いまや、インターネットは欠かせない社会インフラですし、屋外でスマホなどを使うのも当たり前になっています。ライン、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどのSNSも生活に密着したものとなっており、常にネットにアクセスし、つながった状態が普通になっている人も多いはずです。
少し前までは、なかったことであり、大きな変化と言えるでしょう。IT技術の進歩と急速な普及により、生活の中に深く取り込まれた形になっています。このことは、自転車に乗るスタイルにも影響を与えています。すなわち、スマホを使いながら自転車に乗る人の問題です。
この行為自体は道交法違反であり、危険です。周囲の人にも甚だ迷惑であり、絶対にやめるべきです。しかし、そうは言っても、スマホ等を使いながら自転車に乗っている人を見かけるのは日常茶飯事となっており、常態化してしまっています。
自転車スマホをやめさせる為の啓発活動なども行われていますが、なかなか効果を上げていません。技術的には移動中にスマホを使わせないことも可能だと思いますが、業界にとっては、せっかくの利便性を減じる形になるわけで、なかなか自主的な規制も難しいのでしょう。
自転車に乗っている間くらい、やめてもいいと思いますが、スマホを使いたいという気持ちも理解できないわけではありません。歩いていても、いわゆる歩きスマホをしている人は多いですし、もはや、移動しながらのスマホに違和感はなく、当たり前のような感覚になっている人も多いのでしょう。

自転車に乗る環境という点で、かつて無かった状況ですが、危険防止のためには、スマホを使いたいというニーズと安全の両立を考えていかなければならないのかも知れません。今後、そのためのツール、自転車用のアクセサリーなども開発されていくと思われます。
スマホだけでなく、ナビゲーション、携帯音楽プレーヤー、GPSロガー、動画撮影用カメラ、盗難防止・追跡端末、エマージェンシー通報システムなど、新しいデジタルグッズの進化にも急なものがあります。今後もIoTやAI、VRなどに関連した機器が、続々と登場してくることが想定されます。
自転車本体に直接組み込んだり、ハンドルバー回りに取り付けて使うためのアクセサリーなども発売されることでしょう。個人的に思うのは、今後、デジタル機器との接点として、ヘルメットの活用が注目されていくのではないかという気がします。
もちろん、日本だけを考えるならば、ヘルメットを着用している人の割合が少ないため、必ずしもそうはならないでしょう。しかしながら、目で見て確認したり、耳で聞いたりするなど、ネットに接続する方法、いわゆる、マン・マシンインターフェイスという面から考えると、ハンドルマウントより大きな可能性があります。

これまでにも未来を先取りするようなヘルメットの開発事例を、たびたび取り上げてきました。自転車に乗りながら、ネットに接続する環境を実現するもの以外にも、さまざまな用途のためのものがあり、その形状、スタイルは、いろいろでした。
今後も、現在の技術に加え、今後普及していく新しい技術も加え、対応したヘルメットが、またいろいろ考案されていくものと思われます。しかし、当然のことながら、そのような新しいコンセプトのヘルメットが、日本以外であっても、そう簡単に普及するわけではありません。
機能、使い勝手、価格、その他もろもろの条件によるでしょう。デジタル機器を使うのに便利と支持を得て、誰もが使う新たな定番となるようなヘルメットを商品化するのは簡単ではないはずです。大きさ、重さ、キャパシティーが限られているという制約もあります。
ニーズは多方面に広がっています。音楽を聴きたいだけの人から、走行中に友人とコンタクトしたい人、動画をSNSにアップしたい人、詳細なナビゲーションが欲しい人、さまざまな情報をリアルタイムで取得したい人など、必要とされる機能は広がる一方です。

その時によって、欲しい機能、ニーズが違ってくることも考えられます。一つ一つの機能を実現するため、それぞれヘルメットを買うのもナンセンスでしょう。途中でヘルメットを取り換えるというのも現実的ではありません。そのあたりも普及の障壁になると思われます。
そうなると、私のような素人でも考え付くのが、着脱式、パーツ交換式のヘルメットです。必要に応じて、パーツを交換し、自分用にアレンジできるヘルメットがあれば便利でしょう。個々のパーツ、機能を後から追加することも簡単になります。
つまり、今後ニーズが増すであろうデジタルグッズ、モバイル環境に対応するため、そのベースとなるヘルメットが必要なのではないかと思います。言ってみれば、これからのデジタル用、IoT時代のプラットホームを提供するヘルメットです。
文章だけではわかりにくいので、ある動画を載せておこうと思います。これは、自転車用のヘルメットではありません。作業用のヘルメットので、全く違いますが、必要に応じて、必要なパーツを着脱できるヘルメットです。自転車用で、このようなプラットホームとなるヘルメットがあったら面白いのではないでしょうか。
デジタルパーツだけでなく、ライトを取り付ければ、視線の方向を照らすことも出来るでしょう。もちろん、バイザーを取り付けて、ゴミや虫が目に入るのを防いだり、サンバイザーでまぶしさを遮るといった、アナログなパーツを取り付けることも考えられます。
そして、AR(拡張現実)を使って情報を表示するヘッドアップディスプレイを装着したり、周囲の音を遮らない、骨伝導式スピーカーを搭載したり、手を使わずに操作できて、情報の取得やコンタクトがとれるネット接続インターフェイスなどが、必要に応じて使えたら便利になるに違いありません。
便利で、ラクで、しかも安全であれば、これからの時代、自転車に乗るのに必須のデジタル・プラットホームとして、新たなヘルメットが普及する可能性があるような気がします。もちろん、イザという時の頭部の保護にも有効です。そんなヘルメットの登場を期待したいものです。
衆議院が解散、希望の党誕生、民進党合流と、目まぐるしく政治の世界が動いています。今後が注目されます。
Posted by cycleroad at 13:00│
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