March 17, 2019

自転車を乗りやすくする手段

人工知能の利用が広がっています。


身近なところでは、スマホの“Siri”や“Google アシスタント”、Youtubeの「あなたにおすすめの動画」を表示する機能などにもAI、人工知能が使われています。AIスピーカーや、一部のロボット玩具やスマート家電などにも搭載され、家庭の中にも入り始めています。

お客様の問い合わせに対応するチャットにAIを使い、実用的な対応で顧客満足度をアップさせながら人手不足を補っているのも一例です。クレジットカードの膨大な利用データの中から、不正利用の可能性を見つけ出したり、病院で行った検査データから画像診断で病気を見つけ出すといった利用も始まっています。

繁閑に応じ、AIを使ってホテルやテーマパークの価格設定を変えるシステムも出てきました。企業はビッグデータを解析して売り上げアップや業務効率化を図っています。AIが監視カメラの画像診断することで万引きを発見したり、レジが不要な無人コンビニなども開発されています。

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比較的簡単なものから高度なものまで、すでに、さまざまな方面で使われ始めている人工知能ですが、自転車にも活用事例が出てきました。これまで取り上げたのは、AIスピーカーのような機能によって、自転車に乗りながら、画面を注視したり手を使わず操作できるというものが中心でした。

フランスはマルセイユに住む、Christophe Sauvan さんらのチームが開発した、“iWEECH”は、さらに本格的に人工知能を活用します。この“iWEECH”は、基本的に街乗り向けの電動アシスト自転車ですが、世界で最も賢い自転車という触れ込みです。

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電動アシスト自転車は、坂などでアシスト力が働き、ラクなのがメリットです。しかし、搭載するバッテリーの容量によって、アシストの効く航続距離が限られるのがネックです。充電残量が少なかったりすると、アシストが欲しい肝心な場面でバッテリー切れとなり、ただの重い自転車となりかねません。

“iWEECH”は、こうした残念なことにならないようにします。バッテリーの残量を把握し、適切な配分にすることで、電動アシスト自転車の長所を最大限に発揮できるようにするために、人工知能を使っているのです。人工知能は機械学習によって、それを実現します。

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AIは、その“iWEECH”に乗る利用者の毎回の走行履歴を分析し、その傾向を学習します。その蓄積によって、自転車が走り始めた時、過去のデータから、どこへ行くのか、どのようなルートを通るのか予測します。その目的地とルート、距離から逆算して、バッテリーの残量を勘案した最適なアシスト配分を行うのです。

必要に応じて、ルートの高低差やその日の天候、そのほか必要なデータをネット経由で取得します。バッテリーの残量が心許ない場合は、より必要な場所でアシスト力を高めたり、それほど急ではない坂ではアシスト力を減らすなど、バッテリーの使い方を最適化するわけです。

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日にち、曜日、時間、予測ルート、交通状況、天候、風速、気温、地理的・地形的な状況から、タイヤの空気圧、スピード、ユーザーの乗り方など分析されたプロフィールに至るまで、数多くのパラメータを統合して判断します。仮に同じ区間を移動する場合でも、人によってアシストレベルが変わってくることがあるわけです。

もちろん、バッテリーに余裕があれば、なるべくラクに走行できるようアシストしてくれます。こうした計算と配分は、AIが全て行います。人間は全く気にする必要はありません。あらかじめ目的地やルートを入力したり、道路や気象データなどをダウンロードしたりする必要はありません。





全て自動でAIが行います。人間は乗る時にメインのスイッチをオンにするだけ、後はおまかせです。ただ乗るだけで、“iWEECH”が全ての面倒を見てくれます。そして、学習してどんどん賢くなっていくので、使うにつれて乗りやすくなっていくことになります。

休日に、あちこち遠くへツーリングするような使い方には向いていません。そもそも、一日に長い距離を走るような人は、航続距離の点から電動アシストは使わないでしょう。一方、普段の生活の中で街乗りに使う場合、行く場所が決まってくることも多いはずです。よく行く場所に合わせて最適化されれば便利になりそうです。

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そのほか、盗難防止のためのモーションセンサーを利用した警報装置や、持ち主のスマホへの通報機能、もし盗まれてしまった際に、現在の位置をGPSを使って特定するトラッキング機能なども搭載しています。ライトは自動点灯です。スマホと連動させ、各種の状況やデータを確認することも出来ます。

AIだけでなく、街乗りで快適に使うための仕様となっています。ベルトドライブを採用することで、チェーンのトラブルを排除し、メンテナンスをラクにしています。ディスクブレーキを採用し、泥はねを防ぐフェンダーや、荷物を載せるためのフロントバスケットなども装備されています。

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ワンタッチでステムが回転するシステムや、ペダルが跳ね上げられるようになっているなど、駐輪や保管もしやすいよう配慮されています。重さは18キロと、電動アシスト自転車としては軽いので、街中で階段などを持ち上げる必要がある時でも、比較的ラクでしょう。

ちなみに、スマホのアプリと連動させると便利ですが、全く使わなくても機能します。必ずしも携帯電話を持って乗る必要はありません。現在、クラウドファンディングサイトで資金調達を目指していますが、すでに目標金額の3倍以上を達成しており、多くの支持を集めています。

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なるほど、これは人工知能による、街乗り用自転車の進化形と言えそうです。AIが普及していく中、自転車もAIで使いやすくするのは合理的で、必然的な流れと言えるでしょう。電源のない普通の自転車はともかく、電動アシスト自転車においては、AIの搭載は当たり前になっていくのかも知れません。




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