだりするほうのカバーです。布団カバーとか枕カバー、ブックカバー、おむつカバーなど、生活の中で当たり前のように使っている「カバー」は身の回りにたくさんあります。
街に出れば、スマホにカバーをつけている人も見ます。タブレットやノートパソコンなどの機器に、保護するためのカバーをつけて持ち歩く人もいます。落下や衝撃に弱い精密機器ですし、傷がつけば画面が見づらくなったりするので、カバーは一定の役割を果たすでしょう。

趣味の道具は高価なものも多いので、カバーをつけるという人も少なくないと思います。ゴルフクラブをキャリーバッグに入れるだけでなく、それぞれのヘッドにカバーをつける人もいます。そのほか、スポーツや趣味の道具で高価なものには、保護のためのカバーをしている人もあるでしょう。
傷つくと価値が下がるため、趣味で収集しているものにカバーをする人もいます。私はあまり詳しくないのですが、何かのキャラクターのアクリルのキーホルダーの保護用カバーとか、缶バッジの保護用のカバーといったアイテムも、いろいろ市販されているようです。

中には、旅行用のスーツケースに保護カバーを取り付ける人もいます。スーツケース自体が、中の荷物の保護でもあると思いますが、そのスーツケースの傷や汚れを防ぐためのケースも売られています。空港などで乱暴に扱われることもありますから、傷を防ぎたい人もあるのでしょう。
少し目的が違う、枕カバーなどは別として、それが何であれ、大切にしたい、傷をつけたくない、壊れるのを防ぎたいといった理由で、カバーをつけることは珍しくありません。ましてや、そのものが高価なもの、愛用品であれば、なおさらでしょう。

では、なぜ高価な自転車のためのカバーがないのだろうかと考えた人がいます。もちろん、屋外で使うものですから汚れたり傷がついたりすることは防げません。落車したりすれば、傷がつくこともあります。カバーをしても意味がない気もしますが、運搬や保管の際などに保護したいこともあるでしょう。
もちろん、輪行用のバッグや、傷からの保護にも有効な、ハードケースの輪行バッグなどもあることはあります。しかし、いちいち自転車を分解してケースにしまうのは面倒です。輪行する際ならともかく、ちょっとした運搬のため、そのたびにケースに収納していられません。
ヨーロッパなどでは、自転車をそのまま載せられる電車や、キャリアがついていて、そのまま積んでくれるバスなどもあります。その場合はいちいちバッグに収納しません。逆に収納するとラックには積めないでしょう。そのままの状態で自転車を運ぶことになります。
自分のクルマのキャリアに積んで出かけ、着いた先から走り出す人もいます。他の多くの自転車と密着させて駐輪せざるを得ないケースもあるでしょう。レースやイベントなどで、まとめてトラックで運んでもらうようなこともあるかも知れません。


そのような、ちょっとした運搬などの際に保護する手段がないことに不満を感じたのが、イギリスはロンドン在住の、Matt Franks さんです。走行中など、使っていて傷がつくのは仕方がないとしても、運搬などの際に傷がつくのは不本意であり、出来れば保護したいと思ったのです。
そこで開発したのが、“
BIKE BLANKET”です。フレームとフォーク、ディレイラー、チェーンリングあたりを保護することが出来る、柔らかいプロテクターです。これによって、どこかにぶつけたり、運搬中に自転車ラックとこすれたり、他車とぶつかり合って傷がついたりすることを防ぐことが出来ます。


輪行バッグに入れるのと違い、タイヤを外す必要はありません。そのままの状態で、60秒もあれば装着できる手軽さも大きな特徴です。さらにこのブランケット、たためば小さくなって場所をとりません。ジャージのポケットに入れて、そのまま走り出すことも可能です。
タイヤまで全部保護する必要はないわけで、シンプルで必要十分なカバーと言えるでしょう。ひどい衝撃が加われば防げないとしても、緩衝材の役割を果たし、ちょっとした傷からの保護には充分有効と思われます。これを必要と思うかどうかは別として、なるほど、このような発想はありませんでした。

これを装着しておけば、ちょっとした不注意や、不本意な理由によるフレームの傷を防ぐことが出来るでしょう。生地の薄い、普通の輪行バッグに入れる際につけておけばクッション、緩衝材としても機能すると思います。手軽で、簡単に装着できる愛車のプロテクターです。
自宅で室内保管する際にも、このブランケットをつけたままにしておいてもいいでしょう。何かをぶつけて傷がつくことを防ぐだけでなく、何かのはずみでディレイラーやチェーンリングあたりを触ってしまうことも防げます。これは、意外に便利かも知れません。
何かにカバーをつけるか、つけないかは人それぞれです。わざわざカバーなんて不要と考える人もいれば、カバーをしておけば、安心して扱いやすくなると考える人もいます。巷には、さまざまなもののカバーが売られていますが、まだまだカバーされていない分野があるかも知れません。
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Posted by cycleroad at 13:00│
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