September 12, 2018

自然を意識するようになる旅

自転車に乗り始めると気づくことがあります。


いろいろあると思いますが、汗を流す気持ちよさだったり、自転車でも意外に遠くへ行けることだったり、クルマと違って、直に風を感じて走る楽しさだったり、身近な自然の美しさに気がついたりすると思います。ツーリングの楽しさに目覚める人もあるでしょう。

最初は、近所で満足していた人でも、脚力がつくにつれて走行距離が伸び、もっと遠くへ行きたいと考えるようになるかも知れません。なかには、日帰りではなく、自転車で行く泊りがけの旅行を計画するようになる人もあるのではないでしょうか。

Climate RideClimate Ride

ただ、自分で計画してもいいのですが、最初は、知らない場所を走るのに不安があったり、どれくらいの行程を走れるのか見通せなかったりします。そんな場合、何かのサイクリングツアーや、ライドイベントに参加するという手もあります。適切な日程と宿泊場所を手配してくれるものは便利でもあります。

なかには、個人では計画できないような企画が盛り込まれていたり、知る人ぞ知るコースだったり、思いがけない体験が出来たりするものもあります。アメリカに、サイクリストに人気のライドイベントを主催する団体があります。その名も、“Climate Ride”という団体です。

Climate RideClimate Ride

アメリカ合衆国の内国歳入法の、第501条C項の規定を満たす、いわゆる501(C)団体として課税を免除される非営利団体です。その名の通り、近年の気候変動を憂慮し、持続可能な社会を構築していくため、人々にそのための行動を促すための活動などを行っています。

この“Climate Ride”の主催するライドツアーは、特徴的です。世界最高気温を記録する暑さで有名なデスバレー国立公園を走破するツアーだとか、アイスランドの氷河を訪れるツアー、ブータンやヒマラヤの王国を探検するライドなど、聞くだけでも魅力的なツアーを多数催行しています。

Climate RideClimate Ride

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参加した人の感想は、想像以上の感動だったとか、素晴らしい景色の中を大勢のサイクリストと共に走れて一生の思い出になったとか、人生で最高の経験だったといった感激の言葉であふれています。人生が変わったと書いている人も多く、相当にインパクトのあるツアーだったことが伺えます。

自転車に乗るようになって、自然の中を走り、その素晴らしさや、自然を守ることの大切さを改めて感じる人も多いでしょう。もちろん、環境負荷を減らしたいから自転車に乗る人も少なくないと思います。サイクリストと、環境負荷を減らしたり、気候変動の拡大を抑えるというテーマとの親和性は高いと言えるでしょう。

Climate RideClimate Ride

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“Climate Ride”は、こうしたライドツアーの参加費から必要な経費を差し引いた残りを、あらかじめ設定して募金という形で集めます。非営利なので団体の収益はありませんが、残ったお金を全額寄付にあてているのです。ツアー参加者も、そのことを理解した上で参加します。

寄付する先は、ツアー参加者が選べます。温暖化ガスの削減など、気候変動を抑える活動をする団体、クリーンエネルギーの普及を進める団体、環境負荷を減らすため自転車の活用を推進する団体、サイクリストの保護に取り組む団体といった非営利団体が並んでいます。

Climate RideClimate Ride

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こうした資金提供によって、気候変動を抑え、環境負荷を減らし、人類の生存の脅威を減らす活動を支援しようというのです。このツアーイベントの開催そのものも、広く参加者を募ることによって、人々に環境のことを考え、積極的な行動を促す効果があるのも見逃せません。

珍しい場所へツーリングするのが目的で参加した人も、自然の美しさに触れ、その脆さや貴重さを感じたりすることでしょう。意識の高いサイクリストの仲間と知り合い、触発される部分があるかも知れません。まさに気候変動のことを意識するようになるのが、“Climate Ride”なのです。

Climate RideClimate Ride

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アメリカを中心としたメディアでも取り上げられ、環境保護への関心を高め、エネルギーや交通など、身近なことを考えなおすきっかけを提供する形になっています。発足して10年ですが、すでに500万ドル以上の資金を環境保護団体などに提供しています。

アメリカでは、トランプ大統領がパリ協定からの離脱を表明しました。トランプ政権は、世界が進める再生可能エネルギーへのシフトに逆行するような政策を打ち出しています。最近も、気候変動サミットの開催を国連事務総長が発表しましたが、アメリカ政府の協力は期待出来ません。

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しかしながら、アメリカと言っても連邦政府ばかりではありません。州政府や企業は、連邦政府の方針に反して、温暖化ガス削減の方向に動き始めています。アメリカ国民の中にも、トランプ政権の政策を批難し、持続可能な社会の実現に向けて積極的に行動している人は少なくありません。

サイクリストの意識の高い行動に加えて、このような形で資金を集め、環境保護団体の活動を支援するというのは、なかなか有効な方法ではないでしょうか。サイクリストが近所から遠くへ、走行する範囲を広げていくことは、自然や環境についても広い視野を獲得していくことなのかも知れません。




今度はウェイトリフティングにもパワハラとの報道です。この際、全種目を調査してもいいのではないでしょうか。

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