January 09, 2018

自転車への注目と関心の拡大

日本列島に寒波が到来しています。


今シーズン一番の強い寒気が西日本も含めて流れ込んでおり、関東以外は寒くなっています。今週は北日本を中心に、大荒れの天気が予想されています。さて、そんな折りですが、年末年始の自転車に関連するニュースのなかから、いくつかピックアップしておきたいと思います。


スマホを手に自転車運転 今年警告1万1602件

今年、スマホなど携帯電話を使いながら自転車を運転したとして県警が警告したのは一万一千六百二件(十一月時点)に上る。スマホの普及を背景に警告数は増え、二〇一四年に九千百七十三件だったのが昨年は一万一千四百五十五件に。スマホなどにイヤホンを差して使っていた警告数も一四年の九千九百四十四件から今年(同)は二万一千二百四件と大幅に増えている。

携帯電話を使用しながらの自転車の運転は道交法違反に当たり、五万円以下の罰金。県警は違反者を見つけるとまずは警告し、従わない場合は交通切符を切る。県警は「事故を起こせば自動車と同じように責任を問われる。絶対にやめてほしい」と呼び掛けている。(2017年12月15日 東京新聞)


スマホをしながら自転車に乗る人に対する警察の警告が大幅に増えているようです。昨年も死亡事故が報じられましたが、自分が加害者になるリスクについては、まだまだ危機感が薄く、平気でやっている人は多いのでしょう。警察が取締りが追いつかないほどに広がっているように感じます。

事故が起きれば一時的に注目されるものの、もはや常態化しています。歩きスマホも普通になっているため、その延長でやってしまうのかも知れません。これは憂慮すべき状態であり、今後さらに問題が顕在化していきそうです。不幸な事故が起きてからでは遅いわけで、何とか人々の認識を変えさせる手はないものでしょうか。


市場が拡大し、 細分化進む電動アシスト自転車

シニア、通学、スポーツタイプ

電動アシスト電動アシスト自転車というと、「子乗せのママチャリ」と思う人は多いのではないだろうか。実際、都市部では保育園や幼稚園の送迎時に子乗せの電動アシスト自転車を多く見かける。

しかし今、電動アシスト自転車のカテゴリーは細分化しつつ、市場を拡大している。2010年に33万台ほどだった電動アシスト自転車の生産台数は、2016年には55万台近くにまで増えた(自転車産業振興会調べ)。

そして2017年上半期も電動アシスト自転車の販売は台数、金額ともに前年から1割ほど増加しているという(GfK ジャパン調べ) 。(以下略 日経トレンディ 2017年12月12日)


少し前までは、ママチャリ型の電動アシスト自転車がほとんどだったと思いますが、確かに最近は多様なモデルが販売されているようです。子育て中の母親が中心だった顧客層も広がり、男性や中高生にも広がっています。一部、スポーツバイクにも波及しつつあります。

自転車は上り坂が難点だと思っている人は多いはずです。その欠点が解消されるメリットは大きいでしょう。東京なども、意外に坂が多いですから、電動アシストは今後も増加していきそうです。同時に、その利用の拡大は、自転車全般の、より一層の活用拡大にも大きく貢献していくでしょう。


隠れて「自転車通勤」で事故、労災はおりるか

「定期代の不正受給」ならば解雇のリスクも

自転車通勤身近な乗り物として、幼児から高齢者まで幅広く利用されている自転車。近年はファッション性の高いデザインや、スポーツタイプの高性能モデルなどバリエーションも増えています。健康増進や省資源、交通渋滞緩和などの理由から、通勤に利用している方もいます。

ある会社では、自宅から職場までの自転車通勤を認め、通勤手当を支給しない代わりに、会社近くにある駐輪場の月額使用料を支給しています。このように、自転車通勤を容認している企業もある一方、禁止している企業もありますが、そもそも会社が社員の自転車通勤を禁止することは許されるのでしょうか?(以下略 2018年01月04日 東洋経済)


少し前まで、自転車通勤とは最寄り駅までのことであり、職場まで自転車通勤する人は、よほどの変わり者か、自転車オタクに見られていました。一般的な人の常識の範疇になく、白い目で見られるか、信じられないと呆れられるのが普通だったのではないでしょうか。

それが、近年はぐんと認知度が高まり、このように経済紙にまで取り上げられるようになっています。昔から通勤していた人には、隔世の感があるでしょう。やってみればわかりますが、東京のような都市部の通勤において、自転車通勤はとてもリーズナブルです。

自転車イベントふだん電車の経路沿いに移動しているとわかりませんが、電車に乗る距離でも、意外に近いことが実感できるはずです。乗り換えが必要な経路の場合、よっぽど速かったりします。もちろんクルマで渋滞にはまるより速いですし、健康増進にもなります。朝から運動することで、仕事の能率が上がると感じる人も多いようです。

そう考えると、もっと職場までの自転車通勤が増えてもいいと思いますし、まだまだポテンシャルを秘めていると思います。自転車通勤を含め、都市部の移動に、もっと自転車が使われてもいいはずです。そのためにも、自転車レーンなどのインフラの整備をもっと進めるべきでしょう。

