August 07, 2018

製品化しようと思わない製品

世の中には不便なことがたくさんあります。


ふだんの生活の中で、不便だったり、不満があったり、不自由さを感じていて、何とかならないものだろうかと思っていることは少なくないのではないでしょうか。もう慣れてしまって、忘れてしまっているけれど、あらためて考えると、やはり不満を感じることがあるかも知れません。

自転車についても、不便や不満、不自由なことがあると思います。自転車はクルマなどと違ってパワーが限られるぶん、余計な装備はつけられません。必要最低限のフレームやパーツ、限られた機能、用途ということにならざるを得ません。多くを兼ね備えたり、全て満足させるのが困難なのは仕方ありません。

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ただ、ちょっとした工夫で、不便さが解消されることもあります。誰でも多かれ少なかれ、工夫をすることがあるでしょう。なかには画期的なアイディアを思いつく人もいます。ときには、それが商品化され、広く使われるようになって、人々の不便を軽減させることもあります。

近年は、クラウドファンディングが広く認知されるようになってきました。個人やスタートアップ企業が斬新なアイディア一つで、資金調達をしたり、世界に向けて販売したり出来ます。評価されれば製品を売り出すことが可能です。アイディアを実現しやすい時代になったと言えるでしょう。

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このブログでも、たくさんの案件の中から、自転車関連の優れたアイディアをたくさん取り上げてきました。目からウロコの発想、はたと膝を打つユニークさ、斬新さ、その手があったかと意表を突かれるものなど、感心するものも少なくありません。

もちろん、ここでは取り上げきれないほどの無数のアイディアが世界中で生まれているわけですが、その多くは人々の共感や評価を得ることなく、資金調達にも失敗することになります。アイディアの秀逸さと、資金調達の成否は、必ずしもイコールではないものの、ある程度比例すると思います。

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最近、逆の意味で驚いたアイディアがあります。あくまでも私の個人的な意見であり、感じ方に過ぎないのですが、これが資金調達に成功するとは思いもよらなかったものが、実際には成功しています。それは、先月末で成功裡に終了した、“carryyygum”というアイテムです。

自転車用の簡易ラックです。ハンドルバーとステムが交差する部分にバンジーコードを使って荷物を固定するというアイディアです。よくある、ありふれたゴムのヒモ、バンジーコードと、それを固定する留め具だけというシンプルな構成です。

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ママチャリのような前カゴがついていない自転車で、ちょっとした手荷物をはさんで運ぶのに使うアイテムです。たしかに便利と言えないこともありません。イザという時、役に立つこともあるでしょう。前カゴのように邪魔になりませんし、必要な時だけ使えて、外してもコンパクトです。

評価は分かれると思いますが、正直に言って、私はこれが提案されていることに驚きました。ありふれたアイディアというか、誰でも思いつく工夫でしょう。私は実際に、市販のバンジーコードを使って、ハンドルバーとステムのところに荷物を固定して運んだことがあります。

◇ 市販のバンジーコードの例 ◇

荷台用ゴムひもフック付自転車用ネット

リング付きバンジーコード
リング付きバンジーコード


専用に留め具がついているだけ便利と言えば便利ですが、とくに目新しさはなく、こう言っては作者に悪いですが、これが日本の百円ショップで売られていても驚きません。決して、作者を貶すつもりはないのですが、普通のバンジーコードで十分に代用できそうですし、これが評価されるとは正直思いませんでした。

私も前カゴや荷台のついた自転車は持っていないので、まさしく、このアイテムのようにして軽い荷物を運んだ経験があります。でも、それは緊急避難です。想定外の荷物を運ぶ必要があったため、そうしましたが、安定的に運べたとは言えませんでした。アクセサリーなどが邪魔になる人も多いでしょう。

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おそらく、この“carryyygum”も似たようなものでしょう。イザという時の緊急避難的な用途にはいいと思いますが、モノによっては安定しにくいですし、段差などの衝撃があれば落ちそうです。常に使うのでなければ、これで十分な人もいると思いますが、それほど上手い運び方、いいアイディアだとは、個人的には思えません。

あくまでも、この作者を貶したいのではなく、意外だっただけです。もしかしたら、私の感じ方が少数派ということになるのかも知れませんが、ちょっとした驚きでした。ここで感じたのは、誰にも思い込みがあり、これは評価されないだろうと思ったものでも、案外評価されるのかも知れないということです。



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たまたま似たようなことをやっていたからかも知れません。しかし、考えてみると、自分にとっては当たり前の工夫で、クラウドファンディングサイトで商品化を考えるようなものとは思いもよらなかったことが、やってみたら世間に評価されるということもあるのかも知れません。

自分ではスゴいアイディアだと思って自信満々で提案したものが、全くウケないこともあるでしょう。でも、その逆もありえます。ただ、逆の場合は、普通はクラウドファンディングサイトで提案してみようなどとは思わないでしょう。製品化したいとも考えないに違いありません。

ふだん、自分で不便に感じていることで、何か工夫していることはないでしょうか。自分では、特に上手い工夫、いいアイディアだと思っていないことでも、もしかしたら高く評価されるかも知れません。そんな工夫、アイディアは、人々の間にまだまだ埋もれているかも知れません。




ボクシング連盟の問題は、黒い交際に奈良判定、名誉職でないのに終身会長、怪しさ満載なのがスゴイですね。

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