February 17, 2018

無駄を省けば得るものは多い

未来の道路交通はどのようになっていくのでしょうか。


クルマは今、大きな変革期を迎えていると言われます。電気自動車、EVに置き換わっていくと見られていますし、自動運転が実現し、人間が運転しなくても済むようになると目されています。カーシェアリングやライドシェアもクルマの所有や乗り方を大きく変えていくかも知れません。

確かに、自動運転になって、何もしなくても目的地まで連れて行ってくれるのならばラクです。EVになって、排気ガスを排出しなくなれば、空気もクリーンになります。カーシェアリングやライドシェアによって、クルマの使い方も変わってくる可能性があるでしょう。

このようなソリューションによって、現代社会の抱える課題は好転すると見込まれます。しかし、一部の課題の改善は期待できるとしても、全てが解消するわけではありません。依然として残る問題もあって、当然ながら、バラ色の未来が開けるわけではないでしょう。

Minimum Parking

EVになれば直接は排出しませんが、温暖化ガスの削減については、動力となる電気を発電する際の方法によります。トータルで見れば、かならずしも環境負荷が低くなるとは言えません。自動運転になって、AIが経路の判断をするようになったとしても、渋滞がなくなるわけではありません。

カーシェアリングやライドシェアの割合が高まれば、駐車中や非稼働のクルマは減るかも知れませんが、交通量を大幅に減らすものではないでしょう。いくらAIが最適な経路を判断してくれたとしても、道路の許容量以上に交通量が多ければ、やはり渋滞はおこります。

space in cities

技術の進歩や、シェアリングエコノミーの進展が、必ずしも課題を解決するとは限らないわけです。だとするならば、もっと考え方を変えてみる手もあるはずです。そもそも、今のクルマの大きさが必要なのでしょうか。ふだん走っている乗用車の平均乗車人員は、1台につき1.3人ないし、それ以下だと言います。

つまり、無駄に5人も6人も乗れるような車体を走らせていることになります。それは無駄な車体重量による燃料の無駄だけでなく、道路のスペースも無駄にしていることになります。下の写真を見れば、いかにクルマが道路のスペースを無駄に使っているか実感するのではないでしょうか。

space in citiesspace in cities

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道路だけではありません。駐車場のスペースも必要になります。違法駐車させないため、都市では一定の割合で駐車場の整備が義務付けられますが、都市全体でみれば、大きな空間の無駄につながります。都市の機能性や魅力などにも影響を与え、経済的な損失でもあります。

クルマが無駄に大きいことで、道路も、都市の空間の使い方も非効率にしているわけです。当然ながら、製造する際の資源も、走行する時のエネルギーも余計にかかります。道路の占有面積が大きくなる点で、渋滞の要因でもあります。渋滞は大きな経済損失ですし、人々の時間も無駄にしています。



そう考えると、クルマをもっと小さく、1人乗りか2人乗り程度にする手もあるのではないでしょうか。もちろん、全面的な移行は簡単ではないでしょうが、それでもメリットは小さくないはずです。クルマのサイズをダウンさせるだけで、空間や資源やエネルギーや時間を効率的に使うことにつながるでしょう。

車体が小さくなれば軽くなるので、場合によっては人力でも済みます。つまり、自転車です。雨で濡れるのが困るということであれば、ベロモービルがあります。電動アシストにすれば、登坂能力などの点でも実用的になります。ペダルをこぎたくない人向けには、フル電動にすることも出来ます。

PODBIKEPODBIKE

PODBIKEPODBIKE

これまでにも、いろいろなベロモービルを取り上げてきましたが、例えば、この“Podbike”などどうでしょう。今年後半か、来年初めにノルウェーで発売される予定になっています。この“Podbike”のメリットは、駐車時に直立するため、駐輪場も省スペースで済むところです。

このサイズのベロモービルならば、道路の占有面積は4分の1、駐車場面積は8分の1ですみます。もし、全面的に置き換えることが出来るならば、今のままで、現在の道路の車線を2倍に出来ます。そのぶん、道路のスペース効率が上がって、渋滞の緩和に役立つに違いありません。

PODBIKEPODBIKE



どうしても都市に向かって交通が集中するので、都市部の渋滞は避けられません。かと言って、道路を拡幅し、駐車場を増設するのは、経済合理性の点で賢明とは言えません。無駄な車室空間を減らし、重量を軽くするという観点、方向性があってもいいのではないでしょうか。

例えば都市の中だけ、通常のクルマの流入を制限し、周辺部で通常のクルマから乗り換えるパークアンドライド方式にすることも考えられます。都市内の道路の車線を今の半分に区切るだけで、スペース効率が上がり、渋滞も大きく改善する可能性があります。

EVや自動運転、カーシェアリングやライドシェアを否定するわけではありません。でも、これらと同時に、クルマを小さくすることは考えられないでしょうか。サイズダウンはあらゆる面で大きな効果をもたらします。技術の進歩が、知らぬ間に余分なものも増やしているとしたら、無駄を削るという観点もあっていいと思います。




スノーボードやスピードスケート、複合でもメダル獲得、フィギュアの羽生選手のフリーにも期待が高まりますね。


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