小池東京都知事は、公約で、「満員電車ゼロ」を掲げています。その方法として、通勤電車を総2階建て車両にするなどのアイディアを披露しています。しかし、駅の改良や乗降りの時間、車両の更新など、課題は多く、そう簡単なことではないでしょう。少なくとも素人には、そう見えます。

それより、自転車インフラを充実させ、自転車通勤を増やすことのほうが、より現実的な方法に思えます。もちろん、それだけで満員電車ゼロにはならないでしょうが、自転車で通勤のメリットとして、満員電車の苦痛から逃れられることを挙げる人は少なくありません。

小池都知事の公約の、「電柱ゼロ」と併せて推進すれば、自転車レーンの余地も得られやすいはずです。いまだに、クルマのレーンを減らすことへの抵抗が大きいようですが、都市部は慢性的な渋滞で、クルマでの移動の合理性は失われています。世界的にも、自転車の活用が趨勢となっていることを意識してほしいと思います。


自転車保険加入するならどれ?「自転車保険」徹底比較

クルマなどに追突されることで被害者になることもある一方、歩行者と接触してしまった場合などは加害者になる危険性も持つ自転車。

ルールやマナーを守って走ることが最も重要だが、万が一トラブルを起こしてしまい、被害者もしくは加害者になったときの助けになる自転車保険がいま注目されている。

(以下略 2018.01.06 @DIME )


自転車保険に関しても、各社から発売されるようになり、注目が高まっています。事故で死傷させ、多額の損害賠償責任を負う可能性は十分あるわけで、その点はクルマと変わりません。それがクルマでいう自賠責保険すらなかったのは、考えてみればおかしな話と言えるでしょう。

自転車保険に関する話題は、これまでも再三取り上げてきましたが、加入を前提に、それぞれの保険を比較する記事が出て来るようになりました。保険以外にも、共済やTSマークに付帯されたものなど、安く加入できるものもあります。後悔する前に検討すべきではないでしょうか。


おんぶ自転車「超危険」判定 転倒の衝撃、恐ろしい数値

おんぶ自転車子どもの事故予防に取り組む小児科医や研究者のグループが、赤ちゃんをおんぶした状態で自転車ごと倒れた時に赤ちゃんが頭にどれだけのけがを負うかを調べる実験をしました。

結果は、骨折するとされる衝撃の基準値の最大約17倍という「超危険」判定。一方、様々な理由で「おんぶ自転車」に頼らざるを得ない保護者もいます。どう安全を確保すればいいのでしょうか。(以下略 2017年12月27日 朝日新聞)


赤ちゃんをおんぶして乗るお母さんは少なくないと思います。そして、その危険性について知らない、自覚していない母親がほとんどでしょう。子供を2人乗せる場合に、1人をチャイルドシート、1人をおんぶというスタイルの人もあると思います。

転倒することは想定していないのだろうと思いますが、事故でなくても転倒の危険はつきまといます。例えば、交差点などでの出会い頭で、衝突を避けて転ぶなどのケースは十分考えられます。子供を背負っているぶん、不安定で転倒しやすいことも考慮すべきです。

そして、いざ転倒したら、その被害は甚大となる危険性が高いという警告です。自転車からの落下もふくめ、事故は起きています。こうした実験などの記事は、地味で注目されることは少ないと思います。忙しい母親の目にとまることも少ないでしょう。周囲に子育て中の母親がいたら、是非アドバイスしてほしいものです。


自転車シェアサービス 中国大手が福岡市で始動

自転車シェア自転車シェアサービスを手掛ける中国大手「Mobike(モバイク)」の日本法人は福岡市で試験的にサービスを始めた。国内では札幌市に続き2カ所目の導入で来年以後、各地で本格的な事業展開を目指す。

22日から福岡市内の大型商業施設1カ所に約100台を設置した。福岡市で開いた発表会で、木下昇ゼネラルマネジャーは「外国人観光客が増えている福岡で、誰でも簡単に利用できる移動手段を提供したい」と語った。

自転車シェアはスマートフォンのアプリを通じ、支払いや鍵の解除をする仕組みで、専用駐輪場ならどこでも乗り降りできる。今後、市中心部にも駐輪場を増やして利用できる範囲を拡大し、来年12月までに約1千台に増やす計画。使用料は30分で50円。

Mobikeは2016(平成28)年4月に中国でサービスを開始し、シンガポールや英国でも事業を拡大している。日本では無料通信アプリのLINE(ライン)と提携したサービスを来年から始める予定。(2017.12.24 産経ビズ)



