その起源については諸説あるものの、一般的にドイツのカール・フォン・ドライス伯爵によるドライジーネが、実際に製作されたことが確認できる自転車の最初と言われています。1813年のことという記録が残っているので、2百年も前のことになります。
その時代から、さまざまな形で進化してきました。近年も、その基本的なスタイルこそ変わらないものの、電動アシスト機構や、IT技術を取り入れたパーツなど、さまざまな進化・改良が続いています。細かい部分でも、ちょっとした工夫、いろいろなアイディアを考え出す人は少なくありません。
昔も今も、出先での急なパンクは避けたいトラブルですが、まま起きます。修理をするか、チューブの交換などをするしかありません。遠出の際は、必要な消耗品や道具を携行している人も多いでしょう。一般的なタイヤの場合、修理道具に加えて、タイヤに空気を入れるためのポンプ、インフレーターも必要になります。
CO2のボンベを使っている人もあると思いますが、何らかの理由で再度空気を入れる場合に備えて、携帯型のハンドポンプを携行する人も多いでしょう。最近は小型でかさばらないものもあります。ジャージのポケットやサドルバッグなどに入れておくのに便利です。
ただ、実際に使う段になると、小さいぶんストロークの回数は多いですし、必要な圧を満たすためには相応の力も必要です。携帯用ポンプで空気を入れるのは、けっこう疲れる作業です。それでもイザという時だけのことですし、仕方ないところでしょう。大きなものを持ち歩くのは現実的ではありません。
こちらは、
携帯用のフットポンプです。やはりコンパクトですが、手を使うハンドポンプとは違って、足で踏めばいいので、圧倒的にラクに空気が入れられます。フットポンプは大きいものという先入観があるためか、なるほど上手いアイディアに思えます。これはなかなか役に立つアイテムかも知れません。
ダウンチューブなどに取り付けておいても邪魔にならない大きさです。MTBのダウンチューブに取り付け、悪路走行するような場合でも、泥がシリンダに入って損傷しないよう、フィルタが取り付けられています。携行状態では、内部に修理用パッチやバルブなどをを入れておくことも出来ます。
こちらは、
ヘルメットが収納できるバッグ付きのチェーンロックです。どこかに駐輪した場合、袋状になった部分にヘルメットを入れ、そのまま施錠出来ます。つまり、わざわざヘルメットを持ち歩く必要がなくなるわけです。ちょっとした工夫ですが、これで便利になるという人もあるに違いありません。
袋状になっている部分は、防水加工されているだけでなく、刃物で切れない素材が層になっているため、ナイフなどで切られて、ヘルメットが盗まれることを防ぎます。もちろん、施錠した状態では開口部は開けられないようになっています。ちょっとしたアイディアですが、ユニークな工夫です。
こちらは、手持ちの各種
ヘルメットに取り付けられる、ヘッドマウントディスプレーです。透過型なので、前方の視界を遮ることなく、必要な情報を表示させることが出来ます。例えば、ナビの画面を表示させれば、いちいち手元のスマートフォンを見る必要がないぶん、ラクで安全です。
あまり煩雑な画面を表示させると確認しづらいですが、専用アプリ以外のアプリの画面を表示させることも可能です。必要な情報表示だけでなく、電話やSNSなどの着信も確認できます。オートバイ用など、さまざまなタイプのヘルメットに装着することが可能です。
別途、リアビューカメラを接続すれば、バックミラーの役割も果たしますし、自分でイヤフォンやマイクを用意すれば、走行しながら電話に出るようなことも可能になります。ただ、安全のため、操作は停止して行うことが推奨されています。視線をそらさずに着信がわかるだけでも便利でしょう。
あまり表示を注視したりすると、前方不注意になったり、危険に気づくのが遅れるなどの問題はあります。ただ、ハンドルバーにマウントされたスマホを、いちいち見るよりはマシです。最近多い、スマホを手に持って使いながらの走行を回避させるという点では、安全性を高めると言えるでしょう。
こちらは
新開発のサドルです。スポーツバイクのサドルは小さくて硬いので、初心者を中心にお尻が痛くなることに悩む人は少なくありません。あまりサドルが大きいと、ペダルを回す足の動きを邪魔したり、足の力が伝わりにくくなったりするので、仕方ありません。
体重が小さな部分に集中することが痛みにつながるわけですが、座骨を安定して支えるような幅広のサドルは邪魔になります。そこで、サドルを3分割し、座骨が当たる部分は可変式になっています。これなら分散して体重を支えつつ、足の動きを邪魔しにくいというわけです。
サドルの形は、人によって合う合わないがありますので、使ってみないことには何とも言えませんが、なるほど一つの考え方ではあるでしょう。サドルを分割する点、しかも動くようにするというのは、今までになかったアイディアではないでしょうか。
こちらは、オーソドックスな
小径のフォールディングバイクです。一見そうは見えませんが、ただの折りたたみ自転車ではなく、電動アシスト付きです。最近は、バッテリーをフレームのチューブの中に収納し、電動アシストに見えないタイプが人気となっているようです。
しかし、こちらはフレームのチューブではなく、シートポスト部分にバッテリーが収納されています。このことで、シートポストを抜いて持ち運んで充電することが出来るわけです。フォールディングバイクですから、そのまま部屋に持ち込めばいいわけですが、わざわざ持って上がるのが面倒なこともあります。
そんな場合でも、サドル部分さえ持って行けば充電が可能というのは便利でしょう。内蔵バッテリーからUSB経由で、スマホなどを充電することも出来るため、災害で停電した時の備えにもなります。USBポートには走行時、直接リアライトを取り付けることも出来ます。
フレームはカーボンファイバー製なので軽くて丈夫、全てのパーツはクイックリリースで交換やアップグレードが簡単、ベルトドライブのオプションもあります。そのほか、さまざまな工夫が凝らされています。一つひとつは小さなことですが、使い勝手をよくする工夫が施されています。
最近、目にしたアイディアをまとめて取り上げてみましたが、いろいろなことを考える人がいるものです。これらの工夫が普及し、定番となっていくかはわかりません。しかし、こうした絶え間のない試行錯誤や改良のチャレンジの積み重ねこそが、さらに百年先、二百年先の未来に向け、自転車を進化させていくに違いありません。
気温も下がり、自転車で出かけるには、いい陽気になってきました。秋の長雨でなく秋晴れが欲しいところです。
Posted by cycleroad at 13:00│
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