妊娠がわかってから出産に向けては、いろいろな準備が必要になるでしょう。初めての場合は特に、よくわからないことも多く、何かと懸念が出て来るかも知れません。衣類やおむつ、ベビーベッドなど、いろいろなベビー用品も揃えておく必要が出てきます。
出産後すぐではなくても、いずれ赤ちゃんを乗せる道具も必要になるでしょう。ベビーカー、ベビーバギー、ストローラー、乳母車、呼び方やタイプはいろいろありますが、子供を連れて外に出るようになれば、抱っこひもや、おんぶひもだけでなく、何かしらの器具を使う人が多いはずです。
どんなタイプを買うか検討し、どこから買うか考えると思います。親戚や友人など、不要になった人から譲ってもらえることもあるかも知れません。最近はフリマやネットオークション、リサイクルショップなどもあります。ただ、ベビーバギーの種類や入手方法は考えても、その後のことは、なかなか考えないと思います。
その後というのは、赤ちゃんが成長し、歩き始めた後です。おそらく、幼児用の3輪車に乗る場合も多いでしょう。さらにその後、幼児用の自転車に乗ることになると思われます。もしかしたら、その間に、自転車練習用を兼ねて、幼児用のキックバイクを与えたりするかも知れません。
つまり、赤ん坊から幼児となって、自転車に乗るようになるまで、ベビーカーから始まって、たくさんの乗り物に乗り換えることになります。子供の成長は喜ばしいことですが、短い間に次々と買い替えなければならない親の金銭的な負担はばかになりません。
そこを工夫しようと考えた人たちがいます。イスラエルのホロンを本拠とする、Victor Kremer さんらのグループです。“
Monkeycycle”と名付けられた、
8-in-1 Bike を開発しました。幼児用の3輪車からキックバイク (バランスバイク)、ペダルバイク、トライクから4輪バイクまで、8種類の乗り物に組み替えることが出来ます。
同様の製品は今までもありましたが、特筆すべきは、ストローラーにもなるというところでしょうか。つまりベビーバギー、ベビーカーとしても使えるのです。これによって、赤ん坊から自転車に乗るようになるまで、長い期間にわたって、子供の移動を一台でまかなうことが出来ます。
続けて子供が生まれれば別ですが、子供が成長すれば、当然ながらストローラーは不要になり、幼児用の3輪車に、いわば買い替えなくてはなりません。しかし、あらかじめストローラー、ベビーバギーを買う段階で、これを選んでおけば、買い替えなくて済むわけです。
幼児用の3輪車から、幼児用の自転車へと乗り換える際にも、モジュールを組み替えるだけです。最近は、自転車に乗る練習のため、キックバイク (バランスバイク)を使うと習得が速くなることが知られています。2タイプのキックバイクにも変えられますので、練習もスムーズに行えます。
そのままペダルやギヤをつければ幼児用の自転車になります。さらにアレンジを変えて、ペダル付きのトライク、4輪車にも変えられますので、子供は喜ぶに違いありません。モジュールの組み換えは簡単で、素人でも数分で出来るようになっています。
幼児の小さい手でも握りやすいブレーキだとか、チェーンではなくベルトドライブを採用するとか、子供の安全にも配慮されています。もちろんサドルの高さも調整出来ますし、軽量なマグネシウムホイール、シールドされたベアリング、人間工学に基づいたサドルなど、乗りやすさも考えられています。
さらに便利なことに、ストローラーとして利用する時のシート部は、そのまま親が乗る自転車に取り付けることが出来ます。自転車用のチャイルドシートにもなるわけです。これは、なかなか考えられた製品です。これからベビーバギーを買おうと考える親たちには、嬉しい仕様ではないでしょうか。
大人になるに従って、自転車や原付バイク、オートバイ、クルマなど、乗り物を乗り換える人は多いでしょう。しかし、考えてみれば、成長の速さもあって、赤ん坊から幼児の頃は、親の自転車のチャイルドシートも含め、一番乗り換えが頻繁な時期と言えるかも知れません。そこを一台で兼用するのは、賢い選択と言えそうです。
この“Monkeycycle”、現在
クラウドファンディングサイトで資金調達をしています。締め切りまで8日を残して、すでに目標額2万5千ドルの3倍以上に達しており、多くの人から支持を得ています。11月14日に開始されて、目標額に即日到達するという評価の高さです。
親にとって、とてもありがたいアイディアだと多くの人が認めたのでしょう。サイトから、必要とする形態にあわせ、モジュール、オプションを選んで購入することも出来ます。最小キットならば199USドルとリーズナブルです。世界各国への配送に対応しており、出荷は2019年の3月となっています。
この手のキットは、これまでにもありましたが、ストローラーやチャイルドシートまでと、より工夫され、考えられた製品になっていると思います。数種類の用途を一つで済ます、一台何役という製品は他の分野でも少なくないですが、案外、さらに用途を増やす余地はあるのかも知れません。
山手線新駅の名称は「高輪ケートウェイ」に決まったそうです。わざわざ駅名を一般公募しながら、結果として投票数が130位の案にするなら、募集する意味はあるのでしょうか。長いし、1位の「高輪」でいいような気がします。
Posted by cycleroad at 13:00│
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