平成が幕を閉じようとしています。
幼児同乗の自転車注意=続く事故、転倒の危険大−消費者庁
4月に入り、保育園などへの送迎で幼児を自転車に同乗させる機会が増えるとして、消費者庁は転倒などに注意を呼び掛けている。幼児用座席の装着によって車体が重くなる上、幼児が動いてバランスが崩れやすくなるためだ。同庁は、ヘルメットやシートベルトの着用とともに、慎重な走行を求めている。
消費者庁などによると、保護者らの自転車に同乗中の事故で負傷した幼児は、2007年は1804人で、以降は減少傾向が続いていた。16年には792人になったが、17年には840人と増加に転じた。11、13年には幼児2人がそれぞれ亡くなるなど、深刻な事故も後を絶たないのが現状という。
さらに、普及が進む電動アシスト自転車では、通常の自転車に比べ急に加速するため、転倒や衝突が起きやすいとの指摘がある。消費者安全調査委員会(消費者事故調)は、幼児同乗での事故が続いているとして原因などを調べている。
消費者庁は、事故対策として(1)ヘルメットなどを必ず着用させる(2)停車中でも、幼児を乗せたまま自転車から離れたり、目を離したりしない(3)同乗者が2人の場合は、安定度が高い後部から乗せて前部から降ろす−ことなどを挙げている。(2019年04月20日 時事通信)
バーレーが自転車用ベビーカーを6種発売 北海道と関東の自転車ショップで試乗会も開催
アメリカの自転車カーゴトレーラーブランド「Burley」(バーレー)が、自転車用ベビーカーの新型モデルを6種発売する。
自転車で牽引する2輪タイプ(自転車牽引時)の車両で、安全・快適に子供を運ぶために細部までこだわった製品だ。また、5月上旬まで北海道と関東3都県の自転車ショップで試乗会を開催する。
充実の6台展開
バーレーはベビーカーの安全基準を提唱した企業の一つで、自転車用ベビーカーのパイオニアとして知られている。
今回発売する自転車用ベビーカーは、全部で6モデル。自転車の後ろ車軸に専用のバーを取り付けて2輪の車両を牽引するタイプだ。車体の重心が低く設定されているため、自転車が転倒しにくい。
また、乗車位置が下がる関係で子供が自ら乗降車できるようになっている。そのため、子供載せ自転車で起こりうる子供の落下や転倒といった不安を払拭している。
また、子供がベビーカー内で快適に過ごせるように本体に撥水加工を施し、UVカットウィンドウや乗り心地の良いタイヤなどを装備している。安全面では堅牢なアルミフレームやを採用。乗車する子供が快適かつ安心して乗れるように設計されている。また、ベビーカーとしても使えるように1輪式の手押しベビーカーキットが付属する。(後略 2019/04/19 サンスポ)
佐川急便など、新型業務用電動アシスト自転車「TRIKE CARGO」を開発
豊田TRIKEと佐川急便は業務用電動アシスト自転車「TRIKE CARGO」を共同開発し、全国10か所の佐川急便の営業所にて3月26日より順次トライアルを開始した。
TRIKE CARGOは、これまで佐川急便が使用していた電動アシスト自転車とは異なり、荷重の影響を直接車体に受けない牽引タイプを採用。積載可能重量を30kgから120kgへ大幅に拡大した。一度に運べる量が増えるため、集配拠点への往復を減らすことで作業効率が高まるほか、集配エリアの拡大も可能となる。
また、2つの前輪が連動して動く「シンクロシステム」を採用。段差での衝撃を和らげる上、斜面では車体を垂直に保ち、急カーブや滑りやすい路面でも安全な走行が可能となり、利用者側の負担も軽減する。さらに、牽引部分には台車を直接積載しワンタッチでロックおよび解除でき、積み替え作業も軽減する。
今回のトライアルは約1か月間実施し、本格導入に向けて安全性や集配業務の効率化を検証。女性や運転免許未保持者といった幅広い人材の活用が期待できるとともに、集配用電動アシスト自転車が広く普及することでCO2を排出しない環境に配慮した輸送が実現する。(2019年3月28日 レスポンス)
「自転車保険」の加入率トップは兵庫県の71.5%、加入が義務化されているかで地域差が
交通事故というと「自動車」のイメージが強いが、「自転車」での事故でも被害者/加害者が生まれる。自転車保険の加入が義務化されている地域とそうでない地域とで加入率に大きな差があることがわかった。
通勤や通学、買い物、レジャーなど、身近で手軽に利用できる自転車だが、自転車事故の加害者に高額な賠償請求を命じる判決も複数出ている。こうした状況から自転車保険への加入を義務化する条例を設ける自治体が増えている。
au損害保険株式会社は全国の男女2万811名を対象に「自転車保険加入状況の全国的な実態調査」を実施し、その結果を4月10日に発表した。調査期間は2018年12月27日から2019年2月11日。
家族も含め、自転車事故に備える保険の加入状況を調べると、「加入している」と「おそらく加入している」を合わせた加入率は56.0%。都道府県別の加入率ランキングで1位になったのは「兵庫県」の71.5%で、以下、「京都府」(69.8%)、「滋賀県」(69.6%)、「大阪府」(67.8%)、「埼玉県」(66.9)が続いた。加入率が低かったのは「島根県」(34.4%)、「富山県」(34.5%)、「沖縄県」(36.5%)など。
自転車事故に備える保険については自治体が加入を義務付けている地域があり、都道府県別で加入率がトップだった兵庫県は、平成27年10月から自転車損害賠償保険などへの加入が義務づけられている。条例によって加入が義務付けられている地域と、義務化されていない地域で加入率を比較すると、義務化地域の加入率が64.3%だったのに対して、非義務化地域の加入率は49.8%で大きな差が見られた。
自転車事故に備える保険に加入するにはさまざまな方法がある。たとえば、日常生活における偶然の事故で、法律上の賠償責任を負った場合に保険金が支払われる「個人賠償責任保険」がその1つで、自動車保険や火災保険などの特約として加入できるほか、クレジットカードに付帯しているケースもある。
個人賠償責任保険の補償範囲は広く、世帯のうち1人が加入すれば家族も補償の対象になるタイプが一般的だ。ただし、家族の範囲にはさまざまな条件があるほか、補償金額やサポートスタッフによる示談交渉の有無については保険によって異なるため、加入時に確認しておきたい。また、個人賠償責任保険は自転車事故で加害者になった場合のリスクには備えることができるものの、被害者になった場合のリスクはカバーされていないので注意が必要だ。
自転車事故で被害者になった時のリスクにも備えたいという場合は、民間の保険会社が提供している自転車保険に加入するといい。必要な補償がパッケージになっており、死亡・後遺障害、入院、通院時も保険金が受け取れ、自転車事故以外でケガを負った場合も補償対象に含まれるプランもある。ただし保険料は補償金額によって異なるほか、示談交渉の有無も加入プランによって異なる。18歳以上74歳以下など、被保険者の年齢が限定されるプランもあるため加入時には注意したい。
そのほかに知っておきたいポイントとしては、自転車安全整備士が点検確認した自転車に貼付される「TSマーク」がある。公益財団法人日本交通管理技術協会のウェブサイトによると、「TSマーク」は自転車安全整備店で自転車の点検整備を行い、安全な「普通自転車」であることを自転車安全整備士が点検確認したときに貼られるるシール(点検整備済証)のこと。
この「TSマーク」には、傷害保険と賠償責任保険、被害者見舞金(赤色TSマークのみ)が付いており(付帯保険)、点検年月日と自転車安全整備士番号が記載された保険有効期間中のTSマーク貼付自転車に搭乗中の人が補償の対象となる。これによって一定の死亡・後遺障害と入院補償が受けられる仕組みになっている。
自転車事故で加害者になってしまうと高額な賠償責任を負う可能性がある。万一に備えて自分が加入している保険の補償内容や不足範囲などをチェックしておくのがよさそうだ。(2019/04/20 マネージン)
1世帯の自転車保有数 滋賀トップ(もっと関西)