ドコモバイクシェアと自転車NAVITIME、アプリ連携を開始

阪神電気鉄道グループ、関西で初めて自転車シェアリングサービスを導入

シェアサイクルの波に乗れ 自転車創業、観光サイト拡充

バイクシェアリング企業が放置自転車を回収しないのは、費用が高くつくから

LINE、自転車シェアサービス「モバイク」と提携、2018年前半にアプリ連携へ

電子部品のベルニクス、電動自転車シェア展開

なぜシェア自転車は東京で流行らないのか

DMMが一転、シェア自転車参入を「やめた」理由

自動車急減で都市の基本設計を見直しも…自転車シェアリング普及の衝撃


自転車シェアリングについての記事も増えてきました。札幌に次いで、福岡でも事業が始まるようです。ヨーロッパで始まった時には、日本ではあまり関心が高まりませんでしたが、一昨年あたりから中国で急速に拡大してからは、日本でも大きく報じられるようになり、自転車シェアリングの認知度も上がっています。

ただ、事業を展開する事業者ですら、レンタサイクルとの違いがわかっているのだろうかと首を傾げたくなるところが少なくありません。これまでも、実証実験などと称して、さかんに試験導入が行われては、いつの間にか自然消滅したサービスも少なくありません。

ウーバーやエアビーアンドピーなど、いわゆるシェアリングエコノミーの拡大によって、自転車シェアリングへの注目が高まった面もあるでしょう。中国の大手は、世界的にも展開を始めているため、シェアリングエコノミーとしての自転車について、経済面からも注目されているようです。

小豆島しかし、日本に中国企業が上陸したり、いろいろな異業種が参入したとしても、日本でもシェア自転車が広がっていくとは限らないと思います。ある程度は増えて、利用されるでしょうが、広く一般的な移動手段として定着していくかは予断を許さないと思います。

いくら都市部にコンビニが多いとは言っても、たかが知れています。一つのチェーンならなおさらです。100メートルごとにあるわけではありません。ビルなど敷地に乏しいところも多いです。そのコンビニの店頭に数台置かれたとしても、果たして便利な交通手段としての役割を果たすか疑問です。

中には、借りて便利に使う人はいるでしょう。しかし、都市交通、インフラとして機能するかは別の話です。貸出箇所や台数が少なければ、利便性は上がらず、利用回数が上がらないでしょう。貸出単価は安く、回収や再配置などにコストもかかります。

自転車シェアリングそのものだけでは採算は難しく、ビックデータの収集は、利用者が広がらなければ、意味が出てきません。今のような状態で、日本の都市で自転車シェアリングが広く使われるようになり、データの収集や、それを利用したマーケティングなどへと拡大していくかには懐疑的にならざるを得ません。

ライドシェアや民泊と同じです。日本ではウーバーが事業展開できていませんし、民泊も始まったばかりで課題を抱えています。これらの事業は、タクシー業者や既存の旅館ホテルとの競合が避けられません。安全の問題や、周辺の民家とのトラブルなど、構造的な問題も抱えています。

ライドシェアや民泊と違って、自転車シェアリングの場合、ごく小規模なサービスがこれまでも行われてきましたし、問題となる競合団体もなく、すぐにでも展開できそうに思えます。日本は自転車に乗る人も多いので、ニーズの点でも問題ないように思えるのも確かでしょう。

しかし、このまま状態では、規模が限られ、利便性が上がらないという根本的な問題を解決できない恐れがあります。おそらく、自転車シェアリングも、ライドシェアや民泊と同じように、規制緩和等が必要だと思います。もっと、利便性の高い移動手段として稼働させるための環境を整備する必要があるように思えます。

日本では、大企業も参入していますが、事業規模は小さ過ぎます。各社のサービスが乱立し、相互に乗り入れするわけでもありません。今のように、各社バラバラで、結果として小規模で、利便性の低いサービス展開では、定着は期待薄です。シェア自転車の有用性の理解も進まないでしょう。

例えば東京のような都市で、たくさんの地下鉄業者が別々にあって、相互に接続していなかったらどうでしょう。いちいち降車して、駅を探して乗り換えを強いられたのでは非常に不便です。業者の別に関係なく、どこでも借りられて、どこでも返せなくては、便利に使えません。

世界の自転車シェアリングの導入においては、ロンドンのボリス・ジョンソン市長(当時)やニューヨークのルドルフ・ジュリアーニ市長(当時)、パリのベルトラン・ドラノエ市長(当時)といった政治家のイニシアティブが大きく、行政も規制を見直し、大規模なサービス、交通インフラとして導入されました。

日本のような規模、考え方では、成功は期待できそうにありません。便利さに欠けるため、人々の期待も理解も広がらないと思います。行政や政治を巻き込み、交通インフラとして、規模のメリットが生かせるサービスにならないと難しいと、私は思います。日本では、まだまだ黎明期であり、今後の変化を期待したいと思います。


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相変わらず、全国各地の自転車振興策などのニュースが届いています。インバウンドの拡大や東京五輪へ向けた取り組みも含め、今後も広がっていきそうです。2018年も、昨年までと同様、あるいはそれ以上に自転車に関連したニュースのボリュームが増えていきそうです。




暴露本の発売、タワーの火事、ロシア疑惑で直接聴取の噂など、早々からトランプ大統領は多難のようですね。

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