このブログでも、たびたび取り上げていますかが、最近はIT技術などを使った自転車用品がいろいろ登場しています。一方で、昔からあまり変わっていないものもあります。例えばヘルメットは、デザインこそ多少変化しますが、その用途や機能は変わっていません。
今後も頭部の保護というヘルメットの目的は変わらないでしょう。しかし、ヘルメットも今後、変わっていく可能性があります。身の回りにあるIT技術などを使った製品と比べれば、その進化はゆっくりでしょう。でも、サイクリストのニーズや不満に応えるべく、その商品性も向上していくに違いありません。
例えば、
こちらのヘルメット、最新の素材技術を使った多方向の衝撃保護システムを備えており、保護性能を向上させただけでなく、コンピュータによる設計で、その通気性を構造的に改善しています。蒸れるという大きな不満に応え、あらゆる天候に対応し、使う人の快適性を高めるべくデザインされています。
本体にバイザーシールドが組み込まれており、着用者の目を太陽、風、雨、雪などの要素から保護します。遮蔽レンズを備えたタイプもあります。また、よりフィット感を高めるための設計も採用されており、これによってもヘルメット本来の保護性能を向上させています。いわば、正当な進化です。
転倒や衝突などで衝撃が加わった時、いかに乗り手の頭部を保護するかが一番大事な部分です。しかし、同時に他の面での安全性も提供できればベターです。例えば、前回とも関連しますが、夜間の視認性の向上です。必ずしもヘルメットに求められる性能ではありませんが、保護という観点は一緒です。
事故を未然に防げるとしたら、大きなメリットです。例えば、夜間の視認性、安全性を高めるために、ストップランプと
ウィンカーを後部に組み込んだヘルメットは、もはや珍しい考えとは言えないでしょう。最近は、LEDや充電池の進歩のおかげで、こうしたシステムを組み込んでも、軽さやコストが犠牲になりません。
ヘッドランプやウィンカー、ストップランプを取り付けることも可能ですが、これらを最初から
ヘルメットと一体化させてしまおうと考える人もいます。そのほうがスマートですし、突起物がなく、軽量化の点でも有利になるでしょう。将来は、光るのが当たり前になるかも知れません。
最近世界各地で導入されている、自転車シェアリングでのニーズを念頭に開発を考えている人もいます。ヘルメットにLEDを使ったイルミネーションを組み込んでいます。かなり派手ですが、夜間の視認性は大きく向上し、ユーザーの安全に役立つのは間違いないでしょう。
さらに、組み込んだイルミネーションを使って、光によるナビゲーションの導入も構想しています。シェアバイク用を想定しているので、例えば、返却ステーションがある場所へ誘導してくれれば便利でしょう。シェア自転車用となると、光るだけでは不足でしょうが、今後のニーズが変わってくる可能性はありそうです。
もっと違う方向への進化も考えられます。こちらは、言わば
ブラックボックス・ヘルメットです。航空機にフライトレコーダーやボイスレコーダーが搭載されていますが、それらを合わせて収納しておくのがブラックボックスです。このヘルメットは自転車用のブラックボックスというわけです。
つまり、不幸にも事故が発生してしまった時、事故の情報を提供するのです。まず、ライダーを救命するため、事故の発生を通報します。事故の相手が逃走したりした時、事故のダメージによって、乗り手が自分で通報することが不可能な場合に大きな効果を発揮するでしょう。
さらに、どのような衝撃がどちらから加わったなどというデータも提供します。これは治療に役立つ可能性があります。これらの機能のため、加速度計や記録装置、スピーカー、マイク、通信などのスマホの機能が搭載されているのです。通報装置と、ブラックボックスでもあるヘルメットです。
最近は、音楽プレーヤーを携行し、自転車に乗りながら音楽を聴いている人が少なくありません。しかし、国によっては法律違反ですし、イヤホンやヘッドフォンで耳をふさぐのは、周囲の音を遮断するため危険です。しかし、聴きながら走行する人が絶えないのが実情でしょう。
こちらの
ヘルメットは、骨伝導モジュールを搭載し、あらゆる楽曲を高周波振動に変換することが出来ます。つまり、耳をふさぐことなく音楽が聴けるわけです。降車後はヘッドフォンにもなります。注意散漫になるので、本当は聴かないほうがベターですが、イヤホンよりは安全です。実情に合わせた対応策とも言えるでしょう。
こうして見てくると、ヘルメットは、いろいろな機能を提供できる可能性があります。付加価値をつけ、さまざまな役割を持たせられることがわかります。自転車本体に取り付ける用品と違って、サイクリストの身体に直接、接している用品ならではの機能を持たせることも可能でしょう。
さらに、過去に取り上げましたが、ヘルメットにVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の機能を持たせるため、ヘッドマウントディスプレイを搭載した製品も開発されています。ナビゲーションシステムなどと組み合わせれば、ユーザーにいろいろなサービスを提供することが可能になります。
当然ながら、IoTの波は自転車用品にも押し寄せ、ネットにつながるようになっていくのは間違いないでしょう。自転車で走行中のネット接続のインターフェースは、ヘルメットに搭載されるのが有力です。そう考えると今後、機能を拡張し、大きく進化していくのは、案外ヘルメットなのかも知れません。
コミー前長官の証言で即弾劾ということではないようですが、ロシアゲート疑惑がますます深まった感じですね。