大阪は街中に自転車があふれている――。こんな印象を裏付けるデータを探すと、自転車産業振興協会(東京・品川)の都道府県別調査にたどり着いた。予想通り大阪府の1世帯当たりの自転車保有台数(2018年、推計)は1.508台で2位だったが、トップは同1.595台の滋賀県。担当者は「詳しい理由は分からない」と言う。全国一の「自転車県」のナゾに迫った。
県内でも特に自転車の普及に力を入れていると聞いて、守山市を訪ねた。出迎えてくれた地域振興・交通政策課の杉本悠太さん(36)は「住民の自転車利用を促してきたことで、『自転車の街』としてのイメージが定着してきた」と胸を張る。
市は16年度から、市民向けに自転車購入費用を補助する制度を始めた。指定された店舗(19年度は11店)で買うことなどが条件で、高齢者向けの三輪自転車、電動アシスト付き、幼児が同乗できるタイプ、長距離走に適したスポーツ用の4種類が対象。
現在は最大1万5千円を補助する。電動自転車向けの補助は他地域にもあるが、スポーツ用は珍しい。毎年約200〜300件の申請があり、19年度も継続する。
普及が進む背景には地形が関係している。市内は最も高い地点と低い地点の標高差が約22メートルと平たんで、自転車での移動に適している。
自動車やバスに比べて環境に優しい交通手段として活用してもらう狙いもあるが、杉本さんは「『自転車の街』としての認知度を高め、愛好者を呼び込みたい」と力を込める。
補助対象となっているスポーツ自転車専門店「スクアドラ滋賀守山」。専務の草川岳士さん(42)によると、店内は普段から購入を検討したり、メンテナンスに訪れたりする地元客らで活気にあふれる。「店での出会いが縁となり、休日に一緒にツーリングに出かける人も少なくない」と草川さん。地域に根ざす店は自転車の普及を促すだけでなく、住民らが交流を深める場所にもなっている。
取材を進めると、「自転車の街」への取り組みは県レベルでも存在することが分かった。1周約200キロの琵琶湖を自転車で回る「ビワイチ」はその一つ。県随一の観光資源と自転車を連動させて新たな付加価値を付け、県内外から自転車好きを呼び込む狙いだ。
旗振り役は県内のNPOや企業などが09年に設立した「輪の国びわ湖推進協議会」。事務局長の佐々木和之さん(45)によると、ビワイチはもともと、琵琶湖周辺の小中高校生らの間で定着していた。地域に密着した文化を内外に広げようと、県と組んで琵琶湖を周遊するコースを紹介したり、シンポジウムを開催したりしている。
琵琶湖を一周した人には認定証も発行しており、17年は約1800枚に上った。ビワイチに挑戦しようと、近年は全国各地からサイクリストが琵琶湖を訪れているといい、佐々木さんは「自転車の魅力は日常生活からスポーツまで幅広い使い方ができること。今後もビワイチのブランド力を高める工夫を凝らしたい」と意気込む。
琵琶湖のイメージが先行しがちだが、滋賀県は近年、「長寿県」としても注目されている。厚生労働省によると、15年の都道府県別の平均寿命は男性が全国1位、女性は4位。禁煙対策やボランティアの健康推進員を通じた減塩指導など、県ぐるみの長年の取り組みが実を結んだとの指摘もあるが、県健康寿命推進課の担当者は「健康作りの基本は体を適度に動かすこと。自転車は年齢を問わずに使えるので、長寿県を維持していく上でも重要なツールになる」と訴える。
滋賀県の自転車事情を調べて強く感じたのは、平たんな土地や琵琶湖など住民には当たり前の存在の中に新しい価値を見いだし、魅力発信に生かしていること。人口減少など地方を取り巻く環境は厳しいが、全国一の「自転車県」の取り組みは、身近なところにこそ地域振興のヒントが埋もれていると教えてくれた。(2019/4/4 日本経済新聞)
東京の放置自転車、1日2万7000台:30年で10分の1近くに
かつては大きな都市問題だった駅周辺の放置自転車。対策が進み、東京都の放置自転車の数は30年前の約10分の1に減っている。
2000年以降の減少ペースが顕著
東京都の2018年度の調査によると、都内の鉄道駅周辺の放置自転車(※1)は2万7000台余り。前年度より4000台近く減り、過去最少となった。ピークだった1990年の24万3000台から約30年で、10分の1近くまで減ったことになる。(調査は同年10月の昼に都内の区市町村が実施。JRや私鉄、地下鉄約600の駅周辺で、公共の場に放置された自転車の台数を調べた)
区や市による放置自転車のこまめな撤去、公営及び民営の駐輪場・駐車場の増加などの対策が功を奏し、特に2000年以降は減少ペースが軌道に乗った。
収容能力は十分なレベルに
歩行者や緊急車両の通行を妨げる駅前の放置自転車は40年ほど前から、国内の大都市部を中心に長く問題となってきた。東京都のこれまでの調査結果をみると、駅周辺に乗り入れる自転車は、1990年から2000年ごろまでは70万台を超えていたが、その3〜4台に1台は路上に放置されていた。
放置自転車がピークだった1990年、乗り入れ台数約70万4000台に対して54万台しかなかった駐輪場の収容台数は、2018年には92万5000台に。全体の数字だけ見ると、収容能力は十分なレベルにある。
撤去台数は減少も、経費はアップ
各自治体は放置自転車を撤去し、盗難車の場合などは持ち主に引き渡し、その他のものは廃棄処分にしている。撤去台数は年々減っているものの、2017年度は約36万台もの自転車が駅前から撤去され、うち約16万台が処分された。
17年度中に東京都内で自転車駐車場の設置や放置自転車の整理・撤去にかかった費用は、計約181億円に上る。うち駐輪場の設置費(投資的経費)が31.2億円、放置自転車の撤去などにかかる経費(消費的経費)は150.3億円。撤去台数が減っているにも関わらず、この消費的経費は前年度より11億円増加した。
大田区の放置自転車対策担当者(都市基盤管理課)はこれについて、「駅周辺の放置自転車対策には、交通誘導員を常時配置するなど結構なコストがかかる。通勤・通学で自転車を毎日使う人は有料駐輪場を使うようになっているが、電車に乗って出かける買い物客や、駅近くの歓楽街に乗り付ける人などが駐輪マナーを守ってくれないことが多い」と説明する。(2019.04.25 ニッポンドットコム)
「電動自転車通勤」で給料アップ制度、英国企業が導入
英国のロンドンで初めて、電動アシスト自転車で通勤する社員に割増賃金を支払う企業が現れた。ロンドン郊外の自転車メーカー「Gocycle」は、電動自転車で通勤する社員に、1マイル(約1.6キロ)あたり40ペンス(約58円)のボーナスを支払う。
電動ではない従来の自転車で通勤する社員も、1マイルあたり20ペンスを受け取れるという。ロンドンの中心部から約15マイルの位置に社屋を構えるGocycleは、15名の従業員を抱えている。
「都市部の渋滞により大気汚染が悪化し、人々の命を危険にさらしている」とGocycleの創業者でデザイナーのRichard Thorpeは述べた。かつて、自動車メーカーのマクラーレンのデザインエンジニアだったThorpeは、こう話している。
「Gocycleは電動バイクが健康でサステナブルな暮らしを人類にもたらすための、最適なツールであると信じている。当社は企業として今、何が出来るかを考えた結果、社員が通勤にこのツールを用いる場合、ダイレクトな報酬を与えることに決めた」
Thorpeは他の企業や組織に対しても、彼らの動きに追随するよう呼びかけている。また、政府に対しては電動バイクの購入に対し税控除を設けるよう要請している。
「電動バイクを通勤手段にする人にボーナスを払うことは、将来的なコミュニティのコストを削減するための投資だ」とThorpeは先日、オックスフォード大学で開催された、英国初のEバイクサミットの場で話した。
「私は英国政府に対しても、企業が社員の自転車通勤を奨励する行為を金銭的にサポートするよう求めていく。サイクリングは健康を増進し、生産性をあげ、ワークライフバランスの向上にもつながる」とThorpeは続けた。
2002年設立のGocycleの折りたたみ可能な軽量型、電動アシスト自転車のフラッグシップモデル「GX」は3499ポンド(約50万円)で販売されている。英国ではBromptonやHummingbirdらも、Gocycleの競合的位置づけの電動自転車を販売中だ。(2019/04/13 Forbes)