March 11, 2019

好ましいスタイルであり流儀

IMG_3810自転車に対するイメージはいろいろです。


人それぞれですが、自転車に乗る環境や使われ方が、そのイメージに影響している面はあるでしょう。一概に決めつけるのは無理がありますが、一般的に言って日本における自転車のイメージと、例えばアメリカにおけるそれとは、明らかに違いがあるように感じられます。

日本では、自転車と言うとママチャリのことだと思っている人が大多数です。実際に自転車市場ではママチャリが圧倒的なシェアを占めます。ママチャリは汎用性があって便利な面もあり、それを否定するつもりはありませんが、ママチャリに偏っているのは確かでしょう。

特に近年は、中国から輸入された格安なママチャリが市場を席捲しており、ホームセンターや大型スーパーなどで大量に売られています。駅前やスーパーの駐輪場などへ行くと、ほとんど同じ形の銀色のママチャリがあふれているのは、みな地域の量販店で買うからなのでしょう。

日本では、その独特の交通環境のため、ママチャリで歩道を走る人が圧倒的に多くなっています。歩道で歩行者を縫って走れば、スピードは出せません。それでママチャリは歩道走行向けに車体が重く、タイヤは太く、足つき性がよくなっています。一方で、遅いだけでなく、乗車姿勢的にも長い距離を乗るのに適していません。

多くの人にとって、最寄り駅や買い物など近所へのアシに過ぎません。結果として、ママチャリと言うと、その言い方も含め、少し馬鹿にしたような感じ、下に見るニュアンスがあるのは否めないと思います。あまりカッコいい移動手段とは見られず、女子供の乗るものと位置付ける人もいます。

これが、例えばアメリカ、それもニューヨークあたりに行くと違ってきます。自転車はむしろクールな乗り物であり、自転車で移動する人はカッコいいと見られる傾向があります。近年のトレンドということもありますが、自転車に乗るのはライフスタイルであり、自転車はファッションの一部と捉えられています。

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そのことが感じられるのが、ニューヨーク在住の写真家、Sam Polcer さんのサイトです。もちろん、彼もサイクリストです。彼は、ニューヨークに来て自転車に夢中になったと語っています。言うまでもなく大都会のニューヨークですが、実は意外と自転車に乗りやすい街なのです。

タクシーやトラックなどが行きかい、交通量が多いので、危険な面が無いとは言いません。混然としていて、例えばコペンハーゲンのような自転車にフレンドリーな街とは趣が違います。しかし、大通りには自転車レーンも多く、専用道で高速に移動できるところもあり、インフラ整備が進んでいます。

多少の高低差はあるものの、地形的にも走りやすいですし、何と言っても渋滞を回避出来ます。タクシーや地下鉄を使うより速くで便利です。私もニューヨークで何度も自転車で走ったことがあるので、ニューヨーカーが自転車を選ぶ気持ちはよくわかります。

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クルマでは行かれないような場所も探索出来ますし、クルマと違って空いている駐車場を探す煩わしさもありません。街の空気を感じながらニューヨークを行き来できる自由さも魅力です。移動のコストが安く、クルマと違って環境負荷が小さいのも気分的なアドバンテージでしょう。

すっかり自転車好きになった写真家の、Sam Polcer さんは、自転車に乗るニューヨーカーの写真を撮ってサイトに載せています。その名も、“Preferred Mode New York Bike Style”です。あえて自転車を選ぶスタイルが好ましく、望ましい流儀でもあるとの主張が感じられます。本にもなりました。

よく言われるようにアメリカ、特にニューヨークは人種のるつぼで、さまざまな人が集まっているため、多様なサイクリストがいるのは確かでしょう。でも、それぞれのスタイルに主張があって、どの人も、どこかクールで、カッコよく見えるのは私だけでしょうか。

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乗っている自転車もさまざまです。シティサイクルばかりではありません。スポーツバイクにしても、それぞれ個性的です。日本では、スポーツバイクのブランドはいろいろですが、売られているまま、スタンダードな状態で乗っている人が大多数だと思います。

ニューヨークでは、ロードバイクばかりではなく、種類もいろいろです。デザインの方向性もさまざまですし、カスタムしてオリジナルなものにしている人も少なくありません。自転車好きが、ファッションとして、ライフスタイルとして乗っている人の多いのが伝わってきます。

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日本でも、自転車に乗る人の数だけなら自転車大国ですが、自転車に乗る生活が必ずしも好ましいスタイルとか、クールなファッションと見る人は多くありません。今の日本の自転車環境では仕方ない部分もありますが、諸外国と比べて、自転車が“Preferred Mode”になっていないのが残念です。

その便利さ、速さ、ファッション性、そして自転車を使うというスタイルのクールさが、日本人にも広く認識されるようになるといいなと思います。そのためには、やはり、もっと自転車本来のポテンシャルが理解され、それが活かせる環境、インフラの整備が必要ということになりそうです。




東日本大震災から8年経ちました。防災や避難など、教訓を生かすことを考え続けていかなければなりませんね。